株式会社TSUBASA 岩本 義弘 Yoshihiro IWAMOTO

プロサッカー選手は
ネクストキャリアでも
十分に成功できる

岩本 義弘岩本 義弘

岩本さんの経歴や現在の取り組みについて教えてください。

1998年から約20年間勤めた株式会社フロムワンでは、代表取締役として会社経営に携わりながら、『サッカーキング』をはじめ数多くの媒体を立ち上げました。同時に、インタビュアー、サッカー解説者、スポーツコンサルタント、ジャーナリストとしても活動し、2016年には『キャプテン翼』の原作者、高橋陽一先生と株式会社TSUBASAを設立。現在は同作品のライツ事業の展開をはじめ、南葛SC(関東サッカーリーグ)のGMとしてチームの強化を図っています。2019年には『REAL SPORTS』の編集長に就任。他にもFリーグ実行委員、日本パデル協会理事なども務めており、これまでサッカーを中心としながら、幅広くスポーツ業界に関わってきました。

プロサッカー選手が、ネクストキャリアで成功することは可能なのでしょうか?

成功できると思っていますし、個人的に、プロのアスリートは一般の方よりも成功できる可能性が高いのではないかと考えています。プロサッカー選手で言えば、J1リーグだけでなく、J2やJ3リーグの選手、さらにはプロのカテゴリーに限りなく近づいた選手たちには、やはり一般人には持ち得ることのできない能力が備わっていると感じます。特に、課題を見つけて克服する力、そして課題克服のための努力を継続できる心の強さ。この2つは特筆すべき要素だと言えるでしょう。

現在、私がGMを務める南葛SCでは、元Jリーガーをはじめ、選手兼社員を5名雇っています。ビジネスに関するスキルや知識がゼロに近い状態からネクストキャリアを歩み始めた彼らですが、入社して1年も経たないうちに新しい環境に適応し、それぞれの個性や持ち味を発揮しながら仕事に取り組んでくれています。日を追うごとに引き出しを増やしていく彼らの姿を見るたびに、アスリートが持つ可能性の大きさを強く感じています。

皆さんは、学生時代から選手として日々成長を遂げながら、チームメートやスタッフとコミュニケーションを取り、周囲の評価を高めることでプロのカテゴリーまで登り詰めてきたのだと思います。その仕組みは一般社会でも変わりません。与えられた業務や作業に対して自分ならではの取り組み方を見いだし、結果の一つひとつが自身のステップアップへとつながっていきます。そういった点でも、努力の仕方を熟知し、結果が評価につながることを体験してきたプロサッカー選手には、ネクストキャリアでも十分に成功できる可能性があるのです。

プロサッカー選手がネクストキャリアに向かう際、どのような障壁が存在すると思いますか?

特定の競技に特化した人生を歩んできた方々なので、世の中がどのように回っているのか、社会はどういった仕組みで構成されているのかという知識が乏しいことは否めません。また、多くのアスリートと接する中で特に印象的なのが、自分に対する自信のなさです。「自分は熱心に勉強に取り組んでこなかった」「社会の仕組みについて学んだ経験がない」「一般の人々と比べて学習量や知識量が劣っている」。このような考え方を持つプロサッカー選手は予想以上に多く、彼らは自己肯定感がとても低いのです。私の中で、それは間違った認識だと捉えていますが、選手たちにとっては、指導者や家族などから「お前は小さな頃からサッカーしかやってこなかったのだから……」というフレーズを何度も投げかけられた経験があるのかもしれません。

世の中や社会に対する理解、さらにはビジネスに関するスキルやマナー。これらを学び、身につけることは決して難しいことではありません。他にも、電話やメールの受け答え、Word、Excel、PowerPointといった基本的なソフトの扱い方などに関しても、現役選手たちは必要以上に難解なものと捉えてしまっているイメージがあります。社会人として、これらのスペシャリストになる必要は全くありませんし、基本的な仕組みや使い方を認識していれば問題なく通用します。このあたりの内容は、ビジネスに関する情報サイトや書籍でも十分に学ぶことができますから、プロサッカー選手である今から取り組むことができるはずです。

「リバラボアスリートインターン」は、ネクストキャリアをスタートさせる選手たちにどのようなメリットがあるのでしょうか?

社会に対する知識や理解が乏しい状態で、現役引退直後から一般社会の新たなフィールドで活躍できることはほぼないでしょう。現実的に、まずは社会との接点となる初めての会社で仕事をこなしつつ、効率的にビジネススキルを学んでいくことが大切です。業務に当たりながら、社会やビジネスについて学習し、理解を深めていく。そうすることによって、ネクストキャリアを歩んでいく際の不安は徐々に薄れていきますし、同時に自己肯定感が高まっていきます。

「リバラボアスリートインターン」には、一人前以上のビジネススキルを身につけられるプログラムが組まれ、真摯に仕事と向き合い、しっかりと収入を得られる社会人へと成長を促す環境が整っています。そして何より、「リバラボアスリートインターン」には、「新たな人生をより良いものにしていきたい!」という意欲を持った元アスリートがたくさん集まってきます。やる気に満ち溢れた人々と接することで、自らの向上心、ネクストキャリアに向けたチャレンジ精神の高まりを強く感じることができるでしょう。

もしかすると、J2、J3リーグといったカテゴリーでプレーし、所属チームのファン・サポーター以外には認知度が低いと感じている選手たちにとって、ネクストキャリアに対する不安はより大きなものがあるかもしれません。でも考え方によっては、皆さんのほうが元プロサッカー選手というプライドがその後の人生の邪魔をすることなく、新しいキャリアに思い切ってチャレンジできるのではないかと思います。そういった方々が「リバラボアスリートインターン」を活用することで、新たな環境での急成長も十分に見込めると感じています。

ネクストキャリアを検討している現役選手たちに向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

これまで、私はさまざまなサッカー選手、幅広い競技のアスリートのインタビューを担当させてもらう機会がありました。20代半ば、もしくは30代に差し掛かろうとしている選手たちが、何の根拠もなく「もはや自分はビジネスマンとして成功するのは難しい」と思い込んでいるのです。“人生100年”と言われる時代の中で、皆さんはまだまだ序盤の3割程度の人生を歩んできたに過ぎません。現代社会においては、70代の方でも仕事を続けている方がいるのですから、皆さんがここから挽回できない理由など何もないのです。むしろ、子どもの頃からサッカー一筋で培ってきた能力や考え方がこの先の将来でも必ず生きてきます。新たな環境でこれまでとは違った形の幸せを手に入れられる可能性も十分にありますから、自分の未来を信じ、勇気を持って次なる一歩を踏み出してください。