学歴が中卒の場合、これからの人生においてどのような影響が出てくるのでしょうか。今回は、中卒の末路について、
- 仕事面
- メンタル面
- 恋愛面
の3つのカテゴリー別にまとめています。
中卒であることにより、この先どのような困難が待ち受けているのか、そしてその困難を乗り越えるためには何をするべきなのかを理解し、今後に備えましょう!
中卒の末路【仕事編】
まずは仕事についてです。中卒者が一番苦労する点と言っても過言ではない仕事面。ここで具体的に、
- 就職活動について
- 給料について
- 出世の可能性について
- 入りやすい企業について
- 入社後の働き方について
の5つの点に分けて、今後予想される仕事面での苦難について解説します。
仕事がない / 仕事が選べない
最終学歴が中卒である場合、「就職しよう」といざ就職活動を始めると、「仕事が選べない」、「求人が見つからない」という問題にぶち当たります。これは、多くの企業が「高卒」や「大卒」を採用基準に設けているため、中卒であることでその条件をクリアすることができないことが原因です。
令和2年3月現在のデータによると、求人数と求職者数からみる求人倍率は以下の通りです。
▼中卒と高卒の求人数の違い
求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | |
---|---|---|---|
中卒者 | 1,696 | 537人 | 3.16倍 |
高卒者 | 約484,000 | 約168,000人 | 2,89倍 |
出典:厚生労働省ホームページ令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」より
この表からも分かる通り、明らかに求人の数が違います。中卒者がなかなか仕事を見つけられずにいるのは、そもそも求人数自体が圧倒的に少ないことが理由です。
そのため、中卒者は「働きたい企業」でなく「就職できる企業」から就職先を探すことになってしまうことが多いのが特徴です。
月収が少ない / ボーナスが少ない
社会人として働く上で非常に重要なのが「給与面の条件」です。給与に関しても、高卒や大卒の同期と比べて月収が少なかったりボーナスが少なかったり、中卒者の現実はなかなか厳しいです。
▼学歴別の月収・ボーナス・年収比較
学歴 | 月額給与 | ボーナス・賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
中学卒 | 280600円 | 438700円 | 3805900円 |
高校卒 | 296900円 | 673700円 | 4236500円 |
高専・短大卒 | 302000円 | 775400円 | 4399400円 |
大学・大学院卒 | 398900円 | 1290900円 | 6077700円 |
学歴計(合計) | 333800円 | 905900円 | 4911500円 |
出典:「2017年 賃金構造基本統計調査」より
高卒と比較して、中卒は月額給与・ボーナスともに下回り年収で見ると、中卒が3,805,900円、高卒が4,236,500円とその差が43万円ほどにもなります。
同じ仕事をしていても、収入にこれだけの差がついてしまうのですから、悔しくてやりきれない思いをしてしまうのも無理はありません。
役職が上がりにくい
就職して企業の一員として仕事をスタートしてからも、なかなか出世できないのが中卒の特徴です。企業にもよりますが、多くの企業において「大卒が最も出世しやすい」とされています。
その次に高卒、そして最後が中卒、という具体に出世のしやすさは学歴に影響されることがとても多いのです。
▼学歴と性別ごとに見る昇進スピードの比較
係長への昇進スピード | 大卒男性=大卒女性=高・短卒男性>高・短卒女性 |
---|---|
課長への昇進スピード | 大卒男性>高・短卒男性>高・短卒女性 |
部長への昇進スピード | 大卒男性>高・短卒男性 |
参考:大阪大学「昇進競争における学歴と性別~百貨店業の事例~」より
上記の表からも分かる通り、出世のスピードは高卒・短大卒よりも大卒が早いです。ここに中卒が加われば、高卒よりもさらにその昇進スピードが遅くなるのは容易に想像できます。
ブラック企業に入りやすい
「中卒だと稼げないのか」と疑問に感じた人も多いのではないでしょうか。中卒が稼げるようにならないかと言えば、そうとは限りません。
しかし、中卒を採用し、さらに良い給料を支払う企業の中には「ブラック企業」と呼ばれるような会社が多く存在します。
- 長時間労働やパワハラなどが日常茶飯事
- 残業代が支払われないことが多い
- 離職率が常に高く社員は使い捨て状態
このような企業に就職したところで、一時的に収入は増えても幸せな社会人生活を送れるとは言えません。中卒者が高収入を目指すと、ブラック企業に行きついてしまうケースはとても多いため注意が必要です。
勤務時間が長い / 勤務時間が不規則
中卒で働ける仕事の多くは、重労働もしくは低収入です。よって、低収入を回避しようとすれば、重労働を選ぶことになるケースは多いです。
重労働でなくても、早朝・深夜など不規則な時間帯に働かなくてはならないなど、負担の多い条件が目立ちます。また、勤務時間自体が長く、その上その残業代も支払われない例は、ブラック企業ではよくある話です。
中卒の末路【メンタル編】
中卒者たちの中には、その学歴により自身の可能性を自ら制限してしまう人も少なくありません。ここでは、中卒であることがメンタル面でどのような影響を及ぼすかについて解説します。
自分自身の限界を低く見積もる
中卒者は、自分の限界を低く見積もる傾向があります。それは、自分自身が高校を卒業していないことで、「人より劣っている」存在であるという劣等感が原因であると考えられます。
学歴だけが人の価値を決めるものではありません。しかし、
- 仕事がなかなか見つからない
- 安月給で生活が楽にならない
- 高卒以上の人と同等に扱われない
など、中卒だからこそ抱える悩みに振り回され、自分に価値を見出せなくなってしまうのです。
中卒でもそこから這い上がって成功する人だって事実たくさん存在します。ですが、そこに目を向けようとせず、「自分は何をやってもダメだろう」と決めつけてしまいがちなのが中卒の特徴です。
学歴を言い訳にする
何かに失敗したときに、「中卒だから」仕方ないと言い訳にしてしまうのも中卒者の傾向の一つです。
- 就職の採用試験に落ちたとき
- 恋人との結婚がだめになったとき
- 中卒だと知られた瞬間に周りの態度が変わったとき
このように、生活していく上でいろいろなことが起こるのは当たり前です。仕事や恋愛で失敗することもあるでしょう。
ここで、「中卒だから仕方ない」とあきらめるのか、「どうやったらこの問題を回避できるんだろうか」と考えるのかではその先の未来に大きな差がつきます。
中卒者は、「中卒だから何をやっても変わらない」と思い込みがちですが、これは必ずしも真実ではありません。中卒から挽回して逆転勝利する方法だってあるのですから。
人との交わりを避ける
社会に出ると、人と関わることは避けられません。人と関われば何かの拍子に学歴が影響し、困難を強いられることもあるでしょう。
中卒者はこれがだんだん億劫になり、人と関わることを避けるようになり、ニートとなってしまう人もいます。
実際に中卒者の中でニートになってしまう割合(%)を計算してみましょう。
まず『最終学歴が中卒の割合 | 就職率・年収割合まとめ』を参考に、1年間で増える中卒者の人数を計算してみました。
- 1年間で増える中卒者の数
16,009人(高校進学しなかった人)+48,594人(高校進学後中退した人)= 64,603人
つまり、約65,000人が1年間で増える中卒者の数となるわけですね。
また、『若年者雇用対策の現状等について』の資料から平成30年度の15歳~44歳のニート人口の合計は93万人です。
全ニート人口のうち、学歴が中卒なのは2割(参考:中卒ニートが現状を受け止めて逆転就職するまでの3ステップ)なので、18.6万人となります。
1年間で増える中卒者の人数(6.5万人)が一定だと仮定すると、
- 30年間(15歳~44歳)で増える中卒者の人数
6.5万人×30年分≒195万人 - 中卒の中でニートになってしまう割合(%)
(18.6万人÷195万)×100=9.538≒10%
上記の計算となります。つまり、中卒の約1割は人との交わりを避けてニート化してしまうことが分かりました。
面倒なことや努力が必要なことを避ける
中卒だからといって、努力しても成功できないわけではありません。ですが、中卒者の中には、初めから「面倒なこと」や「努力しなければならないこと」を避ける傾向が強い人も多くいます。
これは、
- 中卒であることが理由で就職活動がうまくいかなかった
- 努力した結果、中卒であるためにその努力が報われなかった
などの経験によるものであり、「どうせやっても無駄なら初めからやらない」という極端な選択肢を選ぶ結果になってしまっているのです。
中卒の末路【恋愛編】
中卒の学歴は、恋愛においても影響を及ぼすことがあります。ここでは、どういう場合に中卒であることが障害になるのか、具体的なケースを3つ紹介します。
結婚で親の反対をくらう
せっかく順調に交際を続けていた相手なのに、いざ結婚となると相手の親から反対されてしまうというケースがあります。
これは、相手の親が「さすがに中卒の相手と結婚させるのはちょっと…」と考えることが多いために起こることです。
中卒の相手と自分の子供が結婚することで、
- まともな仕事につけずに生活が安定しないのではないか
- 仕事をはじめても続かないのではないか
- 結果的に我が子が苦労することになるのではないか
など、よくない想像ばかりが膨らんでしまう親はたくさんいます。これにより、最愛のパートナーと別れることになってしまうカップルもいます。
合コンや出会いの場で恋愛対象外になる
合コンなどの出会いの場において、自分が中卒であることを始めから話す必要は必ずしもありません。しかし、話の流れで中卒であることを知られると、そこから相手の態度が変わり「恋愛対象外」とされてしまうこともあります。
恋愛に学歴は関係ないように見えますが、
- 後々結婚を考える相手なら中卒は嫌だ
- 自分は良くても後から親に反対されそう
- 中卒と結婚しても幸せになれないかも
などの思いがよぎり、初めから中卒は対象外にして恋愛相手を探す人は少なくありません。
マッチングアプリでマッチングしにくい
マッチングアプリは今の時代よく使われる出会いのツールです。しかしここでも学歴が影響することがあります。
マッチングアプリの中には、学歴を入力する項目があるものもあります。その場合「未入力」のままにしておくこともできます。しかし、プロフィールをしっかり入力しておくほうがマッチング率は上がるため、学歴を空欄にしておくことはおすすめできません。
だからと言って、中卒であることをプロフィール上で公表してしまうと、マッチング率は下がってしまうのも事実。婚活、恋活においては高卒以上もしくは大卒以上などを条件に相手を探す人がそれなりに多いということですね。
中卒から逆転するためには学歴が必要なのか
さて、ここまで中卒者がぶちあたる壁について散々説明してきたところですが、ここからが大事です。「中卒から逆転するにはどうすればいいのか」という点について考えていきましょう。
中卒からの逆転方法は大きく2つです。
- これから高卒・大卒の学歴を取得するために行動する
- 専門性の高いスキルを身につけてそれを武器に就活する
「学歴によってつらい状況を強いられるのだから、自分の学歴を引き上げるしか逆転の道はない!」と思う人も多いかもしれませんが、学歴なしにも逆転する方法はあります。
中卒から逆転するためも「スキルや経験を身につける」方法を選べば、もはや学歴があなたの足を引っ張ることはありません。逆転のために必ずしも中卒を高卒、大卒に引き上げなければならないわけではないのです。
中卒でも人生大逆転する方法
中卒から逆転大勝利を目指すために必要なことは次の4つです。
- 逆転に必要なものは何かを知る
- 目標設定
- 目標達成に必要なスキルを整理
- 踏み台にする会社を選ぶ
この方法であなたはこれからの人生を「中卒だからダメなんだ」などと思うことなく、胸を張って成功へと進めていくことができるようになります。それぞれの方法について詳しく解説していきましょう。
人生大逆転に必要な要素を知る
まずは、あなたの人生を逆転勝利に導くために必要な要素について知ることから始めましょう。あなたに必要なのは「中卒ではない、それ以上の学歴」なのか、「特定のスキルを生かした職歴」なのかを判断します。
▼学歴もしくは職歴を取得するのにかかる費用と期間
期間 | かかる費用 | |
---|---|---|
職歴を取得する | 数年(目標によりさまざま) | 0円 |
大卒の資格を取得する(国立) | 高卒認定取得後4年間 | 2,425,200円 |
大卒の資格を取得する(私立) | 高卒認定取得後4年間 | 平均3,866,577円 |
出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」より学費を算出しています
大卒の資格を取得するとなると、まずは大学受験に必要な受験資格を得る必要があります。まずは高卒認定の資格を取得し、その後大学受験を経て合格すれば晴れて大学生となる流れです。このプロセスだと、おおよそ5年ほどかかってしまうことがほとんどです。
一方、職歴を身につけようと思えば、「就職先を見つけて専門スキルや実績を積む」ことが必要となります。この場合には、目指すスキルや経験が積める企業さえ見つかれば、すぐにでもスタートすることができます。
大卒にこだわるわけでなく、結果的に逆転できれば良いと考えるなら、学歴よりも職歴を得ることの方がよほどスピーディで出費もかからず済むことは明確です。
目標を設定する
今後あなたがどのような人生を歩みたいのかを考え、それに沿った目標を明確にする必要があります。目標設定の際にはSMARTの法則を活用するのがおすすめです。
- Specific:「具体的、分かりやすい」を意味
- Measurable:「計測可能、数字になっている」を意味
- Achievable:「同意して、達成可能な」を意味
- Relevant:「関連性」を意味
- Time-bound:「期限が明確、今日やる」を意味
これら5つの頭文字を取ってSMARTと呼ばれるこの法則には、目標を達成し成功するまでに必要な5つの要素が全て含まれています。
要は、「具体的な内容で数字で達成度が図れるもの、期限が明確で達成が可能であること」を目標とすることが大切だということです。
せっかく目標を立てても、達成できたかできていないかが見えづらいものや、期限が明確でないものだと、意味がありません。SMARTの法則を意識してあなたなりに目標を立ててみましょう。
必要なスキルや環境を整理する
目標を達成させるために、具体的に何のスキルが必要なのか、どのような環境が必要なのかを整理しましょう。
- 必要スキル…マネジメントスキル、営業スキル、管理シートの作成
- 必要な環境…セールススタッフとして実績を積むことができる環境
- 必要スキル…マネジメントスキル、プログラミングのスキル、ハードウェアやデータベースの知識
- 必要な環境…プログラマーとして働ける環境、上記のスキルに関する知識を身につけられる環境
何になりたいか、をベースに必要なことを「スキル」と「環境」に分けて考えるのがシンプルで考えやすい方法です。
これにより、だんだん「何をすべきか」が明確になります。
踏み台にする会社を探す
中卒が逆転するためには、「踏み台にする会社」が必要です。踏み台にするとは、その会社でスキルや経験をしっかり積んで、十分なキャリアを身につけたらあなたの目指す企業にチャレンジする、つまり転職するということです。
ここでおすすめしたいのがインターン。インターンとして企業に入れば、給料をもらいながらしっかりスキルと実績を身につけられます。安定した生活を送りつつ、さらにその先へ羽ばたく準備段階というわけですね!
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まとめ
「中卒だとろくな人生にならない」と半分諦めかけていた人もいるのではないでしょうか。ですが、諦める必要は一切ありません。
なぜなら、中卒でも逆転することは大いに可能だからです。
このまま中卒の学歴に足を引っ張られ、目指す未来を実現させることができなくなるくらいなら、今から勇気を出して逆転の第一歩を踏み出してみませんか?
この先のあなたの未来はあなたの頑張り次第です。仕事も恋愛も結婚も、全てがもっとうまくいく、そんな未来をつかめるなら努力する価値は大いにあります!