大学を中退して就職活動する場合、企業から成績証明書の提出を求められたらどうすればいいのでしょうか?また、その他に用意が必要な書類はあるのでしょうか?さっそく解説していきます。
大学中退者が成績証明書の提出を求められる理由は?
大学中退者が就職活動するにあたって、成績証明書を必ず用意しなければならないというわけではありませんが、企業によっては提出を求めてきます。主な理由は以下の2つです。
履歴書に記載されている内容の事実確認
大学を中退すると最終学歴は高卒。それを証明する書類は高校の卒業証明書となり、大学の卒業証明書は提出できないため、在籍した事実を確認するために成績証明書の提出が求められることがあります。
応募者の適性チェック
もうひとつの理由は、応募者が大学でどんなことを学んできたのか、どんな科目においてよい成績を収めてきたのかを知ることで、個々の適性を見極めたいとの考えがあるからです。取得単位なども記されているため、どんな分野への関心が深いかなどを知る手掛かりにもなります。
大学に在籍していた事実を証明できる書類4種類とは?
前述した2つの理由のうち1つめの「在学していた事実の確認」は、成績証明書以外でも可能です。そのため、企業によっては成績証明書以外の提出を求めてくることもあるかもしれません。具体的には以下の4つの書類です。
成績証明書
前述の通り、4種類のうち1つは成績証明書です。応募者の適性や学業への取り組み方も読み取れることから、内定後に提出を求める企業もあります。
退学証明書
退学のみを証明するための書類としては、「退学証明書」が一般的。氏名、生年月日、入学日、退学日、学部名などが記載されています。ただし、退学理由については記されていません。
在学証明書
在学証明書は、退学の手続きが完了した後には発行してもらえません。そのため、大学を中退するつもりで就職活動を進めている場合や、退学手続き完了前に企業から書類提出を求められた場合などにこの書類を利用することになります。在学証明書には、氏名、生年月日、入学日、学部名などが記載されています。
除籍証明書
学生が大学を辞めることを意味する「退学」に対して、「除籍」は学生が大学から籍を除かれたことを意味します。授業料滞納や休学期間の超過など、除籍となる理由はさまざまですが、いずれにしてもなんらかの問題があったことから除籍となっているため、除籍証明書を提出することで企業側がよくない印象を抱く場合もあるでしょう。
成績証明書の発行方法は?
成績証明書や退学証明書、在学証明書などは、すべて大学内の証明発行機で発行可能です。もしくは、大学が遠方で直接取りに行くことが困難な場合、郵送で送ってもらうことも可能です。
前者の場合、身分証明書の提出を求められることが多いので、ホームページなどで事前に必要書類を確認するのが賢明。後者の場合、申請書類をダウンロードして必要事項を記入して送付した後、大学側から送付されるのが一般的です。ただし、書類に不備があると送付に時間がかかることもあるので、企業が提示する提出期限に間に合うよう、早めに準備することが望ましいでしょう。
大学中退者でも成績証明書は発行してもらえる?
大学を中退していても、成績証明書を発行してもらえます。ただし、成績証明書をはじめとする証明書は、基本的に発行可能な期限が決められています。大学によっては退学から何年経っていても発行してくれるところもありますが、基本的には、成績証明書は退学から5年以内とするところが多いようです。
成績証明書は再発行してもらえる?
成績証明書をはじめとする各種証明書は、基本的に何度でも発行してもらえます。そのため、複数の企業の募集に応募したい場合も心配無用です。
成績証明書発行に関する注意点
続いては、成績証明書発行に関する注意点を説明します。
成績証明書を発行してもらえないケースがある
中退、除籍ではなく、大学に通っていたことを無効にされる「抹籍」となった場合、成績証明書を発行してもらえないケースがほとんどです。抹籍となるのは、大学在学中に犯罪をおかしたなどの理由があった場合に限ります。
退学手続きが完了していないと発行してもらえない場合がある
退学手続きをとらないまま大学に行くことを辞めてしまった場合、除籍扱いになっていることがあります。その場合、証明書を発行してもらえない可能性が高いので、きちんと退学手続きを済ませておくことが大切です。
成績証明書偽造はリスクが高い
大学中退の事実を隠したいことから、証明書の偽造を考える人もいるかもしれません。しかし、証明書の偽造は「公文書偽造罪」にあたる行為です。偽造がばれると、解雇されたり昇進できなくなったりする可能性が高いほか、場合によっては給料返金を求められることもあります。かなりリスクが高いので、提出を求められた場合はきちんと正式な書類を提出してくださいね。
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