最終学歴により、就職率や入社後の出世率、さらには結婚率にまで違いが見られます。
今回は、高卒の学歴に注目し、高卒に関わる様々なデータを細かく解説していきます。
この記事で取り上げる内容は大きく以下の5点です。
- 全体に対する高卒の割合
- 高卒の就職率
- 高卒の結婚率
- 高卒の年収平均
- 高卒社長の割合
この記事を読むことで、高卒者についての細かな特徴を理解することができます。
ここでしっかり高卒であることで起こり得る問題をあらかじめ理解しておくと、その対策を練りやすくなりますよ!
最終学歴が高卒の割合
最終学歴が高卒である人の割合を見ることで、全体の中で高卒者が多いのか少ないのかを客観的に理解することができます。
それでは早速高卒者の全体における割合を見てみましょう。
まずは高校卒業後の進路状況のデータです。
▼高校卒業後の進路状況
大学進学 | 54.7% |
専門学校進学 | 22.0% |
就職 | 17.5% |
その他 | 5.8% |
高校卒業後に大学へ進学した人の割合は54.7%、専門学校へ進学した人の割合は22.0%となっていますね。
大学や専門学校へ進学して、その後中退した人も高卒に含まれるため、ここでそれぞれの中退率についても示しておく必要があります。
▼大学中退者の割合
中央公論新社「大学の実力2019」によると、2014年4月(6年制の場合は2012年4月)に入学した学生の数は538,146人。
そのうち、大学在学4年間(6年制の場合は6年間)の間に中退した学生の数は37,584人です。
と計算されますね。全体のおおよそ7%が大学を中退していることが分かります。
▼専門学校中退者の割合
東京大学政策ビジョン研究センターが実施した「専修学校における生徒・学生支援等に対する基礎調査」(2014)によれば、専門学校の各年度の中退率は2010年6.8%、2011年7.2%、2012年6.7%となっている。
少し前のデータにはなりますが、専門学校中退者の割合は全体の6.7%。大学中退者とほぼ同じですね。
- 高卒で大学進学後に中退した人の割合=54.7%×7%=3.83%
- 高卒で専門学校進学後に中退した人の割合=22%×6.7%=1.47%
- 高卒で就職した人の割合=17.5%
- 最終学歴が高卒の人の割合=3.83%+1.47%+17.5%=22.8%
最終学歴が高卒の人の割合は22.8%と算出されます。
高卒で就職できる割合
統計によると、高校卒業後の就職率は98.2%です。(参照:平成30年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在))
先ほどのデータを見ると、高校を卒業して就職した人の割合は高卒者全体のうち17.5%。
高卒で就職を志願した人のうち98.2%が実際に就職を決めていることになるため、
となり、実際の就職志願者の割合は17.8%と計算されます。
つまり、まとめると以下のようになります。
▼高卒の就職状況
卒業後に 進学した人 |
卒業後に 就職した人 |
卒業後就職を 志願した人 |
卒業後就職を 志願したが就職しなかった人 |
|
高卒者全体に 占める割合 |
76.7% | 17.5% | 17.8% | 0.3% |
高校卒業後に就職を目指したものの就職ができなかった人の率は0.3%と低く、1000人にたったの3人となります。
高卒で結婚できる割合
全体の高卒者がどのくらい結婚しているのか、その結婚率に注目してみましょう。
以下のデータは、高卒と大卒の生涯未婚率を示すものです。
▼学歴別未婚率(全国男性)
高卒 | 大学卒・大学院卒 | |
1990年生涯未婚率 | 4.33% | 2.86% |
2000年生涯未婚率 | 11.91% | 7.61% |
このデータから、高卒と大卒の結婚率を算出すると、以下の通りとなります。
▼学歴別結婚率(全国男性)
高卒 | 大学卒・大学院卒 | |
1990年結婚率 | 95.67% | 97.14% |
2000年結婚率 | 88.09% | 92.39% |
高卒と大卒で比較すると、大卒の方が結婚率が高いことが分かります。
さらに、以下の点も重要です。
- 1990年では高卒と大卒の結婚率の差は約1.5%のみ
- 2000年では高卒と大卒の結婚率の差は4.3%に開いている
高卒者の年収割合
高卒の年収については、大卒よりも低くなるとイメージしている人がほとんどでしょう。
それは正解です。
しかし、一体どのくらいの差があるのかまで把握しておくと、高卒の年収についての理解がより深まります。
ここで、高卒と大卒の平均年収を比較したデータを紹介します。
▼高卒と大卒(大学院卒含む)における平均年収データ
学歴 | 平均年齢 | 月額給与 | ボーナス | 年収 |
高卒 | 44.4歳 | 296,900円 | 673,700円 | 4,236,500円 |
大卒・大学院卒 | 40.5歳 | 398,900円 | 1,290,900円 | 6,077,700円 |
出典:「2017年 賃金構造基本統計調査」
高卒の平均年収は約424万円、大卒の平均年収は約608万円です。
その差は184万円となり、かなりの金額差があることが分かります。
高卒と大卒の収入比較で分かることは以下の通り。
- 月収で約10万円の違いがある
- 大卒は高卒の2倍に近いボーナスがある
これらの理由で、高卒と大卒では大きな年収差が生まれています。
高卒社長の割合
高卒の学歴でも出世できないわけではありません。
中には、出世どころか企業の社長にまで成り上がる人もいるのです!夢がありますね!
ではここで、企業の社長に注目し、その学歴と社長になる割合の関連性について解説していきます。
▼最終学歴からみる社長の割合
最終学歴 | 全社長 人数・構成比 |
大企業社長 人数・構成比 |
高卒 | 206,847人 (37.58%) | 765人 (8.13%) |
大卒 | 288,779人 (52.47%) | 8,037人 (85.43%) |
このデータから分かることは、企業の社長の多くは大卒であるということ。
特に大企業社長に占める大卒の割合は85%とかなり高いです。
ですが、ここで注目すべきは以下の点です。
- 全社長のうち37%は最終学歴が高卒!
- 大企業社長の8%は最終学歴が高卒!
どうでしょう。学歴が高卒でも、社長になることは不可能な話ではないことがお分かりでしょうか。
実際に、よく知られる大企業の社長にも高卒者は数多くいます。
- 河村泰貴
株式会社吉野家ホールディングス代表取締役社長 - 羽鳥兼市
株式会社IDOM(旧社名:株式会社ガリバーインターナショナル)代表取締役会長 - 近藤太香巳
株式会社ネクシィーズ代表取締役社長
まとめ
今回は、高卒の様々なデータを使いながら、高卒の特徴について解説しました。
この記事の内容をまとめると以下の通りとなります。
- 高卒者は全体の22.8%
- 高卒者は大卒者に比べて結婚率が低い
- 高卒と大卒の年収は184万円もの差がある
- 企業の社長の大半は大卒であるものの、高卒で大企業の社長になる例もある
高卒は何をするにも大卒に劣ると思われているところがありますが、これはやはり事実です。
しかし、高卒の学歴でも、大卒に負けないほどの強みがあれば、そこから一気に挽回して高収入を稼げる成功者になることは大いに可能です。
高卒の特徴を理解した上で、今後あなた自身がどのような道を目指すのかを考えましょう!