スムーズに転職できる人がいる一方で、転職先が決まらない人も少なくありません。両者の違いは何でしょうか?転職が困難だと感じている人や活動を考えている人に向けた原因と対策を、活動準備から面接に至るまでの段階ごとに解説します。
転職活動の平均
まずは日本人の転職の実態を把握するために、多くの人が転職活動にかける平均の期間を知っておきましょう。周りがどれぐらい転職活動に時間をかけているか把握できれば、自身の活動の計画も立てやすくなるはずです。
1~3カ月が転職期間の平均
厚生労働省の調査によると、転職活動の準備から実際に現職を退職するに至るまでの期間は、次のようになっています。
- 1カ月未満:19.3%
- 1カ月以上3カ月未満:27.2%
- 3カ月以上6カ月未満:14.8%
- 6カ月以上9カ月未満:4.5%
- 9カ月以上1年未満:2.7%
およそ1~3カ月で転職活動を終わらせる人が多く、長くても半年以内に別の職場に移る人がほとんどです。
1カ月未満で転職する人も少なくありませんが、この間に自分に合った求人を探したり、書類選考を待っていたりする人も多いため、準備不足のまま焦って転職活動をする必要もないでしょう。
参考:『平成27年転職者実態調査』
2割以上の人が10社以上受けている
転職活動がうまくいかないと、「自分だけが内定を勝ち取れていない」と不安になる人もいるのではないでしょうか?しかし、転職を決意してすぐに内定をもらえる人は一部であり、ほとんどの人は何社も採用面接を受けているのが実態です。
実際に、転職者全体の2割以上の人が内定を受けるまでに10社以上応募しているといわれています。多くの人が苦労して転職活動をしているのです。そのため「急いで決めなければ…」と焦る必要はありません。
転職が決まらない原因をできるだけ客観的に把握して、問題を解決することが大事でしょう。
転職が決まらない原因と対策1「転職準備」
では、転職が決まらない人にありがちな原因と対策を確認していきましょう。まずは『転職準備』からです。
自己分析が足りていない
新卒の就職活動では、事前に自己分析を行う大学生が多いですが、転職活動においても自分自身を理解しておくことは非常に重要です。自己分析が足りずに人気企業を転職先に選んだり、特に根拠もなく未経験の分野の企業を選択したりする人もいるようです。
しかし、自己分析が不足していると、応募先企業が求めるスキルや価値観が合致しているか判断できません。面接で説得力のある話ができず、結果として採用には至らないケースが増える恐れがあります。
十分に自己分析をした上で、希望する企業を決める必要があります。
市場価値を見誤っている
市場価値を見誤り、自分に合わない企業に応募してしまう人もいます。自己分析不足とも言えますが、「年収〇〇円希望です」「〇〇の仕事がしたい」といった理由のみで希望する企業を決めていると、転職活動は難航するでしょう。
転職活動を成功させている人ほど、自分の市場価値と志望する企業がマッチしているのです。
だらだらと転職活動をしている
無計画にだらだらと転職活動をしてしまっている人も、転職先が決まらない傾向があります。スケジューリングを徹底しないと必要書類や面接の準備が間に合わず、なかなか成果につながりません。
仕事の終わりの時間や休日に転職活動をしなければならない人も多いはずです。自己管理をして活動を進めなければ、いつまでも転職できない事態になりかねないでしょう。
転職が決まらない原因と対策2「応募」
次に、企業への『応募』でありがちな失敗と、主な対策を紹介していきます。
応募数が少なすぎる
応募数が少なく転職できないことも原因として挙げられます。転職活動に成功している人でも1~2社の応募で決まることは少ないでしょう。上述したように10社以上応募している人も多くいます。
数多く応募している人がいるなかで、2~3社程度に応募してうまくいかず、「自分は転職に向いているのか?」と考えるのは合理的ではありません。『応募する企業の条件を見直す』などして、応募数を増やしてみるとよいでしょう。
求人とのミスマッチ
志望する職種や職場環境と、実際に応募している企業にミスマッチが起こっている場合、転職活動はうまくいきません。
同じ業界・業種の企業でも必要としている人材や業務範囲が異なるため、企業が求める条件に合致した経験やスキルを持っていなければ、採用される確率は低いでしょう。転職準備段階での自己分析を踏まえて、自分に合った求人かどうかをしっかりと判断することが重要です。
自分に合った職種や企業が分からないという人は『リバラボインターンシップ』に相談するのもおすすめです。専属のカウンセラーとこれまでの経験や将来の目標を話すことで、これからのキャリアプランが明確になるでしょう。
転職の条件が決まっていない
現在の職場への不満から、転職を考える人は少なくありません。しかし、どのような企業に転職したいのか、条件が曖昧だと応募企業がなかなか決められず、転職活動が長引いてしまう原因となります。
自身のキャリアプランや理想の職場環境などを明確にして、『譲れない条件と妥協できる条件』を明らかにしましょう。このとき譲れない条件が多すぎると、応募する企業の数が減ってしまいます。
条件を緩めすぎる必要はありませんが、希望の職に就くのを優先するのか、希望勤務地や給料を重視するのかなど、転職活動の方向性ははっきりさせておきたいところです。
転職が決まらない原因と対策3「書類選考」
続いて、企業の『書類選考』で落とされることが多く、なかなか転職に結びつかない場合の原因や対策を解説します。
企業の採用担当者にアピールできる文章を書くことも大切ですが、書き方のミスや書類の不備、文字が読みづらいなど、基本的なところでNGになっている人も多いので注意しましょう。
職務経歴書の書き方が間違っている
職務経歴書の不備や書き方の間違いから、書類選考を通らないケースは決して珍しくないようです。職務経歴書には、応募先企業が必要としている情報を網羅的かつ分かりやすくまとめる必要があります。
企業側が求めている情報が記載されていない、あるいは不要な情報の多い職務経歴書は、採用担当者が読まない可能性すら出てきます。
必要な情報を端的に伝えるよう、『文字サイズ』や『レイアウト』にも気を遣いましょう。WordやExcelなどを利用すれば、余白なども調整できるのでおすすめです。インターネットから無料でダウンロードできるテンプレートを利用してもよいでしょう。
企業に合わせた自己PRや志望動機がない
応募企業に提出する職務経歴書には、その企業に合わせた自己PRや志望動機を書くことになります。しかし、複数の企業に応募している人の中には、どれも同じような内容になってしまい、それぞれの企業のニーズに合致していないケースが多くあります。
その結果、「熱意が感じられない」「企業研究ができていない」と書類選考の時点で不採用になってしまうのです。実際に、営業職に応募にもかかわらず事務職向けのスキルをアピールしたりする人は珍しくないようです。
文章や文字が読みにくい
提出する書類の文字が分かりづらいために、自分の魅力をアピールできず落とされてしまう人もいます。
特に、業務で文章を書く必要のある仕事は、採用担当者が提出書類を見ただけで適性がないと判断するかもしれません。殴り書きのような文字や誤字脱字、間違っている箇所を二重線や修正液で消すなどはNGです。
字がうまくなかったとしても『丁寧に書く』ことはできるはずです。できるだけ悪い印象を与えないよう、読み手に分かりやすい文字や文章構成にすることが大切です。
転職が決まらない原因と対策4「面接」
書類選考を通過したら、いよいよ面接です。しかし、ここで失敗して採用に至らなかった人も多いのではないでしょうか?面接でよくある失敗と対策を解説します。
基本的なマナーができていない
服装が面接向きではなかったり、身だしなみが整えられていなかったりなど、基本的なマナーができていないと、面接官に悪印象を与えます。
面接において第一印象はとても重要です。見た目の清潔感や出入りの際のマナーは、受け答えと同じぐらい重視している面接官もいます。
新卒と異なり、面接時のマナーや服装などが細かく指導される機会は基本的にありません。面接の服装は清潔感を重視するとともに、業界に合わせて選ぶと好印象です。基本的な敬語や受け答えの仕方、挨拶などもおさらいしておきましょう。
自信がなさそうに見える
面接で声が小さかったり覇気がなかったりすると、転職が決まらず自信を喪失しているように伝わってしまうかもしれません。
たとえ人と話すのが苦手だとしても、面接では自分の魅力をアピールできるように自信のある受け答えを心がけましょう。声の大きさだけでなく、座っているときの姿勢や目線などにも注意する必要があります。
何度も面接に落ちるようであれば、友人や家族に頼んで面接の練習をするのもおすすめです。客観的な意見をもらい意識することで、自信のある話し方が身についてきます。
面接の対策が足りていない
単純に面接対策が足りず、本番の面接で失敗してしまう人も多くいます。新卒の場合、就職活動の一環で面接対策をする人がほとんどですが、転職活動になると仕事で忙しく対策ができない人も多数です。
事前に必ず応募企業の分析をして、面接官からの質問の回答をシミュレーションしておきましょう。加えて、自己PRで何を話すのか、どういった構成で話をするのかも考えておく必要があります。
頭の中だけで完結せず、実際に声に出してみることも大切です。早口にならないよう、ゆっくりはっきり話すことを意識しましょう。
転職活動を終わらせるために
最後に、自分の納得のいくかたちで転職活動を終わらせるために、必要なポイントを挙げておきます。
失敗の原因を振り返る
落ちるには何か理由があるはずです。いつも書類選考で落とされる、書類選考は通るけど面接で不採用になるなど、自分なりの傾向が見えてきたら、失敗の原因をしっかりと振り返りましょう。
多くの転職希望者が同じような原因で採用に至りません。上述したポイントを参考に、『何が悪かったのか』『改善すべき点は何か』確認しましょう。
焦りすぎない
転職活動が長引いてしまうと、誰でも不安になり焦ってしまうものです。「そもそも転職の決断が間違っていたのではないか?」など、さまざまな迷いを抱える人も珍しくありません。
しかし、何も考えず転職活動をしていない限り、少しずつでも前進していることは間違いないでしょう。焦りから自分の希望していない転職をするのはNGです。不安なときほど、一度立ち止まって転職の目的を確認しましょう。
また、自分を見つめ直すための機会と捉えて、長期的な視点から自分のキャリアプランを考えることも大切です。自分にとって必要な一歩を踏み出しましょう。
原因を見つけてしっかり対策
転職が決まらない原因と対策を解説しました。企業選びや提出書類の不備、あるいは面接対策を怠っていることなどが原因で、転職につながらないケースもよくあります。
長い間、転職活動を続けていると、どうしても不安になったり疑心暗鬼になってしまったりするものですが、冷静になることが大事です。これまで失敗してきた原因はどこにあるのか、どうすれば改善できるのか立ち止まって考えてみましょう。
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