弁護士という仕事を思い浮かべるときには、
「学歴がよくないと目指すこともできないのでは?」
「弁護士になるための司法試験は超難関なのでは?」
と、難しそうなイメージを抱く人が多いですよね。
そこで今回は、高卒で弁護士を目指す方法についてどこよりも分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、
- 高卒で弁護士を目指す具体的な方法
- 高卒で弁護士を目指すのは現実的なのか(難易度)
- 弁護士になるための司法試験予備試験とは
- 試験の対策方法(項目ごとに解説)
について理解を深めることができます。
大卒でなくても取得できる弁護士の資格、その取得方法について徹底的に細かく解説していきますよ!
高卒で司法試験(弁護士試験)の受験資格を得る2つのルート
弁護士になるためには、司法試験に合格しなければなりません。
弁護士の資格は国家資格の一つで、取得の難易度はかなり高いことで有名です。
当然ですが高卒で弁護士を目指す場合にも、まず司法試験の受験資格を満たす必要があります。
司法試験の受験資格を満たすための方法は大きく以下の2つです。
- 法科大学院を卒業する
- 司法試験予備試験に合格する
それでは、それぞれの方法について解説していきましょう。
法科大学院(ロースクール)を卒業する
法科大学院とは、弁護士・検察官・裁判官の養成に特化した教育を行う学校です。
法科大学院に行き、卒業することで司法試験の受験資格を満たすことができます。
位置付けは大学院となるため、法科大学院に通うには「大卒」の資格が必須となります。
厳密に言えば事前の審査で「大卒同等の能力がある」と認められた場合には、法科大学院の受験資格を得られることがありますが、これはごく稀なケース。
つまり、法科大学院に通うためにはまず大学を卒業する必要があるということになります。
司法試験予備試験に合格する
法科大学院を終了した者と同等の能力があることを証明する試験のこと
司法試験予備試験は、司法試験と出題内容が酷似しており、予備試験の勉強は司法試験の勉強にもつながります。
司法試験予備試験を受けるメリットをまとめると以下の点が挙げられます。
- 司法試験と予備試験の科目がほぼ同じ
- 予備試験に合格すればその後最初の4月1日から5年間司法試験の受験資格を保持できる
結論、高卒が司法試験の受験資格を得るには、予備試験合格を目指す方法がおすすめなのです!
高卒で弁護士を目指すべきなのか
高卒で司法試験受験資格を得て司法試験に合格し、弁護士になることは可能です。
しかし、現実的にその難易度は高く非常に難関であると言わざるを得ません。
以下のデータは、法学部出身者と非法学部出身者ごとに見る司法試験の合格状況を示したものです。
▼司法試験の法学部出身者・非法学部出身者別合格状況
例えば2019年の数字を見てみると、法学部出身者の合格率は31.3%なのに対して、非法学部出身者の合格率は18.7%と大きな差が見られます。
司法試験に一発合格するケースはそもそも少なく、何年もかかってやっと合格する人が多いのも特徴です。
つまり、かなり本気で覚悟を決めて勉強しなければ高卒で弁護士になることはできないのです。
民間企業に就職した後に弁護士を目指す方法もあります。
弁護士には「特定の分野に特化した弁護士」がいるものですが、これを目指す際にはその分野での就業経験があることが有利に働きます。
将来的に弁護士を目指すために、まずは民間企業に就職を検討するとなれば、「専門性の高い業界に高卒で就職できるのか」という不安がよぎるでしょう。
これを解決するためにおすすめなのが、リバラボインターンシップです。
リバラボインターンシップは、
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高卒でも合格できる司法試験予備試験(弁護士予備試験)の対策法
高卒で弁護士を目指すのに、今から大学受験をして4年間大学に通い、その後法科大学院に通うという方法を選択するのはあまりにも「先が長くて気が遠くなる」ものです。
結局、高卒で弁護士になるには、司法試験予備試験に合格し、その後司法試験に合格して弁護士の資格を獲得する方法が最も効率的な方法だと言えます。
というわけで、ここからは司法試験予備試験について解説していきます。
司法試験予備試験の実施スケジュールと配点比率を確認する
司法試験の予備試験においては、
- 短答(5月に実施)
- 論文(7月に実施)
- 口述(10月に実施)
の3種類の試験があります。それぞれ時期が決められているのも特徴です。
それぞれの試験の配点については以下の通りです。
合計270点満点
- 一般教養…60点
- それ以外の科目…各30点
憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法科目
合計500点満点(以下10科目各50点)
- 憲法
- 行政法
- 民法
- 商法
- 民事訴訟法
- 刑法
- 刑事訴訟法
- 法律実務基礎科目民事
- 法律時通基礎科目刑事
- 一般教養科目
60点を基準として57点から63点で採点される
- 法律実務基礎科目(民事)
- 法律実務基礎科目(刑事)
司法試験予備試験の短答式対策
短答式試験の対策は、ただひとつ「過去問を徹底的に解く」ことです。
過去問を解く際の効果的な進め方をまとめておきます。
- 問題ごとに自分の理解度を示すマークをつける(○・△・×)
- 理解度が低かった問題(△・×)については確実に理解する
- 2回目以降は△・×の問題のみ解く
理解度を示すマークをつけることで、あなたが「たまたま当てずっぽうで正解した」場合にも、その印が△や×であることで復習の対象にできるメリットがあります。
理解できなかった問題はまる覚えするのではなく、きちんと理解できるまで確認を繰り返すことも大事です。そうしなければ、類似問題に対応することができません。
また、短答式試験とこの後に説明する論文式試験は関連している部分が多いため、過去問を繰り返し解くことで問題の中で頻出する条文を記憶し、論文が書けるまでに理解を深めることが鍵となります。
司法試験予備試験の論文式対策
論文式試験は司法試験予備試験の中で最も難関と言われる試験です。
論文の難しさは、「選択式ではなく論述式であるため、深い理解がなければ正しく表現できない」ところにあります。
論文式試験の対策方法として必ずやるべきことを以下にまとめておきましょう。
- 条文の中でも特に重要条文とされるものは最高裁判例や学説を含めて深く理解しておく
- 過去問すべてに目を通し「出題されたテーマ」と「出題されないテーマ」を知る
- 本番さながらに論文を大量に書くことでアウトプット量を補う
書いた論文を見直すポイントについてもきちんとおさえておく必要があります。
答案例とされている論文と、あなたが書いた論文を見比べる際には以下のポイントをしっかりチェックしましょう。
- 条文の引用が正確にできているか
- 論文の趣旨がずれていないか
- 課題が明確でそれに対して結論が
- 内容に矛盾点がないか
- 読みやすく書けているか
- 誤字脱字がないか
司法試験予備試験の口述式対策
口述式試験は、予備試験の最後の砦です。
口述式試験については、短答式・論文式と以上にイメージがしにくいかもしれませんが、簡単に言うと、「口頭での質疑応答」による試験のことです。
口述式試験は最難関と言われる論文式試験を合格した人しか受けることができません。
この時点で山ほど知識を詰め込んでいるのもあって、口述式試験の合格率は約9割ほどとかなり高いのが特徴でもあります。
口述式試験の対策は大きく2つのポイントに分けられます。
- 法律知識全体を細かく再確認しておく
- 刑事裁判・民事裁判の手続きの流れを正しく把握しておく
特に、裁判の中でも重要度の高い「証拠調べの方法」や、刑事裁判の冒頭手続きの順序は暗記しておくくらいが安心です。
高卒で司法試験合格後に弁護士として働くまでの流れ
司法試験に合格したら、すんなり弁護士としてデビューできるのかと言えばそうではありません。
この章では、司法試験に見事合格した場合、その先どのようなステップが待ち受けているのかを解説していきます。
司法試験合格後は「司法修習」を1年間受ける
高卒で晴れて司法試験に合格したあなたは、弁護士になるためにさらなるステップを踏まなければなりません。
それは「司法修習」と呼ばれる1年間の研修期間です。
司法試験合格後に法曹資格(弁護士・検察官・裁判官)を得るために必要な「司法修習生の修習」のこと
そして、司法修習の最後には、「考試」と呼ばれる試験が待ち受けています。
考試に合格することで、法律事務所や企業に就職することができるようになり、これでやっと弁護士として働き始めることができるのです。
以上の内容を含め、高卒から弁護士になるまでの流れについては、以下の図を見ていただくと分かりやすいですよ!
▼弁護士になるまでの流れ
弁護士の就職先
弁護士になると言っても、案外「具体的にどのようなところで働くのか」についてはイメージできない人も多いのではないでしょうか。
弁護士の就職先には以下のような場所があります。
- 法律事務所(大手法律事務所、個人法律事務所、ひまわり公設事務所、法テラスなど)
- 一般企業(企業内弁護士として勤務)
- 中央省庁
- 地方公共団体
- 大学(学生向けの教育を行う)
- 大学院(学生向けの教育を行う)
ひとくくりに弁護士といってもその就職先は様々で、仕事内容も異なります。
弁護士以外の職種に就くことも可能
司法試験にクリアすれば、その後弁護士以外の職種を選択することも可能です。
ここで、司法試験合格後に選ぶことのできる職種を3つ紹介しておきましょう。
- 裁判官
裁判所で開かれる裁判を取り仕切り、判決を下す職業。司法試験合格者の上位数%しかなることができない職業。
- 検察官
逮捕された被疑者を取り調べ、起訴をするかしないかの判断を行い、裁判所で被告人への処罰を求める仕事。検事総長、次長検事、検事長、そして検事および副検事という区分。 - 弁護士
法律の専門家であり、人々からの法律相談に乗ったり依頼人に代わって相手方と交渉したりすること、さらには裁判で争うことがおもな仕事。
まとめ
いかがでしたでしょうか。高卒で弁護士になる方法は、決して楽なものではありません。
しかし、超難関と言われる司法試験に合格さえすれば、その後は弁護士だけでなく裁判官や検察官、もしくは一般企業の法務担当など、可能性は大きく広がります。
難しいとイメージされる弁護士ですが、高卒でも目指す方法があることが分かりましたね!
高卒で弁護士を目指すなら、スタートは早いに越したことはありません。
さっそく予備試験に向けて試験対策を始めましょう!