経歴にマイナスになったり、「甘えている」と言われたりすることが不安で、会社を辞められない新卒の人もいるでしょう。新卒で会社を辞めるリスクや、辞めた方がよいケースを解説します。退職前にやるべきことも解説するので、ぜひ参考にしましょう。
新卒が仕事を辞めたいと思う理由
新卒の人が仕事を辞めたいと思うときには、どのような理由があるのでしょうか。まずは新卒が仕事を辞めたい理由を解説します。
仕事内容への不満
就職前に聞いていた仕事内容や、配属部署とのミスマッチを感じる新卒者は少なくありません。特に国内の大手企業では、希望通りの部署に配属されるかどうかは運次第といえる場合もあります。
企業によっては部署異動が難しく、初期の配属でおおかたのキャリアパスが決まってしまうこともあるでしょう。希望通りの仕事ができず、やりがいを感じられないかもしれません。
特に、企業のブランドや給与面で就職先を選んだときに起こりやすい問題といえます。
人間関係など社内環境が悪い
上司からのパワハラがあったり、社風が自分の価値観と合わなかったりすることも、新卒が仕事を辞めたいと感じる理由の一つです。特に1年目の社員は上司の言うことには従わなければならず、理不尽な説教や要求をされることもあるでしょう。
人間関係は入社してからしかわからないため、事前に回避することは難しいものです。
また、会社によっては年功序列の色が強かったり、何の意味があるのかわからないルールが存在していたりと、会社の文化に嫌気がさす人もいるでしょう。
労働条件が悪い
給与が低かったり、長時間労働を強いられたりすると、仕事を辞めたいと感じるかもしれません。新卒は覚えることが多いため、残業時間が多くなり、会社と自宅をただ往復するだけの生活になっている人もいるでしょう。プライベートの時間がないと、ストレスがたまってしまいます。
また、新卒の給与は低いため、仕事量と給与が見合っていないと感じる人も多いでしょう。労働条件が悪いと自分が何のために仕事をしているのか、わからなくなってしまう新卒の人もいます。
新卒で仕事を辞めるリスク
新卒で仕事を辞めるとリスクがあるのではないかと、心配する人も多いでしょう。確かに、新卒で仕事を辞めるリスクは存在します。具体的なリスクを三つ解説します。
仕事が続かないと思われる
前職を短期間で辞めたという事実は、転職活動においてマイナスに働いてしまう可能性があります。人材を採用するには大きなコストがかかるため、採用担当者は長きにわたって自社で活躍してくれる人材を採用したいと思うことが自然でしょう。
しかし、新卒で仕事を辞めてしまうと、採用担当者から「次もすぐ辞めてしまうのではないか」と思われるリスクがあります。正当な退職理由があれば懸念を一掃することも可能ですが、書類選考で落とされてしまう可能性も否めません。
転職活動する際の立場が微妙に
新卒で辞めた場合、転職活動においては新卒枠と中途枠のいずれかに応募することになります。しかし、新卒で辞めた人はどちらの枠でもハンデを背負うことになるでしょう。
新卒枠に応募する人は、まだ就業経験のないポテンシャルにあふれた人材ばかりです。その人たちと比べると、すでに他社で就業している分、ポテンシャルの大きさはどうしても劣ってしまいます。
また、中途枠での採用では、これまで身につけたスキルを生かして、会社の即戦力となることが求められます。この場合でも、社会人経験が1年未満の人が不利になってしまうことは容易に想像できるでしょう。
しかし、昨今では新卒で入社してから数年以内に退職する若手社員が多いことから、『第二新卒』という考え方が広まりつつあります。新卒で辞めた人は、第二新卒枠に申し込むことで、フラットな条件で選考を受けられるでしょう。
失業給付金を受け取れない可能性も
失業給付金とは、離職してから次の職場を見つけるまでの生活費を、国が一部負担してくれる制度です。前職の給料の約50〜70%を、約3カ月にわたって支給してくれます。
ただし、失業給付金を受給するためには、雇用保険に1年以上加入している必要があります。つまり、新卒で入社してから1年以内に辞めた場合は、失業給付金を受給できません。
退職後に転職活動を行う場合、失業給付金の存在は有り難いものです。新卒で辞めることを検討している人は、失業給付金の受給資格を得られないリスクも考慮すべきでしょう。
甘えではない、辞めるべきケースとは?
新卒で辞めることが『甘え』になるのではないかと、心配している人もいるかもしれません。しかし、場合によっては甘えではなく、むしろ辞めた方がよいケースも存在します。新卒でも我慢をせず、辞めるべきケースを三つ解説します。
ブラック企業に勤めている
劣悪な労働環境で働いている場合は、退職をすべきといえます。ブラック企業の特徴には、以下が挙げられます。
- 長時間労働が常態化している
- 残業代や給与が正しく支払われない
- 有給や休みを取らせてもらえない
新卒は他の会社で働いたことがないため、今の会社の条件が一般的だと思ってしまうこともあるでしょう。しかも、先輩社員が当然のようにそれを受け入れているなら、なおさらです。
しかし、ホワイト企業では、上記のような問題はほとんどありません。少しでも会社の状況がおかしいと思ったら、退職を検討してみることをおすすめします。
パワハラなどが横行している
昨今、問題視されるようになったパワハラが、未だに横行している会社は辞めるべきといえるでしょう。業務上の指摘とパワハラは別物であり、業務と関係のないことを理由に不当な扱いをすることや、人格否定はパワハラに当たります。
パワハラを我慢し続けると、うつなどの疾患を患ってしまう可能性があります。うつになると回復にも時間を要し、自分の生活やキャリアに影響を及ぼすでしょう。
パワハラを受けているなら、我慢せず職場を離れることを検討しましょう。
仕事の継続で病気になる可能性が高い
新卒の人なら、早く仕事を覚えるために毎日必死で働いていることでしょう。しかし、大きなストレスにより心身が疲弊している場合は要注意です。
例えば、会社に行くことを考えると体調が悪くなってしまったり、休日に何もやる気が起きなかったりする場合もあるでしょう。もしそのような状態が続くと、うつ病になってしまうリスクがあります。
会社を辞めることは自分を守ることであり、逃げることではありません。自分の体を第一に考え、手遅れになる前に対処することが重要です。
退職前にすべきこととは?
これまでの内容を踏まえて、退職を検討した人もいるでしょう。そのような人に向けて、退職前にやっておくべきことを三つ解説します。
転職の目的をはっきりさせる
まずはなぜ転職をするのか、その目的をはっきりさせましょう。目的を明確にせず転職活動をすると、また同じミスマッチを起こす可能性があります。
同じ失敗をしないためには、会社を辞める理由や会社への不満、自分の将来像を明確にすることが大切です。自分が企業に求めることや、避けるべき企業の特徴がわかることで、自分に合った企業を見つけやすくなるでしょう。
次の会社でもミスマッチを起こすと、より転職が難しくなってしまいます。まだ若手とはいえども、慎重に転職先を検討することが必要です。
退職する根拠を用意する
転職活動の面接において、退職理由は必ずといっていいほど聞かれる質問です。そのため、相手を納得させる退職理由を用意しておく必要があります。
退職理由をまとめる際は、ネガティブな内容にならないように注意しましょう。『給与が低いから』『仕事が合っていないから』などを理由にすると、自社も同じ理由で早期に辞めるのではないかと思われてしまう可能性があります。
退職理由は自分の将来のキャリアプランと結びつけるなど、ポジティブなものを用意することで、採用担当者に好印象を持ってもらいやすくなるでしょう。
転職の準備や活動を始める
退職を考えたら、退職前に転職活動を行いましょう。
退職後に転職活動を行うと、その間の収入がストップしてしまいます。転職活動が難航したときは、貯金が底を尽きたり、焦りから冷静に会社を選べなかったりするでしょう。
しかし、退職前なら収入が確保されているため、時間をかけてじっくりと企業を選ぶことができます。万が一、今の会社を退職すべきでないと判断したときも、後戻りが可能です。
必ずしもすぐに会社を辞めなくてもよい状況なら、現職を続けながら転職活動をすることをおすすめします。
退職前に転職先を見つけておこう
現職を続けながら転職活動を行うことは、簡単ではありません。転職活動をするなら、転職エージェントを利用することがおすすめです。
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まずは明確なキャリアプランを描こう
新卒の中には、仕事内容が自分の希望と異なることや、社内の人間関係、労働環境の悪さから辞めたいと思う人も多いと考えられます。
確かに、新卒で辞めると転職で不利になったり、失業給付金を受給できなかったりといったリスクがあります。しかし、勤めている企業がブラックな場合や、心身に大きな負担がかかっている場合は、辞めるべきといえるでしょう。会社を辞めることは、逃げでも甘えでもありません。
転職をするなら、自分のキャリアプランを明確にして、次こそは自分とマッチした企業を探すことが大切です。
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