当面は派遣社員として働くことを考えているものの、給料面に不安がある人もいるでしょう。派遣社員の給料相場や、稼げる職種を解説します。派遣社員のまま年収を上げる方法も紹介するので、派遣社員でもたくさん稼ぎたい人は要チェックです。
派遣社員はどんな働き方がある?
派遣社員の働き方を解説します。どのような働き方があるかを理解し、自分に合ったやり方で働きましょう。
常用型と登録型の二種類
派遣社員には常用型と登録型の二種類が存在します。
常用型とは派遣会社の正社員として雇用される働き方。派遣先との契約が終了しても派遣会社との雇用関係は続き、給料も支給され続けることが特徴です。また、派遣会社の福利厚生を使用できたり、ボーナスが支給されたりすることがメリットです。
一方、登録型とは派遣先との契約期間のみ派遣会社と雇用関係を結ぶ働き方で、多くの人がこの形態で働いています。
派遣先との契約が終了すると雇用関係もいったん終了となり、次の派遣先が決まるまでの間の給料は発生しません。しかし、雇用契約が終了したタイミングで次の仕事を探しやすくなることがメリットと言えるでしょう。
社員登用前提の紹介予定派遣もある
派遣労働の中には、派遣先での正社員採用を前提とした紹介予定派遣という形態もあります。派遣期間は最長6カ月で、契約終了後は派遣社員と企業双方の合意のもとで正社員登用されます。
通常、派遣契約では事前の面接などの選考は禁止です。しかし、紹介予定派遣は正社員採用が前提のため、選考が認められています。
事前に実際の職場で働いてみることで職場の雰囲気を知ることができるため、社員転換の際のメリットとなるでしょう。
派遣社員の給料の仕組みと相場
派遣社員の給料の仕組みを理解しましょう。正社員との違いを把握し、正しい知識を持って派遣社員になるか検討することが重要です。
派遣社員の給料の仕組み
正社員の場合は、雇用先の企業から直接給料が支払われます。派遣社員の場合も同じように派遣先の企業から給料が支払われると思うかもしれません。
しかし実際は、派遣社員の給料は派遣先の会社からではなく派遣会社が支払っています。派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいるためです。派遣先の会社は派遣会社に料金を支払い、そこから諸経費を引いた金額が派遣社員の給料となります。
なお、派遣社員が給料として受け取る金額は、派遣料金の約7割と言われています。
職種による給料の違い
派遣先の企業が派遣会社に支払う、派遣社員の人件費のことを『派遣料金』と言い、派遣料金は職種によって異なります。全職種の平均派遣料金は8時間あたり約23,000円です。
派遣料金の高い職種は医師・薬剤師やIT系の職種で、派遣料金はそれぞれ約41,000円、約31,000円です。一方で派遣料金の低い職種としては、以下が挙げられます。
- 飲食物調理従事者
- 接客業
- 商品販売業
- 介護・社会福祉サービス従事者
上記職種の派遣料金は約12,000〜14,000円となっており、医師やIT系に比べると倍以上の差があると言えます。
時給制のため月収は変動
正社員の給与体系は月収制ですが、派遣社員の場合は時給制です。
月収制の場合は遅刻や欠席、残業をした場合を除き、毎月支払われる給与は固定されています。月によっては祝日が多いために労働日数が少ない月もありますが、支払われる給与は変わりません。
一方、時給制の場合は、働いた時間分の給料が支払われます。つまり祝日や長期休暇などの関係で労働日数(時間)が少なくなると、その分給料も減ってしまいます。
派遣社員として働く際は、月収が変動することを覚えておきましょう。
派遣社員の時給は上昇傾向
株式会社リクルートの調べによると、2021年10月度の三大都市圏における派遣社員募集時の平均時給は1,729円で、前年同月比で21円アップしていることがわかりました。地域で比較すると、関東地方の方が関西・東海地方よりも時給が高くなっています。
派遣社員の平均時給が上昇している要因は、時給の低い軽作業の募集が減ったためだと考えられます。特にオフィスワーク系の時給は6カ月連続で過去最高の記録を更新しているようです。
派遣社員で働くことを検討している人にとっては、嬉しい傾向と言えるのではないでしょうか。
参考:2021年10月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】|ジョブズリサーチセンター(JBRC)
派遣社員として働く流れ
派遣社員として働く際は、派遣会社に登録を行い、興味のある求人があれば応募して就業を開始するというのが大まかな流れです。流れの詳細について解説するので、しっかりと押さえておきましょう。
派遣会社に登録する
派遣社員として働くなら、まずは派遣会社に登録しましょう。多くの場合、派遣会社が開催する登録会に参加することになります。平日の夕方以降や土日にも開催されていることがあるので、日中帯は忙しい人でも参加しやすいでしょう。
登録会ではその派遣会社での派遣の仕組みや福利厚生、自社システムの説明を受けます。その後、自分のプロフィールなどの個人情報を入力し、主にパソコンスキルに関するスキルチェックが実施されます。
スキルチェックは選考ではなく、自分のスキルをチェックするためのものです。
仕事を探すもしくは紹介を待つ
登録が済んだら、派遣会社からの仕事の紹介を待つか、自分でホームページなどから仕事を探しましょう。条件を絞って検索することも可能です。
派遣会社によってはコーディネーターと呼ばれる担当者が、自分のスキルや経験をもとに、マッチした求人を紹介してくれるサービスもあります。
求人に応募した後は、派遣先企業と派遣社員の双方で条件に合意ができたら、派遣会社と雇用契約を締結します。もし、条件が合わない場合は断ることも可能です。
複数の派遣会社に登録するのがおすすめ
派遣社員の仕事を見つけるコツは、複数の派遣会社に登録することです。派遣会社への登録は基本的に無料でできます。
派遣会社によって特徴や得意領域が異なり、扱っている求人も異なります。そのため、複数の派遣会社に登録していた方が紹介される求人数も多くなり、仕事も決まりやすくなるでしょう。
ただし、多くの派遣会社に登録するとダブルブッキングなどの弊害が出てしまうため、2〜3社に登録することがおすすめです。
派遣社員で高時給の仕事とは?
派遣社員として働くなら、時給の高い方が良いと考える人がほとんどでしょう。派遣社員で高時給の職種を解説します。自分が挑戦できそうな仕事があれば、積極的に応募してみましょう。
エンジニアなどのIT系技術職
エンジニアなどの高度な技術が求められる職種は、時給も高い傾向です。また、IT系の職種は残業が発生し、労働時間に応じて給料も多くなることもあります。
未経験からいきなりエンジニアとして働くことは難しいですが、プログラミングスクールや職業訓練などでスキルの習得が可能です。
エンジニアの時給はスキルとともに上がる傾向にあるため、働きながら高収入も目指せるでしょう。
専門資格や語学力が必要な仕事
専門的な資格や語学力が求められる職種の時給も高くなっています。特に国家資格である看護師や保育士、介護福祉士は時給が高い職種と言えるでしょう。外国語能力を生かせる職種としては、翻訳や通訳、貿易事務などが挙げられます。
上記の仕事をする人の中には、以下のメリットから派遣社員として働くことを選ぶ人も多いでしょう。
- 正社員と仕事内容が変わらないにもかかわらず、時給は正社員と同等かそれ以上
- 仕事内容や職場が合わないと感じたときは就業先を変えやすい
- 事情に合わせて働き方を柔軟に変えられる
派遣社員では収入の不安定さがデメリットとして挙げられますが、正社員と同程度の水準であれば上記の点が魅力となるでしょう。
派遣社員のまま年収を上げる方法
派遣社員のまま年収を上げる方法はあるのでしょうか。派遣社員として年収をアップさせる方法を二つ解説します。
資格や専門技術を身につける
専門的な知識や技術を持っていれば、希少価値が生まれます。エンジニアや医師などの時給が高い理由は、その業務ができる人が少ないためです。そのため、時給を上げるためには、高度な知識やスキルを身につけて希少価値の高い人材になる必要があります。
わかりやすい基準としては、資格や免許の取得です。派遣会社によっては資格取得講座を開講しているところもあるため、積極的に活用することをおすすめします。
別の派遣会社を利用する
派遣会社に時給アップの相談をしても良いですが、このような相談は気を使う上に簡単に進む話ではありません。しかし、派遣会社を変更するとスムーズに時給がアップする可能性があります。
インターネットで調べてみて、現在登録している派遣会社よりも待遇が良さそうなところがあれば、登録してみましょう。ただし、福利厚生や現場環境などの情報はインターネットの情報だけで把握することは困難です。
もし、現場に別の派遣会社から来ている人がいれば、失礼のない範囲で聞いてみることをおすすめします。なお、派遣会社を変更するときは、できるだけ契約期間中の解約は避けることがマナーです。
派遣社員からキャリアアップしよう
派遣社員としてでも年収を上げることは可能ですが、やはり雇用が不安定なことから大幅な改善は難しいでしょう。そのため、将来のことを考えるなら、キャリアチェンジを視野に入れることをおすすめします。
派遣社員からのキャリアアップの方法を三つ紹介します。
派遣元のキャリア形成支援を受ける
労働者派遣事業を行う事業者には、派遣社員に対してキャリアアップ支援を行うことが法律で義務付けられています。具体的には全派遣労働者を対象に、入社時の研修と最初の3年間は毎年一回以上、8時間以上の研修を行う必要があります。
また、派遣社員のキャリアアップを念頭に置いて派遣先の企業を紹介することと、キャリア相談窓口を設置することも派遣会社側の義務です。
派遣会社が実施するキャリアアップの施策を積極的に利用することで、キャリアアップを図ることができるでしょう。
正社員登用を目指す
今の派遣先が自分にあっているなら、その会社で正社員登用を目指しても良いでしょう。正社員として雇用してもらえれば、収入が安定し、福利厚生も利用できるようになります。
ただし、今の派遣先で正社員登用を目指すなら、過去に同様の事例がないと難しい可能性があります。社員の採用は経営側の判断であり、会社としての方針が優先されやすいためです。
人件費削減などの理由で派遣契約しか締結しない方針を取っている可能性もあります。もし過去に派遣社員から正社員登用した実績があるなら、チャンスはあると考えて良いでしょう。
転職して正社員になる
転職して正社員になることは派遣先での正社員登用を目指すより、確度の高い方法でしょう。正社員として働くことができれば、昇進や昇給のチャンスが期待でき、派遣社員として働くよりも収入を上げやすくなります。また企業によってはボーナスや退職金制度があることも魅力的です。
中には正社員として採用されるだけのスキルがないと思っている人もいるでしょう。そのような場合はインターンシップで実績を作ることがおすすめです。
リバラボインターンシップでは、スキルや実績のない状態から優良企業への正社員採用を目指すためのプログラムです。高卒などで、スキルや学歴に自信を持てない人が多く参加しています。
研修期間は職務経歴として記載できる上に、研修中は固定給と住居も支給されます。興味のある人は一度無料相談に申し込んでみましょう。
派遣社員で稼ぐにはスキルが必要
正社員採用を目指す前に、当面は派遣社員として働くことを考えている人もいるでしょう。派遣社員はアルバイトよりは高い時給で働くことができます。また、資格を持っていたり、市場でニーズのあるスキルを保有していたりする場合は、高時給で働くことも可能です。
ただし正社員に比べると雇用は不安定で、収入も上げにくいのが現状です。長期的にキャリアアップするためには、正社員採用を目指しましょう。
本気で正社員採用を目指すなら、リバラボインターンシップで実績を作ることもおすすめです。実践的なキャリアを積んで、一流企業で通用するスキルを身につけられます。
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②キャリア派遣を活用してキャリアアップ
提携先(大手/上場/成長ベンチャー)企業にて社員転換を前提としたトライアル就労が可能な形態です。 期間内であれば複数の企業で実績を積むことができ、自身と企業のカルチャーマッチを 確認してから社員になれるので早期離職することなく着実なキャリアップが可能となります。
③職業紹介を活用してキャリアアップ
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