仕事の人間関係がうまくいかず悩んでいるなら、なぜ関係が悪いのか原因を考えたり、相手への接し方を変えたりするといいでしょう。関係を今以上に悪化させないためには、無理のしすぎはNGです。さまざまな方法を試しても改善しないときの対策も紹介します。
仕事の人間関係は転職の原因
よりよい『待遇』や『キャリアップ』などを求めてする転職する人もいますが、その一方で『人間関係』に悩み転職する人も少なくありません。「職場の人間関係が苦痛」と感じている人は意外と多く、一般的な転職理由ということが分かります。
人間関係にストレスを抱える人は多い
厚生労働省の調査によると、調査対象者の58%は職場で強いストレスを感じていると回答しています。ストレスの原因として3番目に多いのが、セクハラやパワハラなどハラスメントを含む『人間関係』です。
3割以上の人が、仕事における人間関係に悩みを抱えています。そして人間関係の悩みをきっかけに退職を決意する人も少なくありません。
独立行政法人労働政策研究・研修機構では、正社員として働いている人が就職後3年以内に離職した理由について調査しています。人間関係を理由に離職したのは、女性29.7%・男性27.5%でした。
参考:平成 30 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 P.18|厚生労働省
参考:調査シリーズNo.164 若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)|独立行政法人労働政策研究・研修機構
転職の理由3位は人間関係
転職理由について厚生労働省が2018年に行った調査では、人間関係を理由とした転職が増えていると分かります。男性は前年の7.7%から1.6%上昇し9.3%という結果です。
女性はさらに増加率が高く、前年の11.8%から3%増え、14.8%が『職場の人間関係が好ましくなかった』という理由で退職しています。
これらの調査結果から、仕事の人間関係は、キャリアを左右する要素といえるでしょう。
参考:2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概況 P.16|厚生労働省
人間関係が悪いときの考え方
職場の人間関係が悪くても、毎日出勤しなければならないのは変わりません。考え方を変え、問題の原因を探り、何が嫌かはっきりさせると、意外とすっきりします。思い切って割り切るのも一つの方法です。
問題がどこにあるかを明確にする
なぜあなたは職場の人間関係が悪いと感じているのでしょうか?会社に昔からある風土や文化が理由で全体の雰囲気が悪いのかもしれません。また、合う人があまりおらず肩身が狭い気持ちになっているのかもしれません。
特定の人とだけ人間関係が悪いというケースもあるでしょう。まずは現状を冷静に判断することが大切です。何が原因となり関係が悪いのかはっきりさせ、現状把握に努めましょう。
何が嫌なのかを考える
加えて何が嫌なのかも考えましょう。「何をやっても頭ごなしに否定するところが嫌い」「がんばりが評価されずミスばかり指摘されるのがつらい」など、人間関係の中でも特に嫌な部分を突き止めます。
この時点ではまだ主観的な気持ちに過ぎません。しかしそこから一歩考えを進め、客観的に状況を分析してみます。頭ごなしに否定する上司が嫌いだけれど、本当に100%否定しかしていないのでしょうか?
よく考えてみると、改善が必要な点を指摘されていたのに、自分が直せていなかったのかもしれません。嫌いだと思っていた部分が熱心な指導だと気付くと、それほど嫌だと感じなくなることもあります。
仕事だと割り切る
よく考えてみると単に気に入らないだけで、実際の人間関係はそれほど深刻な状態でない場合もあります。あくまでも仕事上の関係と割り切ってしまえば、日常的なイライラが減るかもしれません。
勤務時間中は仕事に集中し、嫌いな相手のことを意識の外へ追い出してしまうのも一つの方法です。忙しくしていると、いつの間にか忘れていることもあるでしょう。
あなたが以前ほど気にしない素振りで接するようになれば、相手の接し方も変わる可能性があります。
人間関係を円滑にする接し方
より積極的に人間関係をよくしたいと考えているなら、ポジティブに接するのがポイントです。これまでは嫌いなところや気に入らないところに注目しすぎていただけかもしれません。
積極的によいところを見つけることで、円滑な人間関係につながりやすくなります。
相手のよいところにも目を向ける
嫌いな相手と接していると、どうしても嫌なところばかり目につくものです。そのうちちょっとした言動まで気になり始め、電話の出方やタイピングの仕方など、細かなところまで嫌いになっていきます。
少しでも関係を好転させたいと考えているなら、まずは相手のよいところを見つける努力が必要です。嫌いな相手であっても、100%悪い部分しかないということはないでしょう。
「人を見下したような態度が気に入らない」と感じる先輩でも、指示が的確で分かりやすいというよい点が見つかれば、『態度は悪いけれど教え方がうまい先輩』という認識に変わる可能性があります。
三つの言葉をうまく使う
仕事の人間関係を良好なものにしたいなら、感謝を伝える『ありがとう』、謝罪の気持ちをこめた『申し訳ありません』、相手を賞賛する『さすがですね』などの言葉を積極的に使うのもおすすめです。
心の中でこれらの気持ちを感じているなら、ぜひ口にして相手に伝えましょう。自分から相手にこれらの言葉をかけることで、あなたの印象がよくなっていきます。
3種類の言葉を最初からすべて使うのは難しいと感じるかもしれません。そんなときは、今まで『すみません』と言っていたシーンで『ありがとうございます』と言ってみましょう。それだけでがらりと印象が変わります。
ポジティブに接する
嫌いな相手に対してポジティブに接することも、関係性をよくするのに役立ちます。最初は不自然な気分になるかもしれませんが、続けていけば徐々に慣れていくはずです。
まずは思い浮かんだことをポジティブに変換することからチャレンジしましょう。例えば『また余計な仕事をしている』ではなく『みんなの手が行き届かないところを担当してくれている』と考えます。
日常的にポジティブへの変換をしていると、徐々に相手へのネガティブな気持ちが薄れていくはずです。すると相手に接するときの態度も、自然にポジティブなものになっていきます。
職場全体の雰囲気にも変化を与えられるかもしれません。
人間関係を悪化させないための注意点
人間関係は1人でどうにかできるものではありません。努力をしてもなかなか改善しない場合もあるでしょう。よくならないにしても、悪化することは避けたいものです。そのようなときには、悪口や無理のしすぎを慎み、現状維持を心がけるとよいでしょう。
悪口を言ってしまう
仕事の人間関係がトラブル続きとなると、つい悪口を言いたくなってしまいます。ネガティブな感情は吐き出すことも大切なので、信頼できる友だちに話すのはよいでしょう。
しかし社内で吐き出すのはNGです。例えば休憩中に同僚と先輩の悪口を言っていると、どこで誰に聞かれているか分かりません。話の流れや空気を読んで悪口に同調するのもやめましょう。
悪口を言い合っている輪の中にいれば、否定していないというだけで、悪口を言う人と同類と判断されてしまいます。きっぱりと否定するか、その場から離れるのが賢明です。
無理をしすぎてしまう
「人間関係がうまくいかなくてつらい」と感じているなら、無理をしすぎることはありません。つらい気持ちを無視し続けていると、小さなストレスが溜まっていき、不調として表れるときがやってきます。
無理をしてがんばりつらくなる前に、ストレスを発散することが大切です。ストレス発散の方法が一つだと、それができないときにつらさを解消できません。
おすすめは気軽にできる発散方法と、集中して取り組む発散方法の使い分けです。例えば仕事の休憩中は職場から離れた公園で一息つく、休日にはスポーツやゲームなど趣味に打ち込む、というように使い分けます。
自分を責めすぎてしまう
状況が改善しない中で、つい自分自身を責めすぎてしまう人もいるかもしれません。「いつも厳しく言われるのは、自分の仕事が不十分だからだ」という具合です。
しかし人間関係の問題で誰か1人だけが悪いということまずないでしょう。すべての責任を背負って自己嫌悪に陥ることはありません。
もちろん改善すべき部分は努力が必要ですが、努力を続けよくなっているのなら、必要以上に自分を責める必要はないでしょう。
改善の見込みがない場合
できるだけ仕事の人間関係をよくしたいと思いチャレンジしても、改善しない場合もあります。うまくいかないことを1人で抱え込んでいると苦しいものです。適切な相手に相談することや、環境を変えることも検討したほうがよいかもしれません。
信頼できる人に相談する
1人で悩みを抱えていると、元から悪い人間関係がさらにストレスになっていきます。まずは『信頼できる相手』へ相談しましょう。
例えば職場の状況を知る上司や人事担当者などが向いています。現状を客観的に相談することで、自分では思いつかない解決方法を教えてもらえるかもしれません。
相談することで安心でき、ストレスが軽減することも期待できます。また人間関係の直接的な解決のために、働きかけてくれる可能性もあるでしょう。
特にハラスメントに関する人間関係の悩みは、できるだけ早い段階で相談すべきです。例えば『あからさまな無視』や『職場で延々怒鳴られる』といった状況はハラスメントといえます。
異動を希望する
仕事の人間関係に悩んでいたけれど『異動』することで解決した、という事例はたくさんあります。努力しても状況が改善しないなら、人事部に相談し配置換えを希望するとよいでしょう。
特に仕事内容や労働条件がよい会社の場合には、人間関係だけを理由に転職するのはもったいないケースもあります。より自分に合いそうな部署があるなら、チャレンジしてみる価値のある方法です。
転職を考える
会社によっては、配置転換は難しいと断られるかもしれません。そもそも小規模の会社では周り全員が信用できない状況の可能性もあります。また人間関係の改善を待たずに、自分自身のストレスの悪化も考えられるでしょう。
同じ会社にこれ以上いてもよくなる見込みがないなら、『転職』に向け行動し始めるタイミングです。限界を迎え、心身の具合が悪くなってからでは手遅れになってしまいます。
人間関係が良好で気持ちよく働ける環境を重視して探せば、今より働きやすい会社へ転職できるでしょう。
人間関係が理由で転職するときのポイント
転職に向けて動きだすときには、価値観の合う企業を慎重に選ぶと、よい仕事とめぐり合いやすくなります。また転職理由についても事前に考えておくのがおすすめです。ポイントを押さえた転職活動で、人間関係が良好な職場への転職を成功させましょう。
自分と合った価値観の企業を選ぶ
価値観の合う企業を選ぶと、職場で良好な人間関係を築きやすいはずです。そのため転職先を探すときには、入念な調査が欠かせません。
求人票や採用ページはもちろん、企業のホームページや口コミサイトなども活用しましょう。知り合いや近しい人が働いている企業であれば、直接話を聞くのもおすすめです。
見学できる機会があれば参加して、実際の雰囲気を確かめることもポイントといえます。あらゆる方法で情報を集めると、自分に合う企業かどうか判断しやすくなるでしょう。
転職理由を聞かれたときはどう答える?
たとえ人間関係の悪さを理由に転職するときでも、そのまま伝えるのはNGです。「原因はあなたにもあるのでは?」「同じような問題が起こると辞めてしまうのでは?」と考えられてしまいます。
そこで、できるだけポジティブに聞こえるように言い換えをしましょう。例えば「チーム全員で協力しながら成果を目指せる仕事がしたい」と伝えれば、人間関係を重視していることと同時に、仕事への熱意も伝えられます。
職場の人間関係を良好にしよう
人間関係が悪く仕事がつらいなら、まずは改善できるよう働きかけるとよいでしょう。ポジティブに接することで、相手の反応も変わるかもしれません。
仕事と割り切り、淡々と自分のやるべきことに集中するのもよい方法です。集中することで周りの人の嫌いな部分が気にならなくなっていきます。
ただし無理は禁物です。日ごろのストレスが蓄積することで、心身に負担がかかる可能性があります。改善が見込めないときには、配置換えの希望や転職をするとよいでしょう。
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