手取り20万円は年収いくら?月収20万円あればどんな生活ができる?

基本給に、時間外手当や通勤手当などの各種手当を含めた「額面給与」から、税金や各種保険料などの控除額を差し引いた「手取り額」は、実際に従業員本人が受け取れる金額のことです。では、この手取り額が20万円の場合、額面はいくらになるのでしょうか?また、月に20万円あればどんな生活ができるのでしょうか?早速解説していきます。

手取り額は額面の75~85%

一般的に、手取り額は額面の75~85%程度とされています。つまり、手取り20万円だと額面は23.5万円~26.7万円程度ということになります。

そのことを知らずに就職した場合、給与として振り込まれた金額が自分の認識していた額より少ないことに、驚いたりガッカリしたりするかもしれません。しかし、健康保険、厚生年金保険、所得税、住民税などの支払い手続きや加入手続きをすべて会社におこなってもらえるのは正社員の特権。

しかも、健康保険に入っていなければ医療機関受診時に全額自己負担になるわけですし、年金は将来もらえるお金となるなどすべて自分にとってのものなので、額面すべてが振り込まれないからといって嘆く必要はまったくありません。

額面から差し引かれる控除額にはどんなものがある?

額面から差し引かれる控除額は、給与から控除することが法律で定められている「法定控除」と、会社と従業員との間で「労使協定」を締結することで控除されることになる「法定外控除」の大きく2種類に分けられます。

法定外控除:社宅・寮費、財形貯蓄、社内預金、労働組合費などが法定外控除に該当します。

健康保険料

健康保険料は、会社と従業員で折半します。金額は給与額によって異なります。

厚生年金保険料

健康保険料と同じく、給与額に応じて料金が決まります。

介護保険料

40歳以上の従業員は加入が義務付けられています。保険料率は毎年変動します。

雇用保険料

雇用保険とは、失業に備えるための保険です。保険料率は支給額に対して0.9%で、そのうち0.3%が従業員の負担分となります。

所得税

所得税は、その年の所得に対して課されるものですが、一年が終わるまでは年間の所得額が確定しないため、毎月の給与から見込み金額を「源泉徴収」として差し引きます。また、年末には、実際の税額と源泉徴収額の差を調整する「年末調整」をおこないます。

住民税

前年の所得に応じて課税されます。

月に20万円あればどんな生活ができる?

続いては、手取り20万円だとどんな生活ができるのかをみていきましょう。

実家暮らしの場合

実家暮らしの場合、一定金額を家に入れたとしても一人暮らしほどの負担にはならないのが一般的。家賃や光熱費、食費が浮くことを考えると、服飾費や外食費を結構使っても、月に5万強は貯金できるのではないでしょうか。

一人暮らしの場合

一人暮らしの場合、家賃、水道光熱費、通信費、食費、交通費は毎月必ず必要です。総務省統計局が公表している家計調査の結果によると、2021年における単身世帯の平均消費支出は155,046円なので、消費を抑えないと貯金が難しいことがわかります。

参考:総務省統計局 家計調査 2021年平均

二人暮らし(以上)の場合

一方、共働きの夫婦の家庭やパートナーがいてふたりとも働いている場合は、同じ手取り20万でも、家賃や水道光熱費などが×2となることはないので、生活に余裕があることが考えられます。

ただし、子どもが生まれる予定があれば、産休・育休手当てが用意されている会社であっても、満額の給与はもらえなくなりますし、ベビーグッズ購入など出費も増えます。そうなると、手取り20万円のままではこれまで通りの生活が難しい場合が多いため、対処法を考える必要があるでしょう。

手取り20万円だと「できない」ことは?

手取り20万円でも今の生活に満足している人もいれば、不安な気持ちや不満を抱いている人もいます。後者の人はどんなときに不安だと感じるのかをみていきましょう。

貯金ができない

貯蓄に回せるお金がなければ、将来への不安が大きくなることがあるでしょう。また、「もし今すぐ病気で仕事を休むことになったら、貯金もないしどうすればいいの?」と不安な気持ちが沸き上がってくることもあるはず。

自由に外食できない

とにかく安い店を選んで、ランチと夕飯合わせて1日1,500円に抑えたとしても1か月で4万5,000円。残りは15万5,000円で、それで家賃や水道光熱費、通信費などすべてまかなうとなると大変。節約のために毎日お弁当を作るのも、それはそれで辛いと感じることもあるでしょう。

飲み会やイベント、旅行の誘いを断らなければならない

飲み会の参加費5,000円、2次会2,000円、週末のアウトドアイベント参加費8,000円、学生時代の友だちとの夏休み旅行代5万円など、どんなに魅力的なお誘いであっても、金額を聞くと「無理!」と断るしか選択肢がない場合もあるかもしれません。

急な出費に対応できない

冠婚葬祭、病気、怪我、電化製品の故障など、大きな金額が必要になると焦ることがあるでしょう。仕事からノートパソコンや携帯を支給されていなければ、その修繕費や買い替え費も自分持ち。また、テレビなどはなくてもなんとかなるとしても、冷蔵庫や洗濯機などは、使えないとなると出来合いのものやコインランドリーに頼るしかなく、かえってお金がかかるので早めに修理するに越したことはありません。

手取り20万円以上を目指す方法は?

続いては、いろんなことが「できない」状態から脱却すべく、手取り20万円以上を目指すにはどんな方法があるのかをみていきましょう。

昇給・昇進を狙う

会社に等級制度が用意されているなら、がんばり次第では環境を変えずに給与アップを叶えられます。社内試験に合格すればどの程度の昇給が見込めるのか、一度確認してみるといいでしょう。

資格取得を目指す

仕事に役立つ資格を取得していると、資格手当を支給してくれる会社があるほか、資格取得を条件に昇給を約束してくれる会社もあります。

副業、複業をする

働き方改革の推進もあって、昨今は副業や複業を考える人が増えていますし、副業を認める会社も増えています。「週末のみ」「早朝のみ」などの条件に合う仕事もあるので、自分が住んでいるエリアにどんな求人があるか調べてみるのもいいかもしれません。

転職で年収アップを叶える

今の会社にいる限り、収入アップが見込めなさそうだと思われるなら、条件のいい求人を見つけて転職を検討することをおすすめします。これまでの経験を活かして即戦力となれる求人に出逢えたら、年収が大きくアップすることも考えられます。

また、手取り自体は20万円のままでも、前の会社がボーナスなしだったところ、求人先はボーナスが給与の2か月分支給されるとなれば、年収としてはかなりアップすることになるので、細かい条件までよくチェックしてみてくださいね。

気持ちにゆとりを持って手取り20万円超えを目指そう

手取り20万円からの脱却を試みても、すぐには理想の転職先や昇給の可能性が見いだせないこともあるでしょう。そうなると焦ってしまいがちですが、そんなときは、保険料やスマホのプラン見直し、動画配信サービスをはじめとする不要なサブスクリプションサービスの解約など、固定費を削減することで気持ちにゆとりを持たせるのもおすすめです。

ただし、節約に熱中しすぎて、当初の目的が遠のいてしまわないよう注意してくださいね。



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