2018/12/19
イギリスのロックバンド「Queen」(クイーン)の栄光の軌跡を、リード・ヴォーカル フレディ・マーキュリーを通して描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットを続けています。
公開から2週間が勝負と言われる映画業界の常識を破るかのように、2週目より3週目、3週目より4週目と動員数を更新していき、5週目ではついに累計320万人を超えました。
クイーンの全盛期は1970~80年、当時は若い女性によって彼らの人気は支えられていました。リアルタイムでクイーンを聴いていた世代は今40代・50代を迎えています。青年時代を懐かしむ人々によって映画の人気は支えられているのかと思いきや、クイーンを知らない20代の動員も2割ほどを占めているなど、分析してみると本作が世代を超えて支持されていることが分かります。
映画の中では世界で成功することを夢見る4人が、貧しい下積み時代を経て、イギリスを代表するロックバンドへと成長していく過程が丁寧に描かれます。ギターリストのブライアン・メイが奏でる、20世紀フォックスの作品ではお馴染みの「ファンファーレ」や、ライブの再現性の高さなどサウンド面が、当時のファンたちに高く評価されています。
一方でフレディのパーソナリティ、移民の血筋や容姿にコンプレックスを持つ青年、抱えるセクシュアルマイノリティの苦悩、名声を手にした後も派手なパーティーを開いて仲間たちと盛り上がりながらも孤独感を募らせていく姿に共感したのが20代です。
「部屋で膝を抱え、音楽が居場所だった」と語る青年が、自分が何者かも分からず、苦悩しながらも無我夢中で歌い続けた姿が多くの人々の胸に焼きついたのでしょう。
映画は、エチオピアの飢餓救済を目的に1985年に開催されたチャリティ・コンサート「ライヴ・エイド」でクライマックスを迎えます。
さて、話題はがらりと変わります。
先月の話になりますが、2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決定しました。その誘致成功の裏には、U30の若者たちが立ち上げたWEBサイト「WAKAZO」の存在があったことをご存知でしょうか?
超高齢化社会を迎えた今、未来社会を生きていく私たち若者は、どんな未来を創り、生きていきたいのか。
WAKAZO.ONLINEとは、2025年の誘致を目指す大阪万博に向けて、若者からの声をあげ、若者自らが主体となって大阪万博を創り上げるためのプラットフォームです。(WAKAZO.ONLINEから引用)
WEBサイトが誕生したきっかけは、大阪府の松井一郎知事に提出された事業計画書「2025大阪万博誘致 若者100の提言書」で、本書には「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマに中学生・高校生・大学生が出した100個のアイデアがまとめられていました。その内のひとつがWAKAZOです。
WAKAZOはWEBサイトを通して「未来社会をどう生きるか」について世界中からアイデアを募り、約50カ国以上の若者から、「命」「幸せ」「平等」「共存」についてなど2000を超えるアイデアと、そして大阪開催への署名を集めました。
世界の未来を担うのは、人口の半数を占める30歳以下。
ワカゾウが声を上げて、大阪万博を実現する。
その第一歩が、WAKAZO.ONLINEです。(WAKAZO.ONLINEから引用)
大阪万博の開催決定は、青少年たちの第一歩が世界の共感を得て実現したものでもあるのです。
さて、話は戻ります。
クイーンの代表曲「We Will Rock You」は本国での人気を不動なものにした彼らが、世界最大のマーケットであるアメリカ進出を目指して書き上げた曲です。
Buddy you're a young man, hard man
気難しい青年よ
Shouting in the street, gonna take on the world some day
今は街で声を張り上げているけど、いずれ世界を支配するだろう
We will rock you
俺たちが世界を揺さぶってやる
リリースされたのは1977年10月、フレディ・マーキュリーは31歳でした。
残念ながらU30ではありませんでしたが、今も昔も若者たちは確かに世界を揺るがせたのです。