工場勤務は、どの工場に勤務するか、どの雇用形態で勤務するかによって仕事のきつさや職場環境が異なるため、慎重に勤務先と雇用形態を選ぶ必要があります。
今回の記事では、工場勤務を以下の4つの種類に分け、それぞれのメリット・デメリットについて細かく解説していきます。
- 大手企業の工場勤務
- 中小企業の工場勤務
- 正社員としての工場勤務
- 派遣・アルバイトとしての工場勤務
工場勤務をひとくくりにして考えるには、あまりにもその範囲が広すぎます。
あなたが目指すべき工場勤務の職場や、選ぶべき雇用形態を正しく判断するためにも、この記事を読んで理解を深めておきましょう!
大手企業の工場勤務のメリット・デメリット
やっぱり企業は大きいに越したことはない!と考える人もきっと多いのではないでしょうか。
この章ではまず、大企業の工場勤務に注目します。
大企業の工場勤務にはどのような特徴があるのか、その特徴をメリットとデメリットに分けて紹介していきます。
大手企業の工場勤務のメリット
大手企業の工場勤務のメリットは以下の通りです。
- 中小企業の工場勤務よりも高年収が見込める
- 残業や休日出勤がほぼ無い
- 休日日数が多く有給の消化率が高い
- 大手で働いていることで経歴に箔が付く
なんと言っても「いくら稼げるか」という点は非常に重要なポイントです。
大手企業の工場勤務なら、中小企業と比べて給料が高いため、「しっかり稼ぎたい」なら大手を目指すのが正解だと言えます。
そして、高収入でありながら時間通りに仕事が終わり、休みもきっちり取得できるのもメリットですね。
また、工場勤務は世間から低く見られがちなのが難点ですが、これに関しても大手の工場勤務なら話は別。
親戚や知人友人に「どこで働いてるの?」と言われても胸を張って答えられるでしょう。
大手企業の工場勤務のデメリット
大手企業の工場勤務のデメリットは以下の通りです。
- 大卒で新卒採用である場合を除いて正社員になるのが難しい
- 1人が担当する業務範囲が狭い傾向にあるため幅広い知識を身につけるには不向き
これ以外にあまり考えられるデメリットは出てきません。
なぜなら、待遇もよく高収入を狙える大手の工場勤務ですから、これといってデメリットと言える点が見つからないのです。
強いて挙げれば以上の2点。
大手企業の工場勤務は条件が良いこと、そして何よりも「大手で働ける」とあって常に人気があります。
そのため、比較的就職しやすい工場勤務の中では最も難しい「狭き門」となっているのです。
また、無理のない人員配置が徹底されていることもあり、作業員1人が多くの業務をかけもちするというケースはほぼないのが大手の工場勤務の特徴です。
これはメリットでもありますが、「なるべく多くの作業を経験して実績を積みたい」と考える人にとってはデメリットと言えます。
中小企業の工場勤務のメリット・デメリット
中小企業の工場勤務は大企業と比較してどのような点が異なるのでしょう。
この章では、中小企業に注目し、先ほどと同様にメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。
大企業と中小企業、どちらがあなたにより合っているかを考えながら読んでみてくださいね。
中小企業の工場勤務のメリット
中小企業の工場勤務のメリットは以下の通りです。
- 企業規模が小さいため良好な人間関係を築きやすい
- 1人が任される仕事範囲が広くさまざまな業務を覚えられる
- 工場内で活躍すれば学歴や職歴に関わらず出世のチャンスがある
中小企業は大企業のような大きな組織ではないため、その分風通しが良い社風が魅力的でもあります。
工場勤務は1人で黙々と作業をする仕事ではありますが、目的となる「製品の完成」という部分は皆が共通に掲げるゴールです。
同じゴールに向かって、作業員が一丸となって働く実感を強く感じられるのは中小企業の魅力です。
そして、大手企業の工場勤務であれば作業Aしか任されないところが、中小企業であれば作業Aも作業Bもあなたの仕事になることは大いにあり得ます。
覚えることは増えますが、その分工場勤務のスキルアップにはなるため、この点はメリットと言えます。
また、大手企業でありがちな「大卒の新卒採用しか幹部になれない」というような文化がないのが中小企業。
裏を返せば、高卒でも工場でばりばり活躍すれば工場長、そしてゆくゆくは幹部を目指すことも夢ではありません!
中小企業の工場勤務のデメリット
中小企業の工場勤務のデメリットは、以下の通りです。
- 大企業と比べて給与が低い
- 残業や休日出勤が頻繁にある工場も多い
- 1人が任される業務範囲と量が多くなりがち
大企業と比較すると給料が低いのは中小企業の工場勤務の最大のデメリットと言えます。
しかも、待遇面でも
- 1日3時間くらいの残業があることは結構ふつう。
- 休日出勤もまあまあ珍しくない。
- 有給なんてほとんど使ったことないし、使ってる人も知らない。
など、残業や休日日数について不満を漏らす人が多くいます。(2ch参照)
おまけに、仕事の内容は大手企業の工場勤務に比べるとハード。
いくつもの作業を任されることが多く、「覚えられない!」、「何でもかんでもやれるわけない!とパニックになる人も中にはいるようですね。
工場勤務の正社員になるメリット・デメリット
工場勤務をする人の中には、正社員・派遣社員・アルバイトなど雇用形態の異なる人たちがいます。
ここではまず、正社員に注目し、正社員として工場勤務の仕事をするメリットとデメリットを紹介します。
工場勤務の正社員になるメリット
工場勤務の正社員になるメリットは以下の通りです。
- 無期限雇用のため、クビを切られる心配が一番ないのが正社員
- 福利厚生の恩恵が受けられる
- 出世の可能性がある
今の時代は正社員でも完全に安心できるとは言い難いところがあります。
しかし、それでもアルバイトや派遣社員と比べれば、企業の経営状況が思わしくない場合に最もクビを切られるリスクが低いのは正社員です。
また、直接雇用されている正社員は、会社の福利厚生の恩恵を受けられます。
企業により福利厚生の充実度は様々ですが、
- 住宅手当・家賃補助
- 家族手当
- 健康診断の補助
- スポーツクラブの会費補助
- 結婚祝い金
- 出産祝い金
など多岐に渡ります。
これらは派遣社員やアルバイトが受けることのできない恩恵ですから、正社員のありがたみを強く感じられるポイントと言えるでしょう。
さらに、正社員ならではのメリットの3つ目として挙げているのが、出世についてです。
出世できるのは直接雇用されている正社員のみです。
派遣社員やアルバイトは、まず正社員を目指さなければ出世の可能性はほぼゼロに等しいため、この点が正社員のメリットと言えます。
工場勤務の正社員になるデメリット
工場勤務の正社員になるデメリットは以下の通りです。
- のしかかる責任が最も重いのが正社員
- 簡単に仕事を辞めるわけにはいかないプレッシャーがある
- 管理職などになることにより精神的なストレスを感じる人もいる
正社員が派遣やアルバイトと大きく違う点は、「責任の重さ」にあります。
直接無期限で企業に雇用されている正社員は、出世できる可能性があるのがメリットですが、これが仇になることもあります。
出世して管理職になったことにより、これまでの工場勤務との差がありすぎてうまく仕事に適応できないケースもなきにしもあらず。
つまりは、正社員だからこそ責任のあるポジションに配置され、その結果仕事が大変になったりつらくなったりすることがある点がデメリットとなります。
工場勤務の派遣・アルバイトを行うメリット・デメリット
次に、派遣・アルバイトの雇用形態で働く工場勤務についてです。
先ほどの正社員の特徴と比較しながら、どのような点に違いがあるのか、ここでしっかり理解を深めていきましょう。
工場勤務の派遣・アルバイトを行うメリット
工場勤務の派遣・アルバイトを行うメリットは以下の通りです。
- 大手企業の工場勤務でも採用されやすい
- 責任の重い業務は任されることが少ない
- 正社員よりも辞めやすい
派遣やアルバイトという雇用形態であれば、憧れの企業の工場勤務を経験することはそれほど難しくありません。
正社員として就職するのは難しくても雇用形態を変えるだけで、入り口は大きく開かれるためチャンスと捉えることもできるでしょう。
仕事内容は正社員と変わらない部分もありますが、派遣やアルバイトには一切任せずに正社員だけが行う業務もあります。
その割合は企業により異なります。
中には、「バイトも派遣も正社員も皆変わらない業務をやっている」工場勤務もありますが、やはり多くの工場では責任の重い業務にあたるのは正社員です。
そのため、プレッシャーを感じることなく伸び伸びと働けるのは、派遣やアルバイトのメリットとも言えますね。
工場勤務の派遣・アルバイトを行うデメリット
工場勤務の派遣・アルバイトを行うデメリットは以下の通りです。
- いつまでも仕事内容が変わらないため飽きやすい
- 会社の経営状況によっては失業するリスクがある
- 工場勤務で得られる経験やスキルを活かす方法が見つかりにくい
正社員も派遣もアルバイトも、初めに覚える仕事はほぼ変わりません。
しかし、同じ工場で作業をしていても、正社員はそれなりにステップアップしていける道が用意されているものです。
つまり、正社員は何年も全く同じ作業を変わらず続けるというよりは、作業の内容が変わるため多少気分的に「同じ単純作業でもちょっと違うことに挑戦できている」実感があるもの。
派遣やアルバイトは、完全に単純作業の繰り返しとなるため、正社員よりもさらにモチベーションの維持が難しくなります。
さらに、経営不振などで人件費削減のため離職者を募る際に、真っ先に声がかかるのが派遣やアルバイト。
長い目で見れば、「安定している働き方」とは到底言えないのが派遣やアルバイトのデメリットですね。
まとめ
今回は、工場勤務を4つの種類に分けて、それぞれのメリットとデメリットについて解説しました。
あなたがもしもこの先工場勤務の仕事を選ぶとすれば、
- 大企業か中小企業のどちらを選ぶか
- 正社員にこだわるか、派遣・アルバイトでまずは挑戦するか
の2つのポイントで、就職先を絞り込んでいく必要がありますね。
もうあなたは、それぞれの良い面悪い面を理解しています。
その知識を存分に活かして、今後就職先を検討する際に役立ててみてくださいね!