高卒で公務員になるのは難しい?目指せる職種や試験の倍率を解説

公務員試験は基本的に高卒でも受けられます。しかし、高校時代に勉強が得意ではなかった人や勉強してから時間が経った人にとって気になるのが、試験の難易度。また、高卒だと職種が限定されないのか、倍率がどのくらいなのかなども気になるところでしょう。そこで今回は、高卒者が受験できる公務員試験につい解説していきます。

公務員の種類は?

「公務員」と一口に言っても職種もさまざまです。まず、大きく「国家公務員」と「地方公務員」の2種類に分けられますが、そこからさらに細分化されます。

国家公務員とは?

国家公務員の勤務先は、国家機関や行政執行法人。たとえば、厚生労働省をはじめとする省庁や裁判所などが挙げられます。

国家公務員の職種は「総合職」「一般職」「専門職」の大きく3つに分けられます。総合職の受験資格は大卒以上。任される仕事も責任が大きいものになります。一般職の資格は基本的に高卒以上。主に事務処理などを担当することになります。専門職に該当するのは「国税専門官」や「財務専門官」で、特定の分野に精通している必要があります。

地方公務員とは?

地方公務員は、都道府県庁や市役所をはじめとする地方機関で働きます。また、消防官や警察官、公立の小中高等学校の教師も地方公務員に該当します。自治体ごとの採用のため、その範囲内で転勤があるほか、部署異動も多いです。

地方公務員の試験は、大卒程度の知識が求められる「上級」、短大卒程度の知識が求められる「中級」、高卒程度の知識が求められる「初級」の3つに分かれています。

公務員の職種とは?

続いては、公務員にはどんな職種があるのかをみていきましょう。

行政職

水道や交通などのライフライン、教育・文化事業、税務、治安、消防など、国や地域の生活全般に関することを担当します。

心理職

心理学の知識や技能が求められる仕事です。国家公務員であれば、厚生労働省や裁判所が活躍の場となり、地方公務員であれば、児童相談所の相談専門員などを務めることとなります。

福祉職

福祉職は、困っている人に直接寄り添うことが求められることから、地域住民一人ひとりに目を配るれる地方公務員のほうが採用数は多いです。採用後は、ケースワーカーとして児童相談所や福祉事務所などで働くことになります。

専門職

専門的な知識や技術を要する職種です。たとえば、外務省に勤務することになる「外務省専門職員」、国税庁に勤務する「国税専門官」、財務省に勤務する「財務専門官」などが挙げられます。

技術職

土木や建築などに関する専門知識を活かして、都市計画やエネルギー開発に携わって人々の暮らしを支えます。

公安職

警察官や消防官などとして、地域の人々の安全な暮らしを守る仕事に携わります。そのほか、皇居などの警備を担当する「皇宮護衛艦」も公安職に該当します。

資格免許職

公立の小中高等学校の教員、看護師、獣医師、栄養士などがこれに該当します。資格免許職に就くためには、基本的に各自治体が実施している試験に合格することが必要です。

公務員試験は原則として学歴不問

続いては公務員試験について詳しくみていきましょう。

冒頭に述べた通り、公務員試験は基本的に高卒でも受けられます。職種などによって、「高卒程度」「大卒程度」などの受験区分が設けられていますが、「区分」は受験資格ではなく、あくまでも筆記試験の難易度の目安です。そのため、たとえ中卒であっても高卒であっても、「大卒程度」とされた試験を受験すること自体は可能です。

ただし、国家総合職の院卒区分や、技術職および専門職などでは特定の学科の履修を要件としている場合もありますが、ごく稀な例外だと思っていいでしょう。

参考:高卒で公務員を目指す前に知るべき6大事実 | 高卒で目指せる国家・地方公務員やメリット・デメリット

学歴は不問だが年齢は問われる

公務員試験において学歴は不問ですが、誰でも受けられるというわけではありません。なぜなら、受験資格として年齢の制限があるからです。

たとえば、国家公務員の受験資格は以下の通りです。

試験区分 受験資格
総合職 院卒者試験 30歳未満で大学院修了、大学院修了見込み
大卒程度試験 21歳~29歳
一般職 大卒程度試験 21歳~29歳
高卒者試験 ① 高校卒業見込み、卒業後2年以内② 中学卒業後2年以上5年未満で①に該当しない者
社会人試験(係員級) 40歳未満※高卒者試験の受験資格者を除きます
専門職 大卒程度試験 21歳~29歳試験によって受験資格が異なる場合があります
高卒程度試験 試験によって受験資格が異なります

参照:人事院 国家公務員試験 採用情報NAVI 試験情報

国家公務員試験の倍率は?

続いては、国家公務員試験のうち、高卒程度と区分された試験の倍率をみていきます。

試験の種類 申込者数 第一次試験合格者数 最終合格者数 倍率
国家公務員採用一般職試験(高卒者試験) 12,970 4,179 3,118 約4.2倍
国家公務員採用一般職試験(社会人試験 係員級) 273 57 32 約8.5倍
皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験) 388 138 23 約16.7倍
刑務官採用試験 4,532 1,947 1,019 約4.5倍
入国警備官採用試験 2,164 126 65 約33.3倍
税務職員採用試験 7,239 3,210 1,809 約4.0倍
航空保安大学校学生採用試験 360 207 126 約2.9倍
気象大学校学生採用試験 277 48 34 約8.1倍
海上保安大学校学生採用試験 368 152 90 約4.1倍
海上保安学校学生採用試験 3,766 1,100 643 約5.9倍
海上保安学校学生採用試験(特別) 6,602 2,859 1,192 約5.5倍

※気象大学校に入学すると気象庁職員として採用されることになるので、給与などが支給されます。海上保安大学校は海上保安庁職員に採用となります。

試験の種類によってかなり倍率が異なることがわかります。倍率が高いものを狙いたいなら、それ相応の覚悟で勉強することが必要といえます。

参照:2021年度国家公務員採用試験実施状況を元に倍率を算出

地方公務員試験の倍率は?

続いては、地方公務員試験の倍率のうち、五大都市における、高卒程度行政事務系区分の倍率をみていきます。

自治体 申込者数 第一次試験合格者数 最終合格者数 競争倍率
札幌市 282 59 31 6.7
特別区3類(東京23区) 3,638 979 392 7.4
名古屋 146 28 9 10.8
大阪(18-21) 291 85
福岡 217 50 25 6.5

※大阪(18-21)は18歳から22歳のみ受験資格があります
※「ー」は非公表もしくは未発表

年によっては倍率10倍以上となるところもあるので、こちらもやはり、合格を勝ち取るにはしっかりと対策を講じることが必要であることがわかります。

参照:公務員試験総合ガイド 令和3年度政令指定都市(高卒行政系)試験結果

公務員を目指すうえで高卒であることは不利にならない

公務員を目指すにあたって、高卒であることが不利に働くことはありません。一部職種に関しては資格が必要とされていますが、資格不要の職種もさまざまに用意されているので、興味がある人はぜひチャレンジしてみてくださいね。



こんにちは、キャリアゲ編集部です。

私たちは学歴職歴や環境にハンデを抱えている方を応援する就労支援サービス「リバラボ」を運営しています。

リバラボの特徴は、以下の3つのステップで大手や成長企業への着実なキャリアアップを可能にする点にあります。
リバラボインターンシップの特徴
①インターンシップを活用してキャリアアップ
リバラボ内で1~2年間の実務インターンを行い就労実績や収入実績を積み上げ(平均年収400万円以上) インターン後の優良企業への転職まで支援するサービスです。社宅完備等の福利厚生も充実しています。
②キャリア派遣を活用してキャリアアップ
提携先(大手/上場/成長ベンチャー)企業にて社員転換を前提としたトライアル就労が可能な形態です。 期間内であれば複数の企業で実績を積むことができ、自身と企業のカルチャーマッチを 確認してから社員になれるので早期離職することなく着実なキャリアップが可能となります。
③職業紹介を活用してキャリアアップ
未経験、学歴職歴を問わず募集をしているポテンシャル採用に力を入れている企業を厳選し 貴方のキャリアを大きく飛躍するためにマッチする企業をご紹介いたします。
現状の社会では、学歴や職歴などの環境でハンデを抱えてしまうとハイキャリアへの道は狭き門となってしまいます。

しかし、学歴職歴に自信のない方への支援でエキスパートである「リバラボ」であれば 貴方の状況や特性に合わせて、ハイキャリアの実現までを3つの支援サービスでサポートしています。

『学歴はないけど福利厚生が充実した大手企業に就職したい』
『短期離職を繰り返してしまったが自分に合う成長企業で活躍したい』
『学歴職歴に傷があっても上場企業に就職したい』
など、そのような思いがありましたら

リバラボ」で一度、無料のキャリア相談を受けてみてはいかがでしょうか?