公務員と聞くと、収入安定、将来安泰をイメージする人が多いですよね。
このイメージに憧れを抱き、漠然と公務員になりたいと考えている人が多くいるのではないでしょうか。
しかし、実際のところ皆さんが想像する待遇の良い公務員は競争率が非常に高い職業です。


そうなんだよ。でも、公務員にも色々な種類があって、Fラン大学卒でも可能性は十分にあるんだよ。
なお、Fラン大学という言葉自体、定義が複数あり曖昧ですが、この記事ではもっとも世間一般的な定義である「偏差値50未満の大学や学部」としています。
この記事では、Fラン大学と呼ばれ、決してレベルが高くない大学の人たちが「公務員」を目指すべきなのかを解説していきます。
- 公務員になった場合に見込める収入
- 公務員になった場合の満足度
- 公務員と民間企業の比較
- 公務員を目指すべきかどうかの見極め方
- 公務員試験の概要
では、早速みていきましょう。
Contents
Fラン大学卒が公務員を目指す前に知っておくべき3つの事実

この章では、Fラン大学卒の人が公務員を目指す前に知っておくべき事実をご紹介しておきます。
公務員を目指すとすれば、当然試験対策に多くの時間を費やす必要があるので、その前に公務員の実態を把握しておくべきです。
実態を知らずに公務員になり、「あれ、なんか違う」となってしまってからでは遅いです。
ここではまずFラン大学卒で公務員になった場合の収入や出世の可能性を解説していくので、しっかり確認しておいてくださいね。
Fラン大学卒で公務員になった場合の月収・年収
まず、Fラン大学卒で公務員になった場合の月収・年収を見ていきましょう。
- 国家公務員
月給:基本給+諸手当
年収:月給×12ヶ月+ボーナス
ボーナス:月給×4ヶ月分 - 地方公務員
月給:基本給+諸手当(残業代など)
年収:月給×12ヶ月+ボーナス
ボーナス:(基本給+地域手当)×4ヶ月分

Fラン大学卒で公務員になったら、実際の収入はどれくらいもらえるの?

地域や役職によって給料は大きく変わるんだけど、まずは平均データを見てみよう。
▼国家公務員(行政職俸給表(一))年齢別月給と年収
年齢 | 月給 | ボーナス | 年収 |
---|---|---|---|
20~23歳 | 253,335円 | 1,013,340円 | 4,053,360円 |
24~27歳 | 294,928円 | 1,179,712円 | 4,718,848円 |
28~31歳 | 340,748円 | 1,362,992円 | 5,451,968円 |
32~35歳 | 390,804円 | 1,563,216円 | 6,252,864円 |
36~39歳 | 432,478円 | 1,729,912円 | 6,919,648円 |
40~43歳 | 467,047円 | 1,868,188円 | 7,472,752円 |
44~47歳 | 498,493円 | 1,993,972円 | 7,975,888円 |
48~51歳 | 534,865円 | 2,139,460円 | 8,557,840円 |
52~55歳 | 550,427円 | 2,201,708円 | 8,806,832円 |
56~59歳 | 559,894円 | 2,239,576円 | 8,958,304円 |
参考:人事院「平成30年国家公務員給与等実態調査の結果」
- 20代前半から年収400万円超
- 月給は年齢と比例して増える
- 40代後半で年収800万円以上
▼地方公務員(一般行政職)年齢別月給と年収
年齢 | 月給 | ボーナス | 年収 |
---|---|---|---|
22〜23歳 | 227,396円 | 909,584円 | 3,638,336円 |
24〜27歳 | 265,915円 | 1,063,660円 | 4,254,640円 |
28〜31歳 | 303,943円 | 1,215,772円 | 4,863,088円 |
32〜35歳 | 346,520円 | 1,386,080円 | 5,544,320円 |
36〜39歳 | 390,883円 | 1,563,532円 | 6,254,128円 |
40〜43歳 | 436,078円 | 1,744,312円 | 6,977,248円 |
44〜47歳 | 470,579円 | 1,882,316円 | 7,529,264円 |
48〜51歳 | 494,389円 | 1,977,556円 | 7,910,224円 |
52〜55歳 | 514,952円 | 2,059,808円 | 8,239,232円 |
56〜59歳 | 532,188円 | 2,128,752円 | 8,515,008円 |
参考:総務省「平成29年地方公務員給与の実態」
- 初任給では国家公務員より収入少ない
- 月給は年齢に比例して上がる
- 31歳で年収500万円以上
国家公務員であっても、地方公務員であっても基本的に給料が年齢に比例してアップしていくのが特徴です。
レベルの低い大学からであっても公務員になってしまえば、しっかりとした給料が貰える高待遇の仕事です。


公務員の多くは学歴社会になっている
ただ、公務員の世界は学歴社会になっているので要注意が必要です。
Fラン大学卒でも公務員になればFラン大の肩書きなど関係なくなると思っている人は多いと思いますが、現実は厳しいものです。
実際高卒や短大卒に比べて、公務員職で大学卒が占める割合がものすごく多いのは一目瞭然です。
▼職種別・学歴別の職員構成割合
大学卒 | 短大卒 | 高校卒 | |
---|---|---|---|
一般行政職 | 66.7% | 8.8% | 24.2% |
技能労務職 | 2.3% | 5.9% | 66.1% |
高等(特別支援・専修 ・各種)学校教育職 | 95.3% | 2.3% | 2.4% |
小・中学校(幼稚園)教育職 | 93.4% | 6.6% | 0.0% |
警察職 | 52.2% | 3.8% | 44.0% |
参照:総務省「平成30年地方公務員給与の実態」
しかし、公務員の中にも出世して良い給料を貰える人とそうでない人たちが存在します。
その意味でFラン大学卒の人々には、かなり厳しい現実が待ち受けているのです。
- 一般行政職や警察官での出世は高学歴が圧倒的に有利
- 学校教員は教員採用試験突破が必須
- Fラン大学卒が公務員として出世するのは極めて困難

公務員は全業種の中で仕事満足度ワースト5
多くの人が「公務員になれたら勝ち組だ」というイメージを持っているのは事実で、実際かなり人気の職業と言えます。
しかし、仕事満足度で見たときに、公務員の満足度はお世辞にも高いとは言えません。
▼17業種別の仕事満足度ランキング

引用:PRITIMES「17業種別の仕事満足度ランキング発表!ソーシャルリスニングで遂に真実が判明」
このデータからも分かる通り、公務員の満足度は多くの業界の中で下から4番目となっています。

さらに仕事満足度を細かく分析したものがこちらです。
▼公務員の仕事満足度ヒストグラム

引用:PRITIMES「17業種別の仕事満足度ランキング発表!ソーシャルリスニングで遂に真実が判明」

このデータからは、「可もなく不可もない」と感じている人たちが公務員の中にはすごく多いということです。
これは、公務員になり、仕事から高い満足度を得られる人はほぼいないということです。

Fラン大学で公務員になっても、それで高い満足度が得られる保証は全くありません。
ただでされ仕事満足度の低い職種なので、Fラン大学から努力して公務員を目指してもやりがいを得られない可能性もあります。

仕事満足度を考えると、公務員一直線!ではなく、民間企業と比較してから自分にあっている方を選ぶべきだよ。
Fラン大学卒は公務員よりも民間企業の方が将来性がある3つの理由

公務員は高い満足度が得られる可能性が低いので、民間企業への就職という選択肢を度見直しておくべきです。
民間企業には民間なりの良さがあり、Fラン大学卒業の人たちにとって多くのチャンスが転がっている業界です。

この章では、Fラン大学卒が民間企業に就職することで得られる将来性を解説します!
現在、Fラン大学で公務員を目指している方は、ぜひ一度目を通してみてください。
公務員はビジネススキルが身に付かない
社会に出て、そこから仕事で昇進・昇給を目指すのであれば、「ビジネススキル」が必須です。
しかし、公務員はビジネスに関わる機会が少なく、「ビジネススキル」を身に着けることが難しい職場です。
公務員の仕事は基本的に全て仕組み化されており、自分のスキルや頭を使って仕事を進めていくというケースが少ないのです。
Fラン大学卒に関しては、学歴が良いわけではないので、特に自分自身の価値を高めるために「ビジネススキル」を身につけることはとても有効です。


どの業界でも求められる即戦力になるためには、以下のスキルを習得することが最も手っ取り早いと言えます。
- 営業スキル
- プログラミングスキル
- マーケティングスキル
これらのスキルがあれば、学歴に関係なく他の業界への転職を有利に進められるのが魅力です。
そして、スキルを武器に転職して昇進・昇給を目指していくのならば、公務員よりも民間企業の方が圧倒的に有利です。

実際、Fラン大学卒で公務員になっても、そこから大きく出世する可能性は高くありません。
そこで、民間企業でガッツリスキルを身につけて、転職でキャリアアップしていく方が成功への近道と言えます!


スクールも良いけどお金がかかるから大変だよ。実はもっと良い方法があって、有償インターンシップっていうのがあるんだよ。
リバラボインターンシップであれば、給料をもらいながらスキルを磨くことに集中できます。
- 学歴や職歴に自信のない人向け
- スキル獲得のサポート体制が整っている
- 自分の欲しいビジネススキルを習得できる
- 2年間のインターンを経て転職を目指す
インターンと言っておきながら、成果をあげればどんどん給料が上がっていくシステムを導入しています。
公務員はコツコツ働いても昇給は難しい職業ですが、インターンであれば結果を出せばどんどん昇給します。
▼給料制度

2年間実践の場でスキルを磨けば、インターン終了後より好条件の企業へ就職することが可能です。
実際多くの先輩がインターンを経て、様々な進路に進み活躍しています。
▼先輩の進路

決して公務員になれば安定と考えるのではなく、違った方法でより高いところへジャンプしていく選択肢もあります。
大学のランクではなく、あなたの持っているポテンシャルを評価してくれる世界で前向きにチャレンジしたい方にはぴったりです。
民間企業は副業自由
また、民間企業は副業が自由なのも非常に大きなポイントです。
- 給料以上の収入を得られる
- 失業しても収入がゼロにはならない
- 収入を生み出しながらスキルアップできる
副業には、学歴のマイナスをスキルで埋める、そして収入を生み出すこともできるチャンスがあります。
今の時代「給料」だけを頼りに生きていくのはなんだか心許ないと感じる人たちが増えています。
しかし、民間企業の多くでは副業が認められているのに対し、ほとんどの公務員は副業が認められていません。

民間企業では働きながらサイドビジネスとして副業をする人が多く、その延長で独立企業していく人たちも増えています。
Fラン大学卒だと公務員になっても満足いく給料が貰えることが少ないので、民間企業でスキルを武器に収入を生み出す方法がおすすめです。
公務員は転職しにくい
そして、Fラン大学卒の人が将来的に転職を視野に入れているのであれば、公務員より民間企業に就職すべきです。
昇進・昇給を目指して転職する際に大きな鍵となるのは、以下3つです。
- 学歴
- 持っているスキル
- スキルを役立てた実績
実際、公務員からの転職はできないわけではありませんが、難しくなることは確かです。
その理由として、公務員だと転職に必要なスキルやスキルを役立てた実績を獲得しにくいためです。

公務員って安定しているけど、将来的に転職を考えているなら不安定な仕事になるんだね・・・

公務員に就職して公務員として働いた実績があっても、それが専門スキルとは言えないために転職時には活かしにくいのです。
そうなると残るはFラン大学卒の学歴だけになってしまい、条件の良い企業への転職は非常に難しくなってしまいます。
Fラン大学卒の中で公務員になって損する人・得する人

結局公務員は安定してはいるものの、転職の際に活かしづらいなどデメリットがあることも分かりました。
ここで気になるのが、「結局Fラン大学卒で公務員になるってどうなの?」ということでしょう。

公務員になって損をするか得をするかはその人次第なところがあるため、この章ではどのような人が公務員になるべきなのか、その逆についても解説していきます。
あなたはどちらにあてはまるのか、しっかり考えてみてくださいね!

公務員になって損する人
Fラン大学卒で公務員になってもあまりメリットがなく、むしろ損をしてしまう人の特徴は以下の通りです。
- 副業したい人
- 将来独立企業を考えている人
- 将来の選択肢を広く持っていたい人
- 仕事にやりがいを求める人
- 試験に苦手意識がある人

公務員になって得する人
一方で、Fラン大学卒で公務員になるべき人、つまり公務員になるメリットが大きい人の特徴は以下の通りです。
- 安定した職に就きたい人
- 社会的地位を求める人
- 公務員の仕事の中になりたい職がある人
(警察官、教員、など具体的に)

公務員には3種類ある


それでもやっぱり公務員って色々な魅力があるよなあ・・・

そうだよね。ただ、公務員にも種類があるからまずはそれを確認してから、公務員になるべきかもう一度考えてみよう。
公務員には、大きく分けて3つの種類があります。
- 国際公務員
- 国家公務員
- 地方公務員
では、それぞれの勤務先や細かな職種について解説していきます。
国際公務員
公務員の最高峰と呼ばれ、非常に難易度の高い職種に「国際公務員」があります。
国連やその他国際機関に勤務する国際公務員の仕事は、世界平和や世界の利益向上のために活動
国際公務員の主な勤務先は以下の通りです。
- 国連事務局
- 国連開発企画(UNDP)
- 国連児童基金(UNICEF)
- 世界保健機関(WHO)
- 国際通貨基金(IMF)

想像の通り、国際公務員の応募資格はかなり厳しいことで有名です。
語学堪能、修士号以上の学位必須などが基本となるので、Fラン大学卒が目指す道としては現実的ではありません。
国家公務員
国際公務員とは異なり、Fラン大学卒の人でも目指せる公務員の一つに、「国家公務員」があります。
国の機関に勤務する公務員で、国全体の事業や運営に関わる業務を実施
国家公務員の職種は大きく以下の4つに分けられます。
- 総合職
将来の幹部候補生として中央省庁やその出先機関で働く - 一般職
各府省において、事務処理などの定型的な業務を担当 - 専門職
特定の行政分野に係る専門的な知識を必要とする事務を担う職員
国税専門官
財務専門官
法務省専門職員
労働基準監督官
皇宮護衛官
食品衛生監視員
航空管制官
刑務官
入国警備官
税務職員
航空保安大学生
海上保安大学生
海上保安学生
気象大学校 - 特別職
選挙や議会の決議、任命などの特別な手続きによって選ばれる職
内閣総理大臣
国務大臣
大公使
国会職員
裁判官
裁判所職員
防衛庁職員
地方公務員
また、もう一つFラン大学卒が目指せる公務員として、「地方公務員」があります。
地方公務員は地方自治体に勤務する公務員で、地域密着事業や地域住民サービスなどが主な仕事
地方公務員の仕事にはたくさんの種類があり、ジャンルごとに紹介すると以下の通りとなります。
- 一般行政職
事務処理などの定型的な業務を担当 - 技術職
建築・土木・機会・電子・電気・情報・化学・農学・畜産などの各分野ごとの専門的な仕事を担う職種 - 公安職
国の治安・安全をつかさどる仕事に就く公務員(警察官・消防官) - 資格・免許職
公的な資格や免許が必要な職種で学校の単位や専門的な知識、技術が必要な場合が多い
看護師
栄養士
教員
保育士
司書 - 特別職
選挙や議会の決議、任命などの特別な手続きによって選ばれる職
都道府県知事・副知事
市町村長・副市長村長
議員
行政委員会の委員

公務員って勝手にみんな同じようなイメージがあったけど、実は色々あったんだね。

現実的にFラン大学卒の人が目指せるのは「国家公務員」「地方公務員」の2つで、それには実際試験に合格しないといけないんだ。
Fラン大学卒でも受験できる国家公務員試験
ここでは、Fラン大学卒が受験できる公務員試験の解説をします。
まずは、国家公務員試験を目指す場合にクリアすべき試験をお伝えします。
国家公務員試験は3種類に分類され、受ける試験によって、就ける職種が変わります。
- 一般職
5つの採用区分(事務と技術、農業、農業土木、林業)があり、合格すれば事務処理などの業務に従事することになります。 - 専門職
合格すれば入国警備官・刑務官・税務職員・海上保安大学校学生など専門的な知識を必要とする業務に従事することになります。 - その他
衆議院事務局職員・参議院事務局職員・裁判所職員などの試験も受験することができます。
実際、国家公務員試験は難易度の高い試験で、他の受験生には偏差値の高い大学卒の人が多くいます。
Fラン大学卒で国家公務員を目指す場合には、しっかり時間をかけて猛勉強をする必要があると覚悟した上で挑みましょう。

Fラン大学卒でも受験できる地方公務員試験
では次に、国家公務員よりも難易度が低く、Fラン大学卒でも比較的目指しやすい「地方公務員」の試験をご紹介します。
地方公務員の試験は以下の4つの種類に分類されます。
- 事務系
合格すれば本庁や出先機関などで経理・庶務・政策遂行を担当する業務に携わります。主な職種例としては学校事務・行政事務・警察事務があります。 - 技術系
合格すれば、建築・土木・機会・電子・電気・情報・化学・農学・畜産などの各分野ごとの専門的な仕事を担うことになります。 - 警察官
合格すれば警察官として働くことになります。採用試験は各都道府県ごとに実施されており、受験資格に身長や視力などの身体基準を設けられています。 - 消防官
合格すれば消防官として働くことになります。採用試験は各市町村ごとに実施されていますが、東京都だけは都単位で行われています。
「地方公務員の試験なら国家公務員と違うからなんとかなるでしょ」
このように考える方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的な学力が備わっていなければまず合格はできません。
過去に出題された過去問を繰り返し解き、広い出題範囲において高い点数が取れるまで学力アップを図る必要があります。

まとめ
Fラン大学卒で公務員を目指すことはできますが、果たしてその選択がベストなのかは疑問が残ります。
公務員の世界は学歴社会なので、Fラン大学を卒業して公務員になったところで昇給や昇進はあまり期待できません。
Fラン大学卒で公務員になった場合のメリットとデメリットをもう一度紹介しておきます。
- メリット
→「安定」は手に入る
→世間でのイメージが良い - デメリット
→スキルが獲得できない
→スキル実践の実績が積めない
→民間企業に転職しにくい
そこで、最初から民間企業へ就職し、「スキルを武器にした転職」をもう一つの選択肢としてご紹介しました。
あなた自身が目指す将来のキャリアに向けて、公務員と民間企業のどちらが果たして適しているのかをしっかり見極めることが大切です!
もし悩んでいる場合は、無料相談を受け付けているのでお気軽に相談してみてくださいね。
頭の良い大学の人たちもみんな公務員を目指しているのなら、Fラン大学の人がその争いに勝つのは厳しいよね。