中卒で介護業界志望なら実務者研修は取得するべき?

将来、介護業界で働きたいと考えている人のなかには、実務者研修の受講を検討している人もいるかもしれません。なかには、中卒で介護業界を志望しているため、少しでもいい条件で採用してもらえるよう、受講を検討している人もいるでしょう。そこで今回は、実務者研修を受講するメリットや、どんな仕事に活かせるのかなどを説明していきます。

実務者研修とは?

実務者研修とは、より高いレベルの介護サービスを提供できるよう、介護に関する知識とスキルに磨きをかけることを目的とした研修です。カリキュラムを修了すれば、「実務者研修修了者」という資格保持者であるということになります。

介護業界では、以下の順にキャリアアップしていくことになるため、実務者研修受講前には「介護職員初任者研修」を受講するのが一般的です。

【介護業界のキャリアアップのルート】
1. 介護職員初任者研修

2. 実務者研修

3. 介護福祉士

4. 認定介護福祉士

中卒でも実務者研修を受けられる?

実務者研修は中卒でも受講可能です。上記に説明した介護業界のキャリアアップのルートのうち、介護職員初任者研修と実務者研修は無資格でも受講可能とされています。

つまり、介護職員初任者研修を修了していなくても実務者研修を受講できるということになりますが、介護職員初任者研修を修了していると免除される科目があることや、基礎知識が身についているうえで勉強したほうが知識を習得しやすいことなどから、介護職員初任者研修を先に取得したほうが賢明といえるでしょう。

実務者研修のカリキュラムは全20項目、合計450時間で構成

実務者研修は誰でも受けられますが、全20項目、合計450時間の受講が必要なので、すぐに修了できるわけではありません。構成内容は以下の通りです。

科目時間
人間の尊厳と自立5時間
社会の理解I5時間
社会の理解II30時間
介護の基本I10時間
介護の基本II20時間
コミュニケーション技術20時間
生活支援技術I20時間
生活支援技術II30時間
介護課程I20時間
介護課程II25時間
介護課程III45時間
発達と老化の理解I10時間
発達と老化の理解II20時間
認知症の理解I10時間
認知症の理解II20時間
障害の理解I10時間
障害の理解II20時間
こころとからだのしくみI20時間
こころとからだのしくみII60時間
医療的ケア50時間
合計450時間

多くの人は働きながら受講することになるため、1日の受講時間には限度があります。スムーズに修了に漕ぎつけるためにも、受講期間は体調管理にもいつも以上に気を配りたいところです。

実務者研修はどこで受講できる?

実務者研修をおこなっているスクールは、「三幸福祉カレッジ」をはじめいくつか存在します。また、働きながらでも学べるよう、通信と通学を組み合わせてカリキュラムを組んでいるスクールもあります。「通信+通学」の場合、450時間中400時間程度は通信で受講することになるのが一般的です。

⇒参照:三幸福祉カレッジ
https://www.sanko-fukushi.com/

実務者研修の受講料相場は?

実務者研修の受講料相場は、無資格であれば10万円前後~20万円台、介護職員初任者研修・ホームヘルパー2級保持者であれば8万円~17万円前後とされています。ただし、割引キャンペーンなどを利用するとさらに安くなる場合もあるので、キャンペーン実施中のスクールがあるかどうかはチェックしてみるといいでしょう。

そのほか、職場で資格取得支援制度が用意されていたら安く受講できる場合もありますし、「教育訓練給付制度」の給付条件を満たしていれば、受講料の50~70%をハローワークから受け取れる可能性があります。

実務者研修を受講するメリットは?

続いては実務者研修を受講するメリットを解説していきます。

介護福祉士の受験条件をひとつクリアすることになる

国家試験「介護福祉士」を受験するためには、「介護の実務経験3年以上」「実務者研修の修了」の2つの条件をクリアしている必要があります。介護福祉士の資格を取得すると、重要な役職を任されやすくなるなどキャリアアップが見込めます。

よりよい条件で転職および就職できる

介護業界は慢性的な人材不足で、多くの事業所において即戦力となる人材が求められています。そのため、有資格者であれば転職や就職に有利といえるでしょう。

より広い知識と技術を習得できるため仕事の幅が広がりやすい

介護職員初任者研修と比較して、より広い知識と技術を習得できるため、仕事の幅が広がりやすいといえるでしょう。たとえば、受講後に実地研修を受けるなどの一定の要件を満たせば、経管栄養やたん吸引などの医療的ケアもおこなえるようになります。また、認知症に関しても、初任者研修より深掘りして教わります。

訪問介護事業所でサービス提供責任者として活躍できる

各訪問介護事業所には、利用者が適切なサービスを受けられるようサポートする「サービス提供責任者」が配置されています。サービス提供責任者になると、訪問介護計画書の作成や利用者の契約業務、ヘルパーのシフト作成や調整・指導などの業務を担うことになります。訪問介護事業所のサービス提供責任者には、実務者研修を修了することが求められています。

実務者研修を受講するデメリットは?

続いてはデメリットです。

知識ゼロの状態だと内容が難しくてついていけないことがある

前述した通り、実務者研修は誰でも受講可能ですが、介護職員初任者研修を受けずにいきなり実務者研修を受けると、内容が難しくてついていけないことがあるかもしれません。

働きながらの受講だとスケジュール管理が大変

仕事と研修に集中できるならまだしも、たとえば、家族の毎日の食事作りも自分の担当である人などは、体力的にしんどいと感じることもあるかもしれません。

実務者研修を修了すると活躍の場が広がる

実務者研修を修了すれば、さまざまな施設や事業所でリーダー的な立場に立って仕事できるようになります。たとえば、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス、ショートステイ、グループホームなど、活躍できる場はとても多いので、たとえば家族の転勤に伴い転職を余儀なくされた場合なども、新しい職場が見つかりやすいといえます。しかも、一度有資格者になればその後資格が無くなることもないので、介護業界でキャリアアップを考えている人はぜひ受講を検討してみてはいかがでしょうか?

執筆者
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