履歴書の学歴・職歴欄の書き方。履歴書を書くときのポイントを解説

履歴書の学歴や職歴の書き方は、ポイントを押さえておくと書きやすくなります。たとえば高校卒業から書くという基本や、最終学歴の考え方を知っておくとよいでしょう。担当者が理解しやすい書き方で、わかりやすく学歴や職歴を伝えるポイントを紹介します。

学歴を書くときの基本

学歴を書くときには、一般的に高校卒業から書きます。このとき学校名や専門科・学部・学科なども省略せず書きましょう。基本を押さえておくことで、必要な情報を過不足なく伝えられます。

高校卒業から記入するのが基本

多くの人は小学校・中学校を経て高校へ進学します。そのため、学歴欄は小学校から書くものなのか悩んでしまう人もいるかもしれません。履歴書へ書くのは『高校卒業』からでOKです。

小学校や中学校は義務教育のため、書いてあったとしてもプラスの評価にはつながらないでしょう。そのため一般的には書きません。

しかし小中学校が書いてあると、面接時に会話のきっかけになることもあります。学歴欄に書く内容が少ないなら、記入しておいてもよいでしょう。

学部や学科も省略しない

学校名を書くときにはすべて省略せずに書くのがポイントです。『〇〇高校』ではなく『〇〇県立〇〇高等学校』のように記載します。また『専門科』も省略しません。農業・商業・工業など、自分の属していた専門科を書きましょう。

大学の場合には『学部』『学科』まで必要です。同じ学校へ通っていた人でも、専門科や学部・学科が違えば、身につけている知識や技術は異なります。正しく選考するために必要な情報です。

最終学歴の考え方

注意したいのは『最終学歴』の考え方です。最終といわれると、一番最後に卒業した学校という意味にもとれますが、実際には違います。正しく理解してから書きましょう。

自身の中で一番高い学歴

最終学歴とは、『一番高い学歴』です。たとえば小学校・中学校・高校を卒業し就職した人であれば、高校を最終学歴と判断します。あなたが卒業した学校の中で、最も高い水準の学校のことと考えるとよいでしょう。

直近で卒業した学校ではないため、大学卒業後に資格取得のために入学した専門学校は最終学歴ではありません。この場合は大学が最終学歴です。

また高専・短大・専門学校は水準が近いため、上下を明確に分けられません。ほぼ同等のため、高専卒業後に専門学校へ通ったというケースでは、直近で卒業した専門学校を最終学歴とします。

中退した場合は学歴に含まない

最終学歴になるのは『卒業した』学校です。高校卒業後に大学へ進学していたとしても、中退している場合は最終学歴と表示できません。このときの最終学歴は高校です。

ただし学校へ入学したこと自体が評価につながる可能性があります。そのため中退なら『〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中退』と書いておくとよいでしょう。

また中退した学校について記載がないと、最終学歴から最初の職歴まで空白の期間ができてしまいます。謎の空白があると、採用担当者は『何をしていたんだろう?』と疑問に思うため、書いておくのが正解です。

そのほか注意が必要な点

学歴として認められる学校が限られている点にも注意しましょう。国公立の学校か、学校法人として認定を受けている私立学校のみです。そのため『予備校』へ通っていても学歴にはなりません。

『職業訓練校』は一見学校のようですが、教育機関ではない点に注意しましょう。仕事につなげる知識や技術を身につけるのが目的のため、学歴ではなく職歴に記載します。

海外留学を経験したことのある人もいるでしょう。留学は『学位』を取得していれば学歴になります。しかし8日以上1年以下の短期留学は、学歴に含まれない場合がほとんどです。

職歴を書くときの基本

職歴は、あなたがどのような経験をしてきたかがわかる大切な情報です。そのため正しい情報をもれなく書かなければいけません。アルバイト経験しかない場合でも、丁寧に書けばプラスの評価につながる可能性があります。

短期間でもすべて書く

就職しても短期間で転職してしまい、1社の在職期間が短いケースもあるでしょう。そのような場合にも、すべての職歴を書きます。もちろん試用期間中に退職した会社も対象です。

職歴欄に書ききれない・たくさんあって書くのが面倒という理由から、職歴を省略するのはいけません。省略が入社後に判明すると『経歴詐称』で解雇となる可能性もゼロではない事態です。

履歴書の種類によって職歴欄の行数は異なります。職歴が多いなら、行数が多くとられてるものを選ぶと安心です。

会社名などは正式名称で書く

会社名や部署名を省略せずに書くのも基本です。必ず正式名称で記載しましょう。たとえば『(株)〇〇』ではなく『株式会社〇〇』とするのが正解です。日常的に省略して使っている会社名や部署名も、省略せずに書きます。

また異動で部署名が変わった場合にも、記載したほうがよいでしょう。同じ会社内でも部署やポジションによって、任される仕事は変わります。その経験が採用担当者にとって判断材料になるかもしれません。

ほかに合併や出向などで所属する会社名が変わったときも、正確に記載します。

アルバイトしかしていない場合

原則としてアルバイト経験は履歴書に記載しません。ただしアルバイトしか経験がない場合や、アルバイト経験を生かせる会社への転職なら、職歴欄に記入しましょう。

アルバイト経験を職歴に書くと『なぜアルバイトとして働いていたのか?』を聞かれる可能性があります。そのため理由を説明できるよう準備しておくと安心です。

たとえば『期間を決めて資格取得に打ち込んでいましたが、残念ながら不合格でした』というような理由を、自分の状況に合わせて用意します。同時にアルバイト経験を就職後どのように生かせるかも考えておきましょう。

職歴を書く上で注意するポイント

書き方にも注意しましょう。誤解されない表記やわかりやすい伝え方ができれば、採用担当者に正しく情報を伝えられます。納得してもらいやすい退職理由の書き方も、押さえておくとよいでしょう。

「退社」よりも「退職」がおすすめ

職歴の最後の欄には『〇〇株式会社 退職』と書きます。このとき『退社』と『退職』どちらがよいか迷うかもしれません。誤解されず正確に意味を伝えられるのは『退職』です。

どちらにも『会社を辞める』という意味がありますが、退社には『その日の勤務を終えて会社から帰る』という意味もあります。そのため読み方によっては、意味があいまいになる可能性がある表記です。

退職であれば意味を読み間違えることはありません。また退社には『社』という字がついているため、働いているのが病院や学校などの場合には使えない言葉です。

退職であれば、会社以外で働いているケースでも使えます。

現在仕事をしている場合

働きながら転職活動をしている場合には『退職』は使いません。かわりに『現在に至る』と記載すればOKです。退職予定の日にちが決まっているなら『現在に至る(〇月〇日退職予定)』とも書けます。

ただし日にちを記載できるのは、確実に決まっているときだけです。勤務先と相談中で確定していないときは、書かずに提出します。

退職理由の書き方

単に退職と書くだけでなく、退職の理由もあわせて書くと、採用担当者もわかりやすいでしょう。職歴欄には詳細を書く必要はなく、下記のように概要を書けばOKです。

  • 一身上の都合により退職
  • 会社都合により対象
  • 業績不振により退職
  • 契約期間満了のため退職

また自身の病気療養や家族の介護など、特別な理由がある場合には、それも書き添えましょう。退職から現在までに空白期間がある場合にも、理由があれば納得してもらいやすくなります。

正しい書き方で履歴書を作成しよう

履歴書は正しい書き方を押さえて作成するのが大切です。ポイントを押さえることで、学歴や職歴の情報を過不足なく採用担当者に伝えられます。

誤解を与えないことも意識しましょう。2種類の意味を持つ『退社』ではなく、会社を辞めるという意味のみの『退職』を使ったほうがわかりやすい記載です。

職歴がアルバイトのみの理由や、空白期間の理由・退職の理由などもあると納得してもらいやすい履歴書ができます。正しい書き方で採用担当者にわかりやすい履歴書を作成しましょう。



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