文系出身者に適した職業は?高い給料を得るためには何が必要?

就職・転職活動をしている人のなかには、「やりたい仕事」「自分に向いている仕事」がわからなくて悩んでいる人も多いかもしれません。その場合、まずは文系・理系ごとに適している職業を知ることで、そのなかから自分が興味を持てる職業に絞っていくのもいいかもしれません。そこで今回は、文系の職業について解説していきます。

【資格不要】文系出身者に向いている職種のうち、資格が不要なものは?

まずは、文系出身者に向いている職種をみていきましょう。

事務

事務とひとことで言っても、一般事務のほか、営業事務もあれば、企業によっては人事や経理などの業務を担うこともあります。一般的には、外回りの営業などをおこなうことはなく、書類の作成や整理、データ入力をはじめとするデスクワーク中心に業務に従事します。

パソコンスキルがどの程度必要かは企業によって異なりますが、最低限、wordやEXCELなどを難なく使いこなせることは必要でしょう。また、電話対応や来客対応はもちろん、企業によっては、貿易事務として外国語での資料作成などを求められることもあります。

さらに、病院やクリニックなどの医療機関で働く「医療事務」も一種の事務。コロナ禍における報道を通して、医療従事者を支える仕事への興味が高まった人にとっては、就職先の候補となり得るかもしれません。

営業

顧客のニーズや悩みを把握して、それを叶えたり解決したりするための商品やサービスを提供する契約を取り付ける業務を担います。また、相手が求める情報を収集して、なぜそれらの情報が役立つのかを説明することも大切です。

相手の求めているものを理解するうえでも、自社の魅力を伝えるうえでも重要となるのがコミュニケーション能力。世間話なども盛り込みながら相手と良好な関係を築くことで、自社のイメージアップにも貢献できます。

販売

主にBtoCで一般消費者に商品やサービスを販売するのが仕事です。アパレル販売スタッフや食品販売スタッフからブライダルコーディネーターまで、販売する商品やサービスは多岐にわたりますが、いずれの場合も、消費者のニーズを組み、的確に提案していくスキルが必要です。

総務

会社の代表窓口としての対応から、労務管理、給与計算、福利厚生の運用のほか、社内の制度策定や経理、財務なども総務の仕事です。日々の取引を記帳して決算書などの資料を作成する経理、日々のお金の流れを管理する財務ともに、文系出身者も採用されやすい職種ではありますが、数字を扱うことに苦手意識がある人には向いていないといえます。

購買

経理や財務と同じく、数字を見ながら自社にメリットをもたらすにはどうすればいいかを考えることが多いですが、単純な計算というより、「この部品を買うなら今はこの地域がお得」など、市場の動向をみながら考えることが必要なので、世の中の物の流れへの関心が高い人には向いています。また、仕入れ先に対して積極的に交渉できるタイプにも適しているといえるでしょう。

広報・IR

社外とのかかわりが多く、常に見た目にも気を配っていることから、”会社の花形”というイメージを抱いている人も多いでしょう。

実際、相手を納得させるだけのプレゼンテーション力を有していることが大事ですし、ひとつの会社とかかわるにあたって社内のさまざまな部署とも密に連絡を取らなくてはならない場合もあるため、マルチタスクが得意な人がほとんど。一方、ミスが許されない場面が多いことから、企業の規模などによってはプレッシャーも相当なものといえるでしょう。

企画・マーケティング

消費者やクライアントのニーズを知るために情報を収集したり分析したりを何度も繰り返すため、ロジカルな思考をもとにPDCAをスムーズに回していける人が適しています。商品の企画や開発・改良などを任された場合、完成したものが実際に店で店頭に並んだり雑誌で取り上げられたりすることには大きな喜びを感じられるでしょう。

経営企画

経営戦略や企画を立てるだけでなく、経営陣をサポートすることも役目です。

人事

採用や人材配置、社員の教育や研修が主な仕事です。社員一人ひとりが能力を発揮できるような仕組み作りを構築すべく、社内評価制度の作成や勤怠管理などを手掛けることも。

記者・編集者

書籍や雑誌、webサイトなどに載せる記事の取材やライティングをおこないます。基本的には、生地の企画立案や制作、入稿などが編集者の仕事で、記事作成に必要な情報を収集して文章を書き起こすのが記者の仕事ですが、編集者自身が執筆することもあれば、記者自ら企画を持ち込むこともあります。

国家公務員

文系に向いている職業のなかでも特に人気が高い職業のひとつです。人気の理由は、給与水準が高いことと、景気に左右される心配がないこと。職種は幅広く、高卒程度でも採用試験を受けられる職種も多彩に存在します。

エンジニア

エンジニアというと理系出身というイメージが強いかもしれませんが、データ入力やサイト設計をメインにおこなうエンジニアには文系出身者も多いです。パソコンを使う作業が好きな人や、ホームページを作ることが趣味の人などは、比較的楽しく仕事できるでしょう。

【要資格】文系出身者に向いている職種のうち、資格が必要なものは?

続いては、文系出身者に向いている職種のうち、資格が必要な職種のなかから代表的なものを紹介します。

カウンセラー

人の話を聞くこと、とりわけ悩んでいる人の話に耳を傾け、解決方法を一緒に考えることが得意なら、カウンセラーの仕事が向いているといえるでしょう。カウンセラーとひとことで言っても「臨床心理士」「心理カウンセラー」「スクールカウンセラー」など種類が豊富で必要な資格も異なるので、”どんな人をサポートしたいのか”などを考えることからスタートするといいでしょう。

参考:日本臨床心理士資格認定協会
参考:日本能力開発推進協会 JADP認定メンタル心理カウンセラー(R)
参考:文部科学省 スクールカウンセラーについて

図書館司書

都道府県や市町村の公共図書館などで、図書館資料の選択、発注及び受け入れから、分類、目録作成、貸出業務、読書案内などをおこなう専門職員です。司書の資格は、大学や短大で司書講習を受講すれば取得できますが、実際に司書として働くためには、当該自治体の採用試験に受かる必要があります。

参考:文部科学省 司書について

学芸員

博物館や美術館が好きな人にとっては、学芸員は憧れの職業のひとつといえるでしょう。学芸員になるためには「大学の学芸員養成課程で学ぶ」、「大学に2年以上在籍して博物館に関する科目の単位を含めて62単位以上取得して3年以上学芸員補として働く」、もしくはこれらと同等の学力および経験を有していて、学芸員資格認定に合格していることが必要です。

参考:文化庁 学芸員になるには

ファイナンシャルプランナー

人生100年時代といわれる現代においては、早い段階で老後のための資産形成の重要さに目を向ける人が増えています。また、働き方の多様化、晩婚化によって、たとえば”何歳までにいくら貯めるのが理想であるか”も一概にいうことが難しくなっているため、一人ひとり、一家族一家族に合ったプランを提案してくれるファイナンシャルプランナーのニーズは今後ますます高まることが予想されます。

ファイナンシャルプランナーになるには、国家検定である「FP技能士資格」または民間資格である「CFP(サーフェィファイド ファイナンシャルプランナー)資格」を取得することが必要です。

参考:日本FP協会 FP技能検定とは
参考:日本FP協会 CFP(R)資格とは?

弁理士

弁理士の仕事は、知的財産権の保護や利用促進。”知的財産の専門家”として、特許権や商標権、意匠権などを取得したい人のために特許庁への手続きなどを代行します。弁理士になるためには、弁理士試験に合格することが必要です。

参考:日本弁理士会

弁護士

弁護士として働くためには、難易度が非常に高い司法試験に合格することが必要です。文系の職業のなかでももっともハードルが高いもののひとつといえます。学生時代から熱心に勉強することが必須であるのはもちろん、ストレートで試験に受かるとは限らないため、卒業後も試験合格のための勉強を続けなければならない可能性があります。

参考:法務省 弁護士資格認定制度

公認会計士

公認会計士として活躍するためには、公認会計士試験に合格することが必須。難易度は高いですが、資格があると、時給8,000円以上で非常勤スタッフとして勤務することなども可能なため、出産や子育てを希望している女性なら、後々役に立つ資格であるといえるでしょう。

参考:日本公認会計士協会 公認会計士とは

保育士・教員

子どもが好き、人になにかを教えるのが好きな人には最適な仕事ですが、保育士免許の取得や教員免許の取得が必要です。そのため、学校卒業後すぐに働くためには、在学中から計画的に準備を進めることが必要です。

参考:一般社団法人 全国保育士養成協議会
参考:文部科学省 教員資格認定試験

ケアマネージャー

要介護者のケアプランを作成するのが仕事。少子高齢化の時代においてはニーズが高く、やりがいもとても大きいでしょう。ケアプランを作成するうえでは、サービスを受ける高齢者が抱えている問題点を明らかにして、自立した日常生活を送れるようになるためにはどうすればいいかを考えることが必要なため、学生時代に課題を分析することが得意だった人には向いているかもしれません。

ケアマネージャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要がありますが、指定業務を5年以上かつ900日以上経験しなくては受験資格を得られないため、まずは介護業界で働きながら資格取得を目指すことが必要です。

参考:厚生労働省 介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等

文系出身で給与水準が高い仕事に就くにはどうすればいい?

職業例を見たらわかる通り、文系出身者に向いている仕事の給料はピンキリ。では、そのなかから特に給料が高い仕事に就くためにはどうすればいいかというと以下の通りです。

難易度の高い資格を取得する

難易度が高い資格が高い給料につながるかというと、必ずしもそうとはいえませんが、弁護士や弁理士などの資格があれば高収入を狙いやすいですし、就職先を見つけやすいのも大きなメリットです。

人材紹介会社などを利用する

一般に公開されていない情報を持っているエージェントに登録しておけば、より高い給料の仕事が見つかりやすいといえます。それだけでなく、登録の際、自身の適性などを客観的に見極めてもらうことで、自分では思ってもみなかった適職が見付かり、より高い収入を得ることが叶う場合もあるでしょう。

給与水準が高いとデメリットが大きい場合もある

給与水準が高いことは、働くうえで大変大きなメリットですが、収入だけを条件に仕事を選ぶと、結果的に怱々に辞めたくなる場合もあるでしょう。なぜなら、給料が高いということは、「忙しい」「責任が重くストレスが大きい」可能性が高いからです。

とはいえ、仕事が大好きな人や、責任が重いほどやりがいを感じられる人にとっては、そのこともメリットといえるので、自分はどんな生活を送りたいかを考えながら就職先を選びたいものです。

文系出身者には多彩な職業の選択肢がある

理系の学生は自身の専攻と関連が高い企業に就職することが多い一方、文系出身者には専攻との関連を重視しない人も多く存在します。そのため、より幅広い選択肢から職業を選べるのが大きなメリット。

しかし、たとえ自身の専攻と大きくかけ離れた仕事に就いたとしても、学生時代に学んだことはなんらかの形で活かせる日がくるはずなので、まずは自分が「こんな仕事をしたい」という気持ちを大切に就活・転職活動を進められるといいですね。



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