「高卒で消防士って目指せる?」
実は、高卒の人でも消防士になる方法はあります!
消防士って責任重大な仕事ですが、その分やりがいを感じられるかっこいい仕事ですよね。
しかし、一言に消防士と言っても採用基準は一つではなく、高卒と大卒では違うんです。
この記事では、高卒の人に向けて消防士の採用試験や給料について解説していきます。
高卒と大卒の消防士の給与比較
ここでは、実際のデータを使って高卒と大卒における給与額の違いを解説していきます。
消防士を目指すにあたり、給与についてはあらかじめ知っておきたいところですよね。
給与内訳についても紹介していくので、消防士の給与事情をしっかり理解しておきましょう!
消防士の給与内訳
まず、消防士の給与内訳をみていきましょう!
- 地方公務員
- 給与に関する設定は各自治体ごとの規定
- 各種手当の金額は自治体ごとの規定
では、全地方公共団体の消防職の給料の内訳をみていきましょう。
▼消防職の給料平均内訳
給料月額 | 299,781円 |
---|---|
各種手当月額合計(1〜13) | 106,527円 |
1)扶養手当 | 13,655円 |
2)地域手当 | 21,254円 |
3)住居手当 | 5,932円 |
4)通勤手当 | 7,599円 |
5)単身赴任手当 | 65円 |
6)特殊勤務手当 | 6,086円 |
7)管理職手当 | 5,542円 |
8)特地勤務手当 | 20円 |
9)時間外勤務手当 | 22,563円 |
10)宿日直手当 | 99円 |
11)管理職員特別勤務手当 | 194円 |
12)夜間勤務手当 | 5,314円 |
13)休日勤務手当 | 18,193円 |
給与月額(額面)合計(給料+手当) | 406,308円 |
上記は一例ですが、「夜間勤務手当」「特殊勤務手当」「宿日直手当」等消防士ならではの手当があります。
高卒と大卒の消防士の給与比較
次は、高卒消防士と大卒消防士の給与比較をみていきましょう。
▼消防士の初任給(東京消防庁)
学歴 | 高卒 | 大卒 |
---|---|---|
初任給(額面) | 178,300円 | 211,100円 |
初任給で既に差がありますが、高卒でも初任給は悪くない額が設定されていますよね。
また、高卒と大卒の給与面での大きな違いとしては、以下手当の金額が異なることです。
これらは年に2回支給されるものですが、例えば東京消防庁ではこの手当として支給される金額が13万円ほどの違いがあります。
- 勤勉手当
勤務成績に対する査定評価 - 期末手当
在職期間に応じて定率で支給される手当
さらに、出世するスピードは大卒の方が早く、収入差は縮まりにくいのも特徴です。
消防士の世界ではスキルや実績がすぐに出世や給料につながらず、高卒消防士には厳しい世界です。
消防士を昔から目指していたなら議論の余地はありませんが、それ以外は一度考えた方が良いです。
どうせなら、スキルや実績をダイレクトに評価してくれる仕事の方がやりがいがありませんか?
でも、自分に何ができるか分からないよ。しかも、やりたい仕事も分からないよ。
そんな方には、最短2週間で始められる「給料付きインターンシップ」をご紹介します。
- まずリバラボ で働く
- スキルと実績を積む
- 高収入・高待遇な優良企業に転職
リバラボでは学歴ではなく、「何ができるか」「結果を残せたか」が給料にすぐに反映されます。
消防士の初任給と比較しても、リバラボインターンシップはかなり費用対効果が高いと言えます。
▼消防士とリバラボの給料比較
インターン (研修3ヶ月) |
高卒消防士 | 大卒消防士 | |
---|---|---|---|
月収 | 350,000円 | 178,300円 | 211,100円 |
インターンシップという名前ですが、努力が数字に繋がる世界なのでやりがいがあります。
どうせなら効率よく将来に向けた準備をしたいという方には、インターンがぴったりです。
高卒で消防士になる前に越えるべき2つの壁
さて、高卒で消防士になる前に超えるべき2つの壁を紹介します。
- 消防官採用試験に合格
- 試験合格後に消防学校に通う
では、この2つの壁について分かりやすく解説していきます!
消防官採用試験
まず、「消防官採用試験」について紹介します。
消防士は地方公務員なので、各自治体ごとに行われる消防官採用試験を受験しましょう。
消防官採用試験の内容は、大きく2種類で構成されています。
- 筆記試験
英語や国語(文章読解)などを中心に出題
- 体力検査
反復横跳びや握力検査、懸垂などの項目
高卒が受験できるⅢ類の区分における合格者数や倍率は以下です。(2019年度)
▼2019年度 Ⅲ類
応募者数 | 1次受験者数 | 1次合格者数 | 2次受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
6964 | 5723 | 937 | 672 | 209 | 27.4 |
参考:東京消防庁消防官「2019年度職員採用選考・試験結果」
消防士の仕事は人気があり、かつ高卒でもチャレンジできるため倍率はかなり高いです。
採用試験合格後の消防学校
消防官採用試験に合格したら、その後は「消防学校」に入学し消防官になるための訓練や教育を受ける流れとなります。
- 消防学校は各都道府県ごとに1校
- 8つの政令指定都市(札幌・千葉・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡)に1校
- 合計55校
- 消防学校では原則として6ヶ月間
- 全寮制で研修
寮生活のルールは、以下の通りです。
- 6名から8名程度の班に分けられる
- 班ごとに同部屋(半個室)で生活
- 平日の外出は禁止
- 週末でも外泊は禁止
消防学校は、半年間で基礎教育、実務教育、実科訓練の3つをしっかり学ぶのが目的です。
- 基礎教育
消防法や消防制度、法律や倫理など、また消防士の服装と勤務に関する教育 - 実務教育
消防用設備、安全管理、火災調査、火災防御、危険物などに関する教育 - 実科訓練
消防活動訓練、救助訓練、機器取扱訓練などさまざまな訓練
消防学校での1日のスケジュールは以下のようになります。
- 朝6時 起床・体操・掃除
- 朝7時 朝食
- 朝8時半 午前の授業開始
- 昼12時 昼食
- 昼1時 午後の授業開始
- 夕方5時 授業終了
- 夕方6時 夕食
- 夜22時〜23時 就寝
新人消防士として必ず誰しもが通る関門「消防学校」ですが、寮生活は決して楽ではありません。
しかし、市民の命を守る責任の大きな仕事に就くためには必ず必要なので、仕方がありませんよね。
消防官採用試験の受験条件と試験内容
この章では気になる「消防官採用試験の受験資格と内容」について解説していきます。
試験内容を把握して、計画的に準備をしていかなければいけません。
消防官採用試験の受験条件
まず、消防官採用試験の受験条件を紹介します。
高卒で受けられる消防官採用試験は「Ⅲ類(初級)」のみです。
▼消防官採用試験の受験資格
採用区分 | 対象者(学歴) | 対象者(年齢) |
---|---|---|
Ⅰ類(上級) | 大学の卒業者、または卒業見込み者向け | 22歳以上30歳未満 |
Ⅱ類(中級) | 短期大学もしくは専門学校の卒業者、または卒業見込み者向け | 20歳以上30歳未満 |
Ⅲ類(初級) | 高校の卒業者、または卒業見込み者向け | 18歳以上22歳未満 |
専門系 | 大学の卒業者、または卒業見込み者 | 22歳以上30歳未満 |
高卒の資格があり年齢制限を超えていなければ、誰でもチャレンジできます。
年齢制限は地方によって異なる場合があるので、必ず該当する自治体に確認をしておきましょう。
消防官採用試験の内容
▼消防官採用試験出題分野・内容
試験 | 出題内容 |
---|---|
教養試験 | 一般知能(文章理解・判断推理・数的推理・資料解釈など) |
一般知識(社会科学・人文科学・自然科学など) | |
体力試験 | 握力・上体起こし・長座体前屈・反復横跳び・懸垂など |
小論文 | 与えられたテーマに沿って小論文を作成する |
面接試験 | 個人面接、または集団討論形式で行う |
適性検査 | 性格適性および消防官としての職務適性の検査 |
身体検査 | 健康状態に関する医学的な身体検査 |
III類の教養試験の難易度は、高卒程度です。
教養があること、そして体力があることが消防官には求められています。
仮に体力が若干基準を満たしていない場合でも、教養試験の結果と合わせて総合的に判断されます。
従って、体力基準を満たしていなくても、合格できる可能性が少なからずあると言えます。
消防官採用試験の対策方法
この章では、高卒の採用試験対策として有効な方法を紹介します。
消防官の採用試験に合格するためには、事前に入念な試験対策を行う必要があります。
消防士専用の過去問を使用する
最初の関門となるのは、教養試験です。
まずは、教養試験対策のために「消防士専用の過去問題集」を入手しましょう。
問題集を使う際には下記の3つに意識すると効率UPにつながります。
- 1冊を解ききる計画を立てる
- 出題傾向を理解する
計画を立てると日々やるべき範囲が明確になり、サボりにくくなります。
また、問題集は繰り返し解くことで出題傾向を感覚的に把握できるのがメリットでもあります。
何度も繰り返し解き、ミスを復習することで苦手な問題に慣れていくようにしましょう。
論文を実際に書いて他人に読んでもらう
小論文試験(作文試験)への対策も必要で、大事なのは他人に読んでもらうことです。
論文を第三者に読んでもらうと、以下のようなメリットを得られます。
- 書くときに緊張感を持つことができる
- 客観的な感想を聞くことができる
実際の試験で落ち着いて論文を書けるように、日頃から以下のような能力を鍛えておきましょう。
- 思考力
- 表現力
- 文章力
特に、論文試験におすすめなのが「思考力を高めるトレーニング」です。
「なぜ?」を3回繰り返すことで、より思考力が養われていきます。
- なぜ消防士になりたいのか
「人の役に立つことがしたいから」 - なぜ人の役に立ちたいのか
「人の役に立つと感謝されるから」 - なぜ感謝されたいのか
「感謝されると気分が満たされてさらに努力したくなるから」
何度も「なぜ」を繰り返すとあなた自身が本当に思っていることが浮き彫りになってきますよね。
思考力を高めて、論文対策を行っていきましょう!
体力検査に備えて毎日筋トレを行う
消防士に欠かせない試験として、「体力検査」があります。
教養試験や論文はもちろん重要ですが、体もしっかり鍛えておく必要があります。
- 握力
- 上体起こし
- 長座体前屈
- 反復横跳び
- 懸垂など
勉強ばかりでは頭が疲れてしまうので、ストレス解消のために筋トレを実践していきましょう。
ルーティーンの中に、体力検査対策と教養試験対策をバランス良く取り入れていくのがおすすめです。
- 朝の9時から12時まで勉強
→その後近くの公園でトレーニング
→15時から19時まで勉強 - 朝一番に散歩を兼ねて公園でトレーニング
→11時から18時まで勉強
→20時から自宅で筋力トレーニング
1日中部屋にこもって勉強することが苦痛でも、外に出る時間を持つことでリフレッシュできます。
朝に強い人なら、朝一番に外の空気を吸ってトレーニングをするのも良いですね。
まとめ
この記事では、高卒で消防士になるために知っておくべきことを紹介してきました。
消防士は公務員としての顔もあるので、安定した収入と社会的地位も得ることができます。
しかし、消防士でも高卒という学歴によって制限されることも多々あります。
- 高い倍率の消防官採用試験を突破
- 半年間の厳しい全寮制の消防学校生活
消防士の仕事内容に魅力を感じるなら問題ありませんが、給料や安定性に魅力を感じるのは危険です。
もっと自分にあった選択肢がないか、一度視野を広げてみることをオススメします。
後悔しないように、自分に与えられた選択肢をしっかり吟味していきましょう。