専業主婦は毎日休まず主婦業に追われる大変な役目を担っています。
しかしながら、外で働くことをしない専業主婦はニートと同じなのでは?と考える人もいます。
専業主婦はニートのようなものなのでしょうか。
もちろんそうではありません。
しかし、専業主婦は外で働く女性と比較したときに、「楽そう、暇そう」と思われることが多いのは事実。
今回の記事では、
- 専業主婦とニートの違い
- 専業主婦の仕事内訳と年収換算
- 女性が専業主婦を選ぶ理由
- 専業主婦から抜け出す方法
について解説していきます。
専業主婦の辛さを誰にも分かってもらえずストレスを溜めている女性や、専業主婦から抜け出したいと考える女性にぜひ読んでいただきたい内容です。
専業主婦とニートの明確な違い
「専業主婦はニートみたいなものでしょ」と考える人は少なくありません。
これには大きな誤解があります。
この章では、ニートの定義をおさらいした上で、専業主婦とニートの明確な違いについて解説します。
様々なニートの定義
ニートには様々な定義があります。
国、つまり厚生労働省が定めたニートの定義と、世間の人々が持つニートのイメージがあるのです。
まず、厚生労働省の定めたニートの定義は以下の通りです。
15~34歳の非労働力(仕事をしていない、また失業者として求職活動をしていない者)のうち、主に通学でも、主に家事でもない独身者。
しかし、これとは別に世間的なニートの定義があります。
多くの場合、ニートは「働かず親を頼って生きている人たち」とイメージされていることが多いです。
もっと言えば、単純に働かない人のことをニートと分類しているとも言えます。
厚生労働省の定義では専業主婦はニートに含まないとは言え、働いていない主婦をニートと何ら変わりがないと思う人が多いという事実を知っておきましょう。
専業主婦とニートの違い
専業主婦とニートには決定的な違いがあります。
それは、専業主婦は決して仕事をしていないわけではなく「主婦仕事」をしている点です。
主婦の仕事は給料をもらえるものではないため、「仕事」とは見なされないことが多いだけなのです。
家事代行業の仕事で考えてみましょう。
家事代行の平均時給額は1,030円と言われています。
では、これを年収に換算してみましょう。
- 1日実働7時間→7,210円
- 1ヶ月30日勤務→7,210×30→21万6,300円
- 年収→21万6300円×12→259万5,600円
年収260万円ならもう立派な稼ぎですよね。
さらに育児業も兼業するとすればその額は一気に上がります。
ベビーシッターの時給を1000円として年収を算出します。
- 1日実働7時間→7,000円
- 1ヶ月30日勤務→7,000×30→21万円
- 年収→21万×12→252万円
育児を年収換算すれば252万円になります。
結果、家事と育児を合算した年収合計は以下の通り。
259万5,600円+252万円=511万5,600円
正社員ならボーナスだってもらえるはずです。
収入を12で割ると月給426,300円。
ボーナスが2ヶ月分とすれば852,600円
511万5,600円+852,600円=596万8,200円
つまり、育児と家事を担う専業主婦の仕事を年収に換算すれば、600万円近い金額になるということがお分かりでしょうか。
働かないニートと、年収600万円に相当する仕事を休みなく行う専業主婦は全く別物なのです。
専業主婦がニートと呼ばれる2つの理由
年収600万円近くに相当する仕事をしているのに関わらず、専業主婦がニートと変わりないと思われるのはなぜでしょう。
ここでは、専業主婦がニートと呼ばれる理由を2つ挙げ、分かりやすく解説していきます。
1.専業主婦は少数派だから
専業主婦がニートと呼ばれる背景には、「外で働く女性たち」が増え、女性でも仕事をしていることが当たり前に思える現状が関係しています。
働く女性に比べ、専業主婦の割合は少ないのです。
▼専業主婦と共働きの比率
専業主婦の家庭 | 33% |
共働きの家庭 | 67% |
このデータからも、専業主婦が少ないことが分かります。
結局、「結婚しても外に出て働いている女性」と比較して、「仕事をせず専業主婦になる女性」のことを働けるのに働くことをしないニートと同じように見てしまうのです。
2.専業主婦は暇なイメージを持たれているから
専業主婦は「毎日暇そう」と思われることが多いです。
専業主婦の大変さをきちんと理解できるのは、同じ専業主婦のみ。
他の人からは専業主婦がいかに多くの仕事を日々休みなくこなしているかが見えないのです。
- 炊事
- 洗濯
- 掃除
- 買い物
- 育児
- 雑用
実際、毎日3食の食事を用意するのも一苦労ですし、育児に至っては子供が小さければ目が離せずまさに気の休まる暇もないほどです。
「主婦はいいよね、昼寝もできるしテレビもずっと見てられる。だって暇でしょ?」
など心ない言葉をぶつけられることが多い専業主婦ですが、実はものすごい重労働。
専業主婦は暇ではありません。
暇と思われるのは、旦那が仕事に行っている間見えないところで行われている仕事が多すぎるからです。
旦那が帰宅する頃にはもうすでに食事の準備が整っており、ゆっくりソファでテレビを見ている奥さん。
その瞬間だけを見れば、「暇そう」と思われるのも納得です。
専業主婦を選ぶ2つの理由
大変な割に人から認められにくい専業主婦。
女性たちはなぜ専業主婦になるのでしょう。
この章では女性が専業主婦を選ぶ2つの理由について解説します。
1.子供のため
専業主婦を選ぶ女性の中には、「子供のことを考えると自分が家にいたほうがいい」と考える人が多くいます。
要は子供のために専業主婦を選ぶわけですが、具体的に何が子供のためになるのかを考えてみると、
- 働きに出るとしつけがきちんとできない
- 保育園はあまり信用できない
などが挙げられます。
確かに、お母さんとたくさんの時間を過ごせる子供は幸せなのかもしれません。
ですが、子供のために専業主婦を選ぶ女性たちは、「保育園に対する間違った認識」を持っていることが多いのも事実です。
保育園に通うことで子供たちは、
- 社交性が養われる
- 学業成績が上がりやすくなる
などのメリットもあります。
「保育園に行かせるのはかわいそう」と思うのは全くの誤解であり、実際は子供の成長に関してポジティブな影響をもたらすことを知らなければなりません。
2.学歴やスキルがない
「働きたいけれど専門スキルもないし、学歴も低いからなかなか難しい‥。」とやむを得ず専業主婦になるケースも多いです。
子供がいるのであれば保育園のお迎えもあるため、時短勤務が認められている会社に勤める必要があります。
子供を持つ母親が働きやすいような仕組みができている企業で正社員として勤務できれば問題ないわけです。
しかし、ここで問題になるのが「学歴もスキルもない」というスペックの低さ。
できれば働きたい、と考えてはいても実際仕事が見つからずに専業主婦になっている人たちは少なくありません。
専業主婦はなぜか困窮層に多い
専業主婦は生活の苦しい困窮層に多く見られると言われています。
専業主婦だから生活が困窮するとも言えます。
だったらなんで専業主婦でいるの?と理解に苦しむところですが、それが現状なのです。
そして、生活が困窮するほどに子供への虐待や育児放棄などの問題が起こりやすくなっているのも事実です。
以下は、生活困窮度を3つの段階に分け、子供に対する体罰や育児放棄に関するデータをまとめたものです。
※困窮層→周辺層→一般層の順に生活困窮度が低くなります。
▼生活困窮度別に見る子供への体罰・育児放棄・虐待
困窮層 | 周辺層 | 一般層 | |
行き過ぎた体罰を与えた | 34.7% | 29.7% | 27.7% |
育児放棄になった | 9.1% | 6.4% | 4.3% |
虐待していると悩んだ | 49.6% | 36.5% | 31.1% |
参照:首都大学東京子ども若者貧困研究センター「子供の生活実態調査」詳細分析報告書
困窮層がいかに子育てにおいて問題が多いかが分かるデータですね。
明らかなのは、生活困窮は子育てにも悪影響を及ぼすということ。
専業主婦でいることで生活が困窮し、心に余裕がなくなり子供に体罰を与えるようになる、という悪循環も十分に起こり得るのです。
専業主婦を抜け出す3つのステップ
ただ家でひたすら家事育児に追われる専業主婦から抜け出したい!
そう考えるあなたには、計画的にことを進めていく必要があります。
この章では、旦那の理解を得て、家族内の揉め事を起こさずに専業主婦から抜け出すための方法について紹介します。
1.旦那に家事育児分担を提案する
専業主婦は家事育児を100%行うべきだ、と考える人は多いです。
しかし、休みが1日もない専業主婦が、週休2日の旦那に家事育児を少し手伝ってもらってもバチは当たりません。
あなたがこれから脱専業主婦を目指すなら、まずは時間を作らなければ何もできません。
旦那に家事育児分担を提案しましょう。
旦那に家事を提案する際の注意点を3つ挙げておきます。
- 旦那を責めない
- 目的を明確に伝える
- 旦那の嫌がることは最初に頼まない
「私だって休みたいんだから!」
「私だって自分の時間が欲しいのよ!」
「あなたは休みがあっていいわよね」
こんな言い方をすれば喧嘩になるのは目に見えています。
ですが、例えば
「私○○の勉強がしたいの。先々のことを考えたら手に職を持っていたほうがいいでしょ?」
「だから毎週土曜日のこの時間だけ子供を見てもらえない?そうすればその時間を勉強に当てられるから」
と言えば伝わり方は変わります。
キツいから手伝ってくれ、ではなく「やりたいことがあってそれが家族の将来のためにもなることだから時間を作りたい」と伝えるのです。
最初はあまり負担の大きいことを頼まないのもコツ。
旦那が比較的好みそうな家事育児の中から選んで分担を提案してください。
慣れてくればさらに別のこともお願いできるようになるでしょう。
2.副業で稼ぐ
あなたがもしも「スキルも学歴もないから何もできない」と思っているのだとしたら、それは間違いです。
スキルは今から身につけることも可能だからです。
旦那に家事を手伝ってもらう間や、日々の主婦業の合間にできることを見つけましょう。
主婦におすすめの副業として入りやすいものを紹介しておきます。
- Webライター
- 文字起こし
- アンケートモニター
文字を書くことが苦にならない人ならWebライターが一押しです。
クラウドソーシングで初心者向けの案件を探し、単価の安いものでもたくさん受注して実績を積みましょう。
自分で文章を作ることに自信がなければ、まずは文字起こしの案件や、アンケートモニターから始めるのもいいですね。
1件500円だとしても毎日1件確実に受ければ月に15,000円になります。
実績を積めば単価の高い案件も取れるようになっていき、3万円、5万円と稼ぐことができるようになるでしょう。
3.スキルアップして副業を本業にする
パソコン一つで稼ぐということは今の時代難しくありません。
特に、
- Webライター
- プログラミング
- Webデザイン
などは、案件が取りやすく実績が積みやすいため、ゆくゆくスキルアップして起業したい人にもおすすめです。
毎月安定した収入を得られるまでには時間がかかるかもしれません。
しかし、専業主婦で何も他に仕事をしていなかった女性からしてみれば、頑張ったことに対する報酬(お金)がきちんと支払われることがきっとやりがいになるはずです。
あなたがコツコツ地道に頑張り、収入が伸びていく様子を見れば、もう旦那から文句を言われることもなくなります。
副業を本業にして、共働きになる。
生活が豊かになり心に余裕が生まれる。
家庭がますます円満になる。
メリットしかありませんよね!
あなたが一歩を踏み出すことで、これらのメリットが得られるならやってみる価値はあると思いませんか?
まとめ
専業主婦でいることがよくないこととは言いません。
しかし、専業主婦でいることのメリットはそれほど多くないのも事実です。
- ニート扱いされたくない
- やりがいを感じたい
- 人から認めてもらいたい
- もっと生活を豊かにしたい
そう思うなら、専業主婦を抜け出してスキルを磨き、どんどん稼いでいきましょう!
結果的にそれが家族の幸福度をUPさせ、もちろん子供の幸せにもつながっていくのですから。