「やっぱり大学に進学した方が良いかな」
「高卒で社会に出ようか」「大学に進学しようか」悩んでいる方多いと思います。
しかし、高卒と大卒とでは、学歴だけでなく卒業後の進路において様々な違いがあります。
- 就職率の違い
- 就職先企業の違い
- 年収の違い
- 仕事内容の違い
- 高校と大学の学費について
お互いのメリット・デメリットを見極めて、将来に向けてどちらが合っているかを考えましょう!
高卒と大卒の8つの違いをデータで解き明かす
では早速ですが、高卒と大卒の「8つの違い」をデータで解き明かしていきます。
高卒と大卒のそれぞれの特徴を比較していくことで、お互いをより深く理解することができます。
1.就職率の差
高卒では大卒よりも就職率が低いと予想する人も多いですが、実際にはそうではありません。
▼高卒と大卒の就職率
高卒 | 大卒 | |
---|---|---|
就職率 | 98.2% | 97.6% |
※参照:文部科学省「平成31年3月高等学校卒業者の就職状況(平成31年3月末現在)に関する調査について」
※参照:厚生労働省「平成31年3月大学等卒業者の就職状況」
このデータを見ると、高卒も大卒もほぼ変わらない就職率であることが分かります。
「就職率」では、仕事を探す人のうち実際に就職をした人の割合しか分かりません。
ただ、高卒でも働き口はあるということはわかりましたね。
2.就職先の企業規模の差
高卒と大卒とでは、就職先の企業規模に大きな違いがあります。
簡単に言ってしまうと、「大卒は規模の大きな企業に就職する率が高い」ということです。
その証拠に、以下のデータをご覧ください。
▼企業規模別・学歴別に見る新卒採用有りの企業の割合(2004年度)
出典:行政法人「労働政策研究・研修機構『新規学卒採用の現状と将来』
300人未満の企業規模までは高卒と大卒を比べても、大卒の方が有利である点は特に見えません。
しかし、300人を超える規模の企業となれば、圧倒的に大卒の占める割合が高くなります。
逆に従業員100人未満の企業では、大卒よりも高卒者の占める割合が高くなっています。
また、従業人数が1,000人を超える大企業に就職した人の数を高卒と大卒で見比べてみると以下のようになります。
▼学歴別に見る大企業(1,000人以上)に就職した人の数
高卒 | 大卒 | |
---|---|---|
大企業への就職者数 | 37,170人 | 98,580人 |
※参照:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計結果」より
規模の大きな企業では、大卒を積極的に採用していると考えられます。
それによって、就職者のうち大卒の占める割合がこれほどまでに大きくなっているのでしょう。
3.就職先の求人数の差
高卒と大卒では、応募できる求人数にも大きな差があります。
高卒を対象とした求人数を業種ごとにみると以下のようになります。
- 製造業(求人数:138,258)
- 建設業(求人数:66,231)
- 卸売業小売業(求人数:56,287)
- 医療、福祉(求人数:45,397)
- 宿泊業,飲食サービス業(求人数:25,825)
最も求人数が多いのは、以下のような製造業です。
- 食料品製造業
- 金属製品製造業
- 輸送用機械器具製造業
ちなみに大卒を対象にした求人数は以下の通りです。
- 流通業(求人数:333,400)
- 製造業(求人数:279,200)
- サービス情報業(求人数:93,200)
- 建設業(求人数:88,200)
- 金融業(求人数:10,700)
高卒の求人になかなか見つけることのできない金融業の求人も多くあります。
お分かりのように、高卒と大卒では「求人数」「業界の幅」が大きく異なります。
4.履歴書の通りやすさ
高卒と大卒では、就職活動の際に書類選考の通りやすさが違います。
書類選考の際には、企業は希望者の履歴書を見比べて誰を次の採用試験に進めるかを決めます。
このとき、高卒と大卒では決定的にそのインパクトが違うのです。
- 年齢が同じ
- 職歴は両者ともなし
- 志望動機や自己アピールも同等
同じような希望者がいた場合、一つの指標となるのは「大学卒か」どうかです。
そのため、どちらか一方を次の選考へ進めるとすれば、自然に大卒者を優先してしまうことになるのです。
5.初任給や平均年収の差
高卒と大卒とでは、初任給の金額や平均年収にも差があります。
まずは、こちらのデータをご覧ください。
▼最終学歴ごとの初任給
初任給 | |
---|---|
高校卒 | 162,100円 |
大学卒 | 206,100円 |
参照:厚生労働省 「平成29年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給」
大卒の初任給は高卒と比較して、「44,000円」高いことが分かります。
同じ企業に入社しても、初めに受け取る初任給が4万円以上も違うのはやはり大きいですね。
次に、平均年収についてのデータをご覧ください。
▼平均年収比較表
平均年収 | |
---|---|
高校卒 | 264.8万円 |
大学・大学院卒 | 369.7万円 |
参照:第二新卒エージェント neo 「中卒の年収を上げる方法3選!収入(給料)・初任給をUPさせて平均年収を超える」
平均年収で比較すると、大学・大学院卒の平均年収は高卒より約105万円高いことが分かります。
年収で100万円の差となると、例えば「月給で5万円の差、ボーナスで40万円の差」となるわけです。
年収で比較すると、高卒と大卒の金額は大きく差がついています。
高卒よりも大卒の方が稼げるというのは、紛れもない真実ですね。
6.生涯賃金の差
高卒と大卒では、生涯賃金にどのくらいの差がついてしまうのでしょう。
生涯賃金の意味については以下の通りです。
- 新卒から定年までの間に労働者が取得する総賃金
- 普通、給与、残業代、賞与、退職金など会社から貰える金額の総合計額
- 退職後の収入や年金額を含んで算出の場合もあり
参考までに、男性における大卒と高卒の生涯賃金の差を表したデータを掲載しておきましょう。
▼男性における大卒と高卒の生涯賃金の比較(退職金を含む)
60歳までの収入 | 退職金 | 61歳以降の収入 | 生涯賃金合計 | |
---|---|---|---|---|
高卒 | 2億1140万円 | 1400万円 | 2900万円 | 2億5440万円 |
大卒 | 2億6920万円 | 1890万円 | 4000万円 | 3億2810万円 |
高卒と大卒の差 | 5780万円 | 490万円 | 1100万円 | 7379万円 |
※参考:ユースフル労働統計2019「生涯賃金」より
高卒と大卒の生涯賃金を見るときに、特に気になるのが60歳までの収入の差額です。
この時点ですでに「5780万円」と大きな差がついているのが分かります。
高卒と大卒の収入について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
高卒と大卒の生涯年収を比較していくと、そこには一生埋まらない差があることに気付きますよね。
ただ、この埋まらない差を埋められるチャンスが実はあります。
コツコツと頑張って働くより、いっそ高卒でも思い切って人とは違うルートで収入をアップを目指せます!
その方法が実際に社会で働きながら収入を得る「インターンシップ」です。
- 学歴・職歴に関係なく18~29歳の若者が2年間の長期有給インターンを通し、キャリアを再生するプロジェクト
- 2年のインターンを卒業した後は、転職までサポートあり
- 色々な学習サポートがあり、インターンとして働きながら自分の希望の職を目指せる
特に「リバラボインターンシップ」は自分のスキルで稼ぐことにフォーカスしており、実績を出せば給料が上がります。
▼リバラボ研修生・卒業生の年収
年収 | |
---|---|
チーフマネージャー(研修生A) | 530万円 |
セクションマネージャー(研修生B) | 720万円 |
チーフマネージャー(研修生C) | 650万円 |
リバラボ卒業生平均(転職した方) | 490万円 |
学歴ごとの平均年収比較からも、リバラボインターンシップのポテンシャルの高さが伺えます。
▼学歴別平均年収比較
平均年収 | |
---|---|
高校卒 | 264.8万円 |
大学・大学院卒 | 369.7万円 |
リバラボ卒業生平均 | 490万円 |
参照:第二新卒エージェント neo 「中卒の年収を上げる方法3選!収入(給料)・初任給をUPさせて平均年収を超える」
学歴をコンプレックスに感じるなら、現場でスキルと実績を積み年収アップを目指す方法もあります。
実際大学を卒業したとしても、就職活動によって将来は決まってきます。
そこで、自らの実力で将来を切り拓くという選択肢もあることを忘れないでくださいね。
7.仕事内容の差
- 高卒
ブルーカラーと呼ばれる肉体労働を中心とした生産現場での作業がメイン - 大卒
ホワイトカラーと呼ばれる事務系や企業の管理部門での企画や管理業務がメイン
ブルーカラーと呼ばれる職業は体力勝負のものが多く、学歴をあまり重視しない傾向があります。
一方でスーツを着て働くホワイトカラーの仕事は、どちらかと言えば学歴を重視する傾向があります。
結果的に高卒者は就職しやすいブルーカラーの仕事に就く割合が高くなり、その仕事内容は体力仕事が中心となることが多いのです。
8.学費の差
高校と大学ではかかる学費が異なります。
ここでは、学費を入学費用と在学費用に分けて解説していきます。
入学費用とは、以下の全てを含んだ金額です。
- 受験費用
受験した全ての学校・学部にかかる費用 - 学校納付金
入学金・寄付金・学校債など入学時に支払う費用 - 入学しなかった学校への納付金
また、在学費用とは以下の全てを含んだ金額です。
- 学校教育費
授業料、通学費(定期代や通学用の自動車の燃料代や維持費) - 家庭教育費
補習教育費(塾や家庭教師、問題集購入や通信教育にかかる費用)
▼高校と大学の入学費用
高校 | 大学 | |
---|---|---|
入学費用 | 30.3万円 | 82.8万円 |
参照:子ども1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)が減少~令和元年度「教育費負担の実態調査結果」~
▼高校と大学(学部別)の1年間の在学費用
高校 | 大学 (国公立) |
大学 (私立文系) |
大学 (私立理系) |
|
---|---|---|---|---|
在学費用 | 72.8万円 | 107.0万円 | 157.6万円 | 184.3万円 |
参照:子ども1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)が減少~令和元年度「教育費負担の実態調査結果」~
入学費用と在学費用の両方で、高卒と大卒を比較してみました。
- 入学費用で50万円ほどの差
- 在学費用差額は年間35万から110万程度
特に私立大学は在学費用が高く、ましてや理系であれば4年間の在学費用は737万円にも上ります。
大学に進学して卒業するとなるとかなりの経済的負担があるということがわかりますね。
データから判明した高卒のメリット
ここまでで、高卒と大卒の具体的な違いを明らかにしてきました。より理解を深めるためにも、まずは高卒のメリットを紹介していきます。
- 大学の学費がかからない
- 大卒よりも早く社会に出て働ける
- 大卒よりも早く自立できる
高卒全体の就職率は大卒と比較してもむしろ高いくらいです。
ブルーカラーの仕事でかつ規模の大きくない会社で問題ないならば、高卒で社会に出ても良いでしょう。
データから判明した高卒のデメリット
次は高卒のデメリットです。メリットだけではなくデメリットも理解することで、自分がどちらを目指すべきか考えるヒントにしましょう。
- 初任給・年収・生涯賃金が大卒に劣る
- 就職活動時に履歴書で落ちやすい
- 選べる仕事の幅が狭まる
高卒は収入面、そして選べる職種の数において、大卒よりも不利になります。
高卒の学歴だけが理由で、チャレンジできない企業も実際存在します。
学歴の問題で挑戦する土俵に上がれないのは、非常に悔しい部分ですよね。
データから判明した大卒のメリット
大卒だと、高卒に比べて優遇される点が多数あるのが分かりましたね。しかし、大卒にもメリットとデメリットがあるので、しっかり確認しておきましょう。
大卒のメリット
- 応募できない企業はほぼない
- 初任給や年収、生涯賃金の平均金額が高い
- 大学の4年間の時間的な猶予がある
大卒であれば、求人を探す際に高卒者のような苦労はまずありません。
就職先を探す際にも「大企業は厳しそうだからやめておこう」と思う必要はありません。
学歴フィルターに苦しむ必要がない点は大卒の最大のメリットと言えます。
データから判明した大卒のデメリット
当然、大卒にもメリットだけではなくデメリットも存在します。
- 社会に出て働くタイミングが遅れる
- 大学に通うことで多額の学費がかかる
- 時間を無駄にしてしまうリスクがある
高卒は高校卒業後に社会に出て働きますが、大卒は4年間遅れをとってしまうことになります。
優遇されている点もありますが、社会人生活をスタートするのが遅くなる点はデメリットとも言えます。
また、大学の学費は高校の学費と比較してもかなり高額になります。
大学進学の場合は、意識して将来につながる時間を過ごさなければ後々後悔することになりますね。
高卒と大卒にはそれぞれメリット・デメリットがある
「高卒よりも大卒の方が良い!」
記事を読む前はこんな固定概念を抱いている方も多かったかもしれませんが、いかがでしたか?
今回の記事では、高卒と大卒のメリット・デメリットを紹介しましたが、結局は自分次第です。
高卒でも将来的に安定した仕事を手に入れることは、全く不可能ではありません。
- 高卒も大卒も就職率は変わらない
- 高卒よりも大卒の方が平均して収入が高い
- 高卒は書類選考で落とされることが多い
- 大学に通うには多額の学費がかかる
- それぞれにメリット・デメリットがある
大事なのはどのような業界・職種に進みたいか、どのような人生を送りたいかです。
目指す道が分かれば、あなたがやるべきことも見えてきます。
「どうせ高卒だから」ではなく、「せっかく高卒なんだから」と言える自分を目指していきましょう!