失業手当をもらうための条件は?金額・もらえる期間も知りたい

「失業手当」という言葉を聞いたことはあっても、どうすればもらえるのか、いくらもらえるのかなど具体的なことは知らないという人は多いかもしれません。そこで今回は、失業手当について詳しく説明していきます。

失業手当とは?

失業手当とは、失業または自己都合で退職した労働者のうち、働いていた間に一定期間以上「雇用保険」に加入していた人がもらえる給付金です。「失業保険」と呼ばれることもあります。

失業手当をもらう条件は?

失業手当を受給するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

1. 再就職の意思があり、就職できる状況であるにも関わらず失業状態である
2. 離職日以前の2年間で、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上ある

1に関して、学業や家事に専念している場合、「再就職の意思がある」とは認められません。病気やケガ、または妊娠・育児、家庭などの事情ですぐには働けない状況にある場合、「就職できる状況」にあるとは言えません。また、既に次の就職先が決まっていて転職活動をする予定がない場合や、独立のための準備を進めている場合、会社や団体の役員に就任して報酬を得ている場合は「失業状態」とはいえません。

ただしこのうち、「病気やケガ、または妊娠・育児、家庭などの事情ですぐには働けない状況」にある場合、ハローワークに失業給付金の受給期間延長手続きをおこなうことによって、すぐに働ける状況が整った後から給付を受けることが可能です。

また、2に関しては、倒産やリストラ、解雇などによって失業した「特定受給資格者」、契約更新の希望が通らなかったか、または病気や出産、配偶者の転勤などで失業した「特定理由離職者」に限っては、「離職日以前の1年間で、雇用保険の被保険者期間が通算6か月以上」でも受給可能です。

雇用保険は誰でも入れるの?

失業手当を受給するためには、雇用保険に一定期間以上入っている必要があるとなると、気になるのが雇用保険の加入条件でしょう。雇用保険の加入条件は以下の通りです。

  1. 1週間の労働時間が20時間以上
  2. 雇用期間が31日以上の見込みがある

2に関しては「見込み」なので、契約時に長期雇用が決まっていたものの、なんらかの事情によって31日未満で退職となった場合も給付の対象者となります。

失業手当受給のStepは?

失業手当受給に必要なStepは以下の通りです。

  1. 1. ハローワークに離職票と求職票を提出して、求職の申し込みをおこなう
  2. 7日間待期する
  3. 雇用保険受給説明会および失業認定日に出席する
  4. 1週間程度で第一回目の給付がおこなわれる
  5. 以降、4週間に1度の失業認定日に出席するたび、その約1週間後に給付される

ただし、会社都合による退社または”パワハラ・セクハラなどの正当な理由のある”自己都合退社の場合は上記の日程が目安となる一方、自己都合または懲戒解雇による退社の人には、7日間の待期期間後、さらに2か月間の給付制限期間が設けられています。

失業手当として支給される金額は?

雇用保険で支給される1日あたりの金額を「基本手当日額」といいます。この金額はどうやって決まるかというと、原則として、退職前6か月間の、ボーナスを除いた賃金の総額を180で割った「賃金日額」に、50%~80%の給付率を掛けて算出します。給付率は、元の賃金が低いほど高くなります。また、基本手当日額には年齢区分ごとの上限額が定められています。2022年8月1日の改定によって決定した金額は以下の通りです。

【基本手当日額の上限額】
・29歳以下:6,835円
・30~44歳:7,595円
・45~59歳:8,355円
・60~64歳:7,177円

参考:厚生労働省 都道府県労働局・ハローワーク「賃金日額・基本手当日額の変更について」

失業手当はいつまでもらえるの?

失業手当をもらう条件を満たしてさえいれば、いつまででも失業手当がもらえるかというとそうではありません。失業保険をもらえる期間は、雇用保険に加入していた期間や年齢などによって異なります。具体的な期間は以下の表の通りです。

雇用保険加入期間 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
自己都合、定年退職などによって離職した場合
全年齢共通 90日 120日 150日
倒産、解雇などで離職した場合
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 150日 240日 270日
45歳以上60歳未満 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 150日 180日 210日 240日
障害を持っているなど就職困難な状況にある場合
45歳未満 150日 300日
45歳以上65歳未満 360日

失業手当をもらえるギリギリまで再就職しないほうが有利?

働いていなくても一定の額が支給されるとなると、「支給されなくなるギリギリのタイミングまで就職しないほうが有利」と考える人もいるかもしれません。しかし、そうとは言い切れません。なぜなら、失業手当の所定給付日数を残した状態で就職した場合、「再就職手当」が給付されるからです。

「再就職手当」とは?

「再就職手当」とは、早期の再就職を支援するための制度で、再就職のタイミングが早いほど給付率が高く設定されています。具体的には、支給日数を所定給付日数の3分の2以上残して再就職した場合、基本手当の支給残日数の70%の額が支給され、3分の1以上残して再就職した場合、基本手当の支給残日数の60%の額が支給されることとなります。

再就職手当の支給を受けるためには、以下の要件を満たしている必要があります。

【支給要件】

  1. 受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職または事業を開始したこと
  2. 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であること
  3. 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接なかかわり合いがない事業主に就職したこと
  4. 受給資格に係る離職理由によって給付制限がある場合、求職申し込みをしてから待期期間満了後1カ月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること
  5. 1年を超えて勤務することが確実であること(生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生のように、1年以下の雇用期間を定めていて、雇用契約の更新にあたって一定の目標達成が条件づけられている場合、または派遣就業で雇用期間が定められて、雇用契約の更新が見込まれない場合にはこの要件に該当しない)
  6. 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
  7. 過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと(事業開始に係る再就職手当も含む)
  8. 受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと参考:ハローワーク「再就職手当のご案内」

失業手当の受給期間中はまったく働けない?

失業手当の受給期間中はまったく働いてはいけないという認識の人は、一定数いるのではないでしょうか。しかし実は、受給期間中であってもアルバイトやパートタイマーとして働くことは可能なのです。正社員として働き始めたら「再就職した」ことになりますが、そうではなく、最低限の生活費などを稼ぐためなら認められているということです。

失業手当の受給期間中のアルバイトに関する注意点

膣業手当の受給期間中にアルバイトする場合、以下の条件をクリアするようにしましょう。

  1. 待期期間の7日間は働かない
  2. 勤務時間は1日4時間以上、週20時間未満
  3. 必ずハローワークに申告する

2に関して「どうして4時間以上なの?」と不思議に思うかもしれません。理由は、1日の労働時間が4時間以上になると、その日は労働したとみなされて給付の対象にならず、給付日数が一日先送りされる一方、1日の労働時間が4時間未満で一定の金額を稼いだ場合は、手当の日額が減額されてしまうことがあるから。同じバイト代を稼ぐにしても、4時間以内でさっと稼ぐのではなく、「1日4時間以上、週20時間以内」の働き方で稼げば、バイト代も失業手当も減額されずに済むというわけです。

失業手当受給中にアルバイトする場合は必ずハローワークに申告しよう

アルバイトではなくちょっとした内職で稼いだ場合も、必ずハローワークに申告する必要があります。申告しなかった場合、不正受給とみなされて罰則が科されることになります。場合によっては、それまでに支給された額の全額返還、支給額の2倍納付を求められることもあるため注意が必要です。

「バレなければ大丈夫」と考える人もいるかもしれませんが、バイト先で雇用保険に加入したら確実にバレることになりますし、そうでなくとも勤め先の人に密告される可能性は高いでしょう。

失業手当受給中も年金や住民税、健康保険は支払わないといけない?

失業中、失業手当受給中であっても、基本的には年金も住民税も健康保険も支払わなければなりません。ただし国民年金および住民税に関しては、支払いが免除となるケースや納付を待ってもらえるケースがあります。まずは住んでいる市区町村の窓口に相談することをおすすめします。

健康保険に関しては、以下の3パターンのうちいずれかを選ぶことになります。

  1. 任意継続保険の利用
    前の職場の健康保険組合の保険に引き続き加入する方法です。ただし、保険料の会社負担がなくなるため、全額自己負担となります。離職日から20日以内に加入手続きをおこなった場合に利用可能で、加入期間は最長2年間です。
  2. 国民健康保険に加入
    前の職場の健康保険を脱退して、自分で国民健康保険に加入します。解雇をはじめとする会社都合による離職の場合、保険料が減免となる可能性があります。
  3. 配偶者の扶養家族になる
    配偶者の扶養家族として健康保険に入る方法です。ただし、失業手当は収入とみなされるため、扶養家族の収入制限に引っ掛かっていないかどうかを確認する必要があります。

失業手当をスムーズに受給するためには準備が大切

働いているうちから、失業手当の受給方法やもらえる金額などをよく調べてみようと思う人は少ないかもしれませんが、少なくとも自分のなかで退職することを決めてからは、早い段階で必要な情報を入手して準備を進めておくことが大切です。

そのほうが後から苦労せずに済むだけでなく、再就職手当を最大限もらえる可能性も高いためです。また、早い段階で必要な手続きを把握できていれば精神的にも余裕が持てるので、そのぶん転職活動に集中することができますよ!



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