就職や転職活動で企業から求められる自己PRには、書き方のテンプレートがあります。それぞれの項目を当てはめていくことで、自身を最大限にアピールできる自己PR文となります。
この記事では、自己PRの書き方や、強みを表現するキーワードごとの例文を紹介します。
自己PRの王道テンプレート
自己PRには型はがあり、以下のテンプレートに内容を埋めていけば完成します。
- 自分の強み
- 強みを発揮したエピソード
- 結果や学んだこと
- 入社後、強みをどう活かすか
それぞれで書いておきたい内容を理解しましょう。
自分の強み
自分の強みは「実行力」「協調性」「責任感」など、一言で表現できるキーワードで表しましょう。自己PRの冒頭で「私の強みは●●です」と伝えることで、次に続くエピソードに耳を傾けてもらいやすくなります。
自分を端的に表現するキーワードを探し、自己PRの冒頭で印象付けましょう。
強みを発揮したエピソード
以下のように強みを発揮したエピソードを説明し、自己PRを説得力のあるものにします。
- 実行力を身につけ部員を率いた
- 協調性でチームワークを生み出した
- 交渉力を磨き成約獲得を目指した
さらに、文章に起こす際は、上記のエピソードをより肉付けしボリューム感を出す必要があります。自分の強みがどのように結果に結びついたかを、具体的に伝える文章にしましょう。
結果や学んだこと
強みを発揮したエピソードから、どのような結果や学びを得られたかを説明します。
- 実行力を身につけ、日々の朝練のおかげで全国大会出場を果たした
- 協調性でチームワークが生まれ「働きやすくなった」との声をいただいた
- 交渉力を磨き、成約獲得率No.1となった
エピソードの結果は数字で表すようにすると、効果の大きさをわかってもらいやすくなります。数値化の難しいエピソードなら「周りにこんなことを言ってもらえた」「感謝の言葉をいただいた」など、客観的な見え方があると説得力が増します。
入社後、強みをどう活かすか
最後に、自分の強みを入社後にどう活かせるかを述べ、自己PRを締めくくります。
「リーダーシップを発揮して、チームのパフォーマンス向上に尽力したいと考えています」
「営業職では、粘り強さを活かしてお客様のニーズを引き出し、信頼関係を構築していきたいです」
上記のように「強みである●●を活かし、貴社では●●に貢献していきたいです」という流れがベストです。自分の強みと会社が求める人材像を関連付けて伝えることで、会社にマッチする人物であるとのアピールができます。
強みやエピソードが浮かんでこない場合
「自分の強みがわからない」「インパクトのあるエピソードがない」と悩む人もいるでしょう。ここでは、強みやエピソードが浮かんでこない場合の対策を解説します。
過去の経験を書き出す
エピソードが浮かんでこない場合は、今までの経験を幅広く書き出すことからスタートしましょう。書き出すエピソードは、成功体験だけでなく失敗体験や挫折経験などでもOK。なぜなら、失敗経験からも多くの学びや成長があるからです。
「部活動で県大会出場を逃したこと」「営業先でクレームを受けたこと」など、ネガティブな経験も積極的に書き出しましょう。挫折から何を学び、どのように乗り越えたのかを振り返ることで、自分の強みや成長した点を発見できます。
どういうことを学んだか掘り下げる
書き出したエピソードから、具体的に何を学んだのかを明確にしましょう。
「部活動で県大会出場を逃したことから、練習の質の重要性を学び、弱点を逆算して練習方法を考えるようになりました」
「営業先でクレームを受けたことで、お客様の視点に立つことの大切さを実感し『自分が顧客だったら』との目線を持つようになりました」
失敗体験や挫折経験であっても、ポジティブな学びを引き出すことが重要です。過去の経験から学んだことを言語化し、自分の成長プロセスを説得力を持って伝えましょう。
自分の強みを表現する例文6選
ここでは、強みを表現する6つのキーワードを用いた自己PR例文を紹介します。自分に近い強みやエピソードトークを見つけ、自己PR作成の参考にしてください。
- 目標達成力
- 責任感
- 計画性
- 適応力
- 共感性
- ポジティブ
目標達成力
<自分の強み>
私の強みは、高い目標を設定し、達成するために全力で取り組む姿勢です。
<強みを発揮したエピソード>
大学時代、マーケティングサークルで新商品開発プロジェクトのリーダーを務め、顧客満足度の平均スコアを、業界トップレベルの95%以上にするという目標を設定しました。周囲からは「目標が高すぎる」との声もありましたが、妥協せずに徹底的な市場調査と商品コンセプトの改良を重ねました。
<結果や学んだこと>
チームメンバーと一丸となって取り組んだ結果、目標を達成することができました。この経験から、高い目標を設定し、そこにコミットすることの重要性を学びました。
<入社後、強みをどう活かすか>
私はこの目標達成力を糧に、貴社の事業目標達成に全力で取り組みたいと考えています。
「目標達成力」をアピールする際のポイント
- どのような目標を立てたのかを述べる
- 目標に対して何を努力したのかを伝える
責任感
<自分の強み>
私の強みは、任された仕事に対して最後までやり遂げる強い責任感です。
<強みを発揮したエピソード>
前職の飲食店で、店長から新メニューの考案を任されました。レシピ開発や材料の選定など、すべてが初めての経験でしたが、店長から任されたことを自信に粘り強く取り組みました。
<結果や学んだこと>
新メニューはお客さまから大好評で、若い顧客層や団体客のリピーター獲得につながりました。売上もアップし店長からも高く評価していただき、未経験の仕事でも責任を持って最後までやり遂げることが重要だと学びました。
<入社後、強みをどう活かすか>
入社後は私の強みである責任感を活かし、お客さまに喜んでもらえるプランナーとして貴社に貢献したいと考えています。
「責任感」をアピールする際のポイント
- 責任感が求められた部分を具体的に述べる
- 具体的にどのような成果を得られたかを表現する
計画性
<自分の強み>
私の強みは、計画を立てて着実に実行し、高い目標を達成する力です。
<強みを発揮したエピソード>
大学2年生の時、TOEICのスコアを3か月で150点以上アップさせるという目標を立てました。日々の講義やサークル活動で忙しい中、点数を大幅にアップさせるのは簡単なことではありませんでした。そこで、スキマ時間を活用すべく、朝起きたら長文問題、通学時間にリスニング、昼休みには英単語の暗記カードを眺める、というルーティンを実行しました。
<結果や学んだこと>
TOEICを受験した結果、スコアは160点アップし、780点を達成しました。この経験から、時間が限られた中でも計画性を持って取り組めば、大きな成果を上げられるのだと実感しました。
<入社後、強みをどう活かすか>
私はこの計画性を活かし、プロジェクトの各フェーズに必要なことを見極めながら事業の成功に貢献したいと考えています。
「計画性」をアピールする際のポイント
- どのような計画を、どれほどの期間で実行したかを伝える
- 計画により、どのような結果を収めたかについても触れる
適応力
<自分の強み>
私の強みは、新しい環境にすばやく対応できる適応力です。
<強みを発揮したエピソード>
大学1年生の夏休みに、大手ファストフード店でアルバイトを始めました。初めは、レジ打ちや商品の袋詰め、清掃など覚えることが多く、スピードについていくのに必死でした。しかし私は、先輩スタッフの動きを観察し、少しでも時間が空いたら実際にやってみるなど、できることから一つずつ吸収していきました。
<結果や学んだこと>
その結果、レジ打ちの速度と正確性が評価され、社内の接客コンテンストに出場しないかとオファーをいただきました。この経験から、未知の環境でも柔軟に適応し、積極的に学ぼうとする姿勢が重要だと学びました。
<入社後、強みをどう活かすか>
貴社では、新入社員研修の後すぐに実践の場に配属されると伺っています。私はこの適応力を活かし、どのような部署に配属されてもスキルを自分の方法に落とし込み、即戦力になれるよう努めたいと思います。
「適応力」をアピールする際のポイント
- 適応力が求められた部分を具体的に述べる
- 結果や学んだことを数字や他者からの評価をもとに表現する
共感性
<自分の強み>
私の強みは、相手の気持ちを理解し、共感することができる力です。
<強みを発揮したエピソード>
前職の営業職で、何度もクレーム対応をすることがありました。最初は相手方の勢いに圧倒され、クレーム対応が嫌いになるほどでした。しかし、先輩からのアドバイスとして、冷静に顧客の怒りに耳を傾け、まずは謝罪することを学びました。その後は社内で再発防止策の提案や緊急時の代替案の用意など、クレームを最小限に留める策を立てるようにしました。
<結果や学んだこと>
誠実な対応を心がけていると、顧客の怒りは徐々に和らぎ、最終的には「誠意が伝わった」と言っていただけるようになりました。その後リピーターとなる方も多く、クレーム対応は顧客との信頼性を築くコミュニケーションの一つであると学びました。
<入社後、強みをどう活かすか>
貴社では、クライアントとの親密なコミュニケーションが欠かせないと伺っています。私はこの共感力を活かし、クライアントの満足度向上に貢献したいと考えています。
「共感性」をアピールする際のポイント
- エピソードが受け身にならないよう、積極性もプラスしてアピールする
- ネガティブな話題でも、最終的にはポジティブに変換する
ポジティブ
<自分の強み>
私の強みは、どんな状況でも前向きに捉え、ポジティブに行動することです。
<強みを発揮したエピソード>
大学1年生の時、必修科目にプレゼンテーションの課題がありました。グループのメンバーは私を含め4人でしたが、なかなか意見がまとまらず、進捗がありませんでした。しかし私は、メンバーの多様性こそが強みになると考え直し、一人ひとりの長所を引き出てアイデアを積極的に取り入れるようにしました。
<結果や学んだこと>
プレゼンテーション当日、教授からは「チームワークが素晴らしい」と高い評価をいただきました。ポジティブな姿勢は、個性の異なるメンバーをまとめ上げられることを実感しました。
<入社後、強みをどう活かすか>
貴社では、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が集まり、イノベーションを起こすことが期待されていると伺っています。私はこのポジティブな姿勢を活かし、どのようなメンバーとも積極的にコミュニケーションを取り、一人ひとりの強みを引き出ていきたいと思います。
「ポジティブ」をアピールする際のポイント
- ポジティブさが功を奏したエピソードを、具体的に述べる
- 結果や学んだことが漠然としないよう、他者の評価などで表現する
自分の強みを見つけ、端的に伝える自己PRを目指そう
自己PRで最も重要なポイントは、自分の強みを見つけているかどうかです。自分の強みを表すエピソードさえあれば、自己PRはテンプレートに当てはめるだけで完成します。
過去のエピソードから自分の強みを見つけ出し、端的に伝える自己PRを作成しましょう。
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