雇用形態の種類は、正社員からアルバイトまでさまざま。そのなかのひとつに「契約社員」がありますが、正社員とは何が違うのでしょうか? また、正社員でいることにメリットはあるのでしょうか? 反対にデメリットは? 詳しく解説していきます。
契約社員とは?
まずは、契約社員の定義を説明します。契約社員とは、正社員と同じくフルタイムで労働するものの、期間に定めがある労働契約を結んでいる労働者のことです。具体的にどのくらいの期間かというと、勤続期間の上限が3年。契約満了の時点で、契約を更新するか終了するかを選択することになりますが、いずれの場合も、企業と労働者双方の意向を確認して合意することが必要です。
なかには、「契約社員」ではなく、「非常勤」「準社員」「嘱託」「臨時社員」と呼ぶ企業もありますが、雇用期間に定めがあれば「契約社員」ということになります。
雇用期間以外にも、契約社員と正社員に違いはある?
契約社員と正社員は、社会保険に加入できる点は有給休暇を取得できる点においては共通しています。ただし、賞与や退職金に関しては、契約社員は支給されない場合が多いです。また、有給休暇はありますが、傷病休暇はない場合もあります。福利厚生に関しても、正社員と差がある場合があります。
契約社員でも育休や産休を取得できる
育休および産休に関しては、労働基準法第65条によって契約社員にも取得が認められています。万が一、妊娠したことで契約終了を求められても、取得を主張する正当な権利があることを覚えておきましょう。
参考:労働基準法
契約社員のメリットは?
続いては、契約社員のメリットをみていきましょう。
生活が安定しやすい
契約社員は、正社員と違って賞与などは出ない場合が多いとはいえ、フルタイムで働けるうえ社会保険にも加入できるので、契約期間中は生活が安定しやすいといえるでしょう。また、万が一解雇されることになったとしても、正社員と同じく30日前には予告されるため、明日から無職になる心配などはありません。
“次のチャレンジ”をしやすい
勤務先にフルタイムで務めることが条件ではありますが、多くの企業は、契約社員の副業を認めています。そのため、契約期間中に副業することで知識を磨いたり資格取得を目指したりすれば、次のステップにつながりやすいといえるでしょう。もしくは、仕事は仕事と割り切って生活費を稼ぎながら、次の就職希望先に求められる資格を身につけることもできるでしょう。
人間関係に不満があったとしても気になりづらい
職場の人間関係に不満があって出社が憂鬱になった場合、正社員であれば転職を視野に入れたほうがいいこともあるでしょう。しかし、「ここにいるのは長くても3年」と思えば、仕事は仕事と割り切って働けるかもしれません。ただし、1日でも早く縁を切りたいと思うほどであれば、対処法を考えたほうがいいでしょう。
契約社員のデメリットは?
続いてはデメリットです。
基本的にはフルタイム勤務が求められる
契約社員は、アルバイトやパートのように短時間だけ働く契約ではないため、1日の時間を自分が好きなように使うことはできません。ただし、企業によっては時短勤務などが認められている場合もあります。
契約を更新したくてもできない場合もある
先に説明した通り、契約社員は、契約満了の時点で契約を更新するか終了するか選択することになりますが、更新を希望する場合も、雇用している側の合意がなければ更新できません。たとえば、会社が業績不振で人材を減らしたいと考えている場合、契約更新が認められないこともあります。
出世できる確率が低い
契約期間が決まっている以上、給料が上がることはあっても、正社員のように出世によって役職がついていくことは基本的にはありません。同じ理由から、たとえ契約社員のほうが優れたスキルを有していたとしても、正社員の補佐的な立ち位置に配置されることもあるでしょう。
ローンの審査に通りにくい場合がある
正社員と比べると、収入や雇用や長期的には安定しているとは言えないため、クレジットカードや住宅購入の長期ローン審査に通りにくい場合があります。
契約社員から正社員になるには?
契約社員として働いている会社でそのまま正社員になることを希望するなら、「正社員登用制度」を利用するという手があります。正社員登用制度とは、パートやアルバイト、契約社員などの非正規雇用労働者から、正規雇用の労働者への雇用形態の転換をおこなう制度です。
ただし、正社員登用制度はすべての企業に設けられている制度ではありません。また、正社員登用の基準も企業によって異なり、勤続年数や人事評価などの要件のほか、筆記試験や面接試験である程度の基準を満たすことが必要とされることもあります。
有期雇用から無期雇用になる方法もある
また、雇用契約は契約社員のままではあるものの、有期雇用から無期雇用になる方法もあります。
有期労働契約者が契約更新によって通算で5年を超えて同じ企業に勤めている場合、労働者からの申し出によって、期間の定めのない「無期労働契約」に転換できる制度があるためです。これは、平成25年に施行された「無期雇用転換制度」で、雇用主は有期労働契約者からの申し出を断ることはできないとされています。
ただし、5年を超えたら自動的に無期雇用になるわけではないので、必要な手続きを自分で踏むことが必須。申し出をした時点で、「その時点で結んでいる有期労働契約の終了日翌日から無期雇用に転換」ということになるため、事前に転換後の労働条件を確認することをおすすめします。
雇用形態はひとつの指標。必ずしも正社員を目指す必要はない
昨今の働き方改革によって、働き方のバリエーションは以前より増えています。これに伴い、「収入や生活が安定している正社員が一番」という考え方をする人は減っていますし、実際のところ、どのような働き方が合っているかは人によって異なるため、すべての人にとって理想の働き方などは存在しません。
自分はどんなふうに働きたいのか、どんなふうに生きたいのかを考えた結果、「契約社員として一定の給与水準は満たしつつも、副業で次のステップへの礎を築きたい」という答えに辿り着く人もいるはず。まずは、理想の将来像をイメージしながら、自分に合った働き方を探してみてくださいね。
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