「フリーターって年金を払う必要あるのかな、、」
現状の生活があるからこそ、年金の支払いは生活を苦しくします。
しかし、将来的に見て年金がもらえない状況は非常に危険です。
▼日本の平均寿命
平均寿命 | |
男性 | 81.41歳 |
女性 | 87.45歳 |
参照:日本人の平均寿命はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター
上記は日本の平均寿命を表していますが、男女ともに80歳を超える平均です。
65歳以降を老後と考えた時に、15年以上は年金を受け取る期間があることになります。
本記事では、フリーターが年金で困らないよう年金について要点だけをまとめました。
フリーターと正社員の年金受給額
フリーターと正社員では、将来受け取れる年金の金額が変わります。
ここでは、フリーターと正社員で年金受給額がどの程度違うのか、それぞれ例を挙げて具体的な金額を算出しながら比較していきます。
フリーターの平均月収から算出した年金受給額
フリーターが将来受け取れる年金は国民年金のみとなります。
国民年金は「加入期間の長さ」により受け取れる額が変わり、国民年金の受給額は以下の計算式で算出できます。
- 国民年金の受給額
781,700円(老齢基礎年金満額)×加入月間(月数)÷480ヶ月
つまり、20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)、国民年金保険料をしっかり納めた場合には、1年間に781,700円を老後に受け取ることができます。
しかし年間781,700円という額は、月65,000円くらいのものなのです。
月に65,000円で生活する老後は、あまりにも厳しいものだと想像できます。
正社員の平均月収から算出した年金受給額
正社員の場合はどうなのかというと、国民年金+厚生年金が受け取れます。
フリーターが受け取れる国民年金以外に、厚生年金を受け取ることができるため、月65,000円の倍以上の年金を老後に受け取ることができます。
厚生年金の受給額は「報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額」の合計金額となります。
では、25歳から60歳の定年まで年金を支払った月収35万円の正社員の場合でそれぞれを計算してみましょう。
報酬比例年金額
計算方法は以下の通りとなります。
平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×2003年3月までの加入期間月数+平均標準報酬額×(5.481/1,000)×2003年4月以後の被保険者期間の月数
2003年3月までに年金保険の加入期間がないとしたら、
経過的加算
計算方法は以下の通りとなります。
経過的加算 = A – B
A= 厚生年金の定額単価(1,625円) × 全厚生年金加入月数(限度 480ケ月)
B = 老齢基礎年金満額(780,100円) × 20歳~60歳厚生年金加入月数÷480
実際に月収35万円の正社員の場合にどうなるか見てみましょう。
A:1,625円×厚生年金保険加入月数(480ヶ月)=780,000円
B:780,100円×厚生年金保険加入月数(420ヶ月)÷480=682,586円
780,000円−682,586円=97,414円
加給年金額
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算されるもの。
▼加給年金額一覧
対象者 | 加給年金額 | 年齢制限 |
---|---|---|
配偶者 | 224,900円 | 65歳未満であること (大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません) |
1人目・2人目の子 | 各224,900円 | 18歳到達年度の末日までの間の子 または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
3人目以降の子 | 各75,000円 | 18歳到達年度の末日までの間の子 または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
※出典:日本年金機構「加給年金額と振替加算」より
厚生年金の受給額は「報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額」の合計金額となるため、この場合、
1ヶ月あたり93,230円の受給となります。
これに加え、毎月約65,000円の国民保険も受給されるため、正社員が1ヶ月に受け取れる年金受給額は、158,230円となります。
フリーターが知っておくべき2種類の年金
年金には国民年金と厚生年金の2種類があることはすでにご理解いただけたかと思います。
それでは、ここであらためてそれぞれの年金の特徴について紹介しておきましょう。
国民年金
国民年金は、基礎年金とも言われます。20歳から60歳未満の国民全員に加入義務があり、加入期間によって支給額が異なります。
加入期間が満期の40年間にあり、全期間で保険料を納めた場合は満額の老齢基礎年金781,700円が支給されます。
厚生年金
厚生年金保険は、主に会社員や公務員を対象にした年金です。
国民年金とは別で給付されるものなので、厚生年金の受給者は確実に国民年金のみの受給者よりももらえる金額が大きくなります。
また、厚生年金保険の保険料は、金額の半分を雇用主が負担してくれる点も覚えておきましょう。
国民年金は3種類あるけどフリーターはどれに加入するの?
▼年金の種別とそれぞれの対象者
年金の種別 | 対象となる人 |
---|---|
国民年金 | 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人 |
厚生年金 | 厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人 |
共済年金 | 公務員・私立学校教職員など |
※参考:日本年金機構「公的年金制度の種類」より
繰り返しになりますが、フリーターが確実に受け取れる年金は国民年金のみです。
しかし、条件を満たしている場合、フリーターでも厚生年金に入れるケースはあります。次の章で詳しく説明しますね。
フリーターは厚生年金に入れないのか
フリーターは国民年金しか受け取れないと言いましたが、例外があるのです。
その条件とは、「労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上」です。
また、それ以外にも以下の条件をすべて満たす場合は厚生年金の加入が可能です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 従業員数501人以上(500人以下の場合は労使で合意がなされている場合)
- 月給88,000円以上
- 雇用期間の見込みが1年以上
- 学生でないこと(定時制など一部例外あり)
※参考:日本年金機構「社会保険の加入についてのご案内」より
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フリーターが年金を未払いのままにするリスク
フリーターは国民年金を自分できちんと納めなければならないわけですが、「ちょっとお金が今きびしい」などの理由で、その支払いを怠ってしまう場合もあるかもしれません。
しかし、これはリスクがとても大きいため、未納して放置はNGです!
- もらえる年金が減る(もしくはなくなる)
- 財産の差し押さえという強制徴収もあり得る
年金は、「どうせ対してもらえないから払いたくない」などの勝手な判断で支払いをするかしないかをあなたが決めるものではありません。
年金を納めることは国民の義務であり、支払わないという選択肢はそもそもないのです。
フリーターが知っておくべき年金の免除制度
収入が少ないなどを理由に年金の支払いが厳しくなったら、放置せずに年金の免除制度を利用しましょう。
経済的な理由により、保険料を納めることができない場合に、保険料を「全額免除」または「一部免除」する制度。
*免除の承認を受けた期間は、年金を受け取るために必要な期間(受給資格期間)に含まれます。
前年所得が一定の金額以下であれば免除制度を利用できます。お住まいの役所もしくは町村役場の「国民年金担当窓口」にて相談してみましょう。
▼免除が承認された場合の免除額と保険料
全額免除 | 4分の3免除 | 半額免除 | 4分の1免除 | |
---|---|---|---|---|
免除額 | 16,540円 | 12,400円 | 8,270円 | 4,130円 |
保険料 | 0円 | 4,140円 | 8,270円 | 12,410円 |
※参考:日本年金機構「知っていますか?国民年金保険料の免除制度」より
減額されたり免除された分の年金は「追納制度」であとから納めることができます。
追納制度を使えば10年以上さかのぼって未納分を納めることができるため、結果的に「全額納付」を目指すことができるということ。
つまり、年金は何も言わず未納のまま放置するのが最もダメなやり方です。
年金をより多くもらうための方法
将来もらえる年金は多ければ多いほど良いですよね!
では、フリーターが将来の年金受給額を増やそうと考える場合、どのような方法があるのでしょう。
年金受給額を増やす方法は以下の2つです。
- 正社員として就職する
- 厚生年金の加入資格のあるフリーターになる
一般的にフリーターは国民年金しかもらえないことになるため、これを増やすには厚生年金の受給対象になることが必要です。
手っ取り早いのは正社員として就職し直す方法ですが、フリーターのままでも先ほど挙げた条件に該当すれば厚生年金の加入が可能です。
国民年金だけでは将来は安心とは言えません。
今後より多くの年金をもらえるよう、今から対策を考える必要があります。
まとめ
年金のこととなると「正直よく分からない、もしかして未納分があるかも」というフリーターも多いでしょう。
- 年金には種類がある
- フリーターでも厚生年金に入れることもある
- 年金未納の放置はNG
- 免除制度を利用すれば一定期間支払わなくてもOK
この先あなたが歳をとって仕事を辞めたあとの生活が苦しいなんて、考えたくもありませんよね!将来、あなたがより良い暮らしができるよう、年金については今のうちから正しく理解を深めておきましょう!