「学歴のせいで順調にキャリアアップできないのでは」と悩んでいる人は少なくありません。本記事では、学歴コンプレックスを抱える人に見られる特徴を紹介し、学歴コンプレックスの原因から克服方法までを解説します。
学歴コンプレックスとは?
そもそも、『学歴コンプレックス』とはどのような状態のことを指すのでしょうか。学歴コンプレックスを持っている人の特徴について解説していきます。
自分の学歴に劣等感を感じている状態
学歴コンプレックスとは、『学歴が人生に与える影響』を強く信じ込んでしまっている状態のことを指します。最近では、SNS上で『学歴コンプ』と略されることもあります。
日本では『学歴社会』という言葉が根強く残っており、『学歴次第で就職先や将来像、生涯年収などに差が出る』という現実から、他の人の学歴が自分と比べてどうかを一種のステータス、あるいはコンプレックスとして扱ってしまうのです。
学歴コンプレックスを抱いている人には、大きく分けて『自分の学歴に自信が持てず落ち込んでしまう人』と『自分より良い学歴を持つ人に対して攻撃的になってしまう人』の二通りの傾向があります。
どちらの場合も学歴に対してネガティブな感情を強く持っており、『ほかの人のように上手く物事が進まないのは学歴のせいだと思い込んでいる』という点で共通しています。
学歴コンプレックスになる人の学歴
学歴コンプレックスになる人が持っている学歴には、以下の四つのパターンがあります。
- 大学を卒業していない(中卒・高卒など)
- 浪人や留年を経験している
- 入学偏差値の低い大学(Fラン大学)出身である
- 一流大学(MARCH、日東駒専など)出身である
先程紹介したように、日本には『学歴によって就職できる企業や収入に差が出る風潮』があります。そのため、中卒や高卒の人や入学偏差値の低い大学(Fラン大学)出身の人は劣等感を抱きやすいのです。
そのほか、浪人や留年を経験している人も「他の人は順調に進んでいるのに、自分だけがうまくいっていない」と、ほかの人と自分を比較して劣等感を抱いているケースは少なくありません。
意外に思われるのが、一流大学(MARCH、日東駒専など)出身の学歴コンプレックスです。
一般的に難関大学といわれている大学でも、東京大学や京都大学などの国公立校に比べると下に見られることがあったり、同じランクの他校と比較してどちらが上かを考え込んだりしてしまうことがあるからだと考えられます。
学歴コンプレックスの人の特徴
学歴コンプレックスを抱えている人は、共通の特徴をいくつか持っています。これから紹介する内容を参考に、学歴コンプレックスを抱える人が持つ特徴について把握しておきましょう。
他人と比べてしまう
『他人と比べてしまう』という特徴は、ほかの特徴と比べて学歴コンプレックスとして表れやすい傾向にあります。
たとえば、ほかの人の学歴を必要以上に知りたがり、自分の学歴と比較して自慢したり、ほかの人を下に見る発言をしたりする人がそれに当たります。
このように、学歴コンプレックスの人は『学歴がすべてだ』と信じ込んでしまうあまり、無意識のうちに自分とほかの人の学歴を比べ、自分を少しでも優位に立たせようとしてしまっているのです。
また、自分自身の学歴が相手よりも低いと感じている場合には、「もしあのとき、こうしていなければ今頃自分も…」と、卑屈になってしまうこともあります。
プライドが高い
『下に見られたくない』『自分を大きく見せたい』など、学歴コンプレックスを抱える人は、プライドが高い傾向にあります。
プライドが高ければ高いほど精神面は繊細であり、小さなことで傷つきやすいため、自分を守るための方法として『学歴を武器に他の人を攻撃する』ことがあります。
また、自尊心を守りたいがためにブランド品をたくさん購入したり、交際相手に高いスペックを求めたりする傾向を持っていることもあるでしょう。
学歴の話を避けたがる
学歴コンプレックスを持つ人の中には、他の人に攻撃的な態度をとってしまう人だけでなく、学歴の話を意図的に避けようとする人もいます。
自分の学歴に劣等感を持っているからこそ、学歴や収入の話になると話題をそらそうとしたり、何も発言せずに黙り込んだりすることで、周囲から見下されることを回避しようとするのです。
そのほか、純粋に褒められても「からかわれた」「遠回しに嫌味をいわれている」と感じてしまうこともあります。劣等感を抱いているとネガティブな感情が大きくなり、人間関係を作ることすらも避けるようになる可能性があります。
学歴コンプレックスに陥る原因
ここからは学歴コンプレックスに陥る原因を紹介します。心当たりのある人は、自分が学歴コンプレックスに陥っていないかを振り返ってみましょう。
子どものころからある学歴社会
学歴コンプレックスを抱える人の多くは、子どものころから『学歴社会』という言葉が身近にある生活をしていたケースが多いようです。
たとえば、小学校に入学するために受験勉強をしたり、模試の偏差値が自分の評価基準になったりと、試験の結果や成績だけを自分のステータスにするしかない環境に置かれている状況です。
そういったなかでは、ほかの人との比較対象が『学歴』しかなくなってしまうのも無理はありません。
そのような環境に長い間身を置いていると、社会人になっても学歴を物差しにするクセが抜けきらず、他人の学歴を気にしすぎたり、学歴コンプレックスに陥ってしまう原因となるでしょう。
学歴によって待遇が変わる
学歴社会という言葉が根強く残る現代社会において、学歴によって昇給や出世のスピード、就職できる企業に差が出てしまうことも学歴コンプレックスに陥る原因の一つです。
もし自分の同僚に、上司からの信頼が厚く昇給のスピードが早い人がいるとしましょう。その人の学歴が自分よりも良いことが分かった場合、「昇給できないのは自分の学歴が良くないからだ」と思い込んでしまう原因にもなります。
このように社会人になってからも、キャリア形成の部分で学歴の差を感じてしまう瞬間は多く、それによるストレスから学歴コンプレックスに陥ってしまうことがあるのです。
自分の理想と違う
過去に抱いていた自分の理想と現在の自分に大きな差があると、「自分で選択したことが実現できなかった」「ほかの人は順調にできているのに」と劣等感を抱き、学歴コンプレックスに陥ることがあります。
また、自分だけでなく周囲からの期待に応えられなかった場合にも、自分を必要以上に責めてしまう原因となり、結果として学歴コンプレックスに陥ってしまうでしょう。
そのほか『第一志望校以外の学校に入学することになった』『進学できずに就職することになった』などの経験によって「周囲から取り残された」と感じ、学歴コンプレックスに陥るケースもあります。
学歴コンプレックスの克服方法
ここからは、学歴コンプレックスを克服するための方法を紹介します。「もしかしたら自分は学歴コンプレックスなのかもしれない」と悩んでいる人は、ぜひ一度試してみてください。
まずは自分を受け入れる
学歴コンプレックスの人は、ほかの人と比較して優劣をつけることに集中してしまい、現実を直視することができなくなっていることが多い傾向があります。
自分の現状を受け入れない限り、その後の目標を組み立てて努力することもできません。まずは今の自分を受け入れるところから始めることをおすすめします。
周囲からの理想を背負いすぎてしまっている可能性も考えられます。あくまでも『自分が何を望んでいたのか』を軸に考えることで、ネガティブな気持ちから抜け出し、前向きな気持ちで今後の計画を立てられるようにもなるでしょう。
学歴に対する見方を変える
『世の中は学歴が全てだ』という考えにとらわれてしまっている人は、学歴を重視するメリットだけでなくデメリットについても考えてみましょう。
『学歴社会』といわれている以上、学歴を重視すれば昇給や昇進などの面で得られるメリットもあります。しかし、『周囲からの期待に応え続けなければならない』『失敗したときに失う信頼が大きい』などのデメリットもあるはずです。
さらに学歴コンプレックスであるがゆえに、周囲の人から距離を置かれやすいことも、デメリットになると考えるべきでしょう。
一度、学歴に対する見方を変え、『今の自分の学歴で得られたものは何か』と見方を変えてみることで、学歴コンプレックスから抜け出しましょう。
スキルや資格を身につける
学歴だけにとらわれていると見落としてしまうのが、『スキル・資格』の存在です。
スキルや資格を身につけていくことで、学歴の差をカバーできるだけでなく、さらに高収入な仕事ができるチャンスも巡ってくるでしょう。その結果、学歴によって生じる待遇の差を感じることもなくなる可能性があります。
高卒・中卒であることがコンプレックスに感じているのであれば、高校卒業資格や大学卒業資格を取得するのもおすすめです。
最初から難しい資格に挑戦すると、かえって失敗したときにネガティブな感情が大きくなってしまいます。まずは簡単な資格から段階的に難しい資格に挑戦していきましょう。
学歴よりも自分が活躍できる場を探そう
本記事で紹介したように、学歴以外にも人間性や性格、スキル・資格など、ほかの人と勝負できる部分は多くあります。学歴のみにとらわれるのではなく、自分だけが持つ長所を見極め、長期的に活躍できる場を探しましょう。
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