面接では自己紹介を求められます。自己紹介ではどのような項目を入れるとよいのでしょうか?好印象を与える話し方のポイントや、やってはいけない行動もチェックしましょう。自己紹介の内容を決めるときに役立つ例文も紹介します。
面接における自己紹介の基本
自分のことを紹介する自己紹介は、面接ではどのような役割を担うのでしょうか?自己紹介をする目的や自己PRとの違いを知っていると、効果的にアピールできます。
自己紹介の目的
自己紹介は自分のことを知ってもらうために行います。そのため、自分のプロフィールやこれまでの経験を簡潔に伝えるのが基本です。
面接官は事前に履歴書であなたのことを確認しているかもしれません。しかし雰囲気や印象は知らないはずです。面接で最初に聞かれる自己紹介があなたの第一印象を決定します。
自分に興味を持ってもらえれば、面接をスムーズに進めやすくなるでしょう。面接官の印象に残るよう、必要な情報を過不足なく伝えます。
自己PRとの違い
面接では自己PRについても質問されます。自分のことを知ってもらうために行う自己紹介に対し、能力や意欲をアピールし魅力を伝えるのが自己PRです。
「採用したい」と感じてもらえるよう、強みや長所を伝えます。自己PRではこれまでの経験をもとにどのように貢献できるのか、どのようなシーンで強みや長所が発揮されたのかなどを伝えればよいでしょう。
自己紹介で述べた自分の情報を、自己PRで深掘りしていくイメージです。
自己紹介に入れるべき項目
自分のことを面接官に伝えるために行う自己紹介では、必ず入れる三つの項目があります。それぞれどのような内容なのか見ていきましょう。
基本的な情報や経験を伝える
プライベートで初めて会った人にはまず名前をといった『基本的な情報』を伝えます。それは面接でも同じです。「本日はどうぞよろしくお願いいたします。〇〇と申します」とあいさつをして名前を伝えましょう。
名前は名字だけでなく、必ずフルネームです。面接官に名前を知ってもらったら、これまでの『経験』についても伝えます。入社後に役立てられるスキルや資格・今の職場での成果などです。
実績があるのであれば「1時間に〇〇万円売上げました」というように具体的な数字で表せると、面接官の印象に残りやすいでしょう。
自分の強みを簡潔にアピールする
加えて『強み』を簡潔にアピールします。ポイントは仕事に生かせる強みを選ぶことです。どのような強みがあるとよいかは、面接を受ける会社の業務内容や、求人広告を参考にして研究します。
優秀さが伝わるような華やかな内容でなくて構いません。あなたなりの仕事への姿勢・価値観・人柄などが分かるようであれば十分です。
仕事に対する意欲と結びの言葉
自己紹介の最後には、仕事に対する『意欲』を述べます。目標や仕事への取り組み方へ触れることでやる気をアピール可能です。主体的な印象にもつながるため、好印象を与えやすくなるはずです。
また『結びの言葉』も欠かせません。意欲を伝えそのままにしていると、面接官はまだ何か続くのではないかと待ってしまうでしょう。『よろしくお願いいたします』とあいさつで締めくくると丁寧です。
自己紹介で好印象を残すポイント
どのような内容を伝えるかという点はもちろん、どのような印象を与えるかということも面接結果に影響します。面接官へ好印象を与えるポイントを意識して臨むとよいでしょう。
正しい姿勢や明るい表情を意識する
面接の初めに求められる自己紹介は、第一印象として面接官に残ります。このとき『姿勢』や『表情』も大きく影響することを意識しましょう。
背中が丸まった状態では『暗い』『だらしない』といった印象を与えてしまいます。背筋は伸ばし真っすぐに座ることを意識しましょう。1度鏡の前で座った姿勢をチェックすると、どのように座ればよいか分かります。
表情はできるだけ明るくなるよう心がけることが大切です。無理に笑う必要はありません。しかし口角が少し上がるくらいを意識すると、意欲的な印象を与えやすくなります。
話すときは面接官の目を見るのが基本ですが、見つめ過ぎはNGです。威圧感を与える可能性があるため、口元や喉元に視線を向けるタイミングを作ります。
応募企業に合わせた内容を話す
自己紹介で話す内容は、応募企業に合わせたものにします。経験や強みを自己紹介へ入れ込むときに、単に自分が得意なことを伝えるのではありません。得意で仕事に生かせることをアピールします。
例えば営業職へ応募するとき、簿記の資格について述べても強みにはなりにくいでしょう。それより「初対面の人とでも物怖じせずコミュニケーションでき、打ち解けるのが得意」というエピソードの方が役立ちます。
どのような経験やスキルが役立つかは、応募企業の採用条件やホームページを見て研究が必要です。応募する職種に求められる能力は何が必要なのか考えた上で話すと、興味を持ってもらいやすいでしょう。
聞こえやすいように話す
せっかく企業研究をしてよい内容の自己紹介ができるようになったとしても、面接官に聞こえなければ意味がありません。『聞こえやすさ』を意識して話すこともポイントといえます。
面接で緊張すると、つい早口になりやすいものです。聞き取りやすいゆっくり目の速さで話せるよう、最初は特に意識します。
また声の大きさもポイントです。日常の話し方より少し大きめの声で発声すると聞こえやすいでしょう。内容がよかったとしても、聞き取りづらい話し方では不親切と捉えられかねません。
自己紹介でのNG行動
面接で自己紹介をするときには、やってはいけない行動があります。代表的なNG行動を知り、面接本番に生かしましょう。
あいまいな表現で話す
自分のことを紹介する自己紹介では、『です』『ます』など言い切る表現を使います。あいまいな表現にあたる『~かもしれません』『~だと思います』といった語尾は使いません。
また言い切る表現でも『多分』『もしかしたら』などを使っていると、あいまいな表現になる点に注意しましょう。あいまいな表現を使わないのは、自分自身について伝えるからです。
自分のことを一番よく知っているのは自分なのに、あいまいな言い方をしていると、自信がなさそうな印象を与えます。聞いている面接官を混乱させてしまうこともある表現なので注意しましょう。
インパクトを残そうとする
面接官の印象に残ることをインパクトを残すことと勘違いしていないでしょうか。面接官は表面上のインパクトの強さで合否を判断するわけではありません。
そのため無理に笑いを取ろうとしたり、面白い受け答えをしたりすると、マイナスの印象を与えるリスクがあります。奇抜な服装や髪形、変わったパフォーマンスなども不要です。
企業は入社後に自社の社員や社風になじみ、長く働ける人を採用したいと考えています。インパクトが強く印象に残ったとしても、自己主張が強すぎるとよい結果にはつながりにくいでしょう。
話が長すぎる
簡潔に応募者について知るために求められる自己紹介は、シンプルに要点が伝わる内容になっていることが大切です。そのため自己紹介が長すぎると、印象は悪くなりやすいでしょう。
聞いている面接官が疲れてしまい、せっかく話した内容を覚えてもらえない可能性もあります。先に紹介した自己紹介に含める三つの項目を参考に、余計な情報を省くとすっきり聞きやすくなるはずです。
情報の深掘りや追加は、自己紹介の後で行われる質問で答えましょう。
自己紹介の例文
簡潔に自分のことを紹介する自己紹介では、あいまいな表現や奇抜な受け答えを避け、シンプルに伝えることが大切と分かりました。具体的にどのような自己紹介をすればよいのか、参考になる例文を紹介します。
未経験職種の自己紹介
これまでの仕事で携わったことのない職種の場合、自己紹介では応募職種に生かせる経験を伝えます。営業をやったことがなくても、営業に生かせそうな経験や考え方を見つけ、その内容を盛り込むことは可能です。
「〇〇と申します。本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。私は高校卒業後、スポーツ用品の販売店で販売スタッフを経験してまいりました。
営業は未経験ですが、販売スタッフとして培った新規のお客様と打ち解けるスキルを生かし、新規開拓が得意な営業として成長したいと考えております。どうぞよろしくお願いします。」
このように経験から生かせる内容を見つければ、未経験職種でも印象に残る自己紹介ができます。
第二新卒の自己紹介
第二新卒ではまだそこまで多くの実績を積んでいません。そこで経験から何を学んだのかを具体的に伝えましょう。例えば下記のように自己紹介へ入れます。
「貴重なお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。本日はどうぞよろしくお願いします。私は高校卒業後、〇〇株式会社で営業職を担当してまいりました。
主に任されていたのは既存顧客のフォローアップです。特に問題点を先回りした積極的な提案を心がけてきました。
その経験で学んだコミュニケーション力や先回りする力を生かし、さらなるスキルアップのために新規開拓に挑戦したいと考えています。どうぞよろしくお願いします。」
第一印象が面接を左右する
面接でまず聞かれるのは自己紹介です。そのため自己紹介が第一印象を決めます。簡潔に自分について知ってもらうため、あいさつと基本情報・強み・意欲と結びの言葉を入れましょう。
表情や姿勢もポイントです。前向きで意欲的な印象を与えるには、口角を少し上げた笑顔を意識し、背筋を伸ばして真っすぐ座ります。
また、あいまいな表現は自信がないように見えますし、インパクト重視の受け答えはよい印象や結果にはつながりにくいでしょう。面接は自己紹介の後も続くため、まずはシンプルに伝えることを意識します。
自己紹介でよい印象を与えられるよう、応募企業で生かせる経験を見つけることも大切です。
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