不動産業界に興味はあるものの、未経験から挑戦できるのかを不安に思っている人もいるでしょう。不動産業界の特徴や向いている人、メリット・デメリットを解説します。未経験から挑戦する方法も紹介するので、ぜひ参考にしましょう。
不動産業界の特徴
就職するにあたり、業界のことを知ることは大切です。まずは不動産業界の特徴を理解しましょう。企業の種類や、市場規模について解説します。
企業の種類は大きく分けて四つ
不動産業界と言っても、企業の種類によって『建てる』『売る』『貸す』『管理する』の大きく四種類に分けられます。
まずは取得した土地にどのような建物を建てるのかなど、都市開発の計画を立てるのがデベロッパーと呼ばれる会社の役目です。デベロッパーが企画した建物を建設会社が実際に形にします。
それから、不動産の販売や賃貸を行う仲介業者が流通の役割を担い、流通後は管理会社が管理します。
不動産業界は四種類の企業が密接に関わり合い、成り立っていることが特徴です。
今の市場規模は巨大だが将来は変化も
2020年度の帝国データバンクによる動向調査によると、企業の業績も全体的には良好との見通しが出されています。同業界への就職者数も増加傾向です。
今後のポイントは、少子高齢化による人口減少でしょう。高齢者向けの物件がビジネスチャンスとなるかもしれません。また、学生向けの物件の空室が増えることも予想されるため、どのように対処するかが鍵となるでしょう。
参考:「業界天気図」動向調査(2020年度見通し)P.6|帝国データバンク
不動産業界の仕事は多種多様
不動産業界にはどのような仕事があるのでしょうか。代表的な四つの職種を解説します。自分に向いている職種があるのか確認してみましょう。
営業職
不動産の営業職には、販売営業と賃貸仲介、販売仲介の3種類があります。
- 販売営業:自社で所有する不動産を個人や法人に販売する
- 賃貸仲介:自社や他社の保有する賃貸物件を、借りたい人に提案し成約までを担う
- 販売仲介:他社の所有する物件と顧客をマッチングする代理店の役割を担う
いずれの場合も商材の単価が高いため、決して簡単な仕事ではありません。しかし、顧客の人生に大きく関われる仕事であるため、成約したときのやりがいは大きいでしょう。
また、販売営業の場合、インセンティブ率が高い傾向にあることも特徴の一つです。
企画・開発職
デベロッパーに所属し、土地の取得から建築物や都市開発の企画を行う職種です。企画の対象は高層マンションや複合商業施設、高層ビルなどが多くなっています。
土地を入手したら、どのような建物が求められているか、どのような建物であれば収益が上がるかといった情報収集を行います。その後、土地のオーナーと打ち合わせを行い、企画が固まったら建設会社に施工を依頼し、建物の完成です。
建物が完成したときの達成感は大きく、その建物に思い入れを感じる人もいるでしょう。
管理業務
管理業務はオーナーが所有する物件のメンテナンスや資産価値を高める役割です。管理の対象はマンションにとどまらず、商業施設や病院、ホテルなど多岐に渡ります。
主な仕事内容としては、空室対策としての入居者募集や入居者の対応、建物の清掃や修繕などが挙げられます。
特徴としては、一件あたりの契約単価が高くないことです。そのため、多くの契約を取れるかが鍵となります。また、管理業務を専門に行っている会社は少なく、仲介業も同時に行っている会社が多いのが特徴です。
バックオフィス
バックオフィスは会社の運営や他のスタッフのサポートを行う職種です。仕事内容は地域密着型の企業と都心部の企業で違いがあります。
地域密着型企業の事務は業務範囲が広く、物件の問い合わせ対応から広告作成、オーナーへの家賃の支払いまで行います。一方で都心部の企業の事務は、契約書の作成やウェブサイトでの入居情報の更新など、特化した業務を行うことが特徴です。
一つ一つの業務を丁寧にミスなくこなすことが重要な職種でもあります。
不動産業界に就職するメリット
不動産業界に就職するメリットを解説します。自分のキャリアプランと照らし合わせて、マッチしているか確認してみましょう。
未経験や低学歴でもチャレンジしやすい
不動産業界は専門知識が必要でハードルが高いイメージがあるかもしれませんが、実は未経験でもチャレンジしやすい業界です。
入社後は資格の取得をしたり、専門知識の研修を受けたりしなければならないケースもありますが、教育体制の整っている企業であれば未経験でも採用のチャンスはあるでしょう。
ただし、大手企業は競争が激しい傾向にあるため、中小企業の方が未経験からでもチャレンジしやすいと言えます。
実力主義でキャリアを積みやすい
不動産業界は実力主義の世界です。そのため、成果を出せれば若手でもしっかりと評価してくれるのが特徴です。
不動産業界は転職者が多く人材の流動性が高いことから、前職のキャリアにかかわらず、入社後はベテラン社員と同じスタートラインに立つことも珍しくありません。そのため、新卒でも中途でも昇進や昇給のチャンスは平等に与えられていると言えるでしょう。
年次にかかわらず責任のある仕事に就けることは、他の業界ではあまり見られない不動産業界ならではのメリットでしょう。
インセンティブで20代でも高収入が狙える
不動産営業の魅力は、インセンティブと言っても過言ではありません。不動産営業の給与体系は『基本給+歩合給』となっていることが多く、成約を取れば取るほど給与に反映されます。
インセンティブは住宅販売の場合、一棟につき数十万円、仲介であれば10%程度に設定されていることが多くなっています。
インセンティブに上限がない場合もあり、頑張り次第では20代で年収1000万円稼ぐことも夢ではありません。難易度は高いものの、実力さえあれば稼げる業界と言えるでしょう。
デメリットや注意点も知っておこう
どの業界にもメリットだけでなくデメリットも存在します。不動産業界のデメリットを四つ紹介します。デメリットも踏まえた上で目指すかどうか判断することが大切です。
飛び込みやテレアポなど営業スタイルがきついことも
不動産業界の営業スタイルは、依然として飛び込み営業やテレアポなどがメインとなっています。アナログな営業手法であるため、非効率できついと感じてしまう人もいるかもしれません。
一方で、店舗に足を運んだ顧客に対して営業を行う『反響型』の手法を取る会社も存在します。そのような会社はウェブサイトやSNSなどで集客の仕組みを作っている場合が多いでしょう。
就職を希望する会社の営業手法が気になる人は、求人サイトで『完全反響型』などのキーワードに注目して探してみると良いでしょう。
ハードワークで残業や土日出勤がある
営業職や仲介業者の場合、スケジュールは顧客に合わせることが基本です。中には土日や夜の時間帯にしか日時を調整できない顧客もいるでしょう。そのような場合でも顧客の予定に合わせて出勤する必要があります。
そのため、一般的な会社員のワーク・ライフ・バランスが通用しない部分があるでしょう。
また、3月や4月は新生活シーズンであることに加え、決算時期を迎える会社も多く、企業がお金を消費したい時期でもあります。この時期は、特に仕事が忙しくなるでしょう。
景気に左右されやすい
不動産は商材の単価が高額のため、景気の影響を大きく受けてしまいます。景気が悪いと企業も家庭も支出を削る傾向にあるため、不動産のような高額商品の売れ行きは悪くなるでしょう。
ただし、機会は多くないものの、消費税増税前などは駆け込み需要となり、一時的に売れ行きが良くなるケースもあります。
不動産業界は実力主義の世界であるために、成約数が落ち込む時期はプレッシャーやストレスも大きく感じるでしょう。
ブラック企業が多く離職率が高い
不動産業界に対し、ブラック企業が多いというイメージを持っている人もいるかもしれません。確かに販売営業はノルマが厳しかったり、営業手法がアナログであったりするので、離職率が高い傾向にあります。
しかし、デベロッパーは法人を相手に営業を行うため、基本的に土日祝日が休みで年間休日も多く、離職率は低くなっています。
また、賃貸仲介業者も集客をポータルサイトで行う反響型の手法を取り入れている企業が多いため、販売営業に比べるとノルマも厳しくありません。
自分に合った企業を選べば、ホワイトな環境で働くことも可能でしょう。
不動産業界への就職が向いている人
メリット・デメリットを踏まえ、不動産業界に向いている人の特徴を三つ解説します。以下の特徴に当てはまっている人は、目指してみても良いでしょう。
バリバリ働いて稼ぎたい
特に営業職は実力次第で高収入を得られる可能性を秘めています。そのため、収入を上げるための努力を惜しまない人に向いているでしょう。
給与体系が『基本給+インセンティブ』の会社でも十分に稼げますが、もっと稼ぎたい人には完全歩合制(フルコミッション)の会社もおすすめです。
完全歩合制の会社は基本給はない代わりに、歩合の割合が高いといった特徴があります。売れなければ給料がゼロになるリスクはありますが、自信があれば挑戦してみる価値はあるでしょう。
コミュニケーションが得意・好き
不動産業界では、幅広い属性の人と関わります。顧客は、一人暮らしの物件を探している学生から、老後の資金で不動産投資を希望しているシニア層までさまざまです。そのため、人と関わることが好きな人は不動産業界に向いていると言えるでしょう。
また、不動産は顧客の人生で最大の買い物と言っても過言ではありません。その分、顧客の要望をしっかりと把握する必要があり、顧客からも厳しい目で評価されてしまいます。
相手の目線に立ってコミュニケーションが取れる人や、顧客の人生に関わる仕事がしたい人に向いているでしょう。
ポジティブで打たれ強い
不動産は高額であるため、成約までに時間がかかります。契約直前の段階で、顧客が契約を見送ることもあるでしょう。また、企業によってはアナログな営業手法を行わなければなりません。
不動産業界で働くなら、いかなる事態が生じても動じない打たれ強さが求められます。
また、不動産営業の基本給は安く設定されていることが多くなっています。そのため、成約できない時期が続くと十分な収入が入らず、大きなストレスを感じるでしょう。
給与が少ない時でもポジティブさを保てる人が、不動産業界に向いていると言えます。
未経験で不動産業界に就職するには
未経験から不動産業界に就職するには、どのような方法があるのでしょうか。未経験からでも不動産業界に就職するコツを二つ紹介するので、ぜひ実践してみましょう。
熱意をアピールする
不動産業界は未経験者の採用にも積極的な企業が多いですが、誰でも合格できるわけではありません。
ポイントは熱意があるかどうかです。不動産業界は大きなプレッシャーの中で働かなければならず、入社してからも身につける知識は多いでしょう。
そのため、勉強熱心であることも評価のポイントです。また不動産業界では扱う金額が大きいため、誠実で信用できる人かどうかも判断基準となります。
未経験ながらも伸び代を感じさせることができれば、採用のチャンスは広がるでしょう。
資格取得や語学力を身に付ける
たとえ未経験であっても、不動産に関する資格を取得していれば、知見があることをアピールできます。不動産業界への就職に有利になる資格の一例は以下の通りです。
- 宅地建物取引士
- 行政書士
- 司法書士
- ファイナンシャルプランナー
上記の資格は不動産業界以外でも通用する資格のため、取得しておいて損はないでしょう。また外国人が多く住むエリアにある不動産業者へ就職を目指す場合は、語学力が武器になります。
しかし、現時点でスキルや学歴に自信がなく、就職できるか不安な人もいるでしょう。自信をつけたい場合はインターンシップに参加することもおすすめです。
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研修中は固定給や住居も支給してもらえるので、興味がある人は一度無料相談に申し込んでみましょう。
不動産業界でキャリアアップするコツ
不動産業界でキャリアアップするコツを二つ紹介します。努力次第で大きく稼ぐこともできる不動産業界ですが、以下のポイントを押さえることで、より稼げる可能性が高くなるでしょう。
転職により年収アップを目指す
転職により収入がアップするケースは少なくありません。転職する際のポイントは、エリアや企業規模、そしてタイミングです。
エリアについては、都会の会社がおすすめです。
都会の方が地価が高いため、地方に比べ成約したときの売上げが大きくなります。地方で都会と同じくらいの給与を稼ごうとすると、必要な成約数も多くなるため、都会の会社に転職する方が稼ぎやすいと言えるでしょう。
企業規模は大きい方が基本給が高かったり、福利厚生が充実していたりするため、長期間働きながら昇給を目指す場合は、大企業が狙い目です。
また、転職をするタイミングについては、今の会社で十分なスキルと実績をつけられたと感じた時をおすすめします。さらなるステップアップができると思ったら、転職を視野に入れても良いでしょう。
必要な資格を取得しプロになる
不動産業界でのキャリアアップを目指すなら、宅地建物取引士は最低限取得しておきたい資格です。不動産仲介を行う場合、宅地建物取引士の資格がないと重要事項説明の業務ができません。
また不動産業を行う会社は、社員の五人に一人の割合で宅地建物取引士の資格保有者を配置しなければなりません。そのため、資格を保有していればそれだけで需要が高まり、希少価値を得ることができます。
宅地建物取引士の他にも、不動産関係の資格には以下のようなものがあります。
- 投資不動産取引士
- 不動産仲介士
- 土地活用プランナー
資格を保有していると、独立して開業する可能性も見えてきます。資格を取るには勉強時間を確保する必要があるため、自身のキャリアプランと照らし合わせて、資格の取得を検討してみましょう。
不動産業界は未経験でもチャレンジしやすい
不動産業界は実力主義の世界です。未経験者でも実力があれば、インセンティブとして給与に反映されます。
しかし、ストレスやプレッシャーは大きく、多くの人が挑戦してはリタイアしていくのも事実です。そのため、バリバリ働きたい人や打たれ強い人に向いている業界だと言えます。
また不動産業界はブラックなイメージを持つ人は多いですが、デベロッパーなどの企業によってはむしろホワイトと言える企業もあります。求人をしっかり探せば、就業環境の良い会社に入ることも可能です。
不動産業界を目指すなら、熱意や勉強熱心な点をアピールすることが大切です。また入社後も継続的に自分のスキルを磨くことがキャリアアップの秘訣でしょう。
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