仕事をしていないとなると必ずと言っていいほど心配になるのが「お金」のこと。
特に「無職だけど一人暮らしをしたい」という場合には、金銭的な問題に加え、そもそも無職のまま賃貸契約は可能なのかという点も心配になります。
結論から言うと、無職でも賃貸契約は可能です。
しかし、無職で一人暮らしをする際には気をつけるべきことがあるのです!
今回の記事では、無職の方が一人暮らしをする際に直面する問題とその対策について解説します。
無職の方が一人暮らしする際にぶつかるお金の課題3選
この章では、無職で一人暮らしをしようと考える際に多くの人が直面する3つの課題を挙げ、その課題についての対策方法を解説していきます。
- 無職でお金に余裕がないけれど引越し費用はどのくらいかかるのだろう
- 家賃に対して初期費用があれば足りるのだろう
- 無職でも税金・保険・年金は支払う必要があるのか
これらは、無職で一人暮らしをするとなると必ず知っておきたいポイントでもあります。
しっかりと理解を深めていきましょう!
1.引越し費用
一人暮らしを今からスタートするのであれば、引越し費用も計算に入れておく必要があります。
引越し費用は
- 荷物の多さ
- 引越しする時期(繁忙期は高くなる)
によって変化するためあくまでも目安となりますが、以下の表を目安として頭に入れておくと良いでしょう。
▼平均引越し費用(移動距離別)
平均費用 | 15km未満 | 50km未満 | 200km未満 | 500km未満 | 500km以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|
単身(荷物小) | 41,926円 | 34,376円 | 36,049円 | 42,068円 | 52,887円 | 61,483円 |
単身(荷物大) | 54,132円 | 45,460円 | 45,379円 | 60,758円 | 77,052円 | 96,128円 |
注:2月から4月は繁忙期のためこの金額よりも約2割増になります。
注:荷物小:軽トラック5~5.5m3 程度・荷物大:1.5トン、2トンショート、2トントラック約10~11m3 程度
※出典:SUUMO引越し見積もり「単身の引越し料金相場は?」
2.賃貸物件の初期費用や家賃
一人暮らしをするには、まず賃貸契約が最初の関門となります。
目安として家賃の4ヶ月分ほどの初期費用がかかると思っておくと良いでしょう。
具体的に何にいくらかかるのかを分かりやすく表にまとめました。
▼賃貸契約の初期費用(家賃3万円のケース)
意味とおおよその金額算出方法 | 家賃3万円の場合の例 | |
---|---|---|
敷金 | 退去する際に原状回復費用にあてる。不要であれば退去時に返金されます。家賃1ヶ月分が目安。 | 30,000円 |
礼金 | 大家さんに対して支払う謝礼金。退去時に返金されるものではない。家賃1ヶ月分が目安。 | 30,000円 |
前家賃 | 入居する月の1ヶ月分の前払い家賃。日割り計算されることもある。(9月入居で8月契約の場合、9月分は初期費用と一緒に支払う) | 30,000円 |
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料。家賃0,5ヶ月〜1ヶ月分。 | 30,000円(15,000円) |
※出典:SUUMO「賃貸契約に必要な初期費用の相場はどのくらい?」
この例で見ると、家賃3万円の物件を契約する際に必要な初期費用は12万円ほど。
割とまとまった金額が必要になりますね。
つまり、先程解説した引越し費用と合わせると、家賃3万円の家に引っ越すためには16万円ほどの費用が最低限かかってくることになります。
3.税金・保険・年金の支払い
無職なら税金も保険も年金も関係ないのかと言えば、そんなに甘くはありません。
無職でも支払わなければならないものはあります。
▼無職の場合における各種税金・保険・年金の支払い義務の有無
所得税 | 支払い義務「無」 |
住民税 | 前年度に所得があれば支払い義務「有」 |
国民健康保険 | 全ての人に支払い義務「有」 |
国民年金 | 20歳以上60歳未満なら誰でも支払い義務「有」 |
無職で収入がなくても出ていくお金はそれなりにあるため、これから無職になる可能性のある人は「税金や保険、年金の支払いに困らない程度の貯金」をしておくと安心です。
無職でも一人暮らし用の物件契約の可能性を高める3つの方法
無職で賃貸契約をすることは不可能ではありませんが、仕事をしている人と比べるとかなり難しくなるのは事実です。
この章では、無職の方が賃貸契約をする際に、「契約できる可能性を最大限に高める」ための方法を3つ紹介します。
1.連帯保証人を用意する
賃貸契約の際、本人であるあなたが無職の場合には、連帯保証人が必要になることが多々あります。
連帯保証人は、収入がある人でなければなりません。
基本的には親や家族の誰か、もしくは親戚に依頼するのが一般的。
両親が年金暮らしでも連帯保証人として認められることは多いです。
2.就活状況を不動産会社に伝えて意欲をアピールする
賃貸契約は不動産会社を介して行われます。
あなたが今無職でも、
- 今面接を受けている途中
- もうすぐ仕事が決まりそう
など、就活の状況を不動産会社に伝えることで、担当者があなたに対して抱くイメージはUPします。
あなたが無職でも、今後近い将来安定した職業に就く見込みがあることを不動産会社から大家さんに伝えてくれる可能性もあります。
「今仕事していないんですよね」だけで終わらず、「今就活中で〜」と状況を伝えるようにしましょう。
3.貯金金額で審査してもらう
大家さんがなぜ無職の人に物件を契約させたがらないか、その理由はただ一つ「支払い能力があると思えないから」です。
ですが、裏を返せば「お金があることを証明する」ことができれば無職でも賃貸契約が可能になるケースはあるということ。
しかし、賃貸契約において「残高証明により賃貸契約が可能になる」のは、家賃の1〜2年分の貯金がある場合です。
もしも無職であることが理由で賃貸契約ができないという結果になりそうな場合は、「家賃2年分の残高証明できます!」と粘ってみると良いでしょう。
実際に残高証明をすることで賃貸契約ができた無職の人のケースはたくさんあります。
無職でも賃貸契約しやすい物件4選
一般的に無職だと賃貸契約のハードルは上がってしまいます。
しかし、落ち込んでしまうのはまだ早いです!
なぜなら、無職の方にも契約しやすい物件というものが存在するのです。
この章では無職の方にぜひおすすめしたい、契約しやすい物件を4つ紹介します。
1.UR賃貸
UR賃貸という言葉はきっと多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。
都市再生機構(UR都市機構)という独立行政法人が管理している公的な賃貸住宅のこと。全国に約74万戸あり、単身向けからファミリー向けまでさまざまな物件があります。礼金や仲介手数料が不要で初期費用を抑えられるのが利点です。
UR賃貸では無職でも家賃を1年分前払いする「一時払い制度」を利用すると、収入証明無しで契約できるのです。
物件がそれほど多くないため、住みたいエリアに対象のUR賃貸がなければどうしようもありませんが、もしもある場合にはぜひ検討していただきたい選択肢の一つです!
2.シェアハウス
シェアハウスは、複数人で一つの住宅をシェアする目的で作られている賃貸物件です。
無職の方にシェアハウスをおすすめする理由は、シェアハウスの入居審査は通常の賃貸物件に比べて厳しくないからです。
無職の方でもシェアハウスに住んでいる人はたくさんいますし、初期費用も通常の物件より安くなることが多いです。
共同生活が苦にならないという人ならぜひ検討していただきたいですね!
3.月額課金サービス
ちょっと変わった方法を一つ紹介すると、無職の方にも利用できる面白いサービスがあります。
住む場所を決めずに旅をしながら生活をする、というスタイルに憧れる人は少なくありません。
一つの例としてHafH(ハフ)というサービスがありますが、このサービスは1ヶ月82,000円で世界中にある450の拠点を好きに選んで滞在できるというもの。
Gotoキャンペーンを適応すれば今なら53,300円で1ヶ月暮らせてしまうわけなのでかなりお得です。
無職のうちにたくさんの土地を訪ねてみたい、いろんな経験をしてみたい、という方にはとてもおすすめの選択肢です。
4.マンスリーマンション
賃貸契約の際には審査や初期費用など、心配なことがたくさんあります。
しかし、マンスリーマンションなら審査も不要で、1ヶ月分の家賃さえあれば家具家電付きの家にすぐに住み始めることが可能です。
家賃、と考えると少々割高ではありますが、初期費用の支払いや家具家電の購入費を考えるとお得!
特に「数ヶ月間だけ一人暮らしをしたい」、という場合にはかなりおすすめできる選択肢です。
無職で一人暮らしする際の安い賃貸物件の家賃交渉術
家賃はもともと決められているものなので、絶対に変わることはないと考えがちですがそうとは限りません。
家賃交渉をすることで、家賃が仮に1,000円でも安くなれば年間で12,000円の節約になります。
家賃交渉がうまくいきやすいケースとしては以下のような例があります。
- 築年数が経過している物件を選んでいる(新築・築浅は望み薄)
- 契約時ではなく物件見学の段階で交渉する
- 不動産と家主の関係性が良好
家賃交渉をするメリットは「家賃が安くなる可能性がある」点。
逆にデメリットはありません。
交渉ができなければ提示通りの家賃で契約するだけの話なので、ダメ元でチャレンジしてみる価値は大いにあると言えます。
無職なら意識すべき一人暮らしの節約術4選
無職のうちはなるべく出費を抑えたい、どうにか節約しなければ!と考える人がほとんど。
この章では具体的かつ実践しやすい節約術を紹介します!
1.電気会社は比較サイトで確認して契約する
賃貸契約をすると、必然的に電気会社との契約も必要となります。
最初に当たり前のように案内された電気会社と契約する人が圧倒的多数ですが、電気会社は自分で選んで変更することができるもの。
複数の電気会社の料金を比較しているインターネットのサイトなどを利用しながら、少しでも安い電気会社と契約しましょう。
2.プロパンガスの契約は避ける
お湯を使うとき、料理をするときに気になるのがガス代です。
ガス会社には都市ガスとプロパンガスの2種類があり、都市ガスの方が料金はかなり安いです。
プロパンガスは会社によってかなり料金が違うため、どのくらいという具体的な料金を挙げるのは難しいのですが、都市ガスよりも高くなるのは確実です。
物件を選ぶ際には、プロパンガスの物件を避けるようにするのがおすすめです。
3.格安SIMで通信費を抑える
毎月確実にかかる費用の一つに通信費(携帯代・ネット料金)があります。
あなたの携帯代は毎月いくらですか?
もしも5,000円を超える携帯代を支払っているようなら、すぐに見直すことをおすすめします!
なぜなら格安SIMを使うことで、月々の料金を2,000円台、もしくはそれ以下に抑えることが十分に可能だからです。
中には、「今の携帯会社に違約金を支払わないと解約できないし‥」と先延ばしにする人もいます。
しかし、仮に1万円の違約金を支払ったとしてもすぐに元が取れてしまうほど、格安SIMの料金は格安なのです。
携帯代が5,000円以上の人は全員今すぐに格安SIMについて調べてみてくださいね!
4.冷蔵庫は冷凍庫が大きめのものをもらう
一人暮らしをしている人に多いのが「冷蔵庫が小さい」という問題。
案外気付かないことですが、大きめの冷凍庫があると節約生活は一気にしやすくなります。
なぜ大きい目の冷凍庫が節約につながるかというと、「自炊した料理を保存できる」からです。
少量の食事を毎度自炊するのは大変ですし、逆にコスパが悪いこともしばしば。
ですが、多めに作っておくことで食材を無駄にせず、何日もかけて食べることができるのです。
もしも冷蔵庫を新たに入手する予定があるのなら、冷凍庫の容量に注目してみることをおすすめします!
まとめ
無職期間は収入が途絶えるため、生活していくだけでも大変です。
今回の記事では、無職で賃貸契約を叶えるための方法や、節約方法について紹介しました。
内容についてまとめると以下のとおりです。
- 無職でも税金・保険・年金はきちんと納めなければならない
- 無職で賃貸契約をするのは難しいが可能
- 無職なら契約しやすい物件を選ぶべし
- 家賃交渉は必ずチャレンジする価値がある
- 日々の生活の中で節約につながるポイントはすぐに見直すべし
何にせよ、無職期間は長くなればなるほど就職活動が難航しがち。
1日でも早く目指すべき方向を定めて行動を開始するのが賢明です!