2018/10/12
10月9日、経団連の中西宏明会長は定例記者会見を開き、大手企業の採用面接などの解禁日を定めた指針を廃止することを正式に発表しました。
中西会長は会見の中で「ルールが、うまく動いてきたかというと、そうではないという反省が強い」と述べるも、「必要と感じている」とルールが果たす役割には理解を示しました。
1953年に始まった就職協定以来、70年の時を経て終止符を打つ今回の発表は、就活生にどのような影響を与えるのでしょうか?
就活ルールの廃止により考えられるメリットとデメリットをまとめてみました。
<メリット>
・学生側:就活の期間が長期化するため、熟考する機会が増える(ミスマッチの減少)。
・企業側:制約がなくなるため、中途採用と同じように通年採用が可能となる。
<デメリット>
・学生側:学生生活に専念することができない。
・企業側:期間の長期化にともない、採用に要するコストが増加する。
今回の経団連の発表は、日本の従来型の雇用スタイル「新卒一括採用」に疑問を投げかけるものとなりました。新卒採用が通年化するのであれば、新卒にこだわる必要性も低くなり、大学卒業後に企業における就業経験をもたない既卒者の存在が注目されるようになります。
「内定後にほぼ全員が入社する第二新卒採用は、採用する側としては安心できる」と述べる食品大手企業の人事担当者のコメントが表すように、既卒の求職者たちも変化する企業の対応を感じ取っているようです。
マイナビが既卒の登録者32,492名を対象に実施した「既卒者の就職活動に関する調査」では、企業の対応に「現役大学生に対する対応とほとんど変わらないように感じた」と回答する既卒者が全体の33.9%を占めました。
後悔をする前に挑戦してみること、あらためて行動こそが現状を打開する一番良い手段なのかもしれない、そう信じることができる希望ある数値に思えますが、皆様いかがでしょうか。