現在の収入が不安で、年収600万円ならどの程度裕福な暮らしができるのか、気になっている人もいるでしょう。年収600万円の手取り金額や生活レベル、その年収を目指すためにできることを解説します。この記事を参考にやるべきことを明確にしましょう。
年収600万円は高収入?
果たして年収600万円は高収入といえるのでしょうか。日本人全体に占める割合や平均年収と比較しながら検証していきましょう。
年収600万円台の割合は6.5%
国税庁による『令和2年分民間給与実態統計調査』によると、年収600万円台の人が占める割合は全体の6.5%でした。年収600万円以上の人の割合は全体の20%なので、比較的高収入といえる水準ではないでしょうか。
同調査によると、日本人の平均年収は433万円という結果です。日本人全体の平均年収以上であることからも、年収600万円を稼げていたら、比較的高収入であるといってよいでしょう。
参考:令和2年分民間給与実態統計調査 P.13, 21|国税庁
男性の平均給与以上
日本人の平均年収を男女別で見ると、男性が532万円、女性が293万円です。男性の方が女性より平均年収が高いですが、年収600万円はそれ以上の金額であることがわかります。
また600万円という数字は、45〜49歳の男性の平均年収である621万円とほぼ同水準です。そのため20代や30代で年収600万円を稼げていたら、同世代よりも高収入であると考えられます。
なお女性の場合は、どの年代の平均年収も300万円台前半であるため、女性で年収600万を稼げていたら年代を問わず高収入でしょう。
参考:令和2年分民間給与実態統計調査 P.13, 19|国税庁
年収600万円の手取り金額や貯金額
年収600万円の人でも、600万円全額が入手できるわけではありません。年収600万円の手取り金額と貯蓄事情を解説します。
手取りは470万円程度
手取りとは、年収から税金や社会保険料などを天引きして、実際に銀行口座に振り込まれる金額のことです。一般的に手取りは年収の約8割といわれており、年収600万円の場合は470万円程度と考えられます。
月給に換算すると、年2回のボーナスがある場合は約33万円、ボーナスなしの場合は約39万円です。月給に換算して見てみると、ある程度余裕のある暮らしができそうだと感じる人は多いでしょう。
税金の面ではお得な収入
年収600万円は、実は税制面でお得な収入とも考えられます。具体的には、多くの場合で所得税率が10%にとどまるギリギリの収入水準なのです。
所得税は額面の年収からではなく、年収から各種控除を引いた『課税所得』から算出します。課税所得の大きさによって適用される税率が変わり、課税所得に所得税率を掛けた金額が課税額になります。
扶養家族の有無によっても変わりますが、一般的に年収600万円の課税所得は約300万円となり、その場合の税率は10%です。課税所得が330万円を超えると税率が一気に20%に上がってしまいます。
そのため、年収600万円は所得の大きさの割に税金が安いお得な収入帯といえるのです。
手取り額のうち貯金に回す割合は平均19%
年収500万〜700万円の人のうち約4人に3人が貯金をしています。『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和元年)』によると、手取り額のうち貯蓄に回している割合は平均19%です。
年収600万円に限ったデータはないものの、上記のデータを参考にすると、年収600万円であれば平均して毎月6.5万円程度は貯金していることになります。
1年間で約80万円は貯金できることになるので、ライフイベントや老後の備えはある程度できる金額なのではないでしょうか。
年収600万円の生活水準
年収600万円は一般的には高収入で、ある程度の貯金もできることがわかりました。では実際のところ、年収600万円の生活はどのようなものなのでしょうか。
家族構成や実家住まい、一人暮らしといくつかのパターンに分けて、年収600万円の生活水準を見ていきましょう。
独身実家暮らしなら十分余裕がある
独身で実家暮らしの場合の支出を見積もってみましょう。月の手取りは39万円として、以下のようにシミュレーションしました。
支出項目 | 金額 |
家賃(実家にお金を入れる場合) | 5万円 |
食費 | 2万円 |
水道光熱費 | 0円 |
通信費 | 1万円 |
保険料 | 1万円 |
交際費 | 3万円 |
趣味・娯楽費 | 2万円 |
雑費 | 2万円 |
貯金 | 23万円 |
実家暮らしの場合、家賃や水道光熱費、食費を浮かせられるのが大きなメリットです。数年貯金すれば、一括で車を買うこともできるでしょう。
独身一人暮らしなら生活に困らない
一人暮らしの場合は、家賃と水道光熱費を支払わなければならない点が実家暮らしとの違いです。以下で月々の支出を見ていきましょう。
支出項目 | 金額 |
家賃 | 10万円 |
食費 | 5万円 |
水道光熱費 | 1万円 |
通信費 | 1万円 |
保険料 | 1万円 |
交際費 | 3万円 |
趣味・娯楽費 | 2万円 |
雑費 | 2万円 |
貯金 | 14万円 |
家賃は10万円としましたが、都心に住む必要があるならもう少しかかると考えた方がよさそうです。特に節約を意識して生活しなくても、毎月10万円以上の貯金ができる計算です。貯まったお金で、長期休みに旅行をするのもよいでしょう。
既婚子どもなしはゆとりある生活が送れそう
既婚子どもなし、配偶者が専業主婦(夫)という場合の生活レベルを考えてみましょう。
支出項目 | 金額 |
家賃 | 10万円 |
食費 | 5万円 |
水道光熱費 | 1.5万円 |
通信費 | 1.5万円 |
保険料 | 1.5万円 |
交際費 | 3万円 |
趣味・娯楽費 | 2万円 |
雑費 | 2万円 |
貯金 | 12.5万円 |
2人での暮らしになっても生活費がそのまま2倍になるわけではないので、夫婦2人であればある程度ゆとりのある生活が送れそうです。
ただし将来的に子どもが欲しい場合は、教育費などを前もって貯蓄しておいた方がよいでしょう。そのためには贅沢のし過ぎは避けるべきです。
もし共働きで配偶者にも収入があれば、一人暮らしの場合以上に生活にゆとりが生まれるでしょう。
既婚子どもありは余裕がない場合も
結婚して子どもが2人、配偶者に収入がない場合を想定して、毎月の支出を見積もってみましょう。
支出項目 | 金額 |
家賃 | 10万円 |
食費 | 7万円 |
水道光熱費 | 2万円 |
通信費 | 2万円 |
保険料 | 1.5万円 |
交際費 | 3万円 |
趣味・娯楽費 | 2万円 |
雑費 | 3万円 |
養育費 | 3万円 |
貯金 | 5.5万円 |
子どもがいると食費がかさみ、養育費もかかります。上記では毎月5.5万円貯金できる計算ですが、この他に学資保険や習い事、突発的な出費などがあると貯金ができなくなる可能性もあります。
もし配偶者が専業主婦(夫)なら、ある程度の節約意識が重要になるでしょう。共働きも検討した方がよいかもしれません。
年代別年収600万円を稼げる業界や職種
年収600万円は40代男性の平均的な年収のため、20代や30代で年収600万円を目指すなら、工夫が必要です。年収の相場は業界や職種によって大きく異なります。年代ごとに、おすすめの業界や職種を解説します。
20代で目指すなら営業職
20代の平均年収は低いため、基本給だけで年収600万円に到達させるのは難しいでしょう。そのため、20代で年収600万円を目指すなら、インセンティブ制度のある営業職に就くことがおすすめです。
インセンティブ制度があれば、頑張りに応じて収入を大きく伸ばせます。成績によって収入が変動するリスクがありますが、結果を出せば昇給や昇格の機会もあるため、結果的に高収入につなげられます。
実力主義の傾向が強く学歴が問われないケースも多いので、お金を稼ぐモチベーションが高い人にはおすすめの職種です。
30代は業界によって到達可能
30代の場合は、業界によって基本給で年収600万円に到達することが可能です。そのためには年収の相場が高い業界に就職するのが効果的です。年収が高い業界の一例は以下の通りです。
- コンサル業界
- 金融業界
- IT業界
職種としては、営業や企画、会計士などが高年収の仕事としてよく挙げられます。
給与体系にも要注目です。年功序列型の給与体系では、30代だと給料はまだ高くない場合が多いでしょう。そのため、会社への貢献度に応じて給料が支払われる、実力主義の給与体系を採用している会社がおすすめです。
年収600万円を目指すためにできること
年収600万円を目指すためにできることを二つ解説します。平均以上の収入ですが、努力すれば実現可能な金額でもあります。ぜひ以下で解説することを実践してみましょう。
スキルアップする
20代の場合、給料アップを求めてすぐに転職活動に踏み切るのは早計かもしれません。まずは市場で求められるスキルを身につけなければ、好待遇の企業からオファーをもらうことは難しいでしょう。
これからスキルを身につけるなら、狙った企業や業界で求められるスキルに絞って習得することが大切です。いくら難易度の高い資格を持っていたとしても、それを企業が求めていなかったら宝の持ち腐れになってしまうためです。
具体的に目当ての企業があるなら、求人票からその企業が重要視しているスキルをリサーチし、それを身につけてから応募するのでも遅くはないでしょう。
年収水準の高い業界に転職する
いくらスキルが高くても、業界自体の給与水準が低ければ、年収アップもどこかで頭打ちになってしまいます。例えば同じ営業職でも、業界を変えるだけで給料がアップすることも珍しくありません。
未経験から目指すなら、営業職かITエンジニアがおすすめです。特にエンジニアの場合は、一次請けの企業に入ることが年収アップの秘訣です。
しかし中にはスキルに自信がない人もいるでしょう。リバラボインターンシップに参加すれば、一流企業で求められるスキルや実績を積み重ねられます。
研修中は固定給が支給され、住居も用意されるので生活の心配もありません。まずは無料相談で悩みを相談してみてはいかがでしょうか。
年収600万円は実現可能な目標
年収600万円は日本人の平均年収よりも高く、一般的には高年収といえる金額です。独身の場合も既婚の場合もゆとりのある生活ができる上、税金面でもお得なので目指す価値はあるでしょう。
若いうちから目指すなら、業界や職種選びが重要です。給与水準の高い業界に就職することで、年収600万円に近づけるでしょう。
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