最も安定している職業といえば真っ先に思い浮かぶのは公務員。
公務員は民間企業と違い、「いきなりクビになる」、「会社が倒産して無職になる」などのリスクがゼロ!まさに安泰のイメージですね。
ニートがこれから脱ニートして働き始めるにあたり、まず決めなくてはいけないのは「どの職業を狙うか」です。
公務員はニートからでも目指すことができる職業です。
今回の記事では、ニートから公務員を目指すにあたり知っておくべきことについて解説していきます。
- 公務員の年収や仕事の満足度
- ニートは公務員を狙うべきなのか
- 公務員になるべき人の特徴
- 公務員試験の概要
など、公務員の知られざるデメリットについても触れていますので、今後ニートから公務員を目指す方にはぜひ読んでいただきたいです。
ニートから公務員を目指す前に知っておくべき3つの事実
ニートである以上、今の状況を抜け出すにあたり「公務員」に固執する必要はありません。
民間企業の会社員でも公務員でも、とにかく働き出せば脱ニートは実現します。
それでも公務員が気になる、という人の多くはおそらくその「圧倒的な安定感」に惹かれているのではないでしょうか。
この章ではまず、
- 公務員の年収
- 公務員では学歴がどう関係するか
- 公務員の仕事満足度
について詳しく解説していきます。
イメージだけではなく、きちんと実態を把握した上で公務員を目指すかどうかを決断しましょう!
公務員の学歴別の平均年収
ニートにも高卒や大卒、様々な学歴のニートがいます。
公務員の年収に影響する要素の一つに「学歴」があります。
ここで、国家公務員と地方公務員の年収を、高卒と大卒で比較してみましょう。
尚、ここでは以下のように年収を算出しています。
- 月給:基本給+諸手当
- 年収:月給×12ヶ月+ボーナス
- ボーナス:月給×4ヶ月分
- 月給:基本給+諸手当(残業代など)
- 年収:月給×12ヶ月+ボーナス
- ボーナス:(基本給+地域手当)×4ヶ月分
地方公務員に関しては、自治体によって給与が異なるため、あくまでも参考までに見ておいてくださいね。
▼学歴別国家公務員年収
高卒 | 大卒 | |
20~23歳 | 297万円 | 405万円 |
24~27歳 | 375万円 | 472万円 |
28~31歳 | 440万円 | 545万円 |
32~35歳 | 505万円 | 625万円 |
36~39歳 | 564万円 | 691万円 |
40~43歳 | 631万円 | 747万円 |
44~47歳 | 680万円 | 798万円 |
48~51歳 | 729万円 | 856万円 |
52~55歳 | 763万円 | 880万円 |
56~59歳 | 794万円 | 896万円 |
参考:人事院「平成30年国家公務員給与等実態調査の結果」
▼学歴別地方公務員年収
年齢 | 高卒 | 大卒 |
22〜23歳 | 330万円 | 364万円 |
24〜27歳 | 386万円 | 425万円 |
28〜31歳 | 447万円 | 486万円 |
32〜35歳 | 508万円 | 554万円 |
36〜39歳 | 582万円 | 625万円 |
40〜43歳 | 660万円 | 698万円 |
44〜47歳 | 695万円 | 753万円 |
48〜51歳 | 724万円 | 791万円 |
52〜55歳 | 738万円 | 824万円 |
56〜59歳 | 747万円 | 852万円 |
参考:総務省「平成29年地方公務員給与の実態」
確かに着実に年齢を重ねるごとに年収はUPしていますが、高卒と大卒ではその年収額に大きな違いがあることが分かります。
国家公務員も地方公務員も共通して、年収面では学歴が大きく影響することを知っておかなければなりません。
公務員の多くは学歴社会になっている
年収の違いでも明らかですが、公務員は学歴が強く影響する世界です。
ニートが公務員を目指すにしろ、高卒なのか大卒なのか、そしてどの大学を卒業しているのかなどは、採用時にも注目されます。
つまり、
- 学歴が高い方が公務員として採用されやすい
- 学歴が高い方が出世しやすい
ということ。
公務員は学歴社会そのものなのです。
▼職種別・学歴別の職員構成割合
大学卒 | 短大卒 | 高校卒 | |
---|---|---|---|
一般行政職 | 66.7% | 8.8% | 24.2% |
技能労務職 | 2.3% | 5.9% | 66.1% |
高等(特別支援・専修 ・各種)学校教育職 | 95.3% | 2.3% | 2.4% |
小・中学校(幼稚園)教育職 | 93.4% | 6.6% | 0.0% |
警察職 | 52.2% | 3.8% | 44.0% |
参照:総務省「平成30年地方公務員給与の実態」
上記のデータから、技能労務職を除き「大卒公務員」の占める割合がどれだけ高いかが分かります。
公務員になるということは、このような厳しい学歴社会の風潮がある世界に飛び込んでいくということなのです。
学歴を重んじる文化が浸透している世界では、当然学歴のみならず「職歴」も重視されます。
これまでどんな仕事をしてきた人なのか、どれほどの会社で勤めてきた人なのか、事細かに見られることは覚悟しておく必要があります。
公務員は全業種の中で仕事満足度ワースト5
脱ニートして働き始めるとなると、絶対に避けたいのが「ニートへ逆戻りする」という事態です。
ニートへの逆戻りは、
- 仕事が合わなかった
- 人間関係が良好に構築できなかった
などの理由で起こりがちです。
仕事内容に対する満足度や、周りの人たちとの人間関係の良し悪しは、仕事全体の満足度に必ず影響します。
ここで、公務員の仕事満足度に注目してみましょう。
▼17業種別の仕事満足度ランキング
引用:PRITIMES「17業種別の仕事満足度ランキング発表!ソーシャルリスニングで遂に真実が判明」
見ての通り、公務員の仕事満足度は調査対象の17業種の中でワースト4位。
これは意外と思う人もきっと多いでしょう。
公務員の仕事満足度が低いのは、
- いつも決まった仕事ばかり
- やりがいをあまり感じない
などの理由が考えられます。
実力主義の業種なら、「やったらやっただけ評価される!」とモチベーションにつながりますが、学歴や年齢でおおかた評価が決まってしまう公務員はその例には当てはまりません。
ニートは公務員よりも一般企業の方が将来性が高いと言える3つの理由
ここまで読んで、「ニートが公務員を目指す」という選択肢はあまり良くないのでは?と思った人も多いでしょう。
公務員を目指すことが悪いとは言いません。
ですが、公務員より民間企業の方が優れている点がありすぎるのです。
ここで、ニートが目指すなら民間企業の方が将来性が高い明確な3つの理由について解説します。
公務員はビジネススキルが身に付かない
ニートが今後、元ニートのレッテルを引きずりながらも社会で活躍できる成功者に成り上がるには、必要なものが2つあります。
それは、
- スキル
- 実績
の2つです。
一旦ニートになってしまったことは事実であり、この先変えることはできません。
今から変えられるとすれば、スキルと実績の2つなのです。
スキルを身につけ実績を積み上げれば、元ニートでも就職先はいくらでもあります。
しかし、公務員になった場合には、積み上げられるビジネススキルがほぼありません。
そのため、公務員としてひたすらコツコツ働く以外のキャリアが選びにくくなるのです。
公務員は副業ができない
コロナの影響もあり、「何かスキルを活かして副業で稼ごう」と考える人は一気に増えました。
一般企業では副業を認めるところが多くなっていますし、「副業はやらなきゃ損」と言えるほどにまでなりつつあります。
副業の収入が本業の収入を軽く超え、今では副業を本業にして大きく稼いでいる人も世の中にはたくさんいます。
一つの例として「年収240万円ホームセンター勤務から副業収入4000万円」というびっくりするような実績を上げたmotoさんのケースがあります。
今では1回ツイートすれば数百万円もの収入を生み出せるまでになったというmotoさんについてはこちらの記事で詳しく知ることができます。
「副業年収4000万…ってどうなってんの!? motoさんが語る“副業で稼ぐコツ”が真っ当すぎた」
何が言いたいかと言えば、副業により無限の可能性が広がりつつある今、副業が全くできない公務員に就職するってどうなの?ということなのです。
時代の流れを考えると、脱ニートから逆転勝利をおさめるためには、スキルを活かした副業ができる環境に身を置いた方が有利であると考えられます。
安定収入が得られる公務員ですが、副業NGとなればそれ以上に大きく成功する可能性は極めて低いのです。
公務員は転職しづらい職種
ニートが公務員になり、公務員として定年まで働くのであればそれはそれでOK。
ですが、ニートから公務員になり、そこから別のキャリアにシフトしたいと考えているのだとすると、それは現実的ではありません。
公務員は転職市場において、有利な立場に立てるとはとても言えません。
「元ニートで現在公務員」と、「元ニートでスキルを活用して民間企業で実績を積んだ人材」とでは、後者の方が確実に転職先は見つかりやすいです。
それだけ、専門スキルと実績を積むことが転職において重要だということです。
ニートの中で公務員を選ぶと損する人&得する人
公務員にはメリットもデメリットもあります。
ニートから公務員を目指す道が合っている人もいれば、そうでない人もいます。
まとめると以下の通りです。
- 安定を最重要だと考えている
- 定年まで公務員で構わない
- 社会的信用度を上げたい
- 学歴職歴で差別されても我慢できる
- 将来独立・起業を考えている
- 時間や場所に縛られたくない
- 成功して大きく稼ぎたい
- 元ニートとして差別されたくない
公務員になる以上、決められたレールの上を着実に進むことになります。
民間企業でスキルを積むのであれば、レールは全く敷かれていません。
もしかすると失敗するかもしれませんし、逆に大きな成功をおさめるかもしれません。
あなたはどちらの道を選びますか?
ニートでも受験できる国家公務員試験
「やっぱり自分には安定が必要だ!公務員になりたい!」
ニートが公務員を目指すことを決めたら、公務員試験についての知識をまずは持っておく必要があります。
ニートでも国家公務員を目指すことはできますが、年齢制限があり多くの職種において30歳が上限として設定されています。
では、国家公務員試験について解説します。
国家公務員は3つの種類に分けられます。
あなたが目指す職種がどれかによって、チャレンジする試験の種類が変わります。
- 一般職
5つの採用区分(事務と技術、農業、農業土木、林業)があり、合格すれば事務処理などの業務に従事することになります。 - 専門職
合格すれば入国警備官・刑務官・税務職員・海上保安大学校学生など専門的な知識を必要とする業務に従事することになります。 - その他
衆議院事務局職員・参議院事務局職員・裁判所職員などの試験も受験することができます。
ニートでも受験できる地方公務員試験
地方公務員も、年齢制限にさえ引っ掛からなければニートからでもチャレンジできる職業です。
地方公務員の年齢制限は30歳だったり30代半ばだったりと、エリアによりさまざま。
国家公務員よりは年齢制限が緩いとは言え、どちらにせよ年齢の若いうちに狙う方が安心です。
地方公務員の試験について解説します。
地方公務員も国家公務員のように警察官や消防官、役所勤務など様々な職種があります。
まずは目指す職種を絞り込み、試験対策をスタートしましょう。
地方公務員試験は主に以下の4つに分類されます。
- 事務系
合格すれば本庁や出先機関などで経理・庶務・政策遂行を担当する業務に携わります。主な職種例としては学校事務・行政事務・警察事務があります。 - 技術系
合格すれば、建築・土木・機会・電子・電気・情報・化学・農学・畜産などの各分野ごとの専門的な仕事を担うことになります。 - 警察官
合格すれば警察官として働くことになります。採用試験は各都道府県ごとに実施されており、受験資格に身長や視力などの身体基準を設けられています。 - 消防官
合格すれば消防官として働くことになります。採用試験は各市町村ごとに実施されていますが、東京都だけは都単位で行われています。
倍率や細かなルールに関しては、地方自治体により変わります。
試験対策を行う際には、受験するエリアの地方公務員試験過去問を入手し、繰り返し解くこと。
ニートが地方公務員に就職することは決して不可能ではありませんが、簡単でもありません。
事前の準備をどれだけ入念に行うかが勝負の分かれ道。
真剣に取り組みましょう!
まとめ
公務員という職業については、「安定していて収入もそこそこ高い」ため、無条件にいいイメージを持つ人が大多数です。
しかし、あなたが進みたいキャリアによっては、ニートから公務員への道を選ぶことが必ずしも正解ではありません。
この記事の内容を参考に、「自分にとって公務員を目指す選択肢は正解なのか」をきちんと見極めてください。
脱ニートの方法はたくさんあります。
最も重要なことは、1日でも早く脱ニートを目指して行動を始めること。
時間は待ってはくれません。
まずは今日からできることが何なのかを考え、できることから始めていきましょう!