2018/12/13
12月上旬は暖かい日が続いていましたが、中旬を迎え冷え込みも冬本番のものとなってきました。
ビジネスパーソンにとって、年末年始はひとつの大きな山場となります。膨大な仕事に追われるように、忙しなく日々を送っている方も多いことでしょう。そんな猫の手も借りたい状況でセッティングされるのが、社員の一年の労をねぎらう名目で開催される忘年会です。
若者の酒離れが叫ばれて久しい中ではありますが、さて皆様は飲みニケーション賛成派・反対派、どちらでしょうか?
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、飲酒する習慣があると回答した男性は20代で10.9%に止まります。
非正規労働者が抱える経済的な事情などもあるようですが、上司と飲みに行くことに対するわずらしさ、「酔っ払いはダサい」「顔を真っ赤にして恥ずかしい」などといった酒を飲む人への印象の悪さなど、価値観の変化が大きいようです。
上司の繰り返し語られる武勇伝や、突然はじまるお説教など、嫌な思い出をもつ人も多いことでしょう。
その一方で、ちょい飲みや宅飲みがブームになったりしているのをみると、先ほどの上司の話もそうですが、公の場で酔っ払う人の姿が嫌がられているのかもしれません。
1980年代後半はバブルと呼ばれ、日本は好景気の中にありました。マイカーにマイホームがステータスになる、仲間と一緒に街に出て豪遊する、物を持つこと・消費することに価値がある時代でした。会社の上司にあたる年輩者は、丁度この世代にあたります。
ところが今、マイカーがステータスにならないことは、車離れが嘆かれていることからも明白です。インターネットや携帯電話・スマートフォンなどが普及したICT社会に生まれた人々は、不況の中を生きてきたため節約志向といわれ、物を所有することよりも共有することを重視し、SNSなどを通して他人に関心を持ちます。
これだけ異なる価値観を持った人々が同席する忘年会でしたら、当然気疲れするでしょうし、気が乗らないと感じて敬遠してしまう気持ちも理解できてしまいます。
さて、このままでは飲みニケーション完全否定になってしまいそうですが、実はこのコラムは「だからこそ、飲みニケーションしてみませんか?」という結論に着地するのです。
社会は見栄で溢れています。マイカーにマイホーム、SNSにアップされた加工済みの写真の数々、肩書や表面的な付き合いで終わる職場の人間関係などなどーそこにはその人の≪素≫がありません。
「飲みの席には這ってでも行け!」を執筆した明治大学法学部教授 堀田秀吾さんは、飲みニケーションのメリットを「仕事以外の話をすること、飲みの席ではそれが簡単。自分のプライベートを話すということは、自分の素をさらけ出すこと」と説明し、このことにより相手にも素を見せるように促す≪返報性≫の効果が期待できると続けています。つまり互いの内面を見せ合うことで、関係をより深いものにすることができるはずだということです。
でも、世代が異なるし、価値観が異なるから…。
いえいえ、たとえ同じであっても結局は他人、語り合うことからしか理解は生まれません。
会社の業務として仕方なく忘年会に参加しようとしている皆様、この記事に騙されてみて飲みニケーション、本気で楽しんでみませんか? 変に構えず、≪素≫の自分をぶつけてみませんか?
ダサくても真っ赤になってみるのもいいとは思います…が、無礼講とはいえ、どうぞ飲み過ぎにはお気をつけください(※特にこの記事を読んでいるリバースラボの、そこのあなたへ:笑)。