中卒で看護師の資格取得までの流れと学習方法

「看護師になって世のため人のために働きたい!」と一念発起して看護師を目指す人は大勢います。

確かに、看護師になれば「安定した収入が得られる」他、「就職先がない!と困ることがない」など、なんとなくポジティブなイメージが先行しがちですよね。

ところで、最終学歴が中卒の場合、看護師を目指すことはできるのでしょうか。ここでは、中卒から看護師を目指すために知っておくべきことについてまとめておきます。

この記事で分かること
  • 中卒で看護師になるためには何の資格が必要なのか
  • 准看護師と正看護師について
  • 看護師になるための勉強法

 

ユーくん
看護師って中卒でも目指せるんだ!
ダルマちゃん
そう!でも中卒ならまずは准看護師から目指す必要があるんだ。准看護師と正看護師の違いについてはこの後詳しく説明するね!

 

中卒で取得できる看護師資格は『准看護師』

中卒で取得できる看護師の資格は准看護師です。正看護師と准看護師について、きっと「何が違うの?」とその違いが分からない人も多いのではないでしょうか。ここでその違いを詳しく解説します。

 

看護師資格には『正看護師』と『准看護師』の2種類がある

看護師には、正看護師と准看護師の2種類の資格があります。正看護師と准看護師では、資格自体が異なり、資格の取得方法も異なります。

正看護師
看護師国家試験に合格する必要あり(大学もしくは短大の看護学科または3年制の看護学校を卒業すると受験資格が得られる
准看護師
准看護師試験に合格する必要あり(中卒以上の学歴があれば准看護学校への入学が可能。2年間修業すると受験資格が得られる)

つまり見てお分かりの通り、中卒者が目指せるのは「准看護師」一択となります。

 

正看護師と准看護師の違い

正看護師と准看護師とでは、どのような違いがあるのでしょう。ここで、両者をさまざまな項目ごとに比較した表を作成しました。

 

▼准看護師と看護師の比較

准看護師 正看護師
入学要件(必要学歴) 中学校卒業 高校卒業
年限 2年以上 3年以上
履修時間 1,890時間以上 3,000時間以上
実習時間 735時間以上 1,035時間以上
資格発行 都道府県知事の免許 厚生労働大臣の免許
仕事 保助看法第6条(医師・歯科医師または看護師の指示のもと)療養上の世話または診療補助を行う 保助看法第5条

療養上の世話または診療補助を行う

業務 自らの判断による看護はできないが業務の範囲は正看護師と同じ 自らの判断により看護を提供できる
キャリアアップ 看護師 保健師・助産師・特定看護師・専門看護師・認定看護師・診療看護師
平均年収※ 400万円 481万円

※出典:日本准看護師連絡協議会「准看護師と看護師の違い」より
※参考:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」『職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額』をもとに算出

 

この表の中で特に目立つのが以下の項目です。

  • 准看護師は「自分の判断」でなく「医師や看護師の指示のもと」で業務をおこなう
  • 准看護師の先にあるキャリアアップは「看護師」のみ。看護師になればその後のキャリアアップの幅が一気に広がる
  • 年収平均に約80万円の大きな違いが見られる

正看護師と准看護師は、仕事内容や業務の範囲に差はなくとも、准看護師は常に「指示を得て業務にあたる」のが原則となっていますね。

准看護師から正看護師になり、年収アップやキャリアアップを目指すメリットは大きいと言えます。

 

中卒から准看護師になった際の働き方と将来的なキャリア

中卒からでも准看護師を目指すことは可能です。ここでは、准看護師になった場合の働き方や、その先に待ち受けている将来的なキャリアについて紹介します。

 

准看護師の働き方

日本医師会による平成30年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査の統計結果を見ると、准看護師養成校に通う学生のうち46.6%が「医療機関で就労中」であることが明らかになっています。

つまり、約半数の人たちが働きながら准看護師になるために学校に通っていたことになります。

ある看護助手の例

午前中はクリニックで医療事務の仕事をしながら、午後は准看護師養成校へ通っています。准看護師になる前に患者さんと接する機会が持てること、医師や看護師と接する機会を持てることは今後看護師になっても役に立つ貴重な経験になると考えています。

もちろん、経済的な理由で「働きながら学校に通う」という人も多くいます。

 

准看護師になった後のキャリア

准看護師になれば、看護師として医療機関で働くことができるわけですが、その後のキャリアアップは非常に重要です。特に、

  • 准看護師のままでは看護師のように自らの判断で看護ができない
  • 准看護師は管理職に就くことが難しい

という点を考えると、准看護師から正看護師へのキャリアアップを目指すのが妥当です。

准看護師が正看護師になるために必要なのは、先ほどもお話しした通り看護師資格となります。

中卒准看護師から正看護師になるには
  1. 実務経験3年以上で全日制・定時制の看護師養成校に通う(もしくは実務経験7年以上で通信制の看護師養成校に通う)
  2. 看護師の国家試験に合格する

この手順を踏むことで、中卒の准看護師は正看護師になることが可能です。

 

中卒から准看護師の資格取得までの流れと勉強方法

正看護師を目指すにせよ、中卒の場合はまず准看護師の資格を取得しなければなりません。ここでは、中卒から准看護師資格取得までの流れと、そのための勉強法について紹介します。

 

准看護師の資格取得までの流れ

以下に、中卒から准看護師の資格取得までの流れをまとめました。

中学校卒業から准看護師取得までの4ステップ
  1. 中学校卒業
  2. 准看護学校に2年通う
  3. 卒業後に准看護師試験に合格
  4. 「准看護師免許」取得!

中学校を卒業したままでは、すぐに准看護師試験を受験することができないので、准看護学校に通ったあとに准看護師試験を受験する流れになります。

 

准看護師になるための勉強方法

准看護師学校では、2年間かけて准看護師の受験資格を得るための教育を受けることができます。

気になるのは、「准看護師の資格試験って難しいの?」と言う点。合格率だけで見ると全国平均97%ほどとかなり高いため、きちんと勉強すれば十分に目指すことができます。(参考:日本准看護師連絡協議会「准看護師になるためには」より

参考までに出題科目にどのようなものがあるかを下記にまとめています。

准看護師の出題範囲
  • 人体の仕組みと働き
  • 食生活と栄養
  • 薬物と看護
  • 疾病の成り立ち
  • 感染と予防
  • 看護と倫理
  • 患者の心理
  • 保健医療福祉の仕組み
  • 看護と法律
  • 基礎看護
  • 成人看護
  • 老年看護
  • 母子看護及び精神看護

以上が准看護師資格受験の出題範囲です。看護に関わる基礎的な知識を問う問題が中心となっており、上記の範囲から150問出題されます。

試験対策の勉強方法のコツを以下の2つのポイントにまとめました。

  1. 毎日決まった時間に勉強する習慣をつける
  2. 過去問は解く→できなかったところを復習→再度解く、の繰り返し

毎日バラバラの時間を資格対策の勉強にあてていても、勉強することが習慣になりません。「やらなきゃいけない」と自分を追い込む必要があり、モチベーションを保つのも困難になります。

決まった時間に勉強することを習慣にすれば、「この時間になると勉強しなきゃ落ち着かない」と心がざわつくようになり、「勉強するのが当たり前」になるのです。これで、勉強することを日課にしやすくなります。

また、過去問については、何度も繰り返すのがコツです。解いた後は細かく採点し、自分の苦手分野を知りましょう。そして、苦手分野を強化したら再度チャレンジします。これを頻繁に繰り返すことで成果が上がりやすくなります。

 

中卒から正看護師の資格取得までの流れと勉強方法

中卒からでも准看護師を経て正看護師として活躍する看護師はたくさんいます。ここでは、正看護師の資格取得までの流れと、勉強法について紹介します。

 

正看護師の資格取得までの流れ

中卒から准看護師を経て正看護師になる場合、次のような流れになります。

中卒から正看護師になるまでの8ステップ
  1. 中学校卒業
  2. 准看護学校に2年通う
  3. 卒業後に准看護師試験に合格
  4. 都道府県知事の資格「准看護師免許」取得
  5. 准看護師として実務経験3年以上
  6. 全日制・定時制の看護師養成校に通う(もしくは実務経験7年以上で通信制の看護師養成校に通う)
  7. 看護師の国家試験に合格する
  8. 国家資格「看護師免許」取得!

ステップだけで見るととても大変なように見えるかもしれませんが、准看護師の免許を取得すれば、そこで実務経験を積むことで自動的に看護師養成校への入学資格は取得できます。

時間はかかりますが、准看護師と正看護師ではその後のキャリアにも大きな違いがあるため、目指す価値が十分にあると言えます。

 

正看護師になるための勉強方法

看護師養成校を卒業すれば、正看護師の資格である国家資格「看護師免許」の取得試験が受けられます。そのため、正看護師を目指す場合には、養成校に通う最終学年の段階でしっかり看護師資格試験の準備を進めておく必要があります。

看護師資格試験の対策
  • まずは「人体の構造と機能」を徹底的に理解する
    基礎になる単元を徹底的に理解することで他の単元もスムーズになります
  • 過去問5年分の正答率70%以上の問題を徹底的に対策する
    確実に得点できる問題を取りこぼさないのが合格への近道になります。
  • 過去問5年分の正答率30%以下の問題を徹底的に対策する
    正答率70%の問題を完璧にこなした後に対策を行いましょう
  • 試験前は解き方のバリエーションを増やしてスキマ時間を有効利用する
    ・1年分の正答率70%の問題のみ解く
    ・回答解説だけをひたすら読む
    ・「人体の構造と機能」をおさらいする

看護師免許資格試験の過去問はオンライン上でも公開されており、本屋でも簡単に手に入ります。5年分をめどに繰り返し解くことで、出題傾向や自分の苦手分野を把握しておくことができます。

正直な話、2018年度の看護師資格試験の合格率は89.3%を記録しており、上記の対策を繰り返し行えば落ちることはまずないでしょう。

 

まとめ

看護師になるのはとても難しいことのようにイメージしている人はきっと多いと思います。しかし実際には、中卒者にとって看護師になる選択は学歴が中卒であろうと、時間さえかければ十分に目指すことのできる現実的な選択肢でもあります。

看護師になりたい!人の役に立ちたい!と思う方には、ぜひチャレンジしていただきたいです。まずは准看護師を目指し、今から行動を起こしましょう!

 



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