仕事をなかなか覚えられないと感じて、日々不安や焦りを抱えている人は多いかもしれません。仕事を覚えられないのはなぜなのか、その原因を知り、適した対処法を把握することで、悩みが解消に向かう可能性が高いでしょう。
仕事が覚えられない人は多い
社会人経験がそれほどない人にとっては特に、仕事を覚えることはそんなに簡単な話ではないでしょう。そう感じる人が自分だけではないと知るだけでも、少し気持ちが楽になるかもしれません。
仕事に慣れるには時間がかかる
新しい環境で初めての仕事を一から覚えていくのは、どんな人でも時間がかかるものです。効率的に仕事を覚えるためには、まずは職場に慣れ、わからないことがあったときに誰に聞けばいいのかを理解しておく必要があります。
職場に慣れてきたと感じるタイミングは人それぞれですが、『3カ月以上経っても職場に慣れない』と感じている人は、20％以上とけっして少なくないのです。
そのため、自分だけが周りにおいていかれていると、後ろ向きに考える必要はありません。自分のペースで少しずつ慣れていきましょう。
自分に向いていない仕事の可能性もある
あまりにも長期間にわたって仕事を覚えることができないのであれば、そもそも自分に向いていない仕事をしている可能性があります。
例えば、人と接することが苦手な人にとって、営業職や接客業といった人と関わることが前提の仕事は苦痛に感じる原因となります。仕事へのモチベーションが上がらず、業務を覚えることすらも嫌になってしまう可能性があるのです。
仕事へのモチベーションが上がらないと感じるときは、一度自分の性格や能力について見直し、今の仕事が自分に合っているのかを考えてみましょう。場合によっては転職を視野に入れる必要があるかもしれません。
仕事が覚えられない原因
仕事が覚えられないことには、必ずなにかしらの原因があります。仕事が覚えられない原因として、以下の三つを紹介します。
記憶力の問題
まずは記憶力の問題です。人間の記憶力には個人差があるため、記憶力がよくないと自覚している人は、「ほかの人は覚えられているのに自分だけが覚えられない…」と、不安や焦りを感じる大きな要因となります。
とはいえ記憶力がよい人でも、それを過信しすぎるのはおすすめできません。人間はコンピュータとは違い、一度記憶したことでも、徐々に忘れていってしまうからです。
そのため、必ずメモを取り、後から見返せるようにしておくことが重要なのです。
優先順位をつけるのが苦手
入社して間もないころは、新しい仕事が次々に舞い込んできて、複数の仕事を同時に進めなければならない場合も多いものです。
そんなときに、なにから片付けていくべきかという優先順位づけが上手くできないと、先に手元にあった仕事が上手く進められないうえに、新しい仕事も覚えられないというスパイラルにハマってしまうことになります。
自分の抱えている仕事が多くなってきたなと感じたときは、仕事を一つずつ書き出し、それぞれについて『いつまでに』『なにを』『どうするべきか』を整理しましょう。
わからないことを放置している
職場に慣れていないうちは、「誰になにを聞けばいいのかわからない」「あの人に聞くのはちょっと怖いな」と感じる場面もあるでしょう。
しかし、わからないことをそのまま放置してしまうと、仕事の効率が下がるだけでなく、予期しない大失敗につながるおそれがあります。遠慮せずに、素直に質問することがなによりも大切です。
どうしても聞くのが怖いという場合は、自分が話しやすいと感じている同僚や先輩にそのことを相談し、別の解決策を一緒に探してみるのもよいかもしれません。
会社に問題がある場合も
仕事を覚えられない原因は、自分だけでなく会社側に問題があるケースも考えられます。職場環境を見直してもらうか、最悪の場合、転職を検討することも視野に入れておきましょう。
覚えることの量が多すぎる
どれだけしっかりメモを取っても先輩や上司についていけないと感じるのであれば、覚えなければならないことの量が多すぎるのかもしれません。
社会経験が少ないうちは、自分が受け持っている仕事が多いのか少ないのかすらわからない、という状態の人もいるのではないでしょうか。
そういうときは、社内の同僚だけでなく、学生時代の友人や家族に一度相談してみましょう。客観的な意見を取り入れると、自分では気づけなかったことにも気づけるはずです。
教育制度に問題がある
仕事内容についての説明を受けても、言っていることが理解できない、何度も質問してしまうのであれば、社内の教育制度になんらかの問題がある可能性があります。
先輩や上司の教え方が下手というケースも考えられますが、『マニュアルが用意されていない』『フォローする体制が整っていない』という状況も考えられます。
あまりに教育方法に問題があると感じるようであれば、教育担当者以外の人に一度相談してみましょう。それにより解決できることもあるはずです。
長時間労働などで効率が落ちている
仕事を覚える効率が、入社当初に比べて明らかに下がってきていると感じるなら、それは長時間労働が原因かもしれません。
仕事の効率が落ちてくると、自分のやっていることに自信が持てなくなり、仕事に対するモチベーションが下がり、最悪の場合「仕事に行きたくない」「辞めたい」とさえ感じてしまう結果になるでしょう。
一度休暇を取って、疲労回復と気持ちの切り替えができればそれに越したことはありません。しかし疲労がたまりすぎると、そういった判断もできなくなってしまう可能性があります。
なにかおかしいなと感じたら、その時点で転職活動を始めるか、上司や先輩に相談してみましょう。
仕事を覚えるための対策
仕事を覚えるために自分ですぐに試せる対策はいくつかあります。「なかなか仕事を覚えられない」と感じている人は、一度試してみましょう。
メモをこまめに取る
仕事を始めて間もないころや、新しい仕事を任せられたときは、メモをこまめに取るよう心がけましょう。
メモを取る際には、要点を押さえながら書くことが大切です。『いつ書いたのか』『その作業はいつまでに終わらせるべきなのか』もあわせて記入しておくと、見返したときに考え込むことなく実行に移せます。
『いつまでにやればいいですか？』と質問し、作業の納期を必ずメモしておくようにしましょう。
仕事の流れを意識する
仕事をなかなか覚えられないときは、一度全体の流れを観察してみることで、効率的に覚えられるかもしれません。
一つのことに集中してしまうと全体像が見えなくなり、結果としてわからないことが増えてしまっているというケースは珍しくありません。
目の前の仕事が、所属している部署でどのような役割を果たすのか、会社・業界・社会においてどのような価値を持っている仕事なのかと、視野を広げて考えてみましょう。
そうした視点から仕事を観察してみると、自分がその仕事をやる意義ややりがいを感じられるきっかけにもなるでしょう。
任せられた仕事の表面的な内容だけでなく、ほかの仕事との関連性や目的、意図など踏み込んで考えてみましょう。そうすれば、「覚えなければいけない」と特別に意識しなくても、自然に理解できるようになるはずです。
密にコミュニケーションを取る
仕事を進めるうえで、周囲との密なコミュニケーションは欠かせません。しかし新しい環境で自分からコミュニケーションを取るのは、どうしても恥ずかしさや怖さを感じてしまうものです。
まずは日々の挨拶や世間話など、簡単なコミュニケーションから始め、仕事に関する質問をしやすい雰囲気や関係性を作っていきましょう。
いろいろ試してみた結果、仕事が覚えられないと悩んでいる人は、仕事ができる人にアドバイスをもらうことで、効率的な仕事の覚え方を聞き出せるかもしれません。
原因に合わせた対策をして仕事にのぞもう
仕事を覚えられないという悩みを抱えているときは、まずその原因を探り、原因に合わせた対処法を試してみましょう。
自分の力ではどうにもならない問題がある場合、無理に仕事を続けるのではなく、休暇や休職も必要です。一度仕事から距離を取り、客観的に労働環境を分析してみることで、なにかわかることがあるかもしれません。
どれだけ努力をしても仕事が覚えられないときは、そもそもその仕事が自分に合っていない可能性も考えられます。疲労感や心身の不調が続いている場合には、転職も視野に入れておきましょう。
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