「中卒で自衛隊になる方法ってあるの?」
自衛隊といえば安定した職業の一つとして必ずと言って良いほど名前のあがる職種です。
義務教育後最短で自衛隊を目指すには、「高等工科学校」へ入学する必要があります。
今回はその高等工科学校への入学〜卒業、そして卒業後の進路について紹介していきます!
中卒で自衛隊に入隊するための方法
中卒で自衛隊に入隊するためにはどのような方法をとればいいのでしょう。
ここでは中卒で自衛隊を目指す場合に、入学が必要な「高等工科学校」について紹介します。
①高等工科学校への入校を決意する
最初のステップとして、「高等工科学校」への入校を決意することです。
- 将来自衛官になる人たちを要請する陸上自衛隊の学校
- 課程終了時には高卒資格も取得
- 自衛隊を目指すための最短ルート
- 特別職国家公務員「自衛隊員」扱い
- 生徒手当が支払われる
(※参考:陸上自衛隊高等工科学校ホームページより)
まず、「高等工科学校」がどのような学校かを理解することが大切です。
厳しい訓練や勉強をしてでも中卒で「自衛官になりたい」と心が決まったら、次のステップにいきましょう。
②募集要項の内容を確認する
高等工科学校に入学することを決意したら、最初に募集要項を確認しましょう。
以下は、自衛官募集のホームページに掲載されていた募集要項です。
▼募集要項
応募資格 | 【推薦】 中卒(見込含)17歳未満の男子かつ学校長の推薦必要 【一般】 中卒(見込含)17歳未満の男子 |
---|---|
受付期間 | 推薦:令和2年11月1日(日)~11月30日(月) 一般:令和2年11月1日(日)~令和3年1月6日(水) |
試験科目 | 口述試験、筆記試験(作文を含む。)及び身体検査 |
試験日程 | 推薦:令和3年1月10日(日)・11日(月)までの間の指定する1日 一般1次:令和3年1月23日(土) 一般2次:令和3年2月4日(木)~2月7日(日)までの間の指定する1日 |
合格発表 | 推薦:令和3年1月21日(木) 一般1次:令和3年1月29日(金) 一般最終:令和3年2月18日(木) |
入隊時期 | 令和3年4月上旬 |
③高等工科学校入学試験対策の勉強法を押さえる
高等工科学校受験には、一般的な高校受験と同じように受験対策を行う必要があります。
特に筆記試験は、中学卒業レベルの問題が出題されるので対策が必要です。
ここでは、「3ヶ月間でも合格レベルに到達できる勉強方法」を紹介します。
- 過去問購入
高等工科学校 2019年版【2015〜2019年実施問題収録】〈最近5か年〉自衛官採用試験問題解答集7」 - 時間を気にせず過去問を解く
難易度を体感的に理解 - 採点後苦手・得意な教科を理解&対策
基礎的な知識習得
苦手分を徹底的に復讐 - 規定試験時間で全ての過去問を解く
時間配分を考えながら解く - 2週間ごとに②から④を繰り返し
2週間サイクルで「過去問→試験対策」
毎年同じような問題が出題されている部分は、再び出題される可能性があります。
何度も繰り返し問題を解き、理解を深めていきましょう。
中学卒業後の自衛隊での生活
中卒で高等工科学校に入学したら、その後どのような学校生活を送るかを紹介します。
ここでは、給与・授業・部活の内容について詳しく紹介していきます。
高等工科学校在籍中に得られる給与
では、まず高等工科学校在籍中に得られる給与をみていきましょう。
高等工科学校は全寮制で、3年間を駐屯地で生活することが決められています。
宿舎は無料で週休2日制となってなっており、祝日や年末年始・下記休暇の取得が認められています。
しかし、外出制限など特殊な条件も存在します。
- 月額 103,700円(令和2年1月1日現在) が支給
- 年に2回のボーナスが支給
(※参考:自衛官募集ホームページ「高等工科学校」より)
ボーナスに関しては金額が開示されていませんが、以下の収入は最低限確保されています。
- 1年間で1,244,400円(103,700円×12ヶ月)
- 在学中の3年間で3,733,200円(1,244,400円×3年間)
全寮制の生活のため日々の出費が少なく、学生のうちから貯金するのも可能です。
高等工科学校の校舎
次に、高等工科学校の校舎をご紹介します。
イメージは自衛隊版の高校で、場所は神奈川県横須賀市にある武山駐屯地の中に建てられています。
生徒が生活する「生徒生活舎」も同じ敷地内に建てられています。
▼武山駐屯地にある高等工科学校
※参考:陸上自衛隊高等工科学校ホームページ「施設紹介」より
- グラウンド
- ラグビー場
- 野球場
- ハンドボール場
- プール
- 体育関連の設備
- 食堂
- 売店
- 浴場
必要なものは全て敷地内に用意されているのが特徴的です。
どんな授業があるのか
次は、高等工科学校の授業をご紹介します。
授業は、大きく以下の3つに分けられています。
- 一般教育
国語・社会・数学・英語など普通高校と同じカリキュラム - 専門教育
車両・通信電子機器・火器および航空機などについての専門的知識や技能を身につけるための教育 - 防衛基礎学
法令等を学ぶ「服務及び防衛教養」・野外における基礎的な行動を学ぶ「戦闘及び戦技訓練」を含む教育
どんな部活動があるのか
次に、高等工科学校の部活動をご紹介します。
体力・気力・チームワークなどの養成と各生徒の適正を伸ばす目的で、部活動が用意されています。
- 特定クラブ
ドリル・吹奏楽・和太鼓 - 体育クラブ
ラグビー・レスリング・カヌー・空手・アーチェリー・水泳・野球・剣道・柔道・陸上・バレーボールなど - 文化クラブ
軽音楽・茶道・書道・写真・美術・囲碁将棋・防衛研究・吟詠尺八・弁論・コンピュータなど
※参考:陸上自衛隊高等工科学校ホームページ「特別活動」より
数ある部活の中でも、特に珍しいのが「ドリル」です。
ドリルとは、精密なフォーメーションと華麗な技で「静」と「動」の統制美を表現します。
学校行事や各駐屯地の記念行事にも参加しており、高い評価を得ている部活動の一つになります。
また、文化クラブの「吟詠尺八部」も珍しい部活で、発足以来50年以上の伝統があります。
漢詩や和歌を詩ずる詩吟、剣舞、伝統楽器尺八の演奏等を通じ日本の伝統文化を感じられます。
高等工科学校卒業後のキャリア
ここでは、高等工科学校を卒業した後のキャリアについてご紹介していきます。
卒業後の進路は大きく二つに分かれています。
- 陸上自衛官として任官
- 防衛大学へ進学 or 航空学生
①陸上自衛官として任官
卒業後は、原則として卒業後の4月1日に陸上自衛官(陸士長)として任官する流れとなります。
そして卒業後約1年間の教育を経て3等陸曹に承認されると陸上自衛隊の中核になれます。
以下が自衛隊の階級で、図では左から右に向かって階級が上がっていきます。
卒業時点の陸士長、1年後の3等陸曹の位置付けを確認してみましょう。
▼自衛隊の階級
※出典:防衛省・自衛隊ホームページ「自衛隊の階級って?」より
それぞれの階級を下記の表でさらに詳しく解説します。
▼階級についての説明
階級 | 特徴 |
---|---|
将 | 将軍に該当する階級で自衛官の中で最も上。 ※将の上は幕僚長となり自衛官の階級ではなく役職となるためここには載せていません。 |
将補 | 将の前の階級、陸将補・海将補・空将補がそれぞれ存在する。 |
佐 | 3佐から1佐までを指す。 |
尉 | 3尉から1尉までを指す。幹部と呼ばれるのはここからであり3尉からが幹部。 |
准尉 | 幹部(尉官)でもない曹でもない階級。 |
曹長 | 曹の中で最上級の階級。 |
曹 | 3曹(伍長)2曹(軍曹)1曹(曹長)までを指す。 下士官に相当する自衛官。陸上自衛隊では日本各地にある陸曹を教育する部隊で教育を受ける。 工科学校卒業後はここからスタートとなる。 |
士長 | 陸・海・空士長、士の中で一番高い階級。 |
士 | 1士(1等兵)2士(2等兵)のこと。 自衛隊で最も下位の階級である。 1等および2等陸・海・空士がある。入隊したら2士からスタートとなる。 |
※出典:防衛省・自衛隊ホームページ「自衛隊の階級って?」より
※上記の表は横にスクロールできます。
②防衛大学へ進学 or 航空学生
卒業後に防衛大学に進学、又は航空学生(防衛省関係機関の学校)になるケースもあります。
この航空学生とは、海上自衛隊・航空自衛隊のパイロット等を養成する学校に入ることです。
2年間学生宿舎で団体生活を送り、基礎教育を受け、飛行訓練等専門的な操縦過程に進んでいきます。
(参考:陸上自衛隊高等工科学校ホームページ「高等工科学校Q&A」より)
自衛隊でキャリアアップを目指すのであれば、防衛大学への進学を目指さないと厳しいです。
「①陸上自衛官として任官」を選んだ場合は、「一般曹候補生」となり金銭的に恵まれているとは言えません。
防衛大学校に進学し卒業できれば、「幹部候補生」となり一般企業と同等の初任給がもらえます。
▼各候補生の初任給
役職 | 給料 |
---|---|
一般曹候補生 | 166,000円 |
幹部候補生 | 222,000円 |
本当に自衛隊に憧れて防衛大学校進学まで視野に入っているのであれば、問題ありません。
しかし、将来的な安定を求めて中卒から自衛隊の道を目指すのは、かなりコスパが悪い選択です。
そこで、よりコスパの良い未来への投資として「インターンシップ」をご紹介します。
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まとめ
中卒の人が自衛隊を目指すためには、「高等工科学校」への進学が必要になります。
- 中卒で自衛官を目指せる最短ルート
- 生徒手当(給与)をもらいながら学べる
- 卒業後は自衛官だけでなく進学も可能
自衛官になるための準備に加えて、高卒資格も取得できる学校です。
ただ将来に向けてよりコスパの良い選択肢もあるので、自分が後悔しない選択をしましょう!
勿論いち早く自衛官として活躍したい方は、最短ルートである高等工科学校入学が必須ですよ。