ホテル業界と言えば、「綺麗でオシャレなホテルでいきいきと働く人たち」をイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし、「かっこいい仕事」のイメージだけが先行し、ホテル業界で働くことの魅力を具体的に説明できる人は多くありません。
ホテル業界の魅力は素敵な空間で働けることだけではありません。
今回の記事では、ホテル業界の魅力に注目し、
- ホテル業界の具体的な魅力とは何か
- ホテル業界に向いている人と向いていない人
について詳しく解説していきます。
「なんとなく良さそう」、「やりがいがありそう」などのイメージだけでホテル業界を目指すと、入社後のギャップに悩まされる可能性もあります。
これから就職先を探すにあたり、ホテル業界を検討されている方の参考になる内容がたくさん詰まっている今回の記事。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
ホテル業界の5つの魅力
ホテル業界で働く魅力は一言では語り尽くせないほどたくさんあります。
この章では、ホテル業界の魅力を5つのポイントに分けて解説していきます。
具体的な魅力を知ることは、ホテル業界の仕事に対する理解を深めるということにつながります。
これから目指すホテル業界の本当の魅力を深く理解していきましょう!
1.お客様の笑顔
ホテルには日々、様々な目的を持ったお客様が滞在を目的にやってきます。
ホテル滞在の目的は大きく4つに分類されます。
- ビジネス
- 家族旅行
- 恋人同士の旅行
- 一人旅
勤務するホテルの種類によって、どの層のお客様が多くなるかは異なります。
ビジネスホテルならビジネス目的のお客様がメイン、シティホテルなら出張利用から家族旅行まで様々ですし、リゾートホテルならカップルや家族連れがメインとなるでしょう。
どのようなホテルであっても、ホテルで働く最大のやりがいとして多くの人が真っ先に挙げる「お客様からの感謝の言葉や笑顔」は、ホテル勤務者の原動力となります。
お客様の滞在を全力でもてなし、その結果「ありがとう!最高のホテルだったよ。またぜひ泊まりにくるね」などと言われた時には、ホテルで働いていてよかったと心底思えるもの。
ホテル勤務は激務と言われるほどに大変ですが、その苦労はお客様の笑顔で一気に吹き飛んでしまいます。
2.非日常的な空間で働ける
ホテル勤務の魅力は、ホテルという現実離れした「非日常的な空間」で働くことができることです。
ホテルで働きたいと考える人の多くは、
- 過去に泊まったホテルに心底惚れ込んだ
- 長年憧れているホテルがあり、そこで働きたいと思った
など、自分自身の経験から「思い入れのあるホテル」で働きたいと思うようになったケースです。
それだけ、ホテルは「特別な場所」であり、「足を踏み入れること自体が特別」であると考えられているのです。
このような、日常からかけ離れた場所で毎日働けるなんて夢のようですし、会社員で事務所に勤務するのとはまるで違います。
「○○ホテルで働いているんだ」と人に話す際にも気分が上がりますし、周りから「○○ホテルで働いてるなんて素敵だね!」と言われて気分が上がらない人などいないでしょう。
3.ハイレベルの接客スキルが身につく
接客業にも様々な仕事があり、その多くは「短時間の接客」です。
例えば本屋で働くにせよお客様と接する「接客」の業務は存在しますし、アパレル店員にも同じことが言えます。
しかし、多くの接客仕事はお客様が来店して商品を購入する、もしくはサービスを提供した時点で終わる短時間のもの。
ホテルは1泊以上の滞在が基本となるため、それだけ長時間にわたりお客様と関わる可能性を持ち続ける点が特徴です。
ホテル業界で身につく接客レベルと、店頭の販売で身につく接客レベルはそれだけの違いがあるのです。
また、お客様側が求める接客レベルも異なります。
「ホテルなんだから、それ相当の接客をしてもらえるだろう」という高い期待値をさらに上回ったときに、お客様を心から満足させることができます。
- 言葉遣い
- 立居振る舞い
- 柔軟な対応
- 迅速な対応
これらの接客スキルは、ホテルだからこそ高いレベルで身につけることができます。
元ホテル業界出身者が他の業界でも転職時に積極的に採用されやすいのは、「ホテルで身につけたハイレベルの接客スキル」があるからです。
4.語学力が活かせる
日本語以外の外国語を話すことができる人にとって、ホテルはスキルを活かすのに絶好の場所。
ホテルに滞在するのは日本人だけでなく、各国から観光やビジネス目的で訪れる訪日外国人も多くいます。
特に「英語」を得意とする人は一定数いますが、仕事に英語を活かせている人の割合は決して高くはありません。
しかし、ホテル業界であれば語学力は確実に役立てることができるのも大きな魅力。
特に、外国人利用客の多いホテルを選べば、英語を話す機会は毎日のようにありますし、使えば使うほどに語学力はUPするでしょう。
英語の他にも中国語は特に重宝されるのがホテル業界。
語学に自信のある人なら、ホテル業界で思い切りそのスキルを活かすのがおすすめです。
5.様々な職種を経験できる
ホテルの仕事と言えば「フロントでチェックインやチェックアウトの対応をする」仕事を真っ先にイメージする人が大多数です。
しかし、ホテルにはフロント以外にも様々な仕事があります。
- 宿泊
- 料飲
- 宴会
- 婚礼
- 管理
主に大きく上記の5つに分けられるホテルの部署。
それぞれの部署の中にさらに細かく担当が割り振りされています。
ホテル業界では、同じ企業に在籍しながらも全く異なる職種を複数経験できるケースは珍しくありません。
例えば、
- ウェディングプランナーとして婚礼部に入社
- 宿泊部に異動しフロント業務を担当
- 料飲部に異動しレストラン勤務
などのように、数年の間にいくつもの職種を経験することができるのです。
考えようによっては、転職せずに多くのスキルや経験が身につくホテル業界は、今後進むべきキャリアを見極めるためにも非常に効率が良いと言えます。
ホテル業界に向いている人の3つの共通点
ホテル業界の魅力を理解したところで、ここからはホテル業界に適している人とそうでない人を見極めていきましょう。
この章では、ぜひホテル業界で働きたくさんのメリットを手に入れていただきたい「ホテル業界向きの人」に共通する3つのポイントについて挙げていきます。
1.体力に自信がある
ホテルは24時間365日常に稼働しています。
他の仕事を例に挙げてみようとしても、なかなか夜中も早朝も稼働している勤務先などありません。
ホテルに勤務する人のうち、宿泊部をはじめ多くの部署がシフト勤務となります。
ホテル勤務の特徴をまとめると、以下の通りとなります。
- 土日祝日関係なし
- 24時間交代制のため早番・遅番・夜勤などがある
- 定時上がりは期待できない
特に、カレンダー通り土日祝日休みで、9:00〜18:00などの決まった時間に勤務してきた人にとっては、ホテルのシフト勤務がつらく感じやすいところ。
さらには残業が多く「定時で上がれるなんて奇跡に近い」というホテルも多く存在するため、長時間労働が体力的に負担になることは少なくありません。
シフト勤務により、毎日の生活は不規則になってしまうのがホテル業界のつらいところ。
そのため、体力に自信のない人はすぐに限界を感じてしまう可能性大です。
2.メンタルが強く切り替えが早い
ホテル業界はきついと言われることが多いですが、その理由の一つに「精神的ストレスが溜まりやすい」という点が挙げられます。
ストレスの原因としては様々なものがありますが、
- お客様のクレーム対応でメンタルがやられる
- プライベートが犠牲にされることが多い
- 会社内の人間関係に問題がある
などが代表的なもの。
特に、お客様を多く迎えるホテルでは、クレームも当然起こります。
お客様の中に理不尽な言いがかりをつけられたり、どれだけ謝罪してもお客様の怒りがおさまらなかったりと、苦しい状況に陥ることもしばしば。
メンタルが弱ければ1度のクレーム対応で参ってしまうでしょう。
ホテル業界が向いている人は、「メンタルが強くて切り替え上手な人」です。
いくらつらいことがあっても、目の前のお客様に100%の笑顔とホスピタリティを持って接することができる人こそが、ホテル業界向きの人と言えます。
3.臨機応変に対応できる柔軟性
ホテル業界では、いろいろなトラブルが発生します。
- 客室の設備の不具合
- ダブルブッキング
- お客様の所持品紛失
などなど、挙げればキリがないほど他にもたくさんあります。
このような突発的なトラブルやイレギュラーな事態にも、冷静にかつ迅速に対応できる臨機応変な人は、ホテル業界に非常に向いていると言えます。
不測の事態にパニックになり、適切な対応ができないとなると、トラブルは解決されずホテルの評判にも影響を及ぼしかねません。
決まりきったことばかりをルーティン的に繰り返す業務が好きな人や、些細なことに対して動揺しがちな人にはホテル業界勤務はつとまらないのです。
ホテル業界に向いていない人の3つの共通点
ホテル業界を目指したくても、もしもあなたが以下の特徴に当てはまるのであれば、あまりおすすめすることはできません。
- ストレス耐性が低い
- 常にマニュアル通りに動きたい
- 体が弱く体調を壊しやすい
ここでは、ホテル業界に向いていない人の特徴を、さらに詳しく掘り下げて解説します。
1.ストレスに弱い
あなたはストレスに強いと思いますか?それとも弱いと思いますか?
ストレスに対する耐性は人により大きく異なります。
どんなに辛いことがあっても一晩寝れば次の日には前向きな気持ちを取り戻せる人もいれば、何日も同じことに対して深く落ち込んでしまう繊細な人もいます。
ストレスに弱い人がホテル業界にマッチしない理由は主に2つ。
それは、
- 思い通りに仕事が進まないことが多いから
- 自分のプライベートを犠牲にせざるを得ないことがあるから
以上の2つ。
思い通りに仕事が進まないのは、ホテル業界では当たり前です。
ホテルはお客様を中心に動いており、あなたがその日に片付けようと思った仕事がお客様の動きにより全く進まないまま定時を迎えることもしばしば。
「この日までにこの業務を進めたい」と思ってもそうはいかないことが多いのです。
また、ホテルの仕事は残業や休日出勤などもつきもの。
予定していたプライベートのプランが台無しになることもあります。
激務であるホテル業界で働きながら、プライベートも充実させられないとなると、もはやストレス解消の方法を見つけることもままならないのです。
そのため、ストレスに弱い人やストレスが極端に溜まりやすい人にはホテル業界はおすすめできません。
2.マニュアル通りに働きたい
ホテル業界にもマニュアルは存在します。
しかし、実際に勤務しているとマニュアル通りに対応することができないケースは多いです。
なにしろ、相手となるのは人間であるお客様。
お客様が何を思い、どう行動するかは全て予測できるはずもありません。
そのため、マニュアル通りに働きたい人にホテル業界は合わないと言えます。
このケースはこう対応するのが正解、と仮にマニュアルに記載されていても、マニュアル通りに対応して事態が悪化するケースもあるでしょう。
大事なのは柔軟性です。
状況ごとに「どうするのがベストなのか」を考え、適切な対応をするのがプロフェッショナルなホテルマン。
逆に言えばそれこそがホテルで働くことの面白さややりがいにも繋がっていくのです。
3.体力に自信がない
ホテル勤務は基本、早番が3人、遅番が3人、夜勤が3人、などシフトごとに人数が決まっています。
そのため、誰か一人でも欠勤すれば、その穴を埋めるために誰かがシフト変更して出社するなどのイレギュラー対応が必要になります。
当然風邪を引くなどで病欠せざるを得ないケースもあるでしょう。
しかし、あまりにも頻繁に欠勤するようではホテル勤務は務まりません。
体がもともと弱く、これまで仕事やアルバイトを休むことが多かった人には、まず健康状態を整える必要があります。
体力に自信のない人は、シフト制でなく全員が同じ勤務時間に働く仕事の方が周りに負担をかけずに済むため、ホテル業界はその時点で候補から外す必要があるでしょう。
まとめ
今回は、ホテル業界で働くメリットや魅力についてお伝えしました。
これまでイメージできていたものもあれば、そうでない新しい魅力に気づけた点もあるのではないでしょうか。
ホテルの仕事はやりがいのある仕事ですが、その分ハードであり、求められるストレス耐性や体力のレベルは高めです。
あなたにとって、ホテル業界を目指すのが最善の選択肢であるかどうか、今一度客観的に考えてみてくださいね!