高校卒業後、化粧品会社への就職を考えている人もいるのではないでしょうか?高卒で化粧品会社に就職する方法や、高卒で採用されやすい職種、持っておくと有利な資格などを解説します。高卒で化粧品会社への就職を目指している人は、ぜひ参考にしましょう。
化粧品会社への就職は難しい?
現在、化粧品会社の就職事情はどのようになっているのでしょうか?化粧品業界の現状や、高卒で就職できるかについて解説します。
化粧品業界の現状
かつて化粧品業界は、景気に左右されない安定した業界と考えられていました。実際に、ここ数年は経済成長とともに国内市場規模も拡大傾向にありました。
しかし、新型コロナウイルスの影響や訪日観光客の減少から、2020年度の国内市場規模は前年度と比べて84.4%となったデータが出ています。
また、現在は化学メーカーをはじめとする異業種の参入や、国境をまたいだECの利用が拡大しており、化粧品業界は大きなターニングポイントを迎えているといえるでしょう。
低価格へのニーズ増大に応えることや、海外ブランドとの競争にどう対処するかが、今後の化粧品業界の課題といえます。
参考:化粧品市場に関する調査を実施(2021年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
高卒でも就職できる?
結論からいうと、高卒でも化粧品業界への就職は可能です。ただし、本社勤務に代表される総合職の多くは、専門学校卒や大卒の人材を採用する傾向にあるため、高卒の人が現実的に目指せる職種は現場の美容部員になります。
美容部員はいきなり正社員からではなく、アルバイトや契約社員からのスタートというケースも少なくありません。
正社員採用を狙う場合は、やや遠回りになりますが、1度アパレルやジュエリー系の販売員として経験を積んだ後に転職をするという方法もあります。
大学や専門学校に進学するメリット
化粧品業界でのキャリアの幅を広げたいなら、高校卒業後は進学する方がよいといえます。主な進学先は美容専門学校か4年制大学になりますが、それぞれ違ったメリットがあります。
美容専門学校では、美容部員として活躍するための知識やスキルを学べるのが特徴です。また、化粧品会社が学校に説明会に来るなど、就職支援が手厚い学校もあります。美容専門学校は、将来なりたい職種が決まっている人におすすめです。
一方、4年制大学では、自分が学びたい分野を4年間かけてしっかりと学べるのがメリットです。加えて、大卒ならほとんどの職種の求人に応募できるだけでなく、初任給もほかの学歴に比べて高い傾向にあります。
まだ漠然と「化粧品業界で働きたい」と思っている人には、大学への進学がおすすめです。
化粧品会社の募集職種
一口に化粧品会社といっても、職種によって業務内容が異なります。化粧品会社の代表的な職種を三つ解説するので、自分が興味のある職種がないか探してみましょう。
技術系職種
新商品の開発やそれに付随する研究を行う職種です。消費者のニーズを捉え、消費者が安心して使える化粧品の開発を行います。このような背景から、技術系の職種は理系出身者の方が有利でしょう。
化粧品は肌に直接触れるものであるため、安全性には特に注意する必要があります。『危険物取扱者』や『バイオ技術者認定試験』などの専門的な資格を持っておくと、採用に有利に働くかもしれません。最先端の化粧品を研究したい人にはおすすめです。
事務系職種
事務系の職種は総合職に分類され、営業や宣伝、管理などに分けられます。営業は小売店に向けて、自社商品を店頭に並べてもらうよう交渉するのが主な役目です。
宣伝は商品のPR戦略を考える役割で、イベントの開催をはじめとするさまざまな販促活動を行います。そして、管理は商品の流通に関わる仕事です。生産数や在庫の管理などを行うことで、商品を過不足なく流通させる重要な役割を担っています。
美容部員
店頭で自社商品の販売をしているのが美容部員です。顧客の悩みを聞いて、自社商品を使っての上手なメイク方法を提案し、売上アップを図ります。肌質や見た目は人それぞれなので、高度な商品知識と提案力が求められるでしょう。
主な仕事内容はカウンセリングと商品の販売ですが、会計や在庫管理、売上管理など店舗運営に関わるさまざまな業務をこなします。『ビューティーアドバイザー』と呼ばれることもあります。
高卒で美容部員になる方法
美容部員は、高卒から最も目指しやすい職種といえます。高卒から化粧品会社の美容部員を目指す方法を二つ解説するので、自分に合った方法を見つけてみましょう。
高卒OKの美容部員募集に応募
美容部員の求人の多くは、高卒以上を応募の条件としています。そのような求人に応募して採用されれば、美容部員になることができます。
しかし、美容部員は化粧品に関する専門的な知識を求められる職種です。完全未経験から育成する場合、会社側のコストは大きなものとなるでしょう。そのため、正社員への就職は難易度が高くなる傾向にあります。
アルバイトや契約社員であれば、採用のハードルは多少下がるため、まずは非正規雇用で経験を積むのが無難な方法といえます。
転職で美容部員を目指す
どうしても正社員として採用されたい場合は、1度ほかの会社で経験を積み、転職で美容部員を目指すという方法もあります。
転職の場合は即戦力が求められるので、ファーストキャリアでは美容部員の仕事と関連性のある仕事に就くのがポイントです。
例えば、アパレルやジュエリー系の販売員なら、商品知識を生かした販売スキルや、対人接客スキルを身に付けられるでしょう。
また、美容部員の中途採用は、夏から秋にかけて活発に行われる傾向にあるため、夏前ごろから転職の準備を始めるのがおすすめです。
美容部員になるために有利なスキルや資格
美容部員になるために、特別な資格は必要ありません。しかし、未経験から美容部員を目指す場合、あらかじめ身に付けておくと有利なスキルや資格は存在します。美容部員を目指す上で身に付けておきたいスキルや資格を、四つ解説します。
コミュニケーション能力
美容部員は接客業であるため、コミュニケーション能力は必須といえます。ここでいうコミュニケーション能力とは、話し上手なことではなく、顧客の悩みを上手に引き出す能力を指します。
顧客の悩みを正確に把握して、適切な商品を提案することで、顧客は商品を購入してくれるでしょう。また、顧客と良好な関係を築くことができれば、顧客は自分をひいきにしてくれ、安定的な売上アップにつながります。
丁寧な言葉遣いができることもポイント
美容部員には、丁寧な言葉遣いができることも求められます。たとえ顧客がフランクに話してきたり、お得意様になって仲良くなったりしても、友達感覚で話すのはよくありません。
仲の良い顧客に対しても、親しみを込めつつ一定の距離を保つことが大切です。丁寧な言葉遣いをしていても、親しみの心はきっと伝わるでしょう。
正しい敬語や言葉遣いは、一朝一夕で身に付くものではないので、日頃から正しい日本語の使い方を練習する必要があります。
スキンケアアドバイザー
スキンケアアドバイザーとは、1人1人に合ったスキンケアの方法や化粧品を提案できるスキルを持っていることを証明する資格です。顧客に最適な商品を提案する美容部員とは、相性のよい資格といえるでしょう。
また、化粧品と肌に関する正しい知識を有すると同時に、肌と関わりの深い食生活のアドバイスもできるのが特徴です。スキンケアアドバイザーを持っていれば、未経験であってもアピール材料になるでしょう。
日本化粧品検定
化粧品や美容の知識を、専門的かつ体系的に学べる資格試験です。民間の資格ではあるものの、文部科学省が後援していることから、就職・転職活動においてアピールの材料になるでしょう。
受験者の半数以上が化粧品や美容に関わる職業の人たちで、学生の受験者も少なからずいます。検定は3〜1級まであり、いきなり1級から受験するといったことも可能です。
また1級に合格後、日本化粧品検定協会に入会し、認定プログラムを受講すると、『コスメコンシェルジュ』という上位資格も得られます。美容業界を志望しているなら、取っておいて損はないでしょう。
美容部員に転職するなら
異業種で経験を積んで美容部員に転職するときのコツを解説します。転職活動をするなら、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントの利用がおすすめ
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さらに、面接の日程調整や年収交渉も代理で行ってくれるので、忙しくて時間があまり取れない人には便利です。
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高卒なら化粧品会社の美容部員を目指そう
高卒でも化粧品会社に就職することは可能です。高卒の場合、叶えやすい職種は美容部員でしょう。美容部員はビューティーアドバイザーとも呼ばれ、顧客の肌やメイクに関する悩みを聞いて、最適なメイク方法や商品を提案する仕事です。
美容部員には高いコミュニケーション能力や、丁寧な言葉遣いが求められます。美容部員になるには、直接求人に応募する方法と、1度異業種で経験を積んで転職をする方法があります。
よりキャリアの幅を広げたい場合は、美容専門学校や大学に進学するのがおすすめです。総合職の採用は、専門学校卒や大卒以上の人材を対象としているケースが多くなっているためです。
自分のキャリアプランを考え、最適な進路を選択しましょう。
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