大学中退者が他大学に編入するための条件と対策

 

「実際大学編入してる人っているの?」

実際、就活のための学歴アップや資格取得のために他大学への編入してる人って結構いるんです。

しかし、大学によって募集人数や試験内容などがバラバラなので、情報収集が難しいのが実態です。

そこで、ここでは「大学中退者が他大学に編入するための条件と対策」を紹介していきます。

 

ダルマちゃん

気になる大学については、なるべく早く調べておこう!

 

編入とは

「編入」とは、習得した単位を活かして(既卒、中退者を含む)別の大学に2年次ないし3年次から入ることを指します。ただし、大学を中退して他の大学に移る人だけが編入者ではありません。

・高等専門学校
・短期大学

などを卒業後、大学に入学する場合も編入といいます。

 

大学中退者は他大学に編入できるのか

大学中退者が他大学に編入するというと、とてもハードルが高いように思えるかもしれませんね。

しかし、現実には多くの人が最初に入学した大学を中退して他大学へ編入している事実があります。

大学編入とは

  • 既に取得済みの単位を活用して他の大学に途中学年から入る
  • 短大卒や高専卒の人が卒業後に大学に入学

 

難しいが不可能ではない

他大学への編入は難しいのは事実ですが、不可能ではありません。

先ほど例に挙げた難関国立・難関私立大学の編入試験の「合格率」に注目してみましょう。

合格率について

合格率=合格者数÷志願者数×100

 

▼難関大学の合格率データ

 

▼難関国立大学合格率

大学名・学部名 合格率
北海道大学教育学部 約35.7%
横浜国立大学経済学部 約8.3%
名古屋大学文学部 約21.7%
京都大学教育学部 25%
筑波大学社会・国際学群 12.5%

出典:大学情報入学図書館RENA「学部編入学の志願者数・合格者数(社会人含む)」

 

▼難関私立大学合格率

大学名・学部名 合格率
青山学院大学文学部 約60.6%
東京理科大学工学部 約44.4%
立教大学文学部 約41.7%
同志社大学文学部 約12.7%
早稲田大学文学部 約33.3%
明治大学情報コミュニケーション学部 約12.7%

出典:大学情報入学図書館RENA「学部編入学の志願者数・合格者数(社会人含む)」

 

上記の数字を見ていると、「案外合格率はそれほど低くない大学も多い」と感じますよね。

例えば青山学院大学文学部においては、約60.6%と高い合格率となっています。

このように、同じ「難関大学」でも、合格率は60%を超えるところや10%を切るところがあります。

これは大学の難易度ではなく、人気の度合いに左右される場合が多いと考えられます。

 

編入の募集人数と倍率

 

▼各大学の募集人数と倍率

 

▼難関国立大学編入学試験の募集人数と倍率

定員 志願者数 合格者数 倍率
北海道大学教育学部 10人 28人 10人 2.8倍
横浜国立大学経済学部 15人 193人 16人 12.9倍
名古屋大学文学部 10人 60人 13人 6倍
京都大学教育学部 10人 20人 5人 2倍
筑波大学社会・国際学群 10人 80人 10人 8倍

出典:大学情報入学図書館RENA「学部編入学の志願者数・合格者数(社会人含む)」

 

▼難関私立大学編入学試験の募集人数と倍率

定員 志願者数 合格者数 倍率
青山学院大学文学部 20人 33人 20人 1.65倍
東京理科大学工学部 若干名 9人 4人
立教大学文学部 若干名 12人 5人
同志社大学文学部 若干名 55人 7人
早稲田大学文学部 若干名 12人 4人
明治大学情報コミュニケーション学部 若干名 63人 8人

出典:大学情報入学図書館RENA「学部編入学の志願者数・合格者数(社会人含む)」

 

大学編入の募集人数や倍率を見ると、わかってはいてもやはり厳しい現実を目の当たりにします。

  • 募集人数は「若干名」など曖昧
  • 上位大学の倍率は5倍超えが多い
  • 合格者が0名というデータもある

具体的な数字を見てみるとわずかな定員枠にたくさんの志願者数がいることが分かります。

また、合格者を必ず明記しているわけではなく、編入者の正確なデータを出すことはとても困難です。

 

コロナ禍は学歴よりも職歴・スキルの時代

コロナの影響で日本企業を取り巻く環境は、以下のように一気に変化しました。

  • リモートワークの推進
  • 社員を正社員雇用から個人事業主へ
  • 副業OK

これまで定時制で通勤していた会社員は自由な場所で仕事ができる環境になり、副業OKの会社も増えました。

会社によっては正社員という雇用形態ではなく、社員を個人事業主化する企業も出てきています。

このような社会の風潮になると、大事なのは学歴よりも個人でどれだけ戦えるかです。

新しく大きな制度改正をして、個人の力で戦っていく制度を設けた事例を紹介します。

大手広告会社の「電通」です。

電通の取り組み
  • 希望する社員は一度退職した上で個人事業主へ
  • 固定報酬は段階的ダウン、インセンティブ報酬は段階的アップ
  • 2021年1月から社員全体の3%程度(約230人)へ導入
  • 一個人として社外での仕事が可能

このように社員を個人事業主化する動きは他の企業でも推進され、今後一層増加していく流れです。

個人への評価は、社会で使えるスキルと実績があるかという部分がフォーカスされ始めています。

以前は企業名や学歴という分厚い壁に守られていた人々が、自分の身一つで勝負する時代になったのです。

これは、中卒や高卒の人にとっては大きなチャンスです。

実際社会で通用する高いスキルと実績があれば、大卒以上に求められる人材になれるチャンスがあります。

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ダルマちゃん

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他大学に編入するための条件

中退者が他大学に編入するには、何が必要なのでしょう。ここでは他大学に編入するための条件に注目しました。

  • 入学できる学年
  • 編入に必要な単位と在籍期間
  • 他に必要になる可能性がある資格

以上の3つの項目ごとに細かくみていきましょう。

 

入学できる学年

編入学には、2年次編入、3年次編入、4年次編入があります。

しかし、多くの大学が3年次編入を採用しています。

そのため、編入するには大学1、2年次を修了した人もしくは、修了する見込みがある人が受験するケースが多いです。

しかし、各大学によって細かな条件は異なるため、目指す大学の条件を事前に調べる必要があります。

 

必要な単位と大学在籍期間

編入に関しては文部科学省によりルールが定められています。

大学への編入学は、法令上以下のいずれかに該当する方にのみ認められます。

  • 専修学校の専門課程(修業年限が2年以上、総授業時数が1,700時間以上又は62単位以上であるものに限る)を修了した者(法第132条)
  • 修業年限が2年以上その他の文部科学大臣が定める基準を満たす高等学校専攻科修了者(学校教育法施行規則第100条の2)

出典:文部科学省ホームページ「大学への編入学について」参照

この他に条件が設定されている大学もあるので、事前の確認が必要です。

 

英語の資格取得が必要な場合がある

他大学に編入するにあたり、英語の資格取得が必要なケースもあります。

資格として最も一般的なのはTOEICです。

TOEICのスコアの目安

  • 600点以上
  • 難易度の高い大学であれば700点・800点以上

例えば名古屋大学経済学部第3年次編入学生募集要項には以下の記載があります。

TOEICまたはTOEFLを2016年10月4日以降に受験し、次の得点を取得していること。

  • TOEIC:590点以上
  • TOEFL-PBT:500点以上
  • TOEFL-iBT:61点以上
  • TOEFL-CBT:173点以上

出典:2019年度名古屋大学経済学部第3年次編入学生募集要項

英語が苦手であればなるべく早い段階から対策方法を探し、準備をしっかり進めていきましょう。

 

大学編入試験はどんな内容なのか

大学編入試験には、2種類の試験が存在します。

  • 筆記試験
  • 面接試験

この章では、筆記試験の難易度と面接のポイントについてまとめていきます。

この章の注意点

3年次大学編入する場合の大学編入試験内容を解説

 

3年次編入の筆記試験の難易度は大学3年次終了レベル

3年次の大学編入の筆記試験の難易度は大学3年次終了レベルです。

その場合3年までに学習するレベルの内容はしっかりと理解しておく必要があります。

編入時の筆記試験の内容は「専門科目+英語」となっており、ポイントは以下です。

  • に関わりのない科目の出題がない
  • 難関大学ほど試験の難易度が上がる
  • 専門科目に関する深い知識が問われる
  • 正答率は7割から8割が合格基準(目安)

試験科目は減りますが専門性がより問われるため、入念に対策をとっておく必要があります。

 

面接では志望動機が最重要視される

一方、面接においては志望動機が最も重要視されます

編入時の面接時によく聞かれる質問
  • 大学・学部の志望理由
  • 大学卒業後の進路
  • 大学で研究したいこと
  • 以前の大学生活で重要視したこと

これらの項目についてはほぼ確実に聞かれることが多いため対策が必要です。

「この大学でしか叶えられないこと」をしっかりと回答に盛り込みましょう!

 

大学中退者にとって編入は就職活動に影響するのか

大学中退者が他大学に編入すると、就職活動においてどのような影響があるのでしょう。

では、大学を中退した人が他大学へ編入したことが就活に及ぼす影響について解説していきます。

 

学歴が大学中退から大卒に変わる

編入して他大学を卒業すれば、最終学歴は「大卒」になります。

就職活動において、大学中退者はネガティブなイメージで不採用になることも少なくありません。

大学中退者は、就活の際に様々な壁にぶち当たります。

  • 中退というだけの理由でエントリー付加
  • 書類選考を通過できない
  • 面接で中退理由を説明できない

しかし、大卒の学歴さえ持っていれば最初からこれらの難関に悩むことはありません。

 

明確な目的を持った編入はプラスに働く

他大学への編入が「明確な目的」があったとすると、就活でプラスに作用することもあります。

就職活動をしていく中で、大学中退から他大学へ編入したことに対して企業が理由を聞いてくることがあります。

しかし、「目的を持った中退、編入」であれば、逆に良い印象を与えられるので心配ありません。

 

単位取得に追われて就職活動が普通よりも忙しくなる

仮に一般的な3年次編入をしたなら、3年生は単位の取得に追われて普通より就職活動が忙しくなります。

編入後は単位取得はもちろんのこと、将来を見据えた就職活動にも力を入れなくてはいけません。

就職活動はやることが何かとたくさんあり、編入した人はかなり忙しくなるでしょう。

  • 企業のリサーチ
  • 履歴書の作成
  • 面接や筆記試験の受験

編入後の単位取得や就活の忙しさも含めて、編入するべきかを判断しなければいけませんね。

 

大学中退者が編入学試験を受験する際にやるべき対策

大学中退者は他大学に編入しようとするとあらかじめ準備しておかなければならないことがあります。

この章では必ず必要な準備を8つの項目に分けて紹介します。

 

編入学したい大学を決める

まずはどの大学に編入したいのかを決めましょう。

大学選びのポイントは以下の通りです。

  • どのようなスキルを身につけたいのか
  • 卒業後に目指す職種は何か
  • 編入の条件を自身が満たしているか

大学によって編入試験を受けることができる条件は微妙に異なります。

あなた自身が目指せる大学を絞り込んだ上で、どこの試験を受けるか選ぶと良いでしょう。

 

編入学試験の試験科目を確認する

編入希望先の大学が決まったら、次に確認すべきは試験内容です。

試験科目は大学毎にHPで調べることができ、学部ごとのチェックも忘れずに行いましょう。

例えば学習院大学文学部の編入試験の詳細を見ようとする際には、

  1. 学習院大学のホームページを見る
  2. 入試情報→入試概要→編入学
  3. 文学部の学生募集要項を確認

このようにして見ていくと、必要な単位数やその他条件を詳しく確認できます。

 

編入したい大学の授業で使われている教科書を確認する

編入の際に受験する筆記試験は基本的に、専門科目と英語の2種類です。

特に専門科目においては編入時にすでに1年と2年で学ぶ内容を理解しておく必要があるケースが多いです。

そのため、編入したい大学の授業で使用されている教科書を使って勉強する必要があります。

それぞれの大学の入試対策の参考書はあっても、編入試験に特化した参考書はほぼありません。

入試対策の参考書だけでは編入試験に不十分である場合も多いため、教科書を確認しましょう。

 

編入したい大学の過去問を確認して試験範囲を確認する

編入試験に関しては過去問が本屋などで市販されていることがほぼありません。

下記のいずれかの方法で入手する必要があります。

  • 大学から郵送で取り寄せる
  • 直接大学に出向き入手する

しかしながら編入の筆記試験対策に過去問はとても有効です。

どのような問題が過去に出題されたかを見ることにメリットがあります。

  • 出題傾向を理解できる
  • 出題範囲がわかる

 

一度過去問を解いて難易度を掴む

過去問を入手したら、実際に問題を解いてみてその難易度を掴んでおくことも必要です。

実際に解いてみることで、難易度を感覚的に理解することができます。

過去問は一度解いてみた後に、分からなかったところを強化していくことができます。

本番さながらの気持ちで過去問を解いてみて、自分の苦手分野を把握しましょう。

 

試験までの期間の5分の3を基礎固めに使う

大学の編入試験は難易度が高いイメージがありますが、専門科目試験の難易度は基礎レベルである場合は少なくありません。

しかし、難易度は受験する学部や学科や大学自体のレベルによって大きく異なります。

ですが、全体に共通して「基礎が肝心」であることは確かです。

つまり、試験対策に関しては「基礎固め」に注力するのが最も効果的です。

試験までに残された期間の「5分の3」を基礎固めに使う気持ちで取り組むのがおすすめです。

 

改めて過去問を解いて差分を確かめる

基礎固めを強化的に行い、苦手分野の強化に努めたら、もう一度過去問を解いてみましょう。

  • ミスを克服できているかを確認
  • 問題に慣れてきているかを確認

実際、過去問と似たような試験内容が出題される可能性はとても高いです。

この段階で過去問をすらすらと解けるようになっていれば、きっと本番も乗り越えられるはずです!

最初に過去問を解いた時との感覚や結果の比較のために、再度過去問を解くことはとても大切です。

 

分からない範囲を残りの5分の2の期間で徹底的に対策する

基礎固めをした残りの5分の2は「自分が苦手だな、これは分からなかったな」と感じている部分にあてましょう!

つまり、苦手分野の克服にあてる時間が5分の2となります。

当たり前ではありますが、「すらすらと解ける問題」を何度もトレーニングする必要はありません。

苦手な部分を洗い出し、その項目を強化する時間をきちんと確保しましょう。

これで筆記試験はしっかり対策できるはずです。

 

まとめ

大学の編入は、倍率や難易度がはっきりと見えないため不安な気持ちになってしまうかもしれません。

しかし、大学中退で終わることと比較すれば、他大学に編入することで得られるメリットは大きいです。

他大学編入で得られるメリット
  • 学歴が大学中退から大卒へ!
  • 編入目的が伝われば就活で好印象に!
  • 就職に役立つ資格やスキルゲット!

就職活動をする上で他大学に編入するメリットは大きくその価値は高いものですが、そこには苦労もあります。

受験に伴う苦労と自分の将来像を比較して、自分にとって最良の道を進むことが何よりです。

 



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