高卒でフリーターになる人は少なくありませんが、フリーターはこの先ずっと続けていく選択肢としてはおすすめできないというのが正直なところ。
「高卒フリーターの何がいけないの?」と思う人も多いでしょう。今回は、高卒フリーターの末路を以下の4つの視点で徹底的に解説します。
- 仕事
- 精神面
- 恋愛
- 老後
今現在高卒フリーターの人にとっては、少し耳の痛い話になるかもしれませんが、知っておく必要のある大切なことばかりです。
今後の人生をより良いものにしていくためにも、しっかり読んでみてくださいね!
1.高卒フリーターの末路 | 仕事編
高卒フリーターは仕事面においてどのような苦難を強いられるのでしょうか。
今は特に不自由を感じていない高卒フリーターも、今後様々な困難に立ち向かう必要が出てくる可能性はとても高いです。
この章では仕事面で高卒フリーターが「これはやばい!」と感じることについて解説します。
仕事が選べない
高卒フリーターの中には、「いずれ正社員になるし、今のうちにフリーター生活を楽しもう」と気楽に構えている人も多いでしょう。
確かに、実際今後正社員として就職できれば問題ありません。
ですが、実際に高卒フリーターが正社員になれる割合は低く、正社員になることを優先すれば「仕事が選べない」という状況になることが多いもの。
最終的に「正社員として雇ってくれるところが、ここしかなかったから」という理由で就職を決めている高卒フリーターは少なくありません。
ここで、フリーターが正社員として就職できる割合についてデータを見てみましょう。
▼年齢別フリーターの正社員移行率
年齢 | 正社員移行率 |
15~19歳 | 29.9% |
20~24歳 | 32.7% |
25~29歳 | 25.5% |
30~34歳 | 18.1% |
35~39歳 | 15.5% |
40~44歳 | 15.6% |
続いては、高卒の学歴を持つ人が正社員として就職できる割合についても見てみましょう。
▼学歴別正社員雇用者の割合
最終学歴 | 若年労働者を100とした際の正社員の割合 |
中学卒 | 35.4% |
高校卒 | 56.3% |
専修学校卒 | 66.6% |
高専・短大卒 | 66.2% |
大学卒 | 80.9% |
大学院卒 | 84.3% |
高卒で正社員として就職できる割合は56.3%ですね。中卒に比べれば高いとは言え、半分近くの人たちが正社員以外の雇用形態で就職しているのです。
高卒であり、フリーターである場合には、正社員として就職することは決して容易ではないことがお分かりいただけたと思います。
高卒よりも年収が低い
フリーターの平均年収は一般的に高卒の平均年収と比べてかなり低いです。
参考までに、高卒の全体的な平均年収を見てみましょう。
▼高卒の平均年収
学歴 | 月給 | ボーナス | 年収 |
高校卒 | 296,900円 | 673,700円 | 4,236,500円 |
出典:「2017年 賃金構造基本統計調査」
続いてフリーターの平均年収を見てみましょう。
▼フリーターの年齢別平均年収
年齢 | 平均年収(手取り収入) |
20〜24歳 | 1,837,000円(1,469,600円) |
25〜29歳 | 1,996,000円(1,596,800円) |
30〜34歳 | 2,106,000円(1,684,800円) |
35〜39歳 | 2,105,000円(1,684,000円) |
40〜44歳 | 2,096,000円(1,676,800円) |
※出典:厚生労働省「雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差」より
年齢別に見ると、フリーターの平均年収は年齢により差があまりないことにお気づきでしょうか。
30歳を超えても平均年収はフリーター全体で見て210万円程度。先ほどの高卒全体の420万円と比較してぴったり半分の金額ですね。
高卒とフリーターで比較して、これほど年収に差が出るとは驚きです。高卒フリーターは高卒の平均年収をかなり下回ってしまうと言えます。
出世しにくい
学歴と出世のスピードにははっきりとした関連性が見られます。
こちらのデータは学歴と性別ごとに見る出世のスピードを比較したものです。
▼学歴と性別ごとに見る昇進スピードの比較
係長への昇進 | 大卒男性=大卒女性=高・短卒男性>高・短卒女性 |
課長への昇進 | 大卒男性>高・短卒男性>高・短卒女性 |
部長への昇進 | 大卒男性>高・短卒男性 |
参考:大阪大学「昇進競争における学歴と性別~百貨店業の事例~」より
このデータからも分かる通り、高卒が出世するスピードは大卒よりも遅いことがほとんどです。
さらに、フリーターを経て正社員になった高卒に関しては、高卒ですぐに正社員就職を果たした人たちよりも出世しづらくなってしまう可能性があります。
勤務時間が長い / 勤務時間が不規則
高卒フリーターの末路を語る上で外せないのが、「勤務時間が長い」、「勤務時間が不規則」である仕事が多いという点です。
高卒フリーターが見つけられるアルバイトで、高収入を稼ごうとすれば典型的な職種は
- 肉体労働系
- 夜のお仕事系
のどちらかに該当する(もしくは両方!)ことが多いです。
勤務時間が長かったり、時間が不規則だったりと、厳しい労働条件をクリアしなければ高収入を生み出せないのはフリーターの難点ですね。
2.高卒フリーターの末路 | 精神編
高卒フリーターの末路を精神面で見てみましょう。生きていく上で精神面の充実度はとても大事なポイントとなります。
気持ちが落ち込めば何に対してもやる気がでなくなるもの。
高卒フリーターが精神的に辛くなってしまうケースには以下の3つが挙げられます。
学歴と職歴の二重苦で再就職を諦める
「高卒=ダメ」と言い切るのは極端ですが、高卒が大卒よりも下に見られるのは事実です。
さらに高卒でフリーターとなると、「学歴もイマイチで職歴もパッとしない」とも言えます。
高卒フリーターは学歴と職歴のどちらともが正社員就職の際に足かせとなってしまうため、精神的に参ってしまうこともあります。
自分自身の限界を低く見積もってしまう
「高卒は中卒よりもマシだ」と考える人も確かに多いものの、やはり大卒にはかなわないと感じて自己否定に入ってしまうケースは少なくありません。
高卒フリーターだからと言って、優良企業に就職できないと決まったわけではありません。
しかし、大卒と比較して自分が情けなく見えてきたり、就職活動で連続して採用されないことが続いたりすると、気持ちは落ち込んでしまいます。
その結果、「自分はこれだけの価値しかない人間なのか」と勝手に自分の限界を決めつけてしまう人が多くなってしまうのです。
人との交わりを避けるようになる
20代前半ならまだしも、20代後半になっても30代に入ってもフリーターを続けていると、だんだん正社員として働く友人などと接するのが辛くなってしまうという声も多いです。
フリーターはフリーター同士で仲良くするケースがとても多いのは事実です。
しかし、フリーターは年齢層が若く、学生のアルバイトなども交えたグループで行動することが多いため、年齢が上がるにつれて「フリーター仲間」との交流もだんだんとなくなってしまいます。
こうして、結果的に人との関わりを避けるようになってしまうのです。
3.高卒フリーターの末路 | 恋愛編
高卒フリーターは恋愛面においてどのような影響を及ぼすのかも知っておく必要があります。
一見あまり関係なさそうに思える「高卒フリーターでいること」と「恋愛」の2つですが、実は深い関わりがあります。
相手の親御さんから反対される
高卒フリーターは、交際相手の親御さんに交際を反対されることも少なくありません。
「どうせ付き合うなら将来も考えて大卒にしなさい!」
「高卒でもせめて正社員になっているならともかく、フリーターでしょ?ちょっとマズイんじゃない?」
など、将来を心配した親御さんがあなたとの交際を猛反対してくるケースは大いにあり得ます。
出会いの場で恋愛対象外になる
合コンや、友人紹介などで恋人を見つけることは極めて一般的ですが、ここでも高卒フリーターの苦悩が見られます。
合コンの場合、会話の流れから
「仕事は何してるの?」
という質問が投げかけられるのは自然なこと。
ここでフリーターであることを明かすと、相手があからさまに興味を失ったように感じた経験のある人は少なくありません。
友人紹介に至っても同じことが言えます。
「こういう人がいるんだけど、会ってみない?」
と話を持ちかける際にも話題になるのは「何の仕事をしている人なのか」という点。
「フリーターらしいよ」
と聞くや否や、紹介話さえ消え去ってしまうことも珍しくありません。
恋愛マッチングアプリで敬遠される
マッチングアプリで相手を検索する際には、「条件を絞り込む」必要があります。
- 年齢
- 収入
- 職種
は基本情報としてプロフィールに載せることが多いため、フリーターで収入が低ければそれはすぐにバレてしまいます。
マッチングアプリは条件に合った人のみに狙いを定めて出会いを探すツールであるとも言えます。
そのため、大卒や正社員かつ高収入の人が有利になるのは明らかです。
特に男性の場合は、高卒フリーターというだけで対象から外されてしまうことが多く、マッチングアプリでなかなか出会いが探せないというケースはよくある話です。
4.高卒フリーターの末路 | 老後編
もしもこのまま高卒フリーターでいるのなら、その末路がどのようなものなのかをあらかじめ知っておかなければなりません。
末路を語る上で、「老後の暮らし」について考えることは必要不可欠。
ここでは、高卒フリーターの老後について解説しましょう。
もらえる年金が少ない
老後の生活を支える大切な年金。
フリーターの場合は将来受け取ることができる年金額が少ない点が大きな不安材料となります。
国民年金は国民の義務なので、フリーターも正社員も関係なく納めるものです。
つまり、高卒フリーターも将来国民年金は受給できます。
しかし、国民年金の受給額は毎月65,000円程度。これで老後安心して暮らせるとは言えません。
フリーターがもらえる年金については「フリーターになると年金が少なくなる?老後に備えた年金対策まとめ」の記事で詳しく解説しています。
仕事を辞めることができない
高卒フリーターは早い段階で正社員に移行していれば別ですが、フリーターのまま何年も何十年も経過した場合、いつまで経っても安定した収入が得られないというジレンマに陥ります。
正社員なら着実に年収が上がっていくものの、フリーターの年収はほとんど上がらないとなれば、生活レベルも上がっていくことはありません。
そうなると、周りが会社を定年退職してもなお、フリーターとして働き続ける必要があるのです。
老後を穏やかに過ごすどころか、今と同じように働き詰めになってしまう可能性はとても高いです。
生活保護を受けられない
収入が少ない人のために生活保護があると認識している人が多いですが、厳密には生活保護法はそれほどシンプルなものではありません。
はっきり言っておきますが、フリーターは生活保護を受けられません。
なぜなら、生活保護を受けるにあたり「病気・怪我等で働けない」という条件に該当している必要があり、フリーターはこれに当てはまらないからです。
つまり、何かあっても「最悪生活保護でどうにかなる」、というわけではないのです。
まとめ
今回は、高卒フリーターの末路についての解説でした。
この記事でお伝えしたかったポイントをまとめると、
- 高卒フリーターは高年収を狙いにくい
- 高卒フリーターは人間関係や恋愛にも影響を及ぼす
- 高卒フリーターは「老後も働き続けなければ暮らしていけない」状況に陥りやすい
高卒フリーターの今を楽しむのはあなたの自由です。
しかし、将来を考えれば、なるべく早く正社員への道を見つける方が良いことはきっとお分かりいただけたはず。
今だけではなく、何年後何十年後のあなた自身のために、今から行動を起こしましょう!