就活する際に『学校推薦』という方法があることを知り、興味を持った人もいるでしょう。自由応募との違いや就活で学校推薦を使う利点や欠点、注意点を解説します。高校や専門学校、大学に届く学校推薦について深く知り、賢く使いましょう。
就職活動における学校推薦と自由応募の違い
高校生や専門学校生、大学生の就活には、学校推薦と自由応募の二つの方法が存在します。学校推薦とはどういったものかを解説するとともに、両者の違いも見ていきましょう。
学校推薦とは
学校に対して募集があった求人に対し、学校から推薦してもらう形で企業にエントリーする方法が学校推薦です。コネクションを使った就活の方法ともいえ、指定校からの応募がなかった場合は公開求人に切り替える企業もあります。
学校推薦は誰でも使える制度ではありません。学内で選考を行い、通過した人のみが使えることが一般的です。企業はその学校の人材を見込んで求人を出しているため、学校側は優秀な人を推薦する必要があります。
自由応募とは
自由応募は、ほとんどの人が『就活』と聞いて思い浮かべる方法でしょう。自由応募では、何社くらい応募するか、またどういった業界の企業にエントリーするかは、学生次第です。
学校推薦では、原則、応募した企業に合格したら辞退はできないため、志望度が高い企業がない場合はあまりおすすめできません。しかし、自由応募ならエントリーする企業を選べ、どの企業に入社するかを判断することは、完全に自分次第です。
現時点では特に入社したい企業がなくとも、企業の説明を受けるうちに志望の業界や企業が固まることも少なくありません。
就職活動で学校推薦を利用するメリット
学校推薦の企業のなかに入社を希望する会社があるなら、ぜひ活用したい方法といえます。就活で学校推薦を活用する利点を三つ解説します。
内定が出やすい
学校推薦を使うと、内定が出やすいといえるでしょう。学校推薦を使うことは、いわば学校に認定されていることと同じであるため、選考において有利に働くことが考えられます。
学校推薦を利用すれば、倍率の高い企業でも合格できる可能性を高めることができます。何が何でも入社したい企業があるなら、利用を検討する価値は十分にあるでしょう。
選考内容が一部免除される場合も
学校推薦を使った場合、自由応募した人とは別のルートで選考を受けられる場合があります。例えば、エントリーシートの記入や一次面接を免除されたり、いきなり最終面接に進めたりするケースもあるでしょう。
選考プロセスが少なくなるということは、競争する回数が少なくなることを意味するので、自由応募に比べて有利です。また、同じような能力の学生が二人もいたとき、学校推薦でエントリーした学生の方を採用するケースもあります。
学校からの認定を得ていることが、企業にとっても安心する材料になるためでしょう。
就職活動が短い期間で終わる
学校推薦を使って特別ルートで選考を受けると、通常よりも早く内定をもらえる可能性が高くなります。自由応募の場合、内定をもらうために何回も面接を受けたり、滑り止めのために複数の企業から内定を取るまで就活を続けたりする学生もいるでしょう。
しかし、学校推薦なら志望度の高い企業から早く内定をもらえる可能性があるため、結果として早く就活を終わらせられるかもしれません。
早く就活が終われば、残りの学校生活を研究に打ち込んだり、バイトや旅行などに思う存分時間を使えたりできます。
学校推薦を利用するデメリット
学校推薦は、良いことばかりではありません。欠点も把握した上で、学校推薦を使うかを検討しましょう。
確実に内定が出るとは限らない
学校推薦を使うと、たしかに選考は有利に進められますが、必ずしも内定をもらえるとは限りません。学校推薦をもらえたからといって気を抜いていると、選考に落ちてしまう場合もあるでしょう。
選考においてやるべきことは、自由応募の学生と変わりはありません。そのため、自己分析や業界・企業研究など、就活生が最低限やるべきことはしっかりと行う必要があります。面接のマナーを身につけることや、身だしなみに気を使うことも重要です。
学校推薦を利用しながらも、他の就活生と同じように選考の対策をしっかりとしておきましょう。
内定辞退は原則不可
学校推薦は、学校と企業の信頼関係のもとに成り立っている仕組みです。学校推薦を使って内定をもらった後に辞退をすると、学校と企業の間でのトラブルに発展してしまうため、原則、内定辞退はできません。
そのため、学校推薦を使う場合は、受ける企業を慎重に選ぶ必要があります。しかし、場合によっては、学校推薦と自由応募の両方で就活を進めたい人もいるでしょう。
その場合は、第一志望には学校推薦を使って応募し、第二志望以下には自由応募をすることがおすすめです。
そうすれば、学校推薦を使って内定をもらった企業よりも志望度の高い企業に合格してしまう、といった事態を防ぐことができます。
入社後に辞めづらい
学校推薦を使って就職した場合、内定辞退ができないことと同じ理由で、入社後に辞めづらいことも認識しておく必要があります。
いざ働いてみると、入社前と入社後でギャップを感じることは少なくありません。実際に、新卒の約3割は入社後3年以内に退職するといわれています。しかし、学校推薦で入社してすぐに辞めると、母校の信用を下げることになりかねません。
『石の上にも3年』という言葉があるように、一般的には一つの会社で3年は働くことが望ましいとされています。やむを得ない事情がない限りは、入社後3年間は働いた方が良いといえるでしょう。
学校推薦を利用するためには
学校推薦を利用するには、まずは学内での選考に通過しなければなりません。学校推薦を勝ち取るためにやっておくべきことを二つ解説します。
日頃から学校の成績に留意する
学校推薦をもらうためには、学業の成績が良いことが条件です。学内選考においては、成績順に推薦先を決める学校もあるため、日頃から良い成績を取り続けることが重要でしょう。
成績は1年生のときからの平均で評価される傾向にあるため、高学年になってから急に成績を上げてもあまり効果は見込めません。ただし、詳しい選考基準は学校によって異なるため、学生課や就職課に問い合わせてみることをおすすめします。
インターンシップに参加する
インターンシップに参加して、就業経験を積むこともおすすめです。インターンシップに参加するメリットは、企業や業界についての理解が深まることだけではありません。
インターンシップ先の企業への入社を考えている場合、事前に職場の雰囲気を知ることで入社後のミスマッチを防ぐこともできます。
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現役の学生は不可ですが、卒業が決まっている人なら参加が可能なので、興味のある人は一度無料相談に申し込んでみましょう。
学校推薦を利用する際の注意点
学校推薦を利用する際の注意点を三つ解説します。思わぬところで不都合を生じさせないためにも、以下の内容をしっかりと押さえておきましょう。
学校推薦は一人一社しかもらえない
学校推薦は何社ももらえるわけではなく、一人につき一社しかもらえません。また、内定辞退ができないことからも、学校推薦を利用する場合は、本当に入社したい企業なのかを検討する必要があります。
就活が楽になるからなど、安易な気持ちで学校推薦を利用することはおすすめできません。学校推薦は、学校の信頼があるからこそ利用できる制度ということを忘れないことが大切です。
企業研究などの準備を怠らない
学校推薦を利用する場合も、自由応募と同じように企業研究などの準備が大切といえます。学校推薦を利用すると、大手企業や有名企業の選考を受けられるチャンスができますが、大手だからといって必ずしも自分にマッチしているとは限りません。
自由応募であれば、選考を受けて企業を知っていく中で、自分に合わないと思ったら辞退することも可能です。しかし、学校推薦の場合は選考中も辞退することは難しくなります。また、企業研究が甘いと、面接官から志望度を疑われ、落ちる原因にもなるでしょう。
だからこそ、選考を受ける前から企業研究を入念に行い、ミスマッチを防ぐ努力が重要です。
学校推薦の効力は弱まる傾向にある
学校推薦の最大のメリットは選考が有利になることですが、近年はその効果が弱まっている傾向にあります。実際に学校推薦を廃止する大手企業も出てきており、制度が意味をなさないことも否定できません。
学校推薦を設けている企業の中には、プラスアルファ程度の評価しか与えないところも多くなっています。
つまり、学校推薦の学生を何名採用すると明確に決めているわけではなく、同じような学生がいたときに学校推薦の学生を優先する程度の対応しかしない企業も存在します。学校推薦を利用するときは、効果を過信しないことが大切でしょう。
学校推薦は慎重に判断しよう
学校推薦は就活生にとってはメリットのある制度です。第一志望の企業が学校推薦を受け入れている場合は、高い確率で内定をもらうことが期待できます。就活自体も早期に終わらせることもできるので、卒業までの学生生活を楽しめることもメリットの一つです。
ただし、学校推薦を利用して内定をもらった場合、原則、辞退できません。早期退職も歓迎されない傾向にあるため、学校推薦を利用するなら、本当に入社したい企業に対して使うことが重要です。
また、学校推薦の効力は近年では弱まる傾向にあります。必ずしも内定がもらえる保証はないことも理解して、企業研究などの準備も怠らないようにしましょう。
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