「離職率」とは、1年や3年などの一定期間に、対象となる人が仕事を辞めた割合を示す指標です。この数値が高ければ、労働者が仕事に定着しにくいということになりますが、果たして高卒と大卒とで離職率は異なるのでしょうか?今回は、3年以内の離職率を比較検討すると同時に、退職した人の理由や業界別離職率も調査しました。
高卒の離職率は36.9%、大卒の離職率は31.2%
厚生労働省の発表によると、令和2年度における新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は、高卒者が36.9%、大卒者が31.2%という結果がでています。
この数値は、2年前の調査結果である39.2%、32.0%と比べて減少してはいますが、高卒の離職率の約4割(36.9%)という数値はかなり大きいものではあります。
参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)を公表します」
高卒で離職者の離職理由は?
続いては、卒業後に就職した会社をなぜ辞めるのかについて考えていきましょう。
厚生労働省が公表している「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、高卒者が初めて勤務した会社を辞めた理由上位は以下の通りです。
1位:人間関係がよくなかった(29.0%)
2位:労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(28.7%)
3位:賃金の条件がよくなかった(26.1%)
4位:仕事が自分に合わない(22.2%)
労働時間や賃金などの条件は入社前に知れますが、いざ入社してみたら割に合わなかったということもあるのかもしれません。また、高卒で入社すると必ず社内の最年少となるため、人間関係に問題を感じても自分から改善を提案できるパターンは少ないということもあるでしょう。
高卒の離職率が高い業界は?
続いては、どんな業界が高卒の離職者が多いのかをみていきましょう。
1位:宿泊業・飲食サービス業(61.1%)
2位:生活関連サービス業・娯楽業(56.9%)
3位:教育・学習支援業(50.1%)
4位:小売業(47.8%)
5位:医療、福祉(46.2%)
続いて、これらの業界ではなぜ離職率が高いのかを考察していきましょう。
宿泊業・飲食サービス業
ホテルや民宿などの宿泊業、居酒屋やレストランなどの飲食サービス業は、万年人手不足であるため、少ないスタッフで業務を回していかなければならず、体力的にも精神的にもきついと感じて早期に辞める人が多いようです。
また、給与が低く割に合わないと感じて辞める人も多いと言われています。接客が好きで仕事が楽しいと思えるならいいですが、人と関わるのが好きでない人にとっては、割に合わない仕事だと感じられるかもしれません。
生活関連サービス業・娯楽業
クリーニングや銭湯などの生活関連サービス業、パチンコや競技場などの娯楽業共に、仕事量に対して給与は低め。業務の難易度が低く比較的簡単に始められるぶん、早期に辞める人も多い業界です。
教育・学習支援業
教育・学習支援業は子どもの成績アップや合格などの結果を出すことが大切。そのため、担当している子どもの成績が上がらないと責任を感じることもしばしば。保護者からのクレームに耐え切れずに辞めてしまうケースもあるようです。
小売業
スーパーやコンビニエンスストア、家電量販店などの仕事には体力も精神力も必要です。立ちっぱなしの仕事を辛いと感じることもあれば、売上ノルマのストレスで胃が痛くなってしまうこともあるでしょう。また、給与水準が低めなことも、離職率が高い原因です。
医療、福祉
医療、福祉ともに常に人手不足の状態であるため、残業や休日出勤が多かったり、休みたいときに休めなかったりすることがネックです。また、患者のケアには体力も必要なため、はじめのうちは意気揚々と職場に通っていたとしても、次第に疲労が蓄積されてくると憂鬱な気持ちになることもあるかもしれません。さらに、患者やその家族とコミュニケーションがうまくとれなくてストレスを感じることもあるでしょう。
高卒の離職率が低い業界は?
反対に、高卒の離職者が低い業界はというと以下の通りです。
1位:電気・ガス・熱供給・水道業(9.2%)
2位:鉱業、採石業、砂利採取業(24.4%)
3位:複合サービス事業(26.3%)
4位:金融業、保険業(28.1%)
5位:製造業(27.2%)
離職率が高い業界と比較したときの特徴としては、「人手が足らないことによる激務に陥る場合が少ない」「給与水準が高い」「クレーム対応の可能性が低い」などが挙げられるでしょう。忙しさや給与の低さが原因のストレスを感じずに働き続けることができるというのは、とても大切なことですね。
高卒が早期に退職しないためにはどうすればいい?
転職によるキャリアアップが当たり前の時代ではありますが、早期退職を繰り返していると、スキルや経験が身につきにくいだけでなく、転職時に不利になることもあります。では、就職した企業で長く働き続けるためにはどうすればいいのでしょうか?
ミスマッチを防ぐために自己分析や企業研究を
人材募集に応募する前に、仕事内容が自分に本当に合っているのかをよく見極めることが大切です。やりたい仕事がない場合も、募集先の先輩社員の声や、入社したらどんな仕事を手掛けることになるのかなどをよく読んで、興味が持てるか持てないかを自問自答することはできるはず。
「早く就職しなければ……」と焦る気持ちはわかりますが、焦って就職した結果すぐに辞めることになっては意味がありませんので、時間をかけて募集先のことを調べましょう。
就職希望先を絞り過ぎず視野を広く持つ
自分が興味を持てる仕事を探そうとすると、なかなか見つからない場合があるかもしれません。
しかし、「この仕事も興味が持てそうにない」「あの仕事もおもしろくなさそう」と全部つっぱねていたら、いつまでたっても応募さえできません。また、「絶対にこの企業に入りたい。この企業以外は考えられない」と視野を狭めすぎると、もっと自分に向いている仕事があることに気付けないままになってしまう可能性があります。
「好き」の気持ちを貫くのはよいことではありますが、頑なになり過ぎると、思ってもみなかった出逢いや新しいチャンスに恵まれにくくなるということは、頭の片隅に入れておいてもいいかもしれません。
転職支援サービスを利用して「さらに上」を狙うのも◎
「高卒であることが不利に働かないように、できるだけ早めに就職先を見つけたい!」
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