2019/05/29
前編ではリバラボ人事部部長代理侑弥が≪アオアシ≫の魅力を語りましたが、それを聞きながら静かに対抗意識を燃やす男がいました。侑弥の部下にして、リバラボ歴2カ月目の新人拓実です。
【拓実】僕のおすすめは超有名なんですけど…。
切り出した拓実に視線が集まります。リバースラボに新たな風を吹き込むホープが愛してやまない1冊とは、一体どんなコミックなのでしょうか!?
上司である侑弥の予想を遥かにしのぐ、そのタイトルが今告げられました。
【拓実】あだち充の≪H2≫です!!!
-!!??
【侑弥】!!??
-シブっ!!!(笑)
【侑弥】シブい…(笑)。
【拓実】えぇ、結構シブいところだと思うんですけど。あんまり若い子が読む本じゃないですよね(笑)。
-僕の世代だとベタベタって感じだけど(笑)。
【拓実】タッチとかその世代の人たちが読んでいた漫画かなって思います。親が買っていて家にあったので、自然に読むようになっていましたね。
-H2ってどんな漫画だったっけ?
【拓実】野球漫画ですね。野球を通して、人間関係を描く漫画です。
https://www.sunday-webry.com/series/1352
ライバルであり、親友でもある国見比呂と橘英雄。甲子園をめざす2人の"ヒーロー"に、ひかりと春華の想いが交錯する…。正統派スポーツ&ラブストーリー。(※サンデーうぇぶりより引用)
※ちなみに前編でご紹介できなかった、侑弥のもうひとつのおすすめサッカー漫画≪フットボールネーション≫。モデルは、なぜかの拓実です(笑)。「≪エリアの騎士≫や≪ホイッスル≫はあまり好きじゃありません」by侑弥
-あだち充って、野球だらけの印象があるよね。ごく稀に違う作品があるかもだけど。
【拓実】まぁ、そうですね(笑)。水泳とかもありますが、基本的には野球ですね。
-その中でなんでH2?
【拓実】まぁ、タッチも嫌いじゃないんですけど、H2の人間模様が一番好きでした。漫画って、主人公や主要メンバーにフォーカスが当てられがちですけど、H2は1人1人にしっかりエピソードが用意されています。当然、悪い奴とかカスみたいな奴にもストーリーがあって、でも彼らにもそうなってしまった理由、苦労とか挫折があったりして、だからこうなったんだというのがしっかり描かれているんです。そういうところが面白かったですね。
-侑弥は、読んだことある?
【侑弥】ドラマで観ましたね。
-あれ、ドラマってやっていたっけ!?
【侑弥】山田孝之と石原さとみだっけ?
【拓実】石原さとみ…かどうかは忘れましたけど、山田孝之がやっていたのは覚えています。メッチャ古いですよね(笑)。
【侑弥】でも、あれ面白かったッすよね。
【拓実】僕は覚えてないですね。
【侑弥】袋とじのエピソードとか、よくあったよね。
【拓実】袋とじって何ですか?
【侑弥】……ほら主人公が袋とじを開けてさ、ヒロインにさ。
【拓実】あー、はいはいはいはい!! Hなエピソードですね(笑)。丁度思春期だったので、そういうエピソードがちょくちょく入っていたのは嬉しかったですねー(笑)。
-今でも袋とじってあるの?
【拓実】いやー、今はもうそんな奴らいないですけど。当時の時代とか知ることができて、「あぁー、いいな」って、そういう世代間ギャップも含めて楽しめましたね(笑)。
-それで、推しメンは誰?
【拓実】推しメンッすか!? 僕の一番好きなキャラは、古賀春華ちゃんです。野球部のマネージャーですね。その子は主人公たちを野球の道に戻した子なんですけど、ムチャクチャ可愛いし、ひたむきで一途な子なんですよ。本当に性格がよくて、僕はこの漫画を通して恋を知りました。僕の初恋の子は、古賀春華ちゃんなんですよ。
一同、大爆笑。
-痛い子だ!!!(笑)
【侑弥】まぁ、前から痛い奴だとは思っていましたが…(笑)。
-それに人事部のホープでありながら、それっぽい要素が微塵にもない(笑)。
【拓実】そうですね、侑弥さんの後というのが悪かったですね(笑)。ビジネス的な視点に結びつけることは難しいかもしれません。でも…
-でも?
【拓実】実は、もう1人僕が好きなキャラクターがいるんです。他校のキャラなんですけど、典型的な悪役でどうしようもない奴なんですよ。わざとデッドボールをしたりするんですが、ムチャクチャ能力は高いピッチャーなんです。プレイスタイルはワンマンで他の奴らは基本的に信じない、「俺が打たせなきゃいいんでしょ?」って感じで調子に乗った状態のまま主人公たちと戦うんですけど、負けてしまうんです。しかも左肘を壊してしまって、再起不能でピッチャーを断念せざるをえない状態に陥って… でも、次の大会にそいつは出場するんです、しかもバッターとして!!
肘を壊して何もなくなって、自分の才能を買ってくれた監督も辞めてしまって、新しい環境の中で孤立してしまって、でも彼には野球しかなかった…。挫折の果てに、自分の弱さや仲間と協力していくことの大切さに気づいて、そこから成長していったんです。うちに参加する子たちって、皆挫折を味わっているじゃないですか? そういうところで共感できる部分があるんじゃないかなって思いますね。 うーん、上手くまとまらない!! でも、人それぞれの考え方があるということを、H2で学びましたね… こんな感じで大丈夫ですか?
-うん、熱量と一度話し出すと止まらない人間だってことはよく分かった(笑)。でも、こういう熱量は人事に必要じゃない?
【侑弥】必要です。絶対に必要です(笑)。
-じゃぁ、拓実、最後に書店の店員さんになった気分でこの本をPRして。
【拓実】えっと、最近壮大なストーリーとか凝った展開とか内容が詰め込まれた漫画が多いと思うんですけど、でもシンプルに人と人との関係を見直したい時、あるいは初心に帰って青春時代を振り返ったりとか、立ち止まって考えてみたい時とかに読んでみてほしい、そんな漫画です。ぜひ読んでください!!
【侑弥】ちなみに俺の実家の近所に、あだち充さんの家があるよ。
【拓実】マジすか!!?? 会ったことあるんですか??
【侑弥】あるよ。それにタッチの舞台って、俺の中学だよ。
【拓実】本当すか!!??
-あだち充ってどんな人?
【侑弥】普通のおじさんですね。
-そのおじさんが、拓実の初恋の女性を生み出したんだねー。
またもや、一同大爆笑。
【拓実】でもいい子なんですよ、あの子は本当に(笑)。
-(笑)。そんなこんなで、今回は人事部の侑弥と拓実と一緒にお届けしました。2人とも、どうもありがとう!!
【侑弥】【拓実】ありがとうございました!
※人事部の職場風景です。ふざける時はとことんふざけますが、仕事モードに入ったら一切妥協をしない仕事人たちが集います。
