「フリーターとして年収を増やしたい」
フリーターでも、年収を増やす方法はいくつかあります。
しかし、年収や安定した暮らしを求めるなら、フリーター以外の雇用形態も考えた方が良いです。
この記事ではフリーターの年収や月収の実態を解説、さらに収入を増やす方法もご紹介します。
フリーターの年収 | 月収や日給、手取りの額などを細かく解説
ここでは、データを用いて様々な角度からフリーターの収入を解説していきます。
- 実収入と手取りの金額の違い
- 正社員とフリーターの収入の違い
時給別の年収と手取り年収
まず、時給別の年収と手取り年収をみていきましょう。
フリーターの雇用の特徴は以下の通りです。
- 給料は時間給
- フルタイム勤務は1日7時間、月間22日前後
では、時給別の月収・年収の比較をみていきましょう!
ここでは790円、900円、1,000円の時給別で計算していきます。
ちなみに、790円という時給は令和元年の最低賃金となっています(※1)。
- 手取り収入は、社会保険料や税金などで20%控除
- ボーナスはなしで計算
▼時給別月収・年収
時給 | 月給(手取り額) | 年収(手取り額) |
---|---|---|
790円 | 121,660円(97,328円) | 1,459,920円(1,167,936円) |
900円 | 138,600円(110,880円) | 1,663,200円(1,330,560円) |
1,000円 | 154,000円(123,200円) | 1,848,000円(1,478,400円) |
※参考:厚生労働省「令和元年度地域別最低賃金改定状況」より
この中では最も条件の良い時給1,000円だとしても、月収は154,000円、年収は1,848,000円です。
ここで、比較のために、学歴別の一般的な年収を紹介しておきます。
▼平均年収(中卒・高卒)
学歴 | 月額給与 | ボーナス・賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
中学卒 | 280,600円 | 438,700円 | 3,805,900円 |
高校卒 | 296,900円 | 673,700円 | 4,236,500円 |
出典:「2017年 賃金構造基本統計調査」
参考までに中卒と高卒の平均収入を出していますが、フリーターは「稼げない」のが事実です。
年代別の平均年収と平均月収
ここでは、年代別のフリーターの平均年収と平均月収をみていきましょう。
フリーターは、年齢に比例して収入が増えにくい特徴があります。
▼フリーターの年齢別平均収入
年齢 | 平均年収(手取り収入) | 平均月収(手取り収入) |
---|---|---|
20~24歳 | 1,837,000円(1,469,600円) | 153,000円(122,400円) |
25~29歳 | 1,996,000円(1,596,800円) | 166,000円(132,800円) |
30~34歳 | 2,106,000円(1,684,800円) | 176,000円(140,800円) |
35~39歳 | 2,105,000円(1,684,000円) | 175,000円(140,000円) |
40~44歳 | 2,096,000円(1,676,800円) | 174,000円(139,000円) |
※出典:厚生労働省「雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差」より
20代前半と40代前半を比較しても、年収の差はわずか26万円ほどです。
これは月収で比べて約2万円の差です。
長く働いてもそれが収入に反映されにくいのがフリーターの給料事情です。
正社員との年収比較
フリーターの年収をさらに理解するために、ここで正社員の年収と比較したデータを紹介します。
▼正社員とフリーターの年収比較
年齢 | 正社員平均年収(手取り収入) | フリーター平均年収(手取り収入) |
---|---|---|
20~24歳 | 2,098,000円(1,678,400円) | 1,837,000円(1,469,600円) |
25~29歳 | 2,443,000円(1,954,400円) | 1,996,000円(1,596,800円) |
30~34歳 | 2,810,000円(2,248,000円) | 2,106,000円(1,684,800円) |
35~39歳 | 3,130,000円(2,504,000円) | 2,105,000円(1,684,000円) |
40~44歳 | 3,431,000円(2,744,800円) | 2,096,000円(1,676,800円) |
※出典:厚生労働省「雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差」より
20代前半では年収の差は25万ほどでも、30代前半で70万、40代前半で130万以上の差になります。
つまり、若いうちは正社員と大差はなくても、年々その差は広がっていくのです。
- フリーターは年齢と共に給料が上がらない
- 正社員は年齢と共にぐんぐん年収がUP
福利厚生に含まれるフリーターはもらえないお金
企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬
正社員は福利厚生を活用して、以下のような様々な手当を受け取ることができます。
▼福利厚生により受けられる手当金
- 住宅
・寮の提供
・住宅手当(家賃補助)
・社宅
- 健康・医療
・健康診断(法定以上の項目)
・ジムやスポーツ活動に対する補助
- 慶弔・災害
・結婚祝い金
・従業員や家族の死亡時弔慰金
・従業員もしくは配偶者の出産祝い金
・従業員の子供の入学
・成人に対する祝い金
・災害見舞金
・遺族年金
- 育児・介護
・短時間勤務制度
・男性従業員の育児休暇
・託児・保育施設の設置
・ベビーシッター料補助
- 自己啓発
・資格取得支援、受験料補助
・講座、セミナー参加費補助
- 休暇
・法定日数以上の有給休暇
・リフレッシュ休暇
・アニバーサリー休暇
この他に、「失恋休暇」や「お昼寝制度」など、企業独自のオリジナリティの高い福利厚生制度もあります。
これらの福利厚生を受けられる正社員は、やはりフリーターに比べて優遇されていますよね。
フリーターで年収が低いと出てくる6つの問題点
正社員と比較して何かと条件の悪いフリーターは、やはり様々な悩みがあります。
この章では、年収の低いフリーターの抱える問題点を6つ紹介します。
1.結婚できない
まず、フリーターを理由に結婚できないケースがあります。
これは、仮に本人同士が問題視していなくても、親が反対するケースが多いからです。
結婚の際にフリーターに対して厳しい見方をする理由は以下の通りです。
- 生活が安定しない
- 稼ぎが少ない
- 将来も期待できない
やはり経済的な厳しさや不安定さが結婚の際にネックとなってしまうのでしょう。
2.出会いにお金を使えない
フリーターは収入が少なく、マッチングサービスを利用できないと悩むケースもあります。
近年、マッチングアプリや婚活パーティーを通して結婚相手や恋人を探すのは至って普通のことです。
中には、結婚相談所を利用する人もいます。
マッチングアプリや婚活パーティーは、女性無料のものが多いのに対し、男性の利用料金はぐんと上がります。
出会いが欲しいけど、お金に余裕がなく婚活もできない、というのはフリーター男性によくあります。
3.休みが不規則
フリーターは勤務時間が不規則であることから、休みが不規則という悩みもあります。
結果的にシフトに振り回される生活を余儀なくされるケースも多々あります。
生活リズムが整わず身体的に疲れるだけでなく、プライベートの予定も立てにくくなってしまいます。
一方で、正社員は勤務時間固定、固定休がほとんどという特徴があります。
4.基本的に仕事をしている時間が長い
フリーターの中には、仕事が時間が長いと悩む人も多くいます。
フリーターは時間給労働者のため、収入アップのためには長時間労働が必須になります。
特に、設定時給が低い場合はなるべく多くのシフトを入れる必要があります。
その結果、正社員と比べると勤務時間が長かったり休みが少なかったりすることがほとんどです。
一方で、固定月給制の正社員は勤務時間と給料は比例せず、休みの時間も確保されています。
5.昇給には限界がある
先ほど年齢別の年収の話でも触れましたが、フリーターにとっては昇給の限界も大きな悩みです。
フリーターは年齢が上がってもあまり昇給しないのが特徴です。
- 昇給の基準が金属年数ではない
- フリーターは管理役職につくことが困難
役職手当や勤続年数ごとの昇給がある正社員は、時間の経過と共に年収が上がります。
しかし、フリーターにはそれらのチャンスがないのです。
6.フリーターの期間が長いほど正社員移行が難しくなる
フリーターは、フリーター期間が長いと正社員になるのが難しくなるのも悩みです。
フリーターが正社員になることは可能ですが、フリーターとして勤務した期間が大きく影響します。
長くフリーターを続ければ、その分正社員を目指すことが難しくなってしまうのです。
▼フリーター継続期間別に見る正社員移行率
5年以上フリーターをして、そこから正社員を目指そうとしても、その移行率は男女平均で約2割です。
逆に、1年ほどのフリーター期間から正社員を目指せば、移行率は7割近くあります。
正社員になりたいのであれば、なるべく早くフリーター期間を脱却することが重要です。
フリーターが引っかかりやすい高収入バイトの落とし穴
フリーターは収入が少ないことから、高収入のバイトを希望する人が多くいます。
しかし、高収入バイトには落とし穴があるので、注意が必要です!
▼高収入バイトが気になる方はこちら
- データ入力
- コールセンター
- 家電、携帯電話の販売スタッフ
- 飲食店スタッフ
- キャンペーンガール(女性限定)
- コンパニオン(女性限定)
- ガールズバー(女性限定)
- キャバクラ(女性限定)
- キャバクラのホールスタッフ
- キャバクラのドライバー
- 大型車のドライバー
「重労働系」「夜の仕事系」が多いのは一目瞭然ですね。
では、フリーターがこれらの高収入バイトを行う3つのデメリットを紹介します。
肉体労働かつ重労働
時給の高いバイトを探すと必ず多く目にすることになるのが「肉体労働」、「重労働」系のバイトです。
「立ちっぱなしで休憩はほぼなし」、「先輩の厳しい指導」など、根性と体力がないと厳しい仕事です。
- 引越し
- 現場系の仕事
- イベントスタッフ
- 婚礼や宴会での配膳スタッフ
時給が良い仕事にはそれなりの理由があり、簡単に稼げるわけではありません。
身体のリズムや体調が悪くなる
不規則な生活を強いられる「夜のお仕事に関わるお水系」「居酒屋系」のバイトを選んでしまうと体調管理はとても大変です。
- 寝不足
- 体内リズムが狂う
- 自律神経バランスが崩れる
- 風邪をひきやすくなる
体調を崩して働けなくなると一定期間働けないので、結果的に経済的に厳しくなります。
いくら時給が良くても不規則な生活になってしまうバイトは、あまりおすすめできません。
基本的には暗黙の年齢制限がある
高収入バイトの多くは体力が必要なもので、基本的には暗黙の年齢制限が存在します。
求人情報サイトを見る限り年齢制限がなかったとしても、結局は年齢で不採用になることも多いです。
若いうちは高収入バイトを狙って一時的に収入をUPすることは可能です。
しかし、「高収入バイトで稼ぐ」という方法は長くはできないので、期間の区切りをつけておきましょう。
フリーターが年収を増やす方法
高収入バイトがダメなら、どうやってフリーターから高収入を目指すことができるのでしょう。
その方法はシンプルに2つだけです。
- 正社員になる
- フリーランスになる
これだけ見ても、「で、どうすればいいの?」と思いますよね。
この章では、その理由と具体的な方法について解説します。
収入を増やす土台を作るために選ぶ道は2つ
収入を増やすにはフリーターのままではどうしても厳しいと言えます。
将来のために収入を増やすには、「正社員」もしくは「フリーランス」を目指す必要があります。
▼メリットの比較
メリット | |
---|---|
正社員 |
|
フリーランス |
|
※表は横にスクロール可能です
正社員とフリーランスは全くの別物ですが、どちらも将来的な安定が見込める雇用形態です。
収入UPにはフリーランスを卒業して、正社員かフリーランスを目指す必要があるのです。
フリーターからフリーランスにキャリアアップする方法
では、フリーターからフリーランスにキャリアアップしていく方法を考えていきます。
まずは、稼ぎやすい職種を選ぶのがポイントです。
- プログラマー
- コンサルタント
- エンジニア
- 営業
専門スキルが求められる職種もあるので、今すぐにフリーランスに転向!とはいきません。
そのため、以下の手順で踏まえて着実に準備していきましょう。
- 職種選択
- 必要なスキル調査
- スキル獲得手段決定(スクールor独学)
- クラウドソーシングで案件獲得
フリーランスとして独立するスキルや準備が整ったら、後は仕事をゲットするのみです。
どれだけ顧客を増やし、仕事単価をアップさせられるか「能力」と「頑張り次第」です!
最初は時間がかかるかもしれませんが、諦めずに続けることが大事ですよ。
フリーターから正社員にキャリアアップする方法
次に、フリーターから正社員にキャリアアップする方法を考えていきます。
正社員になることができれば、フリーターよりも生活は安定し収入もUPします。
- 勤務先企業の正社員登用制度を利用
- 正社員の求人に応募
- インターンを経た後正社員雇用に応募
しかし、実際中卒や高卒の人が正社員として雇用されている割合は低いのが現実です。
中卒の人は約3割、高卒の人は約5割と専門卒や大学卒と比較して、正社員の割合が少ないことが分かります。
▼正社員雇用者の割合
最終学歴 | 正社員の割合(若年労働者を100) |
---|---|
中学卒 | 35.4% |
高校卒 | 56.3% |
専修学校卒 | 66.6% |
高専・短大卒 | 66.2% |
大学卒 | 80.9% |
大学院卒 | 84.3% |
出典:平成30年「性、年齢階級・在学の有無・最終学歴、雇用・就業形態別若年労働者割合」
フリーターから自力で正社員を目指しても、やり方が分からず挫折してしまう人もいますよね。
そこで、特におすすめなのが「インターンを経験して正社員求人に応募」する方法です。
ここで紹介するのが『リバラボインターンシップ』という2年間のインターンシップです。
- 学歴・職歴に関係なく18~29歳の若者が2年間の長期有給インターンを通し、キャリアを再生するプロジェクト
- 2年のインターンを卒業した後は、転職までサポートあり
- 色々な学習サポートがあり、インターンとして働きながら自分の希望の職を目指せる
リバラボでは「数字で語れる実績」をつくるので、インターン後の転職活動で好条件雇用を狙えます。
将来的に安定した正社員を目指すなら、道が開ける可能性の高いインターンを経験するのが効率的ですよ。
正社員になった後は副業を考えるべき
「正社員として採用されたらもう安泰!」と思ったあなた、現実は甘くありません。
もちろん、正社員はメリットが多く安定した雇用形態であることは事実です。
しかし、正社員だから未来が100%安泰というわけではなく、解雇や倒産のリスクも伴います。
そこで、正社員であっても「副業について考えておく」必要があります。
- 将来的に本業にすることも可能
- 本業に影響のない「自分のペース」で進められるもの
- スキルとして自分の財産になりうるもの
正社員として働きながら副収入を得られますし、正社員の本業を失っても生き残る道を見つけやすくなります。
現在、WEB系の副業(プログラマーやライター業)は、特に人気があります。
理由は、時間や場所を選ばずに働けることや学歴よりもスキルが重視される仕事だからです。
ぜひ、皆さんも一度将来に備えて副業を考えてみてくださいね。
まとめ
この記事では、フリーターと正社員の収入面での大きな違いがあることを紹介しました。
ただ、現在フリーターであっても「努力の方向性次第」では大逆転も可能です。
- 正社員もしくはフリーランスを目指す
- 正社員であっても副業を考える
これからの未来をより輝かしいものにするためにも、なるべく早く行動を起こしましょう。
やるかやらないかはあなた次第ですよ!