IT企業で働くことに憧れがあるものの、未経験であることからチャレンジに躊躇している人もいるかもしれません。しかし実際のところ、IT企業のなかには未経験でもOKとする企業も存在します。では、どんな人が採用されやすいのでしょうか? また、気になる仕事内容は? 早速解説していきます。
IT企業とは?
IT企業の「IT」とは、コンピューターやインターネットを使った情報技術を意味する”Information Technology”の頭文字。また、「IT業界」は情報技術に付随するサービスを扱っている業界全体を指しますが、大まかな仕事内容によって5つの業界に分類できます。
※ただし、5つの業界の分類に関して明確な基準は決まっておらず、複数の業界にまたがってサービスを提供している企業も多く存在します。
IT業界の5つの分類とは?
続いては、IT業界の5つの分類と、それぞれの業界の主な仕事内容をみていきましょう。
インターネット、web業界
インターネットを利用したサービス全般を提供します。具体的には、ホームページの制作やウェブ広告運用、ECサイトやSNSの運営などがこれに含まれます。サイト制作や広告運用はBtoB、ECサイトやSNSの運営はBtoCに分類されます。
インターネット、WEB業界の主な職種
- WEBディレクター:WEB開発を管理します
- WEBエンジニア:WEBサイトを制作します
- WEBライター:WEB記事を執筆します
- WEBデザイナー:WEBサイトをデザインします
- WEBマーケター:WEBのアクセス解析や予測を
企業例
- ポータルサイト系:Google、Yahoo!
- SNS系:Facebook、twitter、mixi
- インターネット広告系:GMO、CyberAgent
ソフトウェア業界
コンピューターをはじめとする機器を動かしているプログラムである「ソフトウェア」を製造・販売する業界です。ソフトウェアには、コンピューターシステム全体を制御する「オペレーションシステム(OS)」、EXCELやWORD、メーラーなどを使うための「アプリケーションソフト(アプリ)」、OSとアプリの仲介役を果たす「ミドルウェア」の大きく3タイプがあります。
また、企業から依頼を受けてソフトを開発するBtoB型の開発と、汎用性の高いソフトを市販用として開発するBtoC型の開発の2パターンのスタイルに分けられます。
ソフトウェア業界の主な職種
- プロジェクトマネージャー:プロジェクト全体の管理者
- プログラマー:設計されたプログラムを構築
- システムエンジニア:システム全体を設計
- サポートエンジニア:カスタマーの質問対応やトラブル対応
企業例
- 独立系:Microsoft、ORACLE、Adobe、オービック、TREND MICRO、cybozu、SOURCENEXT
- メーカー系:HITACHI、日立システムズ
ハードウェア業界
パソコンやスマホをはじめとする電子機器や、家電などの企画や設計から開発、販売まで多岐に渡る業務を手掛けます。
ハードウェア業界の主な職種
- 組み込みエンジニア:製品のプログラムを作成
- テストエンジニア:製品にエラーやバグがないかどうかの確認
- サービスエンジニア:製品の機械トラブル対応
- セールスエンジニア:製品を販売
企業例
SONY、Panasonic、HITACHI、FUJITSU、TOSHIBA、IBM、NEC、DELL、hp、CISCO、Apple、シスコシステムズ
情報処理サービス業界
IT技術を使ったシステムの開発や設計、運用、コンサルティングなどを通して、クライアントの悩みや課題を解決します。「情報処理サービス業界」は、「システムインテグレータ(SIer(エスアイアー))とも呼ばれています。
情報処理サービス業界の主な職種
- プロジェクトマネージャー:プロジェクト全体の管理者
- ITコンサルタント:問題の解決策を見出して提案
- セールスエンジニア:製品の販売
- データサイエンティスト:データを分析
企業例
- 独立系SIer:大塚商会、UNISYS、SCSK
- メーカー系SIer:FUJITSU、NEC、Hitachi Solutions、富士通マーケティング
- ユーザー系SIer:野村総合研究所、NTT DATA
- ITコンサル:アクセンチュア、デロイトトーマツ
通信インフラ業界
通信インフラとは、インターネットや電話などの通信サービスやプロバイダのこと。主な業務は、「現在使われている通信サービスの保守」「新しい通信サービスの提供、導入サポート」です。
現在使われている通信サービスの保守とは、運用・保守・監視業務などの作業です。既に導入されているサービスであるため、一から設定する必要がありません。一方、新しい通信サービスを提供するためには、ネットワークの設計書を書いたり、通信機器の設計をおこなったりする必要があります。難易度としては、前者のほうが簡単です、
通信インフラ業界の主な職種
- ネットワークエンジニア:ネットワーク通信の管理
- サーバエンジニア:情報の出し入れを管理
- データベースエンジニア:データの出し入れを管理
- セキュリティエンジニア:通信の安全性を保守
企業例
- 通信キャリア系(=通信回線設備を保有):KDDI、NTT、NTT docomo、SoftBank
- ISP系(=インターネット接続サービスを提供):BIGLOBE、IIJ
IT業界の職種のなかで未経験でもチャレンジしやすいのはどんな職種?
前述の通り、IT業界にはさまざまな職種がありますが、そのなかで、未経験でも特にチャレンジしやすいのは、各種エンジニアやプログラマーなどの技術職と営業職(セールスエンジニア)でしょう。
エンジニアやプログラマーに向いているのはどんな人?
IT技術に興味があって、新しい技術を取り入れていくことを楽しいと感じる人は技術職に向いています。ただし、地道な作業が多いため、コツコツと単純作業を続けることを苦痛に感じるタイプにはあまりおすすめできません。また、IT業界は技術の進化が著しいため、常に最新の情報をキャッチして新しい技術を取り入れ続けることも重要視されます。
営業職に向いているのはどんな人?
一般企業の営業職同様、クライアントや他の部署の人間とうまくコミュニケーションがとれることはもちろん、自社製品の魅力を的確な言葉で説明できなくてはならないため、IT技術に関する知識も豊富でなくてはなりません。また、プロジェクトの進行管理を担当することもあるので、マネジメント力に長けていることも大切。プロジェクトを仕切るうえでは、クライアントのニーズをしっかりと理解して、どうすれば理想以上のものを形にすることができるかを考えることも必要です。
未経験でIT業界に転職するためにはどうすればいい?
未経験でIT業界に転職する一番の近道は、未経験者歓迎の求人を探すことです。未経験者を歓迎している企業は、基本的に研修制度が整っているため、働きながら学べます。
ただし、IT知識がまったくゼロの状態では面接に通りにくいことは言うまでもありません。最低限の知識とスキルを有しており、これからさらに磨きをかけていきたいことをアピールするためにも、知識やスキルの習熟度を示す材料となり得る資格を取得しておくことをおすすめします。
取得しておくとIT企業への転職で有利になる資格は?
続いては、IT企業への転職に活かせる資格を紹介します。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
「基本情報技術者試験」は、IT技術者に必要な基礎力が身についているかどうかをはかる試験。「応用情報技術者試験」は、設計や開発、運用にいたるまでの高度な能力を有しているかどうかを問う試験です。
参考:情報処理推進機構「基本情報技術者試験」
参考:情報処理推進機構「応用情報技術者試験」
ITストラテジスト試験
「ITストラテジスト」とは、システム開発の超上流において事業計画段階から参画して、IT戦略の立案と実行を主導するストラテジスト(戦略家)のこと。ITストラテジスト試験の難易度はかなり高く、合格すると”ITを活用して経営戦略を実現する力を有した人材”であることが認められます。
データベーススペシャリスト試験
データベースの企画から運用、保守にいたるまでを実践できるだけのスキルを習得していることを証明するための資格です。データベース管理者やインフラ系エンジニアを目指す人は取得しておきたい資格です。
●情報セキュリティスペシャリスト
情報システムや組織に対する脅威や脆弱性をはかり、それに対して適切な施策を打ち出すスキルの習熟度をはかる試験です。試験合格を目指して知識を磨くことで、情報セキュリティの重要性が高まっている現代において重宝されるスキルを究めていけます。
参考:情報処理推進機構「情報セキュリティスペシャリスト試験」
●Oracle認定Javaプログラマ
日本オラクルが主宰している、Javaプログラマー向けの資格試験です。初心者向けのブロンズ、中・上級者向けのシルバー、ゴールドの3つのレベルに分かれているので、まずはブロンズからチャレンジするといいでしょう。
■就職支援付きプログラミングスクールを活用するのも◎!
上記に紹介した資格は独学でも取得を目指すことはもちろんできますが、ひとりだと勉強に集中できなくて転職活動がスムーズに進みそうにないなら、就職支援付きプログラミングスクールを活用するのも一手です。専門家の指導によっていち早く知識を習得できるだけでなく、スクールのなかには就職や転職の相談に乗ってくれるところもあるので、利用を検討してみてもいいかもしれませんね。
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